VIX指数に連動するETFは買っちゃダメだからね

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VIX指数(volatility index, VIX)とは恐怖指数と呼ばれる、投資家心理を示す指数です。

S&P500のオプション取引におけるボラティリティを元に算出しており、数値が高いほど先行き警戒感が強いことになります。これの日経平均版が日経平均VIと呼ばれる指数です。

ボラティリティは分かりますよね。値動きの幅のことです。

なにか大きなニュースがあると、投資家は一様に反応して上下に大きく振れます。それが恐怖指数の大きさとして表現されるわけですね。

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VIX指数がS&P500と逆相関するからくり

緑がVIX、赤がS&P500ですが、なんとなく逆の動きをしています。

(出典:Yahoo!ファイナンス)

見ての通り、VIX指数はS&P500に逆相関するという特徴があります。これは不思議でもなんでもなく、機関投資家の行動原理から説明出来るものです。

例えばヘッジファンドは上下するどの相場でも成績を上げることを命題としたファンドであり、一方向に巨大なポジションを保有しています。彼らがまだS&P500は上がっていくと予想したら、強気に買いポジションを取ります。

その一方でもし予測が外れたり大きなリセッションが起きた場合でも損失を補填出来るよう、逆ポジションに保険をかけておきます。

それがオプション取引というものです。リセッションに備えるならプットオプションを事前に持っておくと有利ですね。

※プットオプション:ある日時に、ある価格で株を売る権利。以下のように、最大損失額が限定されます。

(出典:日本証券業協会)

で、思い出して欲しいのが、VIX指数というのはS&P500のオプション取引のボラティリティに基づいた指数でした。

「S&P500(マーケット全体)が急落しそうだヤバイ」と機関投資家が判断すると、みんなプットオプションを買って保険をかけようとするのです。そうするとボラティリティが上昇して、VIX指数も上昇する仕組みです。

これが逆相関しやすい仕組みです。

もしリセッションもなく上昇していくならオプション取引としては損をします。しかしながら、そのときにはメインポジションで大きく稼いでいるので問題ないはずです。

オプション取引は掛け捨て保険みたいなもので、リスクヘッジとして損失を最小限にするために必要な費用と言えるでしょう。

現在は低水準にあるVIX指数

VIX指数は概ね10~20で安定、40を超えてくると不安定だなと見ることが出来ます。現在は11.11と低水準にあり、投資家心理が安定していることを示唆しています。

先行指標ではない

しかしながら、VIX指数が低いからといって将来安心ではないです。株価と逆相関傾向にあるものの、株価の先行指標にはなっていないことに気がつくでしょうか。

相場の先行きに不安感が出てくるとオプション取引が活発化しますが、同時に株価も乱高下をはじめるからです。

指数を売買することも可能だけど

オプション取引はとっつきにくいですが、VIX指数自体をETFとして売買出来そうに見えます。こんなETFが出ているんですね。

  • VIX:米国ETFならVXX、日本のETFならS&P VIX短期先物ETF(1552)やiPath VIX短期先物指数連動受益証券(2030)
  • 日経平均VI:NEXT NOTES 日経VI ETN(2035)

でもこれ、厳密にはVIXじゃないんですよ。「VIX短期先物指数」っていう結構別物の指数なんです。見てもらうと分かりますが、VIX指数とは似ても似つかない動きをしています。

実際1552の運用報告書やレポートにちゃんと書いてあります。

当ファンドは、円換算した「S&P 500 VIX 短期先物指数」に連動する投資成果を目指すものであり、円換算した「VIX指数」に連動する投資成果を目指すものではありません。

参考国際のETF VIX短期先物指数

チャートで見ると一目瞭然です。流石にリーマンショック時期には似たような反応をしていますが、それにしても反応度合いが違う。それ以降ずっと右肩下がりになっている理由は後述します。

(出典:三菱UFJ国際投信)

なにより悲しいのがこれですね。おいおいリスクリターン釣り合ってないぞって。

(出典:三菱UFJ国際投信)

でも純資産総額は結構順調に増えていて、最近も横ばいで推移していました。

(出典:三菱UFJ国際投信)

なので、VIX指数に投資しているつもりだったらそれは間違いですのでご注意ください。

長期投資には向かないVIX指数

なにより困るのが、VIX短期先物指数連動ETFは長期的に下落する仕組みになりますので、まったくもって長期投資には向いていません。

オプション取引には期限が定められていて、かつ短期より長期のほうが価格が高くなります(不透明性のリスクプレミアムが乗るため)。

ETFを継続するために、期限が近い(今月期限)=価格の安いVIX先物を売って、期限が遠い(翌月期限)=価格の高いVIX先物を買うというロールオーバーの動きを繰り返しています。

先物の仕組みになりますので、詳しくは「コンタンゴ」について調べてください。

1552なんか下がりまくってんなと思ったら正解です。

(出典:Yahoo!ファイナンス)

普段冴えないVIXですが、短期的な値上がりはかなり凄いことになったりします。でもそういう日は年に何回もありません。

ヘッジ目的ならインバースETFでいいですね

VIX指数は儲けを狙うのではなく、あくまでも目先の不安感をヘッジする保険として捉えるべきです。

それならS&P500を信用売りするとか、インバースETFを買うほうが良いのではないかという結論になります。こっちのほうが出来高も多いですし、値動きもマイルドです。

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ということで、VIX指数は現在の市場参加者の心理を把握したいという意図で確認してみる、くらいの使い方が良いと思います。

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