10倍株(テンバガー)は投資家なら誰もが狙いたいと思う銘柄です。まあ狙って当たるもんじゃないですが笑、特徴をまとめてみました。
目次(クリックで飛びます)
まずは過去のテンバガーを並べてみる
約10倍になったという株の数はそれぞれこんな感じです。
- 2016年:13銘柄
- 2015年:20銘柄
- 2014年:10銘柄
日本の上場企業は3500社くらいなので、絶好調の年でも0.3%というほぼ不可能に近いヒット率だと認識してください。
ちなみに、5年間持ち続けて(途中で10倍になったものをこぼしていますが)達成した10倍株は46株でした。確率は大きく変わらないでしょう。
2017年のテンバガー
スクリーニングが難しくて、今日時点で年初来安値からの上昇率でランク付けしてみます。
名称 | コード | 市場 | 年初来安値から上昇率 | テーマ |
---|---|---|---|---|
ペッパーフードサービス | 3053 | 東1 | 11.38 | 飲食店 |
アイケイ | 2722 | JQ | 10.22 | 化粧品 |
共和工業所 | 5971 | JQ | 7.76 | 低位株 |
大興電子通信 | 8023 | 東2 | 6.56 | 低位株 |
五洋インテックス | 7519 | JQ | 5.81 | 低位株 |
ASJ | 2351 | 東マ | 5.79 | 低位株 |
サイバーステップ | 3810 | 東2 | 5.65 | ゲーム |
夢展望 | 3185 | 東マ | 5.34 | RIZAP |
グレイステクノロジー | 6541 | 東マ | 4.46 | 低位株 |
リミックスポイント | 3825 | 東2 | 4.38 | ビットコイン |
中村超硬 | 6166 | 東マ | 4.29 | 電池 |
RIZAPグループ | 2928 | 札幌 | 4.15 | RIZAP |
うーん、見事に低位株にしか分類できないものばっかりだったぞ。
インテリア専門商社に、建設機械用ボルトの会社、ただの弱小IT会社に機械マニュアルを作ってる会社。テーマにかすりもしない銘柄が並びました。
ライザップがテーマ株化していたので、その関連株が上位にいるのと、賑わっていた仮想通貨関連株と電池関連株がちらほら見かけました。
もしかすると、調査に設定している期間が悪いせいかもしれません。ただ、ある日急に暴騰するケースが目立ってますね。
2016年のテンバガー
銘柄 | コード | 時価総額成長率 | 年初来安値 | 年初来高値 | 値上がり(倍) | テーマ |
---|---|---|---|---|---|---|
ブランジスタ | 6176 | 34.9 | 1130 | 15850 | 14.03 | ゲーム |
雑貨屋ブルドッグ | 19.6 | 低位株 | ||||
さくらインターネット | 3778 | 15.6 | 265 | 2110 | 7.96 | フィンテック |
ドーン | 2303 | 14.8 | 488 | 4380 | 8.98 | ドローン |
アキュセラ・インク | 13.5 | バイオ | ||||
平田機工 | 6258 | 13.2 | 1382 | 8630 | 6.24 | 有機EL |
MRT | 6034 | 11.7 | 592 | 5780 | 9.76 | ヘルスケア |
ジースリー | 3647 | 10.8 | 32 | 206 | 6.44 | 低位株 |
アスコット | 3264 | 10.6 | 125 | 1320 | 10.56 | 不動産 |
タツモ | 6266 | 10.4 | 330 | 1388 | 4.21 | 有機EL |
ジグソー | 3914 | 9.8 | 3765 | 23920 | 6.35 | IoT |
イグニス | 3689 | 9.6 | 2058 | 12680 | 6.16 | ゲーム |
グリーンペプタイド | 9.5 | バイオ |
16年は個人的にはテーマ株の年だったかなと思っています。
さくらインターネットを中心としたフィンテック、そーせいグループを中心としたバイオの吹き上がりが異常で、全話題を掻っ攫っていた記憶があります。
2015年のテンバガー
書くのが面倒になったので参考サイト貼っておきます。
ぱっと見た限り、15年はスマホゲームの年でしたね。ガーラ、アクロディア、アクセルマークなど、スマホゲームやらない私でも会社名に記憶があります。
次に多いのが自動運転系。確かこの頃からZMP上場関連株って噂になってましたっけ。
14年は画像処理が目立ってますね。この年もテーマより低位株寄りだったかもしれません。
より長期のテンバガー
テンバガーの中の一握りは、さらに上昇して投資家に多額のキャピタルゲインを還元しました。今や日本有数の会社ばかりです。

(出典:会社四季報)
過去の上昇率上位で見れば、ファーストリテイリングは1998年の安値から現在まで持っていると約235倍に膨れ上がっています。
同じように、ヤフーは144倍、ニトリが92倍、ゼンショーは60倍でした。
5年間に絞ると、リミックスポイントが強力でした。

