【米国株】メルク(Merck:MRK)の銘柄分析

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今回はメルク(MRK)のファンダメンタル、チャート分析をやっていきたいと思います。

ドイツにもルーツを同じにするメルク社がありますが、ここではNYSEに上場している米国メルクについての分析になります(第一次世界大戦時、ドイツから米国メルクが独立して設立され、以降は完全に別経営になっています)。

米メルクはアイキャッチのロゴが目印ですので、ご注意ください。

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メルク(MRK)の事業内容

ビジネスを3Cで分解してみましょう。

事業内訳

ドイツのバイエルにコンシューマケア事業(OTC事業)を売却したため、ほぼ完全に医薬品(Pharmaceutical)事業オンリーです。その他のセグメントには、獣医(Animal Health)がわずかにありますが、微々たるものです。

(出典:メルク アニュアルレポート)

医薬品の内訳を少し噛み砕いてみましょう。16年のアニュアルレポート39ページあたりを見ていますが、売上を伸ばしているのがキイトルーダとZepatierしかないっすね。

(出典:メルクIR)

  • Primary Care and Women’s Health:心血管疾患(Cardiovascular)、糖尿病(Diabetes)、一般医療、女性向け医療です。糖尿病対策のジャヌビアは今後に期待されている新薬です。
  • Hospital and Specialty(病院、専門医):HIV、肝炎(Hepatitis)、免疫療法(Immunology)の医薬品、または緊急治療患者向けの製品になります。肝炎のZepatierは16年から販売開始のため、今後柱になることが期待されます。
  • Oncology(がん):キイトルーダが大幅増しています。というより、メルクの製品群で売上倍増している医薬品がこれしかありません。
  • Diversified Brands(その他):呼吸器疾患向けの医薬品他。
  • Vaccines(ワクチン):パピローマウイルス向けワクチンのGardasilが好調です。

キイトルーダは17年2月に発売されました。オプジーボは14年発売と3年先行しているので、あちらは胃がんや黒色腫、リンパ腫にも適用が広がっています。今後他の領域でも勝負は続くでしょう。

ちなみに、ドイツのメルクを元にしたメルク・ジャパンだと以下のように分かれます。どうも北米市場を持っている米メルクとは事業内訳が異なっているようです。ご参考まで。

  • ヘルスケア:主力の医薬品事業です。ヘルスケアセクターはバイオファーマ、コンシューマーヘルス、アレルギー薬、バイオシミラーに分かれています。
  • ライフサイエンス:メルクミリポアをはじめとした、医療機器分野になります。HPには細胞生物学、幹細胞培養、タンパク質研究等のソリューションとありますが、具体的な製品で言えば、培養キット、シグナル検出試薬、培養ツール等です。
  • パフォーマンスマテリアルズ:化学製品、塗料の材料になります。一般家庭向けの家電や証明にも使われているようですね。

競合

医薬品市場は症例ごとに細分化されており、各マーケットにリーダーが異なります。なので、全体像としては売上高で見ておけば十分だと思います。

ファイザーでもお借りした資料を載せておきます。米メルクは4位につけていますね。R&Dも5位で売上の20%弱を投資しており、今後も高いランクを維持するのではと期待します。

(出典:Answers News)

メルクにとっては、14位のブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)が一番気になるところです。なぜならがん医薬品キイトルーダの主たる競合は、BMYのオプジーボだからです。

先に詳しい記事を書いたので譲りますが、どちらもがん治療を根本から変える可能性のある新薬で、最新の臨床試験でキイトルーダが肺がんのファーストラインで大きくリードしました。

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その他、大手製薬会社はあらゆる領域で争っていますし、創薬ベンチャーのM&A合戦でも火花を散らしています。有力なものは別途記事を書いておりますので、リンク貼っておきます。

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まとめた記事もあるのでどうぞ!

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市場

全体論についてはVHTの記事をご参照ください。

【VHT】ヘルスケア関連銘柄【製薬・バイオテクノロジー】
生活必需品のような安定株もあれば、バイオテクノロジーのような人気化しやすい株もある、ヘルスケア関連の銘柄を見てみましょう。 ※ごめんな...

