【中国株】バイドゥ(百度/Baidu:BIDU)の銘柄分析

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今回はバイドゥ(百度/Baidu:BIDU)のファンダメンタル、チャート分析をやっていきたいと思います。

NASDAQに上場しているため、米国株と同様に取引することが出来ます。

アリババ、テンセントはそれぞれ記事にしているので、良かったら合わせてどうぞ。

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バイドゥ(BIDU)の事業内容

ビジネスを3Cで分解してみましょう。

事業内訳

売上はオンラインマーケティングサービスという名の広告一本足です。

広告をマネタイズ戦略の中心に据えつつ、検索以外に百科事典、音楽配信サービスなど、傘下の子会社でも各種Webサイト、サービスを手掛けています。

(出典:Baidu)

IRから情報を見ていきますが、人民元表記なので、16年の売上は705億4900万元 ≒ $10.161 billion ≒ 1.1兆円くらいと理解してください。IRにキャプチャ、ちょっと見にくいですね。

(出典:バイドゥIR)

元々12年時点で220億元という売上規模だったのに、そこから5年でさらに3倍に伸びました。

ところが、コストの増加はそれ以上のペースになってまして、64億元から350億元と5倍以上に膨れ上がっています。

エコシステム構築に苦戦

飛ぶ鳥を落とす勢いのアリババ、テンセントと比べると時価総額で4倍近い差をつけられているバイドゥ。

世界の広告市場が急拡大している中で、バイドゥの成長が鈍化しているのは少し不思議な感じがします。

(出典:eMarketer)

広告収入を因数分解すると、顧客数(広告主)×広告単価になります。バイドゥが減らしているのは顧客数の方です(というより質を上げるために広告を絞っている)。

広告の質は「総リーチ数×ヒット率」が高いほど良いですが、それでも検索連動広告一本では限界が出てきそうです。

検索だけで限界があるなら、手っ取り早いのは新しいサービスを起こしてそこにも同じ広告システムで収益化することです。

しかし、旅行サイトの子会社「Qunar」が赤字のため15年に連結から外し、動画配信サイトの子会社「IQiyi」もMBOによって売却するなど、周辺産業が芳しくありません。

※この影響で、ここ2~3年は特別利益が発生し、純利益が嵩増しされています。

新規事業開拓もドル箱の決済サービスはアリババとテンセントに大幅に遅れを取っています。

このため、長らく新規投資に慎重だったバイドゥも、ようやく重い腰を上げて新規事業に力を注ぐようになってきました。このところの費用増加はこれを反映したものです。

モバイル媒体が売上に寄与

元々PC検索エンジンとしてスタートしたバイドゥですが、今や売上に占めるモバイル比率は50%を超えて逆転しました。

スマホの検索は年間6.5億人以上が利用していますので、中国においては最早欠かせないITインフラです。中国のスマホ浸透率は50%ちょいなのに、それとほぼ同数、全人口の1/2が使ってるわけですから。

BATの中でモバイルに強いのはSNS、ゲームを展開するテンセントです。テンセントはデジタル広告収入を増やしてきており、これから本格的な競争が発生しそうではあります。

ちょうどグーグルとフェイスブックのような関係ですね。SNSには個人情報があり、広告を打つターゲットを絞りやすいため、フェイスブックのヒット率は非常に高いことで知られます。

競合

国内の広告市場には敵がいませんが、潜在的にはテンセントのSNS(Wechat)に顧客層を奪われているとの見方も出来ます。

動画配信や旅行サービスは不振でしたが、相変わらずコンテンツ拡充を目指していますので、ここでもテンセントと競合ですね。

また、海外市場へ出ればグーグルと戦うことになります。

グーグルも広告一本足ですが、あちらはスマホのOSと10億人が利用するアプリ、サービスが7つもあり、それ以外のも数多くのサービスと連携したエコシステム構築に一日の長があります。

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市場

世界の検索エンジン市場でグーグルに次いで2位ですが、規模的には数倍の差があります。

(出典:eMarketer)

一方で、中国市場では2/3以上を押さえて圧倒的シェアを誇ります。2位の搜狗はテンセント資本の会社。

ちなみに、グーグルは2010年まで中国で30%近いシェア(当時バイドゥに次いで2位)を確保していましたが、中国政府の検閲に反対し撤退しました。

(出典:アイザワ証券)

