【米国株】クアルコム(Qualcomm:QCOM)の銘柄分析

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今回はクアルコム(Qualcomm:QCOM)のファンダメンタル、チャート分析をやっていきたいと思います。

半導体業界のライバルとしてインテル、エヌビディアの記事を既に書いていますので、合わせてどうぞ!

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クアルコム(QCOM)の事業内容

ビジネスを3Cで分解してみましょう。

事業内訳

クアルコムと言えばスマホチップの会社。事実、CDMA携帯電話用チップは、ほぼ独占状態となっています。少し古いですが、スマホチップのマーケットシェアがありました。

(出典:ストラテジー・アナリティクス)

決算書から

クアルコムの事業は主に半導体チップの売上と、ライセンス収入の二つに大別されます。英語で抜き出すと以下のようになります。

(出典:Qualcomm IR)

  • Qualcomm CDMA Technologies(QCT):半導体。売上としては全体の2/3程度で、利益だと全体の1/4。
  • Qualcomm Technology Licensing(QTL):ライセンス。売上としては全体の1/3程度で、利益だと全体の3/4。

要するに、クアルコムは半導体メーカーとい言いつつ、無線関連のライセンスで稼ぐ企業なわけですね。

また、地域ごとの収入内訳を見ると、中国が半数、韓国台湾を含めアジアが8割を占めています。これはスマホやタブレットのメーカーがアジアに偏っていることに起因しているんでしょうかね。ファーウェイ、レノボ、、サムスン、ASUSあたりにチップを納めていることになります。つまりクアルコムはアジア情勢に相当な影響を受けます。

(出典:Qualcomm IR)

ただし、後述するようにNXP買収によって事業構造が大幅に変わります。これまで8%だった自動車、IoTその他の分野が29%を占めるようになります。

(出典:Qualcomm プレスリリース)

クアルコムのビジネスモデル

クアルコムは主に無線関連技術における、3~5%程度のライセンス利用料・ロイヤリティを収益軸としたビジネスモデルです。要するにスマホが売れれば売れるだけ儲かる仕組みですね。

知財権は日本でもホットなキーワードになってきていますが、周辺産業の特許まで他社から買い取ったクアルコムは、利益の大半をここで稼いでいます(売上に占める割合は3割程度ですが、営業利益に占める割合は8割を超えています)。もちろん、収益の2割をR&Dに回して技術開発を続けているからこそコア技術を押さえられているということもお忘れなく。

また、営業利益率で見てもライセンスビジネスは80%を超える収益率を誇ります。

(出典:デロイトトーマツ)

クアルコムについてはすごく詳しい考察レポートが上がっているので、そちらをご参考として置いておきます。

参考特許ライセンス活用ビジネスモデルとその収益性に関する考察

また、半導体メーカーとしては、インテルが垂直統合モデル(IDM)だったのと反対に、クアルコムは水平分業のファブレスメーカーです。

将来への投資

スマホ市場が成熟しつつある中で、「ポストスマホ」市場に自動車チップが注目されていることはインテル記事でも書きました。

そうした中で最も積極的に動いているのがクアルコムで、16年10月に、自動車分野の半導体世界首位「NXPセミコンダクターズ」の買収を発表しました。買収額は5兆円。全部現金で用意するってのがお金持ちの証拠ですよ。

これによりクアルコムは4つの事業分野で首位を取ることになります。

(出典:Qualcomm プレスリリース)

一般的に1~2年サイクルで新しいチップが開発・製造されるスマホ市場と違って、自動車チップはもう少しロングスパンで開発が進みます。だって自動車は毎年買い替えしませんからね。そうした両社のロードマップを違いをすり合わせして、シナジーを生むことが出来るかが大きな課題になります(ちなみに、クアルコムはファブレス、NXPはインテルと同じIDMなので、そこも大きく違います)。

また、クアルコムは将来的にはスマホを中心にしつつ様々な機器・サービスがネットワークで相互的に繋がる、IoTの世界の実現を目指すビジョンを描いています。

スマホから徐々に事業領域を広げていく段階的な拡張プランで、2020年にはこの拡張分野が売上全体の7割を占めるようになる予定。

(出典:Qualcomm)

(出典:Qualcomm プレスリリース)

