【米国株】シスコシステムズ(Cisco:CSCO)の銘柄分析

いつもシェアありがとうございます。シェアボタンはこちらです。

今回はシスコシステムズ(Cisco:CSCO)のファンダメンタル、チャート分析をやっていきたいと思います。

シスコと言えばネットワーク企業、ルーターとスイッチの企業ですが、かつては時価総額で世界1位になったこともある企業なんですよ(ITバブルの象徴ですね)。

スポンサーリンク
レクタングル大

シスコシステムズ(CSCO)の事業内容

ビジネスを3Cで分解してみましょう。

事業内訳

ネットワーク製品を中心に世界トップシェア製品をたくさん持っています。特にルータ、イーサネットスイッチ、無線LANの主要3分野全てでシスコシステムズが世界トップシェアを握っています。

(出典:シスコシステムズ)

日本でも3分野全てトップシェアです。個々の製品で見れば競合はいるのですが、ネットワーク機器全てに強いという強力な事業ポートフォリオを有していることがシスコ最大の強みになります。

決算書から

シスコの売上内訳はこんな感じです。スイッチとルータの会社と思っていたんですが、近年はデータセンター事業やクラウド・サービスビジネスにも力を入れてきています。

全体的に見て、プロダクトが3/4、サービスが1/4になります。

(出典:シスコシステムズ IR)

主力のスイッチが前年比5%マイナス、ルーター10%マイナスと大幅に減少にしている苦しい状況で、ここがPER15倍程度で放置されている主な原因です。

減少要因は競合の追い上げが来ていることと、クラウド化やNFV(後述)といった流れがシスコに逆風だからですね。

競合はヒューレット・パッカード(HP)、ジュニパーネットワークス(JNPR)、アリスタ・ネットワークス(ANET)あたりになります。ジュニパーはルーター、アリスタはスイッチで猛追しています。

また、地域別にはアメリカ6割強、ヨーロッパ2割、アジア1割です。

シスコの将来投資

案外厳しい将来も散見されるシスコですが、どういった経営戦略を立てているのか見てみましょう。シスコが今後に向けて注力するのは以下の分野です。

  • 次世代ネットワーク(NFV、SDNとか):デジタルネットワークアーキテクチャの時代、ソフトウェア主体&オープン化の流れは止まりません。
  • セキュリティ:セキュリティ分野はシスコの得意領域でもあります。
  • クラウド:買収案件を見るとオンライン会議や映像配信系に力を入れていますね。あとはNFV対応としてのクラウド進出でしょうか。

M&Aについて

シスコはM&Aで大きくなってきた会社と言っていいくらいM&Aに積極的で、事業の50%を占めています。

新規参入にあたってセグメントトップ企業を人材ごと囲ってしまうやり方で、近年は映像配信サービスやクラウドサービスの会社を買収しています。

参考List of acquisitions by Cisco Systems Wikipedia

競合

競合でありリスク要素は、ネットワーク市場に対するソフト化の流れです。

例えばSDN(Software-Defined Networking)という技術があります。これは従来ネットワーク機器(つまりシスコの機器)でやっていた、ネットワークの制御やデータ転送をソフトウェア側でやってしまおうという考え方です。

(出典:NEC)

ネットワーク機器を特定の企業製品に偏ることの不便(対応機器範囲が限定される、バージョンアップ強制対応)が解消されるため、オープン化の進んだサーバと同じ道を辿ることになると思われます。また、クラウドと合わさることでユーザ側のニーズに合わせ、より柔軟なシステム設計が可能となりますね。

関連する技術として、NFV(Network Function Virtualization)なんていうものもあります。むしろこっちの方が有名かもしれませんね。これは仮想化技術によってネットワーク機能を汎用サーバ上で実現することを指します。

どちらもネットワークのソフト化、仮想化技術であり、シスコは既存のネットワーク機器の競合以外に、クラウド事業者と競合することになりそうです。

なお、シスコもデジタルネットワークアーキテクチャの構築に取り組んでいますが、シスコの場合は自社の売上を共食いする形になるので、痛みを伴う改革になりそうです。

参考シスコ デジタルネットワーク アーキテクチャ

市場

ネットワーク機器の将来性はどうなんでしょう。

IoTで接続機器数が増える=トラフィックが増える=ネットワーク機器が増えるの単純な理解で大丈夫かと。そしてシスコ自身の調査でも、トラフィック量は指数関数的に増加することが見込まれています。

(出典:シスコシステムズ)

(出典:シスコシステムズ)

(出典:シスコシステムズ)

成熟気味の市場ですが、IoTによってもう一段成長のギアを残していそうに感じます。あとはクラウドとの競争(というより、クラウドへの参入)をいかにして進めていくかがシスコの将来を左右しそうですね。

