【米国株】マクドナルド(McDonald’s:MCD)の銘柄分析【高配当】

いつもシェアありがとうございます。シェアボタンはこちらです。

今回はマクドナルド(McDonald’s:MCD)のファンダメンタル、チャート分析をやっていきたいと思います。

米国本社のほうのマクドナルドですよ!

スポンサーリンク

マクドナルド(MCD)の事業内容

ビジネスを3Cで分解してみましょう。

マクドナルドは言うまでもなくハンバーガーファーストフードチェーンです。販売量は年間15億食にもなると言われています。

事業内訳

決算書から

最新決算を見てみましょう。上が売上、下が営業利益です。あまり見栄えのいいプレゼン資料が見当たらなかったので、諦めました。

(出典:マクドナルドIR)

(出典:マクドナルドIR)

  • 米国売上が1/3、海外売上が2/3と、海外売上比率が高い傾向にあります。これはドル高で決算が悪化します。
  • 既存店舗売上は昨年比で7%減少しています。これは直営店比率を81%→95%とすることを目標とし、フランチャイズ化を加速させているためです。特に中国ではフランチャイズ比率は30%のため、店舗閉鎖と合わせて進めています。
  • 売上の4割近くをフランチャイズ収入が占めています。店舗の利益率が15%に対して、フランチャイズの利益率は80%と圧倒的な数字を叩き出しています。
  • 米国の売上が1.3%減となった一方で、海外売上高は2.7%増と好調。特に中国の成長が大きいようです。
  • 米国ではドライブスルーからの売上が65%を占めています。

マクドナルドの強み:フランチャイズ

マクドナルドの成功した理由を考えてみましょう。

  • コストリーダーシップ:商品管理はもちろんのこと、接客から調理に至るまで、全てをマニュアル化したことでコストを徹底的に下げています。加えて、ハンバーガーに対して安くて美味しいファーストフードの定番というイメージ付けにも成功しました。
  • 価格戦略:世界同一価格です。あと、途中で価格戦略を変更し、一度安いというイメージを与えた後での値上げに成功しています(正確には、複数の価格帯やセット販売で付加価値をつけて単価を上げています)。
  • ブランド価値:上の施策を世界中で取った結果、マクドナルドの看板は「どこでも同じ味が食べられる安心感」を与えるブランド価値、ブランドイメージを作り出しました。

そして、マクドナルドにおいて最も重要なのはフランチャイズ=ロイヤリティ収入です。なぜならここがマクドナルドの高い利益率と安定したキャッシュフローを支える軸だからです。

マクドナルドのフランチャイズは、マクドナルド本社が出店する土地を選定・契約し、店舗の構築まで行います。その上で、フランチャイジー(出店経営者)に貸し付けて、売上に比例した不動産賃料、及び売上の3%に相当する分をロイヤリティとしてマクドナルドが集金するモデルです。これにより、品質管理を行いながら経営上のリスクをフランチャイズに渡すことが出来るわけですね。

ちなみに、このマクドナルドを上回るフランチャイズ店を誇る企業があります。セブンイレブンです。サブウェイもマクドナルドより多いですが、個人的にはKUMONの4位もかなり意外。

(出典:RACONTEUR)

いずれにせよ、店舗数は35000店と、世界有数の水準であることは確かです。

マクドナルドの原価構造

既に有名になっていますが、マクドナルドの原価表はかつて流出したものがあるので、およそ想像出来ます。

参考【コーラ0円】 マクドナルドの原価が衝撃的過ぎる 【ポテト20円】

製造原価だとハンバーガー45円、ポテト20円、コーラ0円、コーヒー2.5円くらいです。一見ほとんど利益じゃないかと思うかもしれませんが、ここに人件費やテナント代といったコストが乗っかってきますので、思ったほど利益は出ません。この構造だからセット販売でハンバーガー以外を売るのがキモなんですね。

日本のモスバーガーの原価がハンバーガー100円、ポテト75円くらいらしいので、かなりコストを抑えているとはいえ、原価構造として特殊な部分はないと思います。スタバのコーヒーだってたぶん同じくらいですしね。

となると結局、マクドナルドは規模の経済を活かして薄利多売を極めた=コスト競争力によって現在の地位を手に入れたと解釈出来ます。

競合

ファーストフードの中では世界トップシェアです。数あるファーストフードの中で長らく安定してトップを走っているというところに、マクドナルドの経営システムの優位性が見られます。

(出典:AFUTE)

Doctor’s Associatesはサブウェイですが、未上場っぽいです。

ヤム・ブランズ(YUM)はケンタッキ・フライドチキンやピザハットを傘下に持つ企業です。元々ペプシコの下にありましたが、スピンオフされました。

【米国株】ペプシコ(Pepsico:PEP)の銘柄分析【高配当】
今回はペプシコ(PEP)のファンダメンタル、チャート分析をやっていきたいと思います。 生活必需品セクターということで、長期安定銘柄の一...

