【米国株】レイノルズ・アメリカン(RAI)とブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)の銘柄分析【高配当】

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今回はレイノルズ・アメリカン(RAI)とブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)のファンダメンタル、チャート分析をやっていきたいと思います。

RAIはアルトリア・グループに次いで全米2位のたばこメーカーですね。タバコ業界全体については、フィリップ・モリスとアルトリア・グループでかなーり詳しく書いていて、この記事はそれを前提にしています。

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17年1月、イギリスのブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)がレイノルズ・アメリカンに買収合意をしたと発表しました。BATは既にレイノルズ・アメリカンの株式を42.2%保有していますので、残り分を獲得しようということですね。

※ブリティッシュ・アメリカン・タバコの略称がBATで、ティッカーはBTI(ADR)です。

参考英BAT、米レイノルズと統合合意 買収額上げ5.6兆円で

買収合意してしまったので、実質的にはRAIを買ってもBTIを買うのとあまり変わらないことになります。別々にすると面倒なのでまとめました。

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レイノルズ・アメリカン(RAI)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)の事業内容

ビジネスを3Cで分解してみましょう。

事業内訳

レイノルズ・アメリカンは米国売上が97%以上、かつたばこ事業のみですので、非常に分かりやすいです。関連会社がいくつかありますが、全部たばこ関連です。

(出典:レイノルズ・アメリカンHP)

買収先のBATも完全なたばこの会社。既にRAI株式を42%取得し子会社にしていることから、独禁法には引っかからないとのこと。

主力ブランドはダンヒル、ケント、ラッキーストライク、ポールモール、ロスマンです。

(出典:ブリティッシュ・アメリカン・タバコ IR)

BATは52%を占めるヨーロッパを中心に、実に55か国でトップシェアを取っています。アジア・パシフィックの利益率が高いことと、ヨーロッパ市場が二桁成長していることが意外に感じます。

(出典:ブリティッシュ・アメリカン・タバコ IR)

以下はフィリップ・モリスのIRデータですが、これの青色がBATの主力ブランドのランクです。トップ15ブランドのうち先程の5ブランドが上位を占めています。

ブランド力が大切なのは、たばこ税の増税や喫煙者減少による利益減に対応して、価格を消費者へ転嫁出来るかどうか決まるからです。

(出典:フィリップ・モリス)

この他、加熱式たばこでgloという製品を出しています。主に先進国における健康志向のたばこビジネス戦略は、フィリップ・モリスと同じ方向性ですね。

競合

RAIの売上はほぼ米国内市場のみ、そこの競合もアルトリア・グループしかいません。アルトリア・グループにはマルボロという強力なブランドがありますが、RAIもロリラード買収によってニューポートを手に入れました。

下の図は少し古くてロリラードが残っていますが、この緑と黄色がそのまま一つの会社にまとまったので、完全に2社寡占市場です。

(出典:Wall Street Journal)

逆にBATは米国市場以外が8割となっており、世界的な売上ではフィリップ・モリス・インターナショナルに次いで2位でした。今回の買収でトップになります。

(出典:JT)

どのたばこ会社も儲けまくってますが、加熱式たばこなどでは競争も激化しています。

市場

フィリップ・モリス、アルトリア・グループの同項目をご参照ください。ざっくりまとめると以下のようになります(米国市場、世界市場)。

  • 世界最大市場の中国で急増しているため、世界全体で見れば喫煙者は増加傾向。ただし、中国を除く大半では減少傾向
  • 特に紙巻きタバコは先進国中心に販売本数は減少傾向
  • 米国タバコ市場においても、売上本数が減少傾向。トップシェアはアルトリア・グループのマルボロで、全体の44%を占める。
  • 今のところ、加熱式タバコの市場規模は1兆円、電子タバコの市場規模は3500億円だが、今後の成長を担うのは健康配慮したタバコのはず

