【米国株】コカ・コーラ(The Coca-Cola Company:KO)の銘柄分析【連続増配銘柄】

いつもシェアありがとうございます。シェアボタンはこちらです。

今回はコカ・コーラのファンダメンタル、チャート分析記事です。バフェット銘柄としてもお馴染みですね。

連続増配銘柄としても以前ご紹介しました。

米国株50年以上連続増配銘柄一覧(コメントつき)
こちらの米国株版となります。 25年連続増配版も記事作成しました! 10年以上連続増配銘柄で記事書きました! ...
スポンサーリンク
レクタングル大

コカ・コーラ(KO)の事業内容

ビジネスを3Cで分解してみましょう。

事業内訳

コカ・コーラの事業形態は、原液の供給と製品企画を行う本社(コカ・コーラ)と、製品の製造・販売を行うボトラー社に分かれています。これをボトラー制度と呼び、要はフランチャイズ契約(というかフランチャイズの先駆け)です。原液のみの配送に絞ることで輸送コストカット=原価削減と大規模な現地生産現地消費による加速的な普及を促しました。

下の図は日本コカ・コーラのものですが、日米どちらも基本的な仕組みは一緒です。ただ、米国本社はボトラーを自社内に抱えている状況で(設備投資の刷新等の理由でフランチャイズ化していた主要ボトラーを再取り込み)、ここ最近再フランチャイズ化の動きを見せています。

(出典:日本コカ・コーラ株式会社)

ちなみに、日本コカ・コーラは米国本社にロイヤリティを払っています。ここらの親子関係はヤフーとかと同じですね。

※参考:再フランチャイズ情報(IR情報から)。再フランチャイズによって本社売上高は6割くらいになるみたいです。代わりに利益率は一層改善され、スリムな経営体質を獲得すると。

(出典:The Coca-Cola Company)

実はコーラ以外にも

ノンアルコール分野で多数のメガヒットを出しています。日本だといろはす、爽健美茶、綾鷹なんかもコカ・コーラブランドですよね。

世界ブランドだとファンタとかスプライト他、20を超えるビリオンダラー・ブランド(年間売上高10億ドル以上)を有しています。コカ・コーラZeroやダイエットコークなどの健康志向に合わせた新製品投入もしています。

(出典:The Coca-Cola Company)

原価率

コカ・コーラのビジネスは典型的なコモディティ業界である飲料水事業であり、主な費用は製造コストになります。ということで原価率が重要になるのですが、コカ・コーラの原価は炭酸水、原液(糖分、香料、着色料他)、ペットボトルでせいぜい20円程度と言われています。対して自販機やコンビニでの単価は100円~150円くらい。おまけに製造する部分のコストはコカ・コーラにほぼかからないという、高い利益率も納得のビジネスモデルです。

マーケティングによる差別化=ブランド化

こうした差別化の難しい商品を売り出すために必要なのが広告宣伝、マーケティングです。

コカ・コーラっていかにもアメリカっぽい印象ありますよね。本当はちょっと変わった味のするただの炭酸水なんですが、世界中どこの自販機に行ってもコカ・コーラがないということは考えられません。コカ・コーラはマーケティングに強みがあり、後発から入って市場を奪ってしまうビジネスを得意としています。

バフェットが好む消費者独占力は、広告宣伝によって確立したブランドがもたらすものです。

実際、2016年の世界的なブランドランキングでは3位になりました(いくつか同様のランキングがありますが、だいたい13年まではずっとトップだったのです)。ちなみに1位アップル、2位グーグル、4位マイクロソフト、5位トヨタですよ。

※ペプシ・コーラ対抗でニューコークという長年守り続けてきたコーラの味を変えるというマーケティングの失敗もやらかしていたりします。

また、「ワンブランド」戦略によって、これまで複数あったコカ・コーラ商品を一つにまとめようとしています。

競合

代表的なのはコーラを始めとした各種飲料水でペプシ・コーラ(PEP)、ドクターペッパー・スナップル・グループ (DPS)、飲料水でネスレ他多数の企業と競合しています。

いくつかの企業は別途記事にしようと思っていますが、ペプシ・コーラは傘下にある世界最大のスナックメーカー「フリトレー」が好調で、お菓子部門が強いです。また、ここはかつて有していたヤム・ブランズ(ケンタッキーやピザハットのチェーン経営)をスピンオフしたりと、経営が上手いのはペプシ・コーラのほうです。ついでに言うと飲料+食品だとコカ・コーラを上回り、ネスレに次ぐ世界2位になります。