同じハンバーガーチェーンで比較するとシェイクシャック(SHAK)は非常に伸びてきている企業です。ただシェイクシャックは高級ハンバーガー店で売っていて、マクドナルドの客層とは住み分けされていると思います。

そもそも私の場合、ハンバーガーが食べたくて「どのハンバーガー店に行こうかな」と考えるより、「昼を軽く済ませたいな」と考えて吉野家や丸亀製麺と比較するほうが多いです。なので、分析するなら外食産業全体で見たほうがいいかなと。あ、日本企業だと5位にゼンショー、10位に吉野家がランクインしていました。吉野家HDは前に記事書いたのでぜひ見てください。

【優待株】吉野家ホールディングス(9861)のファンダメンタル、チャート分析
優待株シリーズ、直近の2月に優待がもらえる吉野家ホールディングス(9861)を今回は選んでみました。 個人的には牛丼チェーンの中で一番...

マクドナルドは海外売上比率が7割近いため、この世界シェアの図がそのままマクドナルドの企業パワーと言っていいはずです。

市場

正確な情報が見つからなかったのですが、世界の外食産業市場規模は推定200兆円程度だそうです。マクドナルドですら1%しかない市場ですから、いかに多くの競合がひしめき合っているか分かります。

ファーストフード市場に絞ると2022年までに6900億ドル規模になると見込まれているようです。20%近い成長率を誇る、立派な成長市場ですね。

(出典:Zion)

日本の市場については日本マクドナルドで見ようと思っていますが、可処分所得増加に伴い回復気味です。ハンバーガーもマクドナルドがV字回復して復調です。

(出典:富士経済)

リスク要素

店舗減少

店舗増加→ロイヤリティ上昇→マクドナルドの業績拡大のシナリオなので、店舗の減少は気になるところです。

異物混入事件

鶏肉問題や異物混入事件を発端とした日本マクドナルドの大失速は記憶に新しいところだと思います。あれはその後の対応もまずくて炎上してしまいましたが、これで赤字転落したのですから、レストランチェーンにおいて食の安全がいかに重要かということです。

同じマニュアルを共有するはずの日本マクドナルドでこうした事件が起こったため、安全管理は疑問符がつくかもしれません。

健康志向

コカ・コーラ(KO)ペプシコ(PEP)でも同じ話をしました。特に先進国で顕著ですね。健康志向というのは言ってしまえば食文化の変化、生活習慣の変化ですので社会的な現象です。

一応、マクドナルドの安価で大量生産可能なシステムはこれから人口増で中産階級が増える途上国で威力を発揮すると思っているので、健康志向の減少分を補うくらい成長するかなと踏んでいます。

実際どうなんでしょう。マックは特別美味しいとも思わないですが、安くてさっと食べられるメリットがあります。自分の客層の需要を見失わなければ、まだまだ手堅いと思うんですけどね。

もちろん、商品開発力もブランド力もありますし、広告宣伝も上手い会社ですから、食の安全と一緒に健康志向に合わせた商品も作ろうと思えば作れます(もうある?)。一方で商品を増やすのは数を絞ってコスト削減してきた企業文化に反するので、増やしてもせいぜい一つか二つでしょう。

健康志向による減少を重く見すぎて、マクドナルドを過小評価する傾向だってあるわけです。ちょっと赤字になっても総悲観するほど軟な企業じゃないと思います。

ブラック企業というイメージ

すき家のワンオペ、和民の過酷労働をはじめとしたブラック企業問題、日本では特に悪いイメージに繋がりやすいですよね。海外だとこういう問題があるのか分かりませんが……。

他に労働ストもリスクになるでしょうか。賃料引き上げはそのまま利益減になりますし、経営のさじ加減が問われるところだと思います。

マクドナルド(MCD)の財務分析

PL

営業利益率30%は外食産業とはとても思えない数字ですね。もちろん安定したロイヤリティ収入に依るものですが、このビジネスモデルそのものがマクドナルドが他社に優れる理由です。