リスク要素

圧倒的ナンバーワンシェアも将来の脅威は育っている

サーバもネットワーク機器もオープン化&SDxで差別化が難しくなると、圧倒的高シェアが維持出来なくなります。

当然シスコ自身も次世代ネットワークアーキテクチャ構築に参入していますので、売る相手(最終顧客からクラウド事業者へ)や販売形態(箱売りからサービスビジネスへ)が変わるだけなのかもしれませんが、変革の最中はシスコのIRが悪く出る可能性は高いと思います。

なんだかんだ脅威があっても、これだけ高シェアでワイドモートを築いているシスコが陥落するとは思えないのですが、収益の圧迫要因にはなるでしょう。

シスコシステムズ(CSCO)の財務分析

PL

売上、利益、EPS、やや上昇傾向ではあります。

独占しているためグロスマージンで64%、営業利益率25%と高水準(これでも十分高いんですけど、シスコのシェアならもっと高くてもいいくらいかも)。ROEも市場平均よりは上ですが、もっと高くてもいいなあって思っちゃうのは麻痺してるんでしょうか。

日本企業なら手放しで絶賛されるパフォーマンスではあります。

BS

バランスシートのいい銘柄を選んで解説しているせいか毎回似たような感じですが、やっぱり安全性が高い指標になっています。

CF

なんかとんでもないキャッシュフローですね。余剰資金多すぎませんか。市場独占していることで大量のキャッシュを生む仕組みが完成しているんですね。

この潤沢な資金があるのでM&Aが進みますし、他社追い上げがあっても当面は大丈夫そうかなと安心出来ます。最近は投資家還元をはじめているのですが、足元の業績が多少ぐらついたとしても、しばらくは続きそうです。

株主還元指標

昔は成長重視、株価上昇で報いる典型的なIT銘柄でしたが、このところは株主還元にも意欲的です。調べてみれば、配当を出すようになったのは2011年から、自社のポジショニングが成熟期にある証拠ですね。

直近配当利回り:3.4%

おそらくこれからはマイクロソフトのように長期増配をスタートしていくものと思われ、早い段階で仕込めるメリットはあります。

シスコシステムズ(CSCO)のチャート分析

とりあえずリアルタイムチャートのリンク置いておきます。

シスコシステムズ(CSCO)-Yahoo!ファイナンス

過去の最高値、最安値

ITバブル時代のとんでもない株価に引っ張られていますが、そこを除くとジリジリ上げて今最高値圏内に入っています。リーマン前とほぼ同じ水準ですね。

冒頭にも書いた通り、2000年当時、まだ名も知られていなかったシスコが時価総額世界一になったことで一躍有名になりました。当時もスイッチの会社でしたが、時価総額は5000億ドルを超え、PERで100倍を超えていました。

  • 最高値:82ドル(2000年4月)
  • 最安値(ITバブル崩壊後):8.12ドル(2002年)

見事に散って株価1/10になりましたってことなんですが、この時シスコは20億ドルの評価損を計上しています。むしろよくこの状態から立て直したって感じです。

今後の値動き予測

5年チャート

ここ数年は上昇トレンド、平行線で揃えられる規則的なチャートです。となると直近は反発すると思うんですが、どうでしょう。あの決算で上がるのかな~って感じなので、調整は入りそうです。

1年チャート

5年チャートの壁だった30ドルを抜けた後のチャート。すぐ次の32ドルの壁とも言えない壁を抜いて、リーマン前の直近高値35ドル付近まで接近。

ここを超えるともう何もないので、どこまでいくのやらという感じです。業績不安のマイナスとキャッシュ還元で人気化を考えると30ドル近辺でしばらく停滞するんじゃないかと勝手に想像しますが。

シスコシステムズ(CSCO)の投資戦略

まとめておきます。

  • ネットワーク機器ではほぼ全ての市場で圧倒的なトップシェアを握っている。
  • しかしながら、競合の追い上げやNFVといった技術がシスコの盤石な基盤を脅かす可能性がある。
  • キャッシュが非常に豊富で、近年は配当による投資家還元もはじめている。
  • ITバブル期を除くと、株価はリーマン前の高値水準まで戻ってきている。

回答

シスコの投資判断は非常に難しいです。割高なのかそうでもないのか、長期保有該当銘柄と考えていいのかどうか。主軸に据えるのは無理かなと感じました。

リスク面では、言ってもこれだけ圧倒的な独占力持ってると早晩消えることは考えられないですね。オープン化はほぼコモディティ化なので、そこが怖いですけども。

下の連続増配記事には載せていませんでしたが、これから連続増配をしてくれそうな企業を買っておくというのは一つの戦略ではあります。

【米国株】将来連続増配がありそうな銘柄12株(コメントつき)
下の記事で米国の50年以上、25年以上、10年以上連続増配株と、日本の連続増配株を見てみました。 しか...

同じこと何回も書いたり雑な記事になったかも……すみません。

スポンサーリンク
レクタングル大

▲TOP

▲TOP