ドクターペッパーも聞いたことあると思います。ドクペ人気ありますし。売っているところが少ないですが、ずっと3番手をキープしています。

コーラの世界シェアを色分けすると下の図になります。アメリカ、日本、ヨーロッパはコカ・コーラで、インドや東南アジア、アフリカにペプシ・コーラというように分けれています。

もちろん世界首位はコカ・コーラで、世界2位がペプシ・コーラです。

炭酸飲料シェアをパーセント表示するとこんなもん(アメリカ)。コカ・コーラが42%、ペプシ・コーラが27%でした。

(出典:Statista)

飲料水全体でシェア出したものは見つかりませんでした……。缶コーヒーで有名なスイスのネスレ、エナジードリンクのレッドブルあたりは有力な競合ですね。ネスレはADRで買えるので、一つの選択肢としていいですね(NESN)。

市場

飲料水市場は生活必需品の一つですので、人口成長とともに底堅い推移をします。あとは消費者嗜好の変化や調達コストの増減が市場を変化させる要因になりますが、基本的には低成長のコモディティ業界であり、シェア上位企業は非常に安定した業績を誇ります。

→ムーディーズジャパンの飲料水業界レポート

コカ・コーラは炭酸飲料市場でシェア50%を超え、世界中どこでも販売されています。逆に水やスポーツドリンクのようなソフトドリンク系はまだ15%と拡大余地があると考えているようです。

(出典:The Coca-Cola Company)

まあ、実際縮小市場の炭酸飲料と、成長市場の清涼飲料水という分け方になるでしょうか。いくつかの調査を見ましたが、「無糖」「コーヒー」「お茶」は市場拡大が続く傾向があるようです。→詳しめのレポート

日本市場のデータ(生産量ベース)ですが、飲料水全般として整理されたものがあったので置いておきます。

あるいはこちらがノンアルコール飲料ごとの世界シェアですね。「カーボン(Carbonated)~」って書いてあるのが炭酸飲料です。

コカ・コーラも消費者志向に合わせて変化を図ります。

(出典:The Coca-Cola Company)

売上地域の内訳は、15年のアニュアルレポートから以下の通り。

(出典:The Coca-Cola Company)

ざっくり言って、半分がアメリカ、もう半分がそれ以外となっています。ということはドル高で決算にマイナス影響があるということです。推移で見るとアジアで減ってきていて、アメリカで増えてきているというデータです。

ところで、以下の営業利益率の内訳を見るとアメリカよりもヨーロッパのほうが大きいです。ボトラー事業を抱えているかフランチャイズ化しているかの違いでしょうか。

(出典:The Coca-Cola Company)

リスク要素

健康志向による炭酸飲料の売上減少

上でも見てきた通り、炭酸飲料のシェアは減少傾向にあります。少し裕福になってきて、まあ健康志向とかその辺を気にする人が増えてきたということでしょう。

といってもそんなに問題と思っていません。一つはコカ・コーラの味、ブランドに信頼があるということ(なんか飲みたくなる味ですし)、もう一つは炭酸飲料以外のブランドを強化していることです。

健康志向というと、よく行動経済学でタバコにおける選択の失敗が事例になります。これは将来健康被害がある(大きな効用)と分かっていても、今いい思いをするほう(小さな効用)を選んでしまうという合理性の限定性が浮かび上がるものです。このため、「タバコを吸うことは格好悪い」という即時的な効用を下げる施策が効果ありとされています。でもコーラにそんなマーケティングされませんよね。

むしろこうして健康被害に懸念がされるたびにコカ・コーラの株価が下がり、利回りが上がり、買い増しがしやすくなります。

そうして過去どの銘柄よりもアウトパフォームしたのがアルトリアグループ(フィリップ・モリス)だと私達はよく知っているはずです。健康志向による売上減少は懸念されるポイントではありますが、投資機会を呼び込むという点で適度に喧伝してもらいたいと思います。

ジェレミー・シーゲル「株式投資の未来」を読む
色々と米国株も調べて、もう一度読んでみようと思って引っ張り出してきました。資産形成をする上で必読の本で、含蓄のある内容が詰まっています。個人...