同社のビジョンを実現するにあたって、自動車チップとIoTに強みを持つNXPが果たす役割は非常に大きなものになるはずです。

競合

半導体メーカーとしては、インテル、サムスンに次ぐ3~4番手です。16年4月のデータだと4位でしたね。

半導体ビジネスもライセンスビジネスも競合になるのはインテルやエヌビディアで間違いないでしょう。それぞれ記事を書きますので、合わせてどうぞ。

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うーん、どうも半導体ってのはどこの会社がどんな技術的優位性を持っているのか、分かりにくいんですよね……。クアルコムの強みを勝手に解釈すると、買い替えサイクルの早いスマホ市場を押さえているので今後も一定の利益は確保出来そうなことと、5GやIoTにおいて現在収入源の無線関連の知財戦略がそのまま活かせれば強いことですね。

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市場

インテルの記事でまとめて書いてしまったので、そちらを見ていただければと思います。

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リスク要素

NXPの買収

上で書いた通り、NXPを活かすことが出来るかどうかがクアルコムの重要な指針になります。特にファブレスメーカーとIDMの違いは大きそうに思いますので、経営手腕が問われますね。

チャイナリスク

海外売上比率が高く、特に中国売上比率50%は米国株の中でも特筆すべき数字だと思います。所謂チャイナリスクへの警戒が必須かと。

独占禁止法

マーケットを独占しているために反競争的なライセンス価格を押し付けたとしてアップルが訴訟を起こしているというニュースがありました。

訴訟事例はそれまでの10年間で見るとたったの4件しかなく、パートナーとは極めて良好な関係にあると想像しますが、同社最大の市場である中国で既に罰金の判決が出たことは、今後にとってもマイナスに作用すると思います。

スマホメーカーのプロセッサ内製化

足元で怖いのはむしろこれまでお得意様だった中国、台湾メーカーがプロセッサを内製化しようとする動きのほうだと思います。

次の市場へ

これまではスマホが売れるだけ儲かる非常に楽な仕組みでしたが、徐々にピークアウトしてきたため、次の事業軸を見据えて自動車チップへ参入しています。ここの競争は今後激化していきますので、安定した地位を確保出来るかがリスクになります。

クアルコム(QCOM)の財務分析

PL

スマホ市場拡大に合わせて巨大化してきたクアルコムですが、同市場成長に陰りが見えつつある状況でここ2年は落ち込み気味です。

しかしながら、多数の知財群をポートフォリオに持つことで高い収益率を維持しています。研究開発にも2割と多額の投資を行いながら、効率性指標もまあまあの数字になっています。

BS

ファブレスメーカー、ライセンスビジネスということで、キャッシュの多さに反して設備投資が少なく、自己資本比率も非常に高いラインをキープしています。バランスシートは優良そのものですね。

CF

ビジネスモデル的に利益率が非常に高いキャッシュリッチ企業です(NXPをちょっとの借金だけで、あとは現金をポンと出したように)。こうして見ると投資CFがほとんどないことも分かります。

株主還元指標

安定的とは言えませんが、株主還元もこのところ積極的に行っています。売上が先細る中で配当や自社株買いによってダイレクトに投資家還元を行う姿勢が、米国株投資の良さですよね。

クアルコム(QCOM)のチャート分析

とりあえずリアルタイムチャートのリンク置いておきます。

クアルコム(QCOM)-Yahoo!ファイナンス

過去の最高値、最安値

ライン取りが難しいチャートになっています。インテルと同じく、00年までのITバブル時代に史上最高値が来て、現在の市況にあってもその水準までは戻していません(それでもインテルに比べると右肩上がりな様子が見えますが)。

  • 最高値:100ドル(2000年)
  • 最安値:3.2ドル(1999年)

今後の値動き予測

5年チャート

ここ10年で大きく30~80ドルのレンジを推移してきました。ちょっと今は方向感が怪しいような。

1年チャート

形は汚いですが直近はトリプルトップ?

動きに統率がないチャートなので、上限と下限どちらにタッチするか分かりません。より狭い42~70ドルのレンジでしばらく往復するかも。

クアルコム(QCOM)の投資戦略

まとめます。

  • スマホようのチップで世界首位のクアルコムだが、収益の源泉は半導体の販売よりもむしろライセンス収入がメイン。
  • NXP買収の効果は事業ポートフォリオ上は大きいものの、シナジー効果が得られるようにするには難易度が高そう。
  • ライセンスモデルのキャッシュを稼ぐ力が非常に強く、財務基盤が安定している。

回答

売買戦略が難しいですね。配当利回り3.5%超え、インテル同様投資家還元は今後どんどん大きくなっていきそうですが、通信インフラとして見るとリスク項目も多めではないかと。

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