13年から売上は落ちていますが、これはフランチャイズ比率を上げようとしているため、仕方ないです。代わりにリスクが減って利益率も上がりますからね。

最後だけ異次元のROEですが、140億ドル(1.4兆円!)もの自社株買いを行ったためです。フランチャイズ化でしばらく売上が細ることに対して株主へ報いるための方針ですが、規模がおかしいですね(笑)

BS

株主資本がマイナス、そして莫大な固定負債があるということは、借金して資金を調達し株主還元のために自社株買いをしたということになります。そりゃ140億ドルもやればそうなるよね。

ちなみに、固定資産の大半は土地や建物です。直営店でも6800店を運営しますので、資産規模も大きくなります。上で見たように3500店をフランチャイズに売却すれば、バランスシートの見栄えは一層良くなるはずです。

CF

フランチャイズ収入という安定収入源があるため、キャッシュフローは問題なしです。

株主還元指標

マクドナルドは41年連続増配銘柄です。以前記事にしました。

米国株25年以上連続増配銘柄・有望15株(コメントつき)
下の記事で米国の50年以上連続増配株と、日本の連続増配株を見てみました。 見てきたように、連続増配企業...

日本では花王の26年が最長ですから、比較になりません。連続増配の何がいいかって、企業側が来期も増配するという実質的なコミットがあることです。配当出せる分を一気に還元してしまって、その後の配当成長率は横ばいというのも悪くはないのですが、このコミットがあるとより安心して買うことが出来るわけです。

直近配当利回り:2.77%

マクドナルドの配当性向は60%前後とやや上昇気味です。これから高収益体質になって、まだ余地はあると思います。

マクドナルド(MCD)のチャート分析

とりあえずリアルタイムチャートのリンク置いておきます。

マクドナルド(MCD)-Yahoo!ファイナンス

過去の最高値、最安値

  • 最高値:131.58ドル(現在)
  • 最安値:12.12(03年)

うーん……この全くスキのない右肩上がりのチャートと言ったら。落ちてくるのを待ってたら永遠に買えないですね、これは。なんとかショックもなんのその、ところどころに踊り場があるんですが、規則通りに勢いを溜めて突破しています。

今最高値の130ドル近辺ですが、ここで落ちてきたら110~130ドルで踊り場を形成するかもしれません。

また、地味に最安値~最高値でテンバガー達成しています。外食産業は成熟市場だけど一人勝ちする構図が見えます。

今後の値動き予測

5年チャート

15年後半に一気にレンジ上限の103ドル近辺を突破し、今度はサポートラインに。4回当てて溜めた上限なので、一度突破してしまうとそう簡単には戻りません。

1年チャート

下限110ドルは2回目なので、このポイントがレンジ下限になってもおかしくないです。このまま頑張って上抜くとしてもあと1~2回は110ドルまで落ちそうですし、そのタイミングまでなら待てそうです。

110も全く安くはないんですが、全く落ちる気配のない銘柄なので買おうとしたらこうなるかと思います。

マクドナルド(MCD)の投資戦略

まとめましょう。

  • マクドナルドは外食産業でありながらフランチャイズフィーによる安定した収入源があり、営業利益率は30%を超える。
  • 今後は直営店を減らし、フランチャイズを増やすことで、よりコスト競争力の強い経営体質を作っていく方針。
  • 外食産業自体は、トップシェアのマクドナルドですらシェア1%台の激戦区で、だからこそこの業界で高収益なマクドナルドが光る。
  • 140億ドルもの巨額の自社株買いを実施し、直近のバランスシートあるいはROEなどは、とんでもない数字になっている。
  • チャート上では負け知らずの右肩上がりで、次にレンジになってくれたとして110~130ドル圏になりそう。

回答

最初にチャートを見て、買うなら高値で買うしかないと思ったので、あとはマクドナルドのビジネスが安定して続くかどうかが焦点でした。強固なビジネスであれば、多少株価が下落する時期があっても、買い増ししつつ凌いでいるうちに復調し、利益を生むからです。

読んでもらったら分かるように、私はマクドナルドを結構高く評価しています。日本だとイメージが悪くなっていますが、フランチャイズ収入がかなり安定していて、外食産業の中で一歩も二歩も洗練されたビジネスモデルを持っているからです(もしこれが、単なる外食産業典型的な薄利多売ビジネスであったなら、私は継続性に疑問をつけていたと思います)。

ということで、そのうち買いたい銘柄としてウォッチしておきます。もう一回炎上してもいいんですよ(笑)