配当の減少

高利益率=キャッシュの源泉であったコーラ販売数が減少することで、(利益率の低い飲料水市場等で)ビリオンダラー・ブランドを生み出しているとしても連続増配が出来なくなるリスク。

下で見ますが、配当性向は50%程度のため、利益半減でもなんとか捻出出来る状態です。当面は問題ないかと思います。

競合との競争

もう寡占が進んでしまっており、かつてのようなマーケティング競争はないんじゃないかなと思います。

ドル高の影響

国外売上高が大きいため、決算においてドル高の影響を大きく受けます。調達コストについてはフランチャイズ制度のおかげで為替影響は小さいです。

コカ・コーラ(KO)の財務分析

PL

12年度をピークに売上は減少しています。炭酸離れは社会のトレンドなので仕方ない部分はあり、ボトラーの再フランチャイズ化で一層売上は減少することが予想されます。利益も若干減少傾向にあります。

それでも営業利益率はコモディティ業界とは思えない高水準で、いい商売してることが分かります。ROEも20%後半と非常に高いです。

BS

思ったより自己資本比率は低いなという印象。米国コカ・コーラはまだボトラーを抱えているため、固定費が結構かかるということでしょうかね。

CF

キャッシュリッチな企業で、非常に安定したフローと、非常に少ない投資キャッシュフローが見えます。新商品開発、マーケティングに使う以外に使い道はないので、多くの余剰キャッシュは投資家に還元します。

株主還元指標

53年連続増配銘柄ということでDPSは一律的な右肩上がり、しかしながら配当性向はまだ50%~60%程度とまだ余裕があります(直近は80%近くまで上がってしまっていますが)。

そして配当とほぼ同額の自社株買い戻しを毎年行っており、総還元性向は100%を超えていました。キャッシュは当分困らない企業なので、しばらくは継続した増配が期待出来る企業だと思います。

コカ・コーラ(KO)のチャート分析

とりあえずリアルタイムチャートのリンク置いておきます。

コカ・コーラ(KO)-Yahoo!ファイナンス

過去の最高値、最安値

長期でみるとやや高値圏にはあるのですが、レンジがそもそも狭いんですよね。中央で32.5ドルなので、もう少ししたらやって来る水準です。

  • 最高値:46ドル(16年)
  • 最安値:19ドル(03年)

2008年以降のリーマンショックでも過去の安値はキープする底の堅さはさすがディフェンシブ銘柄という感じですね。

今後の値動き予測

5年チャート

10~12年で跳ね上がった後のチャートなので、さらに狭い10ドル幅をヨコヨコしてます。

1年チャート

直近一年はずっと下落トレンドで、ズルズル落ちてきました。明らかに40ドルに壁があって下げ止まりつつありますが、ここは割りそうです。まあ割ったところで38ドルあたりでまた壁ですが。

1か月チャート

さらに短く、直近一か月チャートだとこんな感じ。これだけだと方向性が見えませんが、3回目のチャレンジで40ドルの壁を下に突破していくかなと(直近決算も微妙な感じだったことも手伝って)。

競合との比較

上が最大、下がここ10年での比較です。ずっと持ってたら162倍+配当だったんですね。昔は0.2ドルとかだしね。

コカ・コーラ(KO)の投資戦略

まとめてみましょう。

  • ブランドランキング上位常連で、世界最大の炭酸飲料メーカー
  • 健康志向もあって炭酸飲料市場は縮退しているが、コカ・コーラには他に20を超えるビリオンダラー・ブランドを有している
  • 競合はペプシ・コーラやドクターペッパー
  • 売上高の半分は米国、半分は海外で稼いでいるが、米国の利益率は低い(ボトラーを抱えているせい?)
  • キャッシュリッチな企業で、53年連続増配銘柄
  • チャートを見ると25ドルの狭いレンジに20年

回答

普通に買える水準まで落ちてきました。36、38ドルあたりに小さめの抵抗があるので、戦略見合いで買うポイントになると思います。全体的に見れば少し高めですが、36ドルなら少額で指値置いといていいかなという印象です。

私はリスク管理するためタイミングを絞る派ですが、買い増しや出口戦略は自分の投資ルールの中で決めればいいと思います(それらを決めてから、どのポイントで買うべきか考えられるわけです)。

