3分で分かる、IT系テーマの全体像まとめ キーワード、俯瞰図、ロードマップ等

テーマ株

テーマ株をまとめるにあたり、先に主要テーマの多いIT系のキーワードをまとめておきましょう。相互に関係していることが分かったほうが、今後の株探しにも有益だと思います。

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ITの概観まとめ図

借り物の資料で失礼致します。最初になんとなくイメージを掴むのに最適だと思われる、全体像のマップを見てみましょう。

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(出典:【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド)

ビッグデータ、IoT、ロボット、人工知能、クラウド……それぞれのテーマは独立したものではなく、互いに繋がりを持って相乗効果を発揮します。

SNSの情報、スマホ、ウェアラブル端末、あるいはIoTとしてあらゆるモノに取り付けられたセンサー情報がインターネットを通じてデータとしてクラウド上に集積されていきます。

集積されたデータは膨大かつ多種類、リアルタイム性を兼ね備えたビッグデータと呼ばれます。ビッグデータを分析、活用することにより、各種サービスを展開出来る他、インターネットを通じて再びスマートデバイスにフィードバックされていきます。

あるいは情報を機械が機械学習、ディープラーニングによって学習し、人間を超える認識・判断の可能なAI(人工知能)及びAIを頭脳としたロボットの開発が進んでいきます。もちろん、人工知能はクラウド上で共有され、さらに革新的なサービスを生み出します。

似たような図ですが……

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(出典:ITmedia)

同じですね。しっかりと相互の関係性、背景を把握しましょう。今後また別のバズワードが生まれると思いますが、それは今の発展形であり、上の図のどこかに属することになります。

この全体像を頭に入れた上で個々のテクノロジーを知ることが大切です。

流れが分かりやすいITまとめ

ハードウェアを中心に、時系列的な流れに少し重きを置いたまとめ方は以下の図が分かりやすいと思います。

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(出典:工業技術研究院IEK)

膨大なデータから学習するAIの発展にビッグデータを収集可能なネットワークの性能改善や記録装置の改良が不可欠なように、やはりハードウェアの技術進歩が根幹にあります。

企業名(米国)が分かりやすいITまとめ

見難かったらこちらのサイトで確認してみてください。英語が大丈夫ならこちらの元サイトの方が詳しいです。

※下のほうが新しいですが、一応両方載せておきます。

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(出典:ブルームバーグ)

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(出典:ブルームバーグ)

コア技術だけでもAIやディープラーニング、画像認識や文章認識といった多岐に渡る研究分野があり、各企業には当然得意分野があります。そうした企業名込の情報をぱっと見て分かる貴重な図です。

ITのトレンド図でまとめる

以下ではITによる変革を4つの力に分けて説明します。

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(出典:Netcommerce)

言い方やまとめ方が違うだけで、本質的には他と同じです。詳しくはこちらのサイトをご確認ください。

また、上記を含めた最新ITトレンドについて、スライドでまとめてくれていますので、合わせてご紹介します。

参考最新のITトレンドとビジネス戦略【2016年6月版】サービス&アプリケーション編

IT市場の市場規模

全体

参考2016年のIT市場は1.4%増の14.7兆円–IDC予測

2016年の国内IT市場規模は前年比1.4%増の14兆7653億円、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は1.1%で、2019年の市場規模は15兆4648億円と予測している。

意外と増えてないw

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(出典:IDC Japan)

見ての通り、サーバ市場はマイナス成長に転じますが、スマホ、ソフトウェア市場等は堅調に推移しますので、全体としては横ばいくらいです。

そして特筆事項として、成長市場については以下の予測が立てられています。

なお、2016年の第3のプラットフォーム市場(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)については、成長率7.0%と予測している。

個別市場

長くなりすぎるので割愛します。以下に各市場ごとの成長予測が掲載されています。

参考2021年までの市場トレンドを予測(第230回NRIメディアフォーラム)

