グーグル、アルファベットの銘柄分析(GOOGL、Google、Alphabet)

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時価総額一位のグーグルについて、事業、ファンダメンタル分析、チャート分析をやってみましょう。一発目のこいつを元にして次から同じように分析記事を書きたいと思っています。

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レクタングル大

グーグルの事業内容

ビジネスを3Cで分解してみましょう。というかGoogleはですね、HP見てもよく分からないIRなんですよ。

とりあえず、持株会社アルファベットの下にGoogleをはじめとした幾つかの企業が連なっています(15年8月に設立)。

事業内訳

AIだの自動運転だのIoTだのと未来技術に投資しまくっているGoogleですが、収益構造として見れば広告収入が全体の9割近くを占めているのです。

上がQ単位、下が年単位での収益構造です。

(出典:アルファベット IR情報)

(出典:アルファベット IR情報)

「Google Advertising revenues」が広告収益ですね。Googleはそもそも検索連動型リスティング広告によって急成長した企業です。色々な事業に投資しているものの、まだ収穫期ではなく(あるいは広告収益ビジネスモデルとして取り込んでいる)、その他の収益は全体の1割に留まります。

次に資金の流れを見てみましょう。

(出典:アルファベット IR情報)

Google単体では大幅黒字で、他の事業(Other Bets)は赤字なのです。Google(正しくはアルファベット)は広告収入で稼いだ資金を元に、様々な未来技術へ投資をしていることですね。

いずれ広告収益だけでは立ち行かない時が来るやもしれませんし、次の成長の柱を求めてイノベーションを起こし続けることが重要ですからね。

となると投資家として問題になるのは以下の2点。

  • 投資した新規事業が実を結ぶのか(結ばないならマイクロソフトみたいに株主還元に方針転換してくれたほうがいい)
  • それによる成長は投資家の期待を超えることが出来るのか

未来技術ちっくな話はこのブログでもたくさん取り扱っていますので、合わせて読んでもらえると嬉しいです。

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Googleは配当なし株主還元なしで、まずキャピタルゲインでもって還元する企業です。収益率は買値で決まるので投資家としては過大に評価されていないことが重要ですが、その点を踏まえて続きを見ていきましょう。

競合

Googleには色々なサービスがありますが、主だった競合はApple(スマホOS)、Facebook(SNS広告事業)、Microsoft(検索他)、IBM(AI)、自動運転(テスラモーターズ)など。

肝心の検索シェアでは世界の90%近くを占めており、圧倒的。モバイルになるともっと差が開きます(PCはWindows標準のBingの人が多い?)。ただモバイルにはSNSもありますので、業界全体の広告収益内訳としては35%程度です(2位がFacebookで17%程度)。

ちなみに日本においては6割Google、3割Yahooと検討しています(この数字が統計によって結構違っています。どれが正しいのやら)。そして中国ではBaidu(百度)、韓国ではNaverが人気です。

スマホOSについては、当初からのプラットフォーム戦略(後述)でサードベンダと協力して市場を広げ、今やシェア8割を獲得してしまいました。最初は圧倒的だったAppleが利益の7割をiphone(ハードウェア)で稼いでいるのと対照的に、OSは無料提供かつスマホ本体の製造を委託したところが違いとなっています。AppleはPCのOS競争でMicrosoftにやられたのと同じことを、今度はGoogleにやられたわけですね。

SNSはスタートアップ企業に対して遅れを取っているものの、動画コンテンツとしては世界最大の動画共有サービスYoutubeがあります。プレゼンテーション等のビジネス用途としても使い勝手が良く、アナリティクスとの連携も出来るため、動画の時代に競合他社を寄せ付けないサービスだと思います。

その他、未来技術の中でGoogleが最も力を入れているのはAIですが、各社ともまだビジネス段階としては手探り感があります。そもそもGoogleにとってAIは諸刃の剣です。例えば肌にディスプレイを表示する(デバイスが要らない)時代になってGoogleが音声認識での検索サービスを提供したら、広告表示がなくなりますよね。そうしたら9割の収入がぽっかり消えてなくなるんじゃないかと。

市場

Googleは単なる先進IT企業という立場を脱して、インフラ企業になりつつあると思っています(それでなお収益率は異常な水準ですが)。Googleのサービスがなくなったら暮らしていけないので。

月間アクティブユーザー数が10億に達したサービスは7つもあります。Google検索、Google Chrome、Android、Google Play、Google Maps、YouTube、Gmailですね。検索が中心にあって、その周辺を充実させる形で広げていったようです。

見てきたように、Googleはサービス自体は無料で提供して広告で稼ぐという、プラットフォームビジネスモデルです。FacebookやTwitter、AppleのApp storeなんかもみんな同じですね。この場合、広告が表示される「面」を増やしていくことが主軸になります。