いくつかの製品を見ても、やはり大手だけあって患者数の多い=競争の激しい領域へ多数の製品を展開していますね。

  • キイトルーダ(がん):がんの部位別死亡率一位の肺がん適用で、キイトルーダは優位に立っています。薬価問題はあるので単価は変動するかもしれませんが、連続投与が必要な関係上、一人あたり年間1000万以上の売上が立つ予定です。がん全体では世界で年間1400万人が発症していると言われますので、いかに巨大な市場か分かると思います。
  • ジャヌビア(糖尿病):ジャヌビアも主力になる医薬品ですが、糖尿病は生活習慣病の一つと言われ、世界患者数は4億人を突破したと発表がありました(国際糖尿病連合(IDF)調べ)。

リスク要素

新薬開発失敗リスク

お馴染みです。製薬会社のリスクとして仕方ない面があります。失敗の可能性があるからこそ、各企業はパイプラインを強化して数撃ちゃ当たるのビジネスをやっているのです。

メルクの場合はキイトルーダの動向が非常に重要なポイントです。

パテントクリフとジェネリック医薬品

これももうお決まりですね。特許切れによってジェネリック医薬品に取って代わられるリスクです。米国のジェネリック医薬品シェアは9割なので、特許切れになったタイミングで業績がガクンと落ちます。

メルクも関節リウマチ治療薬「レミケード」が特許切れとなり、同製品売上は24%減少と、全体の数字にも大きく影響しました。

今後の柱であるキイトルーダは17年2月に発売されたばかりですので、まだ当面考えなくて大丈夫です。というかメルクについてはむしろ、ここ数年で稼ぎ頭が片っ端から特許切れし、ようやく持ち直そうかというところですからね。

メルク(MRK)の財務分析

PL

メルクはここ数年ブロックバスターの相次ぐ特許切れに悩まされています。13年にぜんそく治療薬「シングレア」、15年に関節リウマチ治療薬「レミケード」が特許切れです。14年度に純利益が膨らんだ部分は一般医薬品(OTC事業)の売却益ですね。

今も売上減少に歯止めがかからない状態で、キイトルーダの成功は同社の今後を左右する最注目ポイントになります。

利益率は20%弱で推移、ROEは10%弱で推移しています。

BS

自己資本比率は40~50%あり、安定性は非常に高いと思います。

CF

一定の投資に大して一貫して高い営業キャッシュフローを稼いでおり、まだまだ十分な余裕があります。

株主還元指標

シーゲル銘柄でもある通り、メルクは高配当と言って良い水準で配当を払っています。利回りも3%に届こうかというところで、株価を考えると中々高いと思います。

直近配当利回り:2.91%

メルク(MRK)のチャート分析

とりあえずリアルタイムチャートのリンク置いておきます。

メルク(MRK)-Yahoo!ファイナンス

過去の最高値、最安値

今は米国株全般に上がっているため、苦戦している背景を知っていると、思ったより高い印象もあります。

ようやく2007年の高値圏を突破したところで、これから2000年頃の高値を目指して行きそうです。規模的にはM&Aで倍近くになっているので、いずれ超えるんじゃないかな。

  • 最高値:91.50ドル(2000年)
  • 最安値:20.05ドル(2009年)

今後の値動き予測

5年チャート

ここ5年、ヨコヨコ気味ながらも全体的には上昇トレンドでやって来ました。業績は特に良くなっておらず、市況の好調で一緒に上げてもらった格好です。これからキイトルーダが成長すればまだこの水準でも安いということになるかもしれません。

1年チャート

61ドルラインは完全に抜け出しましたね。

メルク(MRK)の投資戦略

まとめます。

  • 世界4位の製薬会社だが、近年はブロックバスターの特許切れによって減収が続き、苦戦している。
  • がん特効薬キイトルーダはメルクの次の柱として期待されており、肺がんファーストラインで競合オプジーボに優位の状況。
  • チャートではリーマンショック前の高値水準をようやく超えた段階。

回答

高配当、ヘルスケアセクターの老舗企業で、シーゲル銘柄でもある米メルクですが、たしかに業績は良くない状況でした。しかし、ブロックバスターになり得るパイプラインをしっかり持っているというのは大きなプラス材料です。