こうしてみると、成熟産業と成長産業の差がくっきりと分かれています。もちろんテーマに上がっているものが成長産業で、右肩上がりの市場拡大が予想されます。

※ITとは別枠で取り扱おうと思っているのですが、私にとって重要なコンテンツ産業も大きな変化の只中にあります。

また、経済産業省の説明資料には、各産業界ごとに事例が載っており、テクノロジーによる分類とはまた違う角度から見ることが可能です。

国の方針

国はどう考えているかということで、それぞれ見てみましょう。

経済産業省

役立ちそうな情報は上でも紹介した説明資料。主要領域それぞれの解説や、海外(主に米国)の事例について調査結果が豊富に載っていて便利です。

参考人工知能・IoT・ビッグデータによる新たな産業・社会革命

総務省

日本の課題、ICTの動向、グローバルの動向等が豊富に図解されています。やっぱりこういった情報は信頼できる国から取ってくるべきですよね。

参考ICTが拓く未来社会

参考ICT産業のグローバルトレンド

科学技術・学術政策研究所

ここは未来技術の予測シナリオ(2030年)についての情報が面白いです。

参考第10回科学技術予測調査

ITロードマップ、トレンド(2020年頃までのIT技術を見る)

これはNRIから毎年同タイトルの本が出版されています。一冊で最新トレンドが把握できるため、IT関連に投資する人は必読です。

過去のナンバリングを見ていると、毎年かなり移り変わりがあると分かります(例えば2年くらい前はビッグデータ、ウェアラブル端末が主流でした。ところが今はそんなに言われてません)。

全体論

以下3つの方向に、ITのトレンドは傾倒していきます。

  • ネットとリアルの融合:スタートアップ企業による、小さく多種多様な変革、SNSやコミュニケーションの形がより体験(リアル)を重視したものに。
  • テクノロジー主導による産業革命:フィンテックを代表として、ITが既存産業を破壊する(ディスラプション)、あるいはシェア、フリーの経済と融合して産業構造が変革する。
  • 安全性:データの価値上昇に伴って、プライバシー、セキュリティの重要性が一層高まる。

AI中心に見る今後5年の動き

現在の主要テーマの総括、一つの完成形がAI(人工知能)です。こちらの発表が詳しくてオススメです。

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(出典:NRI)

既に利用が拡大しつつある人工知能ですが、今後以下のように成長が見込まれています。

  • 音声、画像、自然言語のそれぞれの処理については17年を目処に実用性向上
  • プラットフォームの改良によって学習効率が向上
  • そして2020年には自律的な学習機能が実用レベルまで向上する見込み

今後テーマになりそうなIT系のキーワードまとめ

ここでは本当に簡単にだけまとめておきましょう。詳細内容及び関連銘柄、オススメ銘柄については、これからそれぞれ記事にしていきます。

いずれ全部記事に出来ますように。

全体概要

以下に87のキーワードを同一分野ごとに分類してくれた一枚図があります。キーワードの発見に大変役立つと思いますので、ざっと目を通してみてください。

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(出典:情報通信ネットワーク産業協会)

また、各産業と関わりの深くなりそうなテクノロジーについては以下の整理が非常に見やすいと思います。

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(出典:情報通信ネットワーク産業協会)

ビッグデータ

ビッグデータとは大量かつ多種類、高頻度のデータのこと。各テーマの根幹、前提には必ずビッグデータが必要とされています。

ハード面での成長(高性能化、安価)によってデータ収集が可能となったため、今後は一層利活用に目が向けられていくと予想されます。

ビッグデータについて 統計学があればビッグデータは不要なのか
3分で分かる、ビッグデータ 市場規模、発展の要素、利活用

ビッグデータの入門書としては、以下がおすすめです。

SNS、ソーシャルメディア

無料ではじめられ、スマホの普及とともにここ10年で爆発的に増加したSNS。

ウェブ上でのメディアであり、リアルタイムに反応がある「新しい繋がり」というコミュニケーションの形が若者を中心に受け入れられました。

今やウェブでの拡散性はビジネスにおいて無視出来ない勢いに達しており、SNSのプラットフォーム争いは激化していますね。

SNSと、SNSが創る未来を考えてみる

シェアリングエコノミー、APIエコノミー、オープン化

モノ、お金、サービス等の交換・共有により成り立つ経済のしくみのことで、Airbnb、Uberをはじめとする巨大企業が生まれつつあります。所有から利用への流れは、もはや大量生産大量消費の時代ではないことを示していると言えるでしょう。