リスク要素

リスクはMO、PMと一緒です。

買収に関する株式、現金交換について

何がリスクかって、RAI株主にとっては対応が面倒くさいです。BATの提案はRAI株をBTI株&現金へ交換することですので、RAI株を保有しているとちょっと手間です。ユニリーバとクラフト・ハインツでも書いたように、別会社持ち分になると一般口座で払い出しされる可能性もあるんですね。

たばこ業界の統合

タバコ業界全体でも再編の動きが加速しています。フィリップス・モリスもアルトリア・グループともう一度一つになるかもしれないと言われていますし、おそらく実現するのではないでしょうか(元々米国の訴訟リスクを踏まえて切り離した格好でしたが、大きな訴訟案件は和解しています)。

潤沢な資金を元にM&Aを繰り返してポートフォリオを拡充してきたたばこ業界ですが、次のターゲットはそれこそRAIがロリラードを買収したように、有力たばこブランドの統合ではないかと。

トップシェア=投資収益ナンバーワンなのか

さて、BTIは買収によって業界トップになるわけですが、じゃあ株としてもPMやMOを差し置いてトップなのかというと、それはまた別の話。株は業績の良し悪しではなく、投資家の考える期待収益と実態と比較しての良し悪しで決まるものですので、トップシェアというのは評価が高くなりがちで、むしろ投資収益が悪くなります。

その一例がフィリップ・モリスでしょう。フィリップ・モリスが過去S&P500を大幅にアウトパフォームしたのは、インカムゲイン+キャピタルゲインの両輪があったためです。元々業界でも大手ではありませんでしたが、1960年後半あたりからマルボロが徐々にシェアを伸ばしていったことで、合わせて市場でも評価され配当再投資していた分が一気に膨らみました。

(出典:アルトリア・グループ)

これをまとめると、トップシェアになる前の株を買って、そこが成長してトップシェアを取れば収益率が最も高くなるという、それが出来れば苦労しないだろうという話です。とりあえず、昔と違ってちゃんと評価される時代になったので、フィリップ・モリスのような20%近い年間収益率を叩き出すことは不可能だと思います。

それでもたばこ株は私の中で買い筆頭銘柄です。

なぜならビジネスモデルがとても優れているからです。技術革新がなく、支出が少なく、ブランド価値が高く、参入障壁が高い。キャッシュを稼ぐ力が凄まじいため、将来に渡って安定したビジネスを継続し、きちんと利益を投資家に還元してくれる絶対的な安心感があります。

こうした企業への投資で資産形成することで、以前ほどの収益率ではないかもしれませんが、トップシェアに駆け上がっていくことを夢見て博打投資をするより遥かに安全確実な果実を得ることが出来るはずです。

レイノルズ・アメリカン(RAI)の財務分析

PL

この脅威の営業利益率を見るとやっぱりたばこ株って感じですね。米国内ではアルトリア・グループと寡占市場を形成しているからこそ実現するもので、彼らの地位が脅かされることはないでしょう。

直近で売上が増加しているのは、業界3位ロリラードを買収したためです。これによって一層3位以下との差が広がりましたし、ロリラードのブランド「ニューポート」という全米2位の強力な製品を手に入れました。

営業利益率は直近以外の数字でも30%前後ととても高い水準で推移しています。ROEはも同様に20%後半くらいと非常に高いです。

BS

財務の安定性はアルトリア・グループよりも高いです。向こうは借金しての自社株買い還元をやっていることもあって、基本10%程度でしたね。フィリップ・モリスに至っては債務超過でした。ただ、いずれも事業の盤石性を加味すると何の問題もありません。