あ、そういえば日本マクドナルドも優待株として人気が根強いですが、投資先としては米国マクドナルド(MCD)のほうをおすすめします。日本マクドナルドはフランチャのロイヤリティを米国本社に「支払う側」であり、仕組みとして業績にかかわらず常に一定比率の固定費がかかっているような状態です。日本は店舗も減少傾向、人気も悪化、利回りは優待込みでも3%と米国本社に勝るところが見当たりません。


これまで調査してきた米国株の個別銘柄記事リストをまとめました! 企業名クリックで各詳細記事に飛ぶことが出来ます。

企業名
(リンク先は分析記事)
ティッカー業種区分主力事業、ブランド
アマゾンAMZNITネット小売、クラウド
アルファベット/グーグルGOOGLIT広告(検索)、AI
アップルAAPLITiphone
マイクロソフトMSFTITOS、Office365
フェイスブックFBIT広告(SNS)
IBMIBMITクラウド、AI
インテルINTCIT半導体(PC、サーバ)
クアルコムQCOMIT半導体(モバイル)
エヌビディアNVDAIT半導体(GPU)
オラクルORCLITソフトウェア(DB)
シスコCSCOITネットワーク機器
アリババ・グループBABAITタオバオ、Tmall、アリペイ
ビザV金融決済インフラ
マスターカードMA金融決済インフラ
アメリカン・エキスプレスAXP金融決済インフラ
スタンダード&プアーズSPGI金融格付け機関
ムーディーズMCO金融格付け機関
ウェルズ・ファーゴWFC金融商業銀行
JPモルガン・チェースJPM金融商業銀行、投資銀行
AT&T T通信モバイル通信
ベライゾン・コミュニケーションズVZ通信モバイル通信
ネットフリックスNFLX通信動画配信サービス
ウォルト・ディズニーDIS通信ディズニー、ESPN
ジョンソン・エンド・ジョンソンJNJヘルスケア医薬品(ステラーラ)、バンドエイド他
メドトロニックMDTヘルスケア医療機器(ペースメーカー他)
アボット・ラボラトリーズABT/ABBVヘルスケア栄養補助食品、医薬品(ヒュミラ他)
ブリストル・マイヤーズ・スクイブBMYヘルスケア医薬品(オプジーボ他)
ファイザーPFEヘルスケア医薬品(プレブナー、リリカ他)
メルクMRKヘルスケア医薬品(キイトルーダ他)
ギリアド・サイエンシズGILDヘルスケア医薬品(ハーボニー他)
CVS ヘルスCVSヘルスケア薬局、PBM
ユナイテッド・ヘルスUNHヘルスケア医療保険、PBM
P&GPG生活必需品ビューティー(パンテーン、SK-II)他
ユニリーバUL生活必需品パーソナルケア(Dove、LUX)
コルゲート・パーモリーブCL生活必需品オーラルケア(歯磨き)
コカ・コーラKO生活必需品コカ・コーラ
ペプシコPEP生活必需品ペプシ・コーラ
ゼネラル・ミルズGIS生活必需品ハーゲンダッツ
クラフト・ハインツKHC生活必需品チーズ、ケチャップ
ホーメルフーズHRL生活必需品SPAM
マクドナルドMCD生活必需品マクドナルド
スターバックスSBUX生活必需品スターバックス(スタバ)
ウォルマート・ストアーズWMT生活必需品大型店舗小売
コストコ・ホールセールCOST生活必需品会員制小売
ホーム・デポHD生活必需品DIY小売
フィリップ・モリスPM生活必需品たばこ(マルボロ)
アルトリア・グループMO生活必需品たばこ(マルボロ)
レイノルズ・アメリカンRAI/BTI生活必需品たばこ
アンハイザー・ブッシュ・インベブBUD生活必需品バドワイザー
ナイキNKE生活必需品スニーカー(ナイキ・エア)
ギャップGPS生活必需品GAP、オールドネイビー
エクソン・モービルXOMエネルギー石油メジャー
シェブロンCVXエネルギー石油メジャー
ロイヤル・ダッチ・シェルRDS.Bエネルギー石油メジャー
ボーイングBA資本財B787ドリームライナー
ロッキード・マーティンLMT資本財ステルス戦闘機F-35
ユナイテッド・テクノロジーズUTX資本財航空機エンジン、エレベーター
キャタピラーCAT資本財建設機械(油圧ショベル他)
ゼネラル・エレクトリックGE資本財照明、航空機エンジン
スリーエムMMM素材ポストイット
デューク・エナジーDUK公共電力、ガス

▲TOP

▲TOP