ソーシャルメディアの普及によって、個人個人の信用性が担保されやすくなり、シェア経済が普及したとも言われています。また、貸す側は遊休資産の利活用、借りる側は安く必要なときに必要な分だけ借りることが出来るというWin-Winの構造になっており、今後さらに様々なビジネスが広がると思われます。

APIエコノミーは、ある企業のビジネスから別の企業のビジネスを呼び出すという意味で用いられ、オープンイノベーション(オープン化して広く知恵を集める方法)を促進します。ある意味ではシェアの一形態で、相乗効果を生むビジネスとして注目です。

シェアリングエコノミーは未来の経済社会になるか
3分で分かる、API経済圏(APIエコノミー)の誕生とインパクト

シェアリングエコノミーの入門書としては、以下がおすすめです。

インターネット(LTEから5G、Bluetooth等)

主に5G=次世代移動通信システムが目玉です。

2020年に現在の1,000倍のトラフィック量増大を予測しており、それに合わせて通信性能の飛躍的(10倍以上)な上昇を見込んでいます。

5Gは人の通信(SNSや動画視聴)ではなく、IoTによるM2Mのデータトラフィック増にも対応しうるものであり、東京オリンピックに合わせた投資が期待されます。

3分で分かる、5Gネットワーク(前編)
5Gネットワークと関連銘柄(後編)

クラウド、プラットフォーム

クラウドとはハードウェアやソフトウェアを必要な分だけネットワーク経由で提供するサービス形態のこと。

これまでIT投資には莫大な初期投資がかかりました。システムを作るとなるとサーバを買ったり、アプリケーションを買ったり自前で作ったりする必要があったためです。しかし、クラウドの登場によって必要な分だけを月額サービスで利用可能となり、主にベンチャー企業のような資金に乏しい企業の参入障壁をなくしました。IT投資が効率化された反面、セキュリティ需要も増加しています。

クラウドの概要についての記事は以下です。

クラウドサービス関連銘柄について(前編) そもそもクラウドサービスってなに?
3分で分かる、クラウドサービス(後編) 今後の展望、市場規模、AWS

セキュリティ

ファイアウォール、侵入検知システム等、近年のデータ化の流れに伴い、セキュリティ事故を起こすことは社会的信用を失うことと同義であり、セキュリティの重要性も増してきています。

一方で、攻撃者の攻撃方法もどんどん多様化、複雑化しており、個人個人の情報リテラシーが求められる時代です。

3分で分かる、セキュリティビジネスのトレンドと方向性
情報セキュリティ関連銘柄(日本株、米国株)

IoT、ウェアラブル

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)とは、ありとあらゆるモノをインターネットを結びつける仕組みのことです。

あらゆる活動が収集可能となり、離れたものの状態を知る、可視化する、操作するといった人を介さない活動が可能になります。

大規模通信規格、クラウド化の進展、ビッグデータ、スマホの登場によるセンサー系の小型化といった各要素が絡まって加速度的に実現しています。「あらゆるモノ」をインターネットと結びつけるため応用範囲が広く、ビジネスのあり方を大きく変える可能性があります。

3分で分かる、IoT(Internet of Things)の概要おさらい記事

IoTの入門書としては、以下がおすすめです。

AI(人工知能)

AIとはArtificial Intelligenceの略称で、コンピュータによって人の知能を模したものです。

推論、認識、判断や表現等について、人の脳で行ってきた役割を人工的にコンピュータによって再現することが期待されています。ロボットの頭脳としたり、優秀なAIをクラウドを活用してサービスとして展開することも可能です。

AIは機械学習によってどんどん進化しており、現時点でも認識精度は人間の脳を上回っています。近年の技術進歩はシンギュラリティ(技術的特異点)と呼ばれる未来予測の限界点が近いことを暗示しているかもしれません。

3分で分かる、AI(人工知能) なぜ今回のAIブームは本物と言えるのか【機械学習・ディープラーニング】
AI(人工知能)のある未来を考えてみる(2045年くらいの未来社会)
3分で分かる、AI・ディープラーニングの将来性 ロードマップ、市場規模とか
人工知能(AI)・ディープラーニング関連銘柄(日本株10選+アルファ)

AI(人工知能)の入門書としては、以下がおすすめです。

機械学習、表現学習、ディープラーニング、アルゴリズム

人間の学習能力を機械でも再現しようという試みです。

これまでのAIは人間によって教えられた分類に従って学習してきましたが、現在主流のディープラーニングは、機械が人の指示なく自らで特徴点を抽出、認識し、判断していくことが出来るようになってきています。