例えば下がっても上がっても定期的に買い増し(配当再投資)する人は、一回目の買いポイントを絞る意味はありませんし、この水準で買っていいと思います。

これだけ値幅が狭く値動きが安定していると、1ドル2ドルのタイミング投資よりもさっさと投入してあとは機械的に再投資してたほうが簡単だし効果的なことも多いです。こういう永久保持銘柄はどうせ売りませんし、複利効果を早くから得て損益分岐点を下げればすぐ取り返せると思えば。

一方で、タイミング投資はバフェット的な考え方です。私はタイミング判断にチャートを重用しているので、またちょっと違うのかもしれませんが……。


今までで一番グラフが多い記事になった気がする。


これまで調査してきた米国株の個別銘柄記事リストをまとめました! 企業名クリックで各詳細記事に飛ぶことが出来ます。

企業名
(リンク先は分析記事)
ティッカー業種区分主力事業、ブランド
アマゾンAMZNITネット小売、クラウド
アルファベット/グーグルGOOGLIT広告(検索)、AI
アップルAAPLITiphone
マイクロソフトMSFTITOS、Office365
フェイスブックFBIT広告(SNS)
IBMIBMITクラウド、AI
インテルINTCIT半導体(PC、サーバ)
クアルコムQCOMIT半導体(モバイル)
エヌビディアNVDAIT半導体(GPU)
オラクルORCLITソフトウェア(DB)
シスコCSCOITネットワーク機器
ビザV金融決済インフラ
マスターカードMA金融決済インフラ
アメリカン・エキスプレスAXP金融決済インフラ
スタンダード&プアーズSPGI金融格付け機関
ムーディーズMCO金融格付け機関
ウェルズ・ファーゴWFC金融商業銀行
AT&T T通信モバイル通信
ベライゾン・コミュニケーションズVZ通信モバイル通信
ネットフリックスNFLX通信動画配信サービス
ジョンソン・エンド・ジョンソンJNJヘルスケア医薬品(ステラーラ)、バンドエイド他
メドトロニックMDTヘルスケア医療機器(ペースメーカー他)
アボット・ラボラトリーズABT/ABBVヘルスケア栄養補助食品、医薬品(ヒュミラ他)
ブリストル・マイヤーズ・スクイブBMYヘルスケア医薬品(オプジーボ他)
ファイザーPFEヘルスケア医薬品(プレブナー、リリカ他)
メルクMRKヘルスケア医薬品(キイトルーダ他)
ギリアド・サイエンシズGILDヘルスケア医薬品(ハーボニー他)
CVS ヘルスCVSヘルスケア薬局、PBM
ユナイテッド・ヘルスUNHヘルスケア医療保険、PBM
P&GPG生活必需品ビューティー(パンテーン、SK-II)他
ユニリーバUL生活必需品パーソナルケア(Dove、LUX)
コルゲート・パーモリーブCL生活必需品オーラルケア(歯磨き)
コカ・コーラKO生活必需品コカ・コーラ
ペプシコPEP生活必需品ペプシ・コーラ
ゼネラル・ミルズGIS生活必需品ハーゲンダッツ
クラフト・ハインツKHC生活必需品チーズ、ケチャップ
ホーメルフーズHRL生活必需品SPAM
マクドナルドMCD生活必需品マクドナルド
ウォルマート・ストアーズWMT生活必需品大型店舗小売
コストコ・ホールセールCOST生活必需品会員制小売
ホーム・デポHD生活必需品DIY小売
フィリップ・モリスPM生活必需品たばこ(マルボロ)
アルトリア・グループMO生活必需品たばこ(マルボロ)
レイノルズ・アメリカンRAI/BTI生活必需品たばこ
アンハイザー・ブッシュ・インベブBUD生活必需品バドワイザー
ナイキNKE生活必需品スニーカー(ナイキ・エア)
エクソン・モービルXOMエネルギー石油メジャー
シェブロンCVXエネルギー石油メジャー
ロイヤル・ダッチ・シェルRDS.Bエネルギー石油メジャー
ボーイングBA資本財B787ドリームライナー
ロッキード・マーティンLMT資本財ステルス戦闘機F-35
ユナイテッド・テクノロジーズUTX資本財航空機エンジン、エレベーター
キャタピラーCAT資本財建設機械(油圧ショベル他)
ゼネラル・エレクトリックGE資本財照明、航空機エンジン
スリーエムMMM素材ポストイット
スポンサーリンク
レクタングル大

▲TOP

▲TOP