プラットフォームビジネスはネットワーク効果がありますので、利用者が多いほど経済効果も大きくなります。ということで、市場が開いてしばらく利益度外視でシェアを広げていったことが、その後の安定した収穫期に繋がるんですね。

こうなると、新規事業を考えなくとも、今後新興国市場を中心にITインフラが整備されていくことでGoogleユーザーはさらに増加する見込みです。

※Googleの海外売上比率は57%となっています。

世界人口が70億人~今後90億人になるとすれば、まだ2~3倍の拡大余地があるわけです。

(出典:情報通信白書)

また、以前EC市場の記事を書きましたが、こちらでもリアルからバーチャルへという動きはまだまだ拡大余地があります。当面の成長は疑いなしです。

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リスク要素

投資CFが大きいものの、財務面でのリスクはあまりありません。

広告というビジネスモデルの継続性

広告ビジネスの継続性を見る上では、Googleが出している以下の指標を見ると分かりやすいです(アフィリエイトやってたらお馴染みですね)。

  • アグリゲート・ペイド・クリック:広告クリック数(4Q決算で+36%)
  • アグリゲート・コスト・パー・クリック:広告単価(4Q決算で-15%)

スマホにもアドセンスブロックが普及しつつある今日このごろ、実はアグリゲート・ペイド・クリックが大幅に上昇し、アグリゲート・コスト・パー・クリックは減少しているのです。

ペイド・クリックのうち、特にGoogleサイトのペイド・クリックが+43%と大幅に上昇しています。ここのところ継続して上昇している動きで、広告費ってよく不況で削ると言われますので、トランプ政策が当たるうちは当面はこの流れが続くのではないかと。

あとは……上でも書きましたが、AIによって広告表示のない検索サービスが出てきたら、ビジネスモデルの変革期だと思います。

新規事業の失敗

これは何とも言えないところなんですが、有望なスタートアップ企業を買収して成長する企業なので(大成功したAndroidだって買収したものですし)、経営層の判断に左右されます。

CEOラリー・ペイジ他、Googleを率いている経営層をどう評価するかで、投資する上でのリスクの大きさとして良いのではないでしょうか。

グーグル(GOOGL)の財務分析

10年分の財務諸表をグラフ化してくれるところがほしいですねえ。

PL

ずっと右肩上がりで推移しています。リーマンショックがあった08年付近でも成長率が鈍化しただけで安定した収益は落ちていません。

元々利益率の高いWebサービス事業から多角化してきたことで営業利益率は下がり気味ですが、25%はそれでも十分な数字だと思います。

一方でROEは米国平均の12%を僅かに超える程度の水準まで落ちてきており、投資家がややネガティブな判断を下す部分です。

BS

負債は少なく、安全性は非常に高いですね。下で見るようにキャッシュフローも安定しており、圧倒的なシェア、ブランド力のあるサービスを有しているので、当面問題は発生しないんじゃないかと思います。

CF

事業が安定的なキャッシュを生み出していることが分かります。見てきた通り投資CFがやや大きく、5割くらい食っているのが特徴です。

その他の指標

ここには配当とか気になった指標を書こうと思っています。

ちなみに、Googleは配当なしです。利益は別事業に再投資して成長させる方針です。Androidビジネスモデルの先駆者であるマイクロソフトはそろそろ成熟化してキャッシュを還元するようになってきていますが、Googleもやがて同じ道を辿るんでしょうか。

グーグル(GOOGL)のチャート分析

リアルタイムチャートのリンクを置いておきます。

グーグル(GOOGL)-Yahoo!ファイナンス

トレードステーション(Tradestation)というマネックス証券で米国口座開くと一緒についてくるチャートで見ています。これだと自分で好きなインジケータ入れて分析が出来るので、便利なんですよ。

過去の最高値、最安値

チャートはとてもきれいな右肩上がり(ちっちゃくてすみません)。高値安値は差が広すぎて設定しても機能しないです。

  • 最高値:867ドル(2017年1月)
  • 最安値:47.98ドル(2004年9月)

今後の値動き予測

過去最高値更新中なので目安線も引けません。トランプの実態がどうなのか分かりませんが、もみ合いながらしばらくは上がっていくでしょう。

コメント少ないですが、いくつかのチャートを見てみます。

10年チャート

もうちょっと見やすくなりました。踊り場もちらほらとあるので抵抗帯を捉えることも出来るのですが、ちょっとリスクリワード設計が出来ませんね。

1年チャート

好決算はありましたが、それでもこの1年はやや停滞気味でした。700~850のレンジを4回目で上抜けしたので次はここをサポートに900でしょうか。

1か月チャート

1/25にためていたパワーを上に放出したのが見て取れます。ちなみに横線はピボット。

グーグル(GOOGL)の投資戦略

見てきたところをまとめるとこんな感じ。

  • ビジネスモデル、財務は上々でキャッシュリッチ、かつ未来のビジネスへ積極的に投資している(そのため配当還元はなし)
  • 広告ビジネス一本に収益が偏っている点はリスク
  • 株価は現在史上最高値、これまでほぼずっと右肩上がりで、今後もしばらく上がりそう(リスクリワードの設計不可)