3分で分かる、ディープラーニングの仕組み
3分で分かる、現在のディープラーニングビジネス

ロボット、ドローン

ハードウェアの高性能化、小型化(センサー等)や動きの精密化、およびAI技術による頭脳の強化によって、今後は産業、一般家庭両方でロボットが増大することが見込まれます。

ロボットの活用場面はあまりにも広く、今後10年の主要テーマとなり得るでしょう。

3分で分かる、ドローンビジネス ドローンってそんなに有望かな?
3分で分かる、ロボットビジネスの種類とそれぞれの事例
3分で分かる、ロボットビジネスの今と未来 市場規模とか

VR、AR、MR

VR(Virtual Reality)はデジタルの三次元空間に没入する方法、AR(Augmented Reality)は現実世界にデジタルの情報を重ねあわせて表示する技術、そしてMR(Mixed Reality)はその二つの融合で、デジタル世界に現実世界の情報を取り込んだものです。

体験に価値が置かれる現代において、特にVRはPlaystationVRの登場もあり、本格的なブームが到来しそうな状況です。認識技術やハードウェア小型化、IoTの進展に伴い、急速に現実のものとなっています。

ARの概要についての記事は以下です。

AR技術の活用方法を考える(前編) 今、実現できること。
AR技術の活用方法を考える(中編) これから先の展望とか
AR技術の活用方法を考える(後編) AR関連銘柄まとめ

VRについては以下に記事を書きました。

VR(バーチャルリアリティ)についてまとめた 主要HMD比較
VR(バーチャルリアリティ)についてまとめた VRサービスまとめ、今後の展望、オススメ体験スポット
VR(バーチャルリアリティ)についてまとめた 市場規模、大手各社の動き
VR(バーチャルリアリティ)関連銘柄まとめ(コメントつき)

VRの入門書としては、以下がおすすめです。

ARとも関係深いGPS関連の記事はこちらです。

3分で分かる、GPS(位置情報サービス)のビジネス拡大がすごいということ

AR、GPSと言えばポケモンGOもそうですね。

ポケモンGO(任天堂:7974)の今後と関連銘柄を調べてみる

フィンテック(ビットコイン、ブロックチェーン)

フィンテック(Fintech)とは、ファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)のを併せた造語で、金融業界にITを組み合わせた新しい金融サービスの形を総称したものです。

フィンテックの概要についての記事は以下です。

フィンテック、ビットコインのまとめ(フィンテック編)
3分で分かる、ブロックチェーンの仕組み
3分で分かる、ブロックチェーンの応用範囲と、変化する社会
3分で分かる、ビットコイン(Bitcoin)の基本
フィンテック(ブロックチェーン、ビットコイン)関連銘柄まとめ 日本株12選+アルファ

ブロックチェーン、ビットコインの入門書としては、以下がおすすめです。

自動運転車

一大産業である自動車産業の革命。今まで人の手で運転していた自動車を、機械が運転するようになることです。

AIの進展、ビッグデータ収集による現実の把握、様々な技術を総動員して作り上げます。特に車社会の米国においては、運転時間に別のことが出来るようになり、別のビジネスが広がるとも期待されます。

3分で分かる、自動運転車の現在
3分で分かる、自動運転車の未来

3Dプリンタ

メーカーズ革命。

ものづくり(製造工程)の機械化、自動化は不可避の流れで、設計図さえあれば車の部品も家も料理も、どんなものでも自宅で創る時代がやって来ます。

3分で分かる、それでも3Dプリンタに期待してしまう理由
3分で分かる、3Dプリンタの未来像
3Dプリンタ関連銘柄まとめ(日本株、米国株11選+アルファ)

メイカーズ革命の入門書としては、以下がおすすめです。

宇宙ビジネス

変化球かもしれませんが、IT技術の進展は間違いなく宇宙開発へと向かうはずです。宇宙旅行が出来る日もそう遠くはないのでしょう。

3分で分かる、宇宙ビジネスの現状と未来
宇宙ビジネス(宇宙産業)の関連銘柄考察(日本株、米国株16社+アルファ)
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