BMYと同じ話になりますが、結局キイトルーダとオプジーボの勝負がどうなるかですね。両方買うと少しはリスクヘッジになるんじゃないでしょうか。

BMYはオプジーボの肺がんファーストラインの臨床試験失敗で大幅に株価下落していましたが、メルクに関しては、今の株価は安いと見るには微妙なところです。キイトルーダの期待値は上がってきており、リスクリワードの釣り合うポイントは慎重に見極めたいです。


これまで調査してきた米国株の個別銘柄記事リストをまとめました! 企業名クリックで各詳細記事に飛ぶことが出来ます。

企業名
(リンク先は分析記事)
ティッカー業種区分主力事業、ブランド
アマゾンAMZNITネット小売、クラウド
アルファベット/グーグルGOOGLIT広告(検索)、AI
アップルAAPLITiphone
マイクロソフトMSFTITOS、Office365
フェイスブックFBIT広告(SNS)
IBMIBMITクラウド、AI
インテルINTCIT半導体(PC、サーバ)
クアルコムQCOMIT半導体(モバイル)
エヌビディアNVDAIT半導体(GPU)
オラクルORCLITソフトウェア(DB)
シスコCSCOITネットワーク機器
ビザV金融決済インフラ
マスターカードMA金融決済インフラ
アメリカン・エキスプレスAXP金融決済インフラ
スタンダード&プアーズSPGI金融格付け機関
ムーディーズMCO金融格付け機関
ウェルズ・ファーゴWFC金融商業銀行
AT&T T通信モバイル通信
ベライゾン・コミュニケーションズVZ通信モバイル通信
ネットフリックスNFLX通信動画配信サービス
ジョンソン・エンド・ジョンソンJNJヘルスケア医薬品(ステラーラ)、バンドエイド他
メドトロニックMDTヘルスケア医療機器(ペースメーカー他)
アボット・ラボラトリーズABT/ABBVヘルスケア栄養補助食品、医薬品(ヒュミラ他)
ブリストル・マイヤーズ・スクイブBMYヘルスケア医薬品(オプジーボ他)
ファイザーPFEヘルスケア医薬品(プレブナー、リリカ他)
メルクMRKヘルスケア医薬品(キイトルーダ他)
ギリアド・サイエンシズGILDヘルスケア医薬品(ハーボニー他)
CVS ヘルスCVSヘルスケア薬局、PBM
ユナイテッド・ヘルスUNHヘルスケア医療保険、PBM
P&GPG生活必需品ビューティー(パンテーン、SK-II)他
ユニリーバUL生活必需品パーソナルケア(Dove、LUX)
コルゲート・パーモリーブCL生活必需品オーラルケア(歯磨き)
コカ・コーラKO生活必需品コカ・コーラ
ペプシコPEP生活必需品ペプシ・コーラ
ゼネラル・ミルズGIS生活必需品ハーゲンダッツ
クラフト・ハインツKHC生活必需品チーズ、ケチャップ
ホーメルフーズHRL生活必需品SPAM
マクドナルドMCD生活必需品マクドナルド
ウォルマート・ストアーズWMT生活必需品大型店舗小売
コストコ・ホールセールCOST生活必需品会員制小売
ホーム・デポHD生活必需品DIY小売
フィリップ・モリスPM生活必需品たばこ(マルボロ)
アルトリア・グループMO生活必需品たばこ(マルボロ)
レイノルズ・アメリカンRAI/BTI生活必需品たばこ
アンハイザー・ブッシュ・インベブBUD生活必需品バドワイザー
ナイキNKE生活必需品スニーカー(ナイキ・エア)
エクソン・モービルXOMエネルギー石油メジャー
シェブロンCVXエネルギー石油メジャー
ロイヤル・ダッチ・シェルRDS.Bエネルギー石油メジャー
ボーイングBA資本財B787ドリームライナー
ロッキード・マーティンLMT資本財ステルス戦闘機F-35
ユナイテッド・テクノロジーズUTX資本財航空機エンジン、エレベーター
キャタピラーCAT資本財建設機械(油圧ショベル他)
ゼネラル・エレクトリックGE資本財照明、航空機エンジン
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