レイノルズ・アメリカンが株主還元をやっていないかというとそんなことは全くなく、アルトリア・グループと並んで全米屈指の高還元企業です。

CF

一瞬16年に営業キャッシュフローが悪化していますが、三本線がほとんど横ばいで動いているという理想的なキャッシュフローです。

株主還元指標

配当性向は直近でやや下がったものの、基本的に80%を超えてきていましたので、余力は大きくはないかもしれません。

直近配当利回り:2.72%

株価が高騰している今の状態でも配当利回りは2.72%もあります。

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)の財務分析

続いてBTIも分析しましょう。

PL

やはり30%を安定して超えた利益率が光ります。投資効率、EPS成長、純利益、どれをとっても素晴らしく、文句ありません。

BS

自己資本比率が20%と低水準で推移しているのは、他のたばこ株と一緒ですね。事業の安全性を背景にギリギリまで投資家還元しようという姿勢が見えます。

CF

キャッシュフローの安全性も当然トップクラスです。現金がたくさんあるのでRAI買収も無理しすぎない範囲で対応可能です。

そしてたばこビジネスの特性上、それほど多くの投資を必要としないことも、FCFの高いアベレージに寄与しています。

株主還元指標

配当性向は7割前後、DPSは右肩上がりで増えています。ただ、UKの連続増配一覧に引っかからないので10年未満なのでしょうか。

直近配当利回り:2.26%

レイノルズ・アメリカン(RAI)のチャート分析

とりあえずリアルタイムチャートのリンク置いておきます。

レイノルズ・アメリカン(RAI)-Yahoo!ファイナンス

過去の最高値、最安値

やっぱ凄い勢いですね。

  • 最高値:64.92ドル(現在)
  • 最安値(リーマンショック後):7.89ドル(2009年)

今後の値動き予測

5年チャート

適当に10ドルごとに線を引いてみました。なんとなく意識されているような、そうでもないような。買収合意額は1株あたり59.64ドルとのことで、これを受けて60ドルはあっさり突破しました。

1年チャート

中央付近で値が飛んでいるのは、16年10月にBATによる買収のニュースが出て騒がれたためです。その後1月買収合意で継続的に上昇中です。

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)のチャート分析

こちらもBTIを見ておきましょう。とりあえずリアルタイムチャートのリンク置いておきます。

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)-Yahoo!ファイナンス

過去の最高値、最安値

やはり同じように上昇トレンドを描いています。

  • 最高値:69.03ドル(現在)
  • 最安値(リーマンショック後):21.63ドル(2009年)

40ドルにリーマンショック前の高値があり、今後の下落時の最低ラインはこのポイントなのかなとも思います。例えばそこにリスクリワードが釣り合う50ドル近辺で購入した場合、ちょうど配当利回りも3%を超える計算となります。

今後の値動き予測

5年チャート

しかしながら、ここ5年はかなり横ばいで推移していました。48~62ドルの狭いレンジが見えます。

16年後半の買収提案で市場が活気づいて急上昇しましたが、それまで成長は停滞していましたしね。

1年チャート

出来高が膨らんだのがRAI買収絡みのタイミングで、合意形成されて以降は順調な上昇トレンドに入りました。

レイノルズ・アメリカン(RAI)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)の投資戦略

それぞれは短いのでまとめは省略します。

回答

RAIは株式交換が面倒くさいので、最初からBTIを買ったほうが良いです。

たばこ事業のビジネスモデルは何度見ても素晴らしく、将来に渡って安定したキャッシュ還元が約束されているような銘柄です。

その中でブリティッシュ・アメリカン・タバコは業界再編の機運を作り、いち早くリーダーの地位を確保しました。是非とも欲しい銘柄なので、しっかりウォッチしていきたいと思います。