回答

誰もが知っている企業で将来性も明るいですが、その分投資家の期待も大きすぎて株価が膨らみすぎです。キャピタルゲイン狙いしか出来ないので、当面買うのはあり得ないかなと。

向こう数十年に渡ってなくてはならない企業なので、安くなったらぜひとも購入したいところです。


これまで調査してきた米国株の個別銘柄記事リストをまとめました! 企業名クリックで各詳細記事に飛ぶことが出来ます。

企業名
(リンク先は分析記事)
ティッカー業種区分主力事業、ブランド
アマゾンAMZNITネット小売、クラウド
アルファベット/グーグルGOOGLIT広告(検索)、AI
アップルAAPLITiphone
マイクロソフトMSFTITOS、Office365
フェイスブックFBIT広告(SNS)
IBMIBMITクラウド、AI
インテルINTCIT半導体(PC、サーバ)
クアルコムQCOMIT半導体(モバイル)
エヌビディアNVDAIT半導体(GPU)
オラクルORCLITソフトウェア(DB)
シスコCSCOITネットワーク機器
アリババ・グループBABAITタオバオ、Tmall、アリペイ
ビザV金融決済インフラ
マスターカードMA金融決済インフラ
アメリカン・エキスプレスAXP金融決済インフラ
スタンダード&プアーズSPGI金融格付け機関
ムーディーズMCO金融格付け機関
ウェルズ・ファーゴWFC金融商業銀行
JPモルガン・チェースJPM金融商業銀行、投資銀行
AT&T T通信モバイル通信
ベライゾン・コミュニケーションズVZ通信モバイル通信
ネットフリックスNFLX通信動画配信サービス
ジョンソン・エンド・ジョンソンJNJヘルスケア医薬品(ステラーラ)、バンドエイド他
メドトロニックMDTヘルスケア医療機器(ペースメーカー他)
アボット・ラボラトリーズABT/ABBVヘルスケア栄養補助食品、医薬品(ヒュミラ他)
ブリストル・マイヤーズ・スクイブBMYヘルスケア医薬品(オプジーボ他)
ファイザーPFEヘルスケア医薬品(プレブナー、リリカ他)
メルクMRKヘルスケア医薬品(キイトルーダ他)
ギリアド・サイエンシズGILDヘルスケア医薬品(ハーボニー他)
CVS ヘルスCVSヘルスケア薬局、PBM
ユナイテッド・ヘルスUNHヘルスケア医療保険、PBM
P&GPG生活必需品ビューティー(パンテーン、SK-II)他
ユニリーバUL生活必需品パーソナルケア(Dove、LUX)
コルゲート・パーモリーブCL生活必需品オーラルケア(歯磨き)
コカ・コーラKO生活必需品コカ・コーラ
ペプシコPEP生活必需品ペプシ・コーラ
ゼネラル・ミルズGIS生活必需品ハーゲンダッツ
クラフト・ハインツKHC生活必需品チーズ、ケチャップ
ホーメルフーズHRL生活必需品SPAM
マクドナルドMCD生活必需品マクドナルド
スターバックスSBUX生活必需品スターバックス(スタバ)
ウォルマート・ストアーズWMT生活必需品大型店舗小売
コストコ・ホールセールCOST生活必需品会員制小売
ホーム・デポHD生活必需品DIY小売
フィリップ・モリスPM生活必需品たばこ(マルボロ)
アルトリア・グループMO生活必需品たばこ(マルボロ)
レイノルズ・アメリカンRAI/BTI生活必需品たばこ
アンハイザー・ブッシュ・インベブBUD生活必需品バドワイザー
ナイキNKE生活必需品スニーカー(ナイキ・エア)
ギャップGPS生活必需品GAP、オールドネイビー
エクソン・モービルXOMエネルギー石油メジャー
シェブロンCVXエネルギー石油メジャー
ロイヤル・ダッチ・シェルRDS.Bエネルギー石油メジャー
ボーイングBA資本財B787ドリームライナー
ロッキード・マーティンLMT資本財ステルス戦闘機F-35
ユナイテッド・テクノロジーズUTX資本財航空機エンジン、エレベーター
キャタピラーCAT資本財建設機械(油圧ショベル他)
ゼネラル・エレクトリックGE資本財照明、航空機エンジン
スリーエムMMM素材ポストイット
デューク・エナジーDUK公共電力、ガス
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