(出典:株の窓口)
かつてはガンホー・オンライン・エンターテイメントが20円→1633円と80倍を達成したり、そーせいグループが91円→26180円と287倍を達成したりしました。
セクター、テーマ分け
上の46種類をセクターで分けてみましょう。
会社名 | テーマ | 小区分 |
---|---|---|
リミックスポイント | IT | 仮想通貨 |
ディップ | 人材 | 人材 |
マルマエ | 電機 | 有機EL |
ディー・ディー・エス | IT | セキュリティ |
日本ライフライン | ヘルスケア | 医療機器 |
夢の街創造委員会 | IT | サービス |
平田機工 | 電機 | 有機EL |
ミクシィ | IT | ゲーム |
フューチャーベンチャーキャピタル | 金融 | VC |
ローツェ | 電機 | 半導体 |
ペッパーフードサービス | 飲食 | 飲食 |
アドテックプラズマテクノロジー | 製造 | その他 |
アイサンテクノロジー | IT | 自動運転 |
福井コンピュータ | IT | ソフトウェア |
シノケングループ | 不動産 | 不動産 |
インフォマート | IT | フィンテック |
内外テック | IT | IoT |
アウトソーシング | 人材 | 人材 |
サイバーステップ | IT | ゲーム |
ベクトル | IT | サービス |
タツモ | 電機 | 有機EL |
クリエイト・レストランツ | 飲食 | 飲食 |
ベンチャーリヴァイタライズ | 金融 | VC |
ガンホー・オンライン・エンターテイメント | IT | ゲーム |
アルバック | 電機 | 有機EL |
トリケミカル研究所 | 電機 | 半導体 |
パピレス | IT | 電子書籍 |
モルフォ | IT | 画像処理 |
ベネフィット・ワン | 人材 | サービス |
イー・ガーディアン | IT | AI |
テクマトリックス | IT | セキュリティ |
日本エスコン | 不動産 | 不動産 |
ディア・ライフ | 人材 | 人材 |
山一電機 | 電機 | 電機 |
薬王堂 | 小売 | 薬局 |
シーティーエス | IT | サービス |
Nuts | サービス | コンテンツ |
アドバンテッジリスクマネジメント | 人材 | サービス |
FPG | 金融 | 金融 |
エスプール | 人材 | サービス |
リンクアンドモチベーション | 人材 | サービス |
Lifull | 不動産 | サービス |
ブイ・テクノロジー | 製造 | 電池 |
日本M&Aセンター | 金融 | VC |
アスカネット | 製造 | ディスプレイ |
アルデプロ | 不動産 | 不動産 |
全部ググって適当にそれらしいテーマに分けただけなので、私の分け方が悪いかもしれません。
- IT:16
- 人材:7
- 不動産:4
- 金融:4
ちょっと前絶好調だったゲームやバイオが消えちゃってますね。5年前と現在というスポット比較なので仕方ないところですが。逆に有機ELと人材が強い。
過去はIT、不動産、バイオの三強で、人材派遣やベンチャーキャピタルも入ってきます。
テンバガーになる銘柄の特徴
時価総額300億円以下
時価総額が小さいというのは最重要ピースで、ほぼ例外がありません。基本的には300億円以下、理想としては150億円以下が望ましいようです。
時価総額10億円→100億円になるのと、100億円→1000億円になるのとでは難易度が桁違いですからね。
500円以下の低位株
チャートで見ると低迷している時期が長く、ある日突然吹き上がるケースが多いように見えます。特に今年?
まあ、正確にはある日突然というのが以下の3パターンに分かれます。
- 仕手筋による仕掛けである場合
- 業績の上方修正等で好感を受けて出来高が増加していった場合
- テーマ株として人気化した場合
低位株というのは、上昇余地が大きいという意味で
上場して10年以内、設立間もない若い会社
ITが多いせいもありますが、若い社長、若い会社がほとんどです。
やっぱり勢いが必要で、創立100年を超える会社よりも出来て10年以内の若い会社、創業社長=オーナーの会社が多くなります。
業績が急成長している(特に売上)
全部ではないのですが、低位株が注目を集める一つに好決算があります。
以前記事にしたハイプ・サイクルと事業ライフサイクルの②売上拡大重視時期に当たります。とにかくシェアを取らないとならない時期に、利益を追求する余裕はないので、売上の伸びほど利益やキャッシュはついてきていないケースが多いです。

逆に、ITテーマ株やバイオセクターは典型的な①の期待先行フェーズで、こっちは売上ゼロだろうが構わないと思っている人が大半なのです。
ここを混同しないようにしましょう。
テーマセクターに属する
人気化しないことにはテンバガーになりません。人気化する上で、日本には3500もの銘柄が上場しているわけですから、大半の人は知らないという壁があります。
テーマ株というのは、二匹目のドジョウを狙ってどんどん人気化するカタリストなので、是非ともテーマ株として人気化するシナリオを描ける銘柄を選びましょう。
実際、先ほど見たように、過去のテンバガーはクター(テーマ)に明らかに偏りが見られます。
最近でもテーマ株投資は有効な手法だと思っていて、次のテーマに属する銘柄を仕込んでひたすら待つのがいいかもしれません。
テンバガー銘柄が落ちるのは早い
テンバガーを運良く掴んだとして、どこまで持っておくべきなのでしょうか。
先ほどのハイプ・サイクル①で急騰した株や仕手筋に使われた銘柄は資金の逃げも早いので、あまり長期で保有出来るものではありません。
テーマ株でも中心銘柄以外は10倍行かないので、無理せず切り上げる方がいいでしょうね。

(出典:Yahoo!ファイナンス)
②の売上拡大で業績がついてくるようになると、もう少し様子見しても良いのかもしれません。

(出典:Yahoo!ファイナンス)
この条件を元に次のテンバガー候補を書いてくのは、また今度にします。