そういえば、楽天証券ではBTIのADR取り扱いがないようです。SBIやマネックスメインであれば問題なく購入出来ますが、楽天の方はご注意を。


これまで調査してきた米国株の個別銘柄記事リストをまとめました! 企業名クリックで各詳細記事に飛ぶことが出来ます。

企業名
(リンク先は分析記事)
ティッカー業種区分主力事業、ブランド
アマゾンAMZNITネット小売、クラウド
アルファベット/グーグルGOOGLIT広告(検索)、AI
アップルAAPLITiphone
マイクロソフトMSFTITOS、Office365
フェイスブックFBIT広告(SNS)
IBMIBMITクラウド、AI
インテルINTCIT半導体(PC、サーバ)
クアルコムQCOMIT半導体(モバイル)
エヌビディアNVDAIT半導体(GPU)
オラクルORCLITソフトウェア(DB)
シスコCSCOITネットワーク機器
アリババ・グループBABAITタオバオ、Tmall、アリペイ
ビザV金融決済インフラ
マスターカードMA金融決済インフラ
アメリカン・エキスプレスAXP金融決済インフラ
スタンダード&プアーズSPGI金融格付け機関
ムーディーズMCO金融格付け機関
ウェルズ・ファーゴWFC金融商業銀行
JPモルガン・チェースJPM金融商業銀行、投資銀行
バークシャー・ハサウェイBRK.B金融バークシャー
AT&T T通信モバイル通信
ベライゾン・コミュニケーションズVZ通信モバイル通信
ネットフリックスNFLX通信動画配信サービス
ウォルト・ディズニーDIS通信ディズニー、ESPN
ジョンソン・エンド・ジョンソンJNJヘルスケア医薬品(ステラーラ)、バンドエイド他
メドトロニックMDTヘルスケア医療機器(ペースメーカー他)
アボット・ラボラトリーズABT/ABBVヘルスケア栄養補助食品、医薬品(ヒュミラ他)
ブリストル・マイヤーズ・スクイブBMYヘルスケア医薬品(オプジーボ他)
ファイザーPFEヘルスケア医薬品(プレブナー、リリカ他)
メルクMRKヘルスケア医薬品(キイトルーダ他)
ギリアド・サイエンシズGILDヘルスケア医薬品(ハーボニー他)
CVS ヘルスCVSヘルスケア薬局、PBM
ユナイテッド・ヘルスUNHヘルスケア医療保険、PBM
P&GPG生活必需品ビューティー(パンテーン、SK-II)他
ユニリーバUL生活必需品パーソナルケア(Dove、LUX)
コルゲート・パーモリーブCL生活必需品オーラルケア(歯磨き)
コカ・コーラKO生活必需品コカ・コーラ
ペプシコPEP生活必需品ペプシ・コーラ
ゼネラル・ミルズGIS生活必需品ハーゲンダッツ
クラフト・ハインツKHC生活必需品チーズ、ケチャップ
マコーミックMKC生活必需品スパイス
ホーメルフーズHRL生活必需品SPAM
マクドナルドMCD生活必需品マクドナルド
スターバックスSBUX生活必需品スターバックス(スタバ)
ウォルマート・ストアーズWMT生活必需品大型店舗小売
コストコ・ホールセールCOST生活必需品会員制小売
ホーム・デポHD生活必需品DIY小売
フィリップ・モリスPM生活必需品たばこ(マルボロ)
アルトリア・グループMO生活必需品たばこ(マルボロ)
レイノルズ・アメリカンRAI/BTI生活必需品たばこ
アンハイザー・ブッシュ・インベブBUD生活必需品バドワイザー
ナイキNKE生活必需品スニーカー(ナイキ・エア)
ギャップGPS生活必需品GAP、オールドネイビー
エクソン・モービルXOMエネルギー石油メジャー
シェブロンCVXエネルギー石油メジャー
ロイヤル・ダッチ・シェルRDS.Bエネルギー石油メジャー
ボーイングBA資本財B787ドリームライナー
ロッキード・マーティンLMT資本財ステルス戦闘機F-35
ユナイテッド・テクノロジーズUTX資本財航空機エンジン、エレベーター
キャタピラーCAT資本財建設機械(油圧ショベル他)
ゼネラル・エレクトリックGE資本財照明、航空機エンジン
スリーエムMMM素材ポストイット
デューク・エナジーDUK公共電力、ガス

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