中国では最近急速にモバイル先進化&インターネット整備が進み、年30%近いペースで成長していくことが見込まれています。その大半はバイドゥの利益になります。

参考中国のネット広告市場、30%増の400億ドル規模に

特にモバイル比率は70%を超える見通しで、バイドゥが力を入れているモバイル分野に合致します。

リスク要素

入力情報の無断送信

Baidu IME/SimejiというPC、スマホそれぞれの日本語入力ソフト(無料)があります。

日本でもそこそこダウンロードされていたのですが、このソフトを使って日本語を入力した場合、情報を全部中国バイドゥに送信されていたことが発覚しました。

参考バイドゥ、「Baidu IME」「Simeji」でユーザーの入力内容を無断送信 ネットエージェントが解析

全てなんでパスワードや機密情報も丸ごとってことですね。

ちなみに、格安PCで急成長しているレノボPCも、似たような事例で悪性ソフトがプリインストールされていたということが発覚しています。

参考気をつけて!連続している「レノボPCのセキュリティ問題」のまとめ

また、バックドア問題も懸念されています。これはキーボードに細工をして、どのキーが押されたか分かる仕組みを作るものです。ハードウェア側の細工です。

最近富士通、NECのPC事業を買い取りましたが、国産PCは各種省庁、特に防衛庁に納入されていますので、国防の暗号情報が持っていかれないか心配です。

グーグル等の他社がやってないというわけではないですが、他社は「一部情報」を「利用者が許可した上で」送信しています。アップルは利用者情報を使わないと明言していますね。

とりあえず、信頼を失うような不祥事を起こしているうちは、バイドゥが世界的に普及するなどあり得ないでしょう。

検索エンジンのスイッチングコスト

検索するだけなら正直どのサービスでも大きく変わらないです。ユーザーからすれば、検索結果が返ってくればいいわけですから。

どれでもいいということは差別化出来ないということなので、使い勝手が分かるバイドゥから別のサービスが取って代わる可能性は低いでしょう。

一方で広告主からすると、バイドゥの検索サービスに人が集まるから広告を出しているので、ユーザー数が多いうちは安泰です。

この意味で、バイドゥのスイッチングコストは消極的な形で発生します。なので、バイドゥの検索市場優位はこれからも続くでしょう。

より積極的な囲い込みをするためには、グーグルのようなエコシステムを構築することです。それはバイドゥ自身も分かっていて、コンテンツ拡充を目指しているものと思いますが。

医療広告規制の件

16年に中国のがん患者の大学生が、バイドゥで病院を検索しました。その検索結果を受けてガン治療を受けたところ、それが虚偽広告だったために死亡するという事件がありました。

参考中国バイドゥ、検索の「詐欺広告」で学生が死亡 株価8%急落

中国の医療機関は検索で広告を上位に表示させるために、年に数十億元を投じている。今年1月には、病気に関する掲示板の管理権限をバイドゥが民営の医療機関に販売していることが明らかになった。医療機関は、認可されていない治療を勧めたり、彼らに不都合な投稿を削除していたことも判明し、バイドゥは今後、サイトの管理者を非営利法人(NPO)に限定する方針を示した。

これ以降当局が規制を強化しており、医療広告収入は激減、顧客が15%も減少し16年2Qは初の前年割れとなったわけです。

引用部分読んでると怖すぎて。

バイドゥ(BIDU)の財務分析

PL

売上成長は凄まじいですが、16年は成長に若干陰りが見られるのと、利益成長が売上の伸びほど伴っていない点が見て取れます。

少しぐにゃぐにゃした線になっていますが、利益率が落ちていることが気がかりです。15年の17%、16年の14%は普通に考えれば市場平均12%を超えていて良い利益率ですが、ITセクター、しかもトップ企業であれば20%は行って欲しいという思いもあります。

ここ数年は営業利益<純利益の状態なのは、上で見たように事業売却を進めたからですね。一時利益で純利益を上げているので、実際にはもう少し小さくなります。

BS

安全性は非常に高いです。バイドゥは中国の検索エンジンとしては中国全土をほぼ手中に収めていますので、事業の安定感という意味ではそれ以上です。

CF

キャッシュフローは着実に伸び続けていて、豊富なキャッシュを背景に投資規模も年々拡大しているようです。

FCFが余裕のプラスなので問題ないでしょう。

株主還元指標

配当、自社株買いによる還元は基本的にないですね。株価上昇をもって株主に報いる方針で、今のところ十分なくらいに実績を出していると思います。

直近配当利回り:0.00%

バイドゥ(BIDU)のチャート分析

とりあえずリアルタイムチャートのリンク置いておきます。

バイドゥ(BIDU)-Yahoo!ファイナンス

過去の最高値、最安値

  • 最高値:274.97ドル(現在)
  • 最安値:10.50ドル(2009年)

ざっと20倍以上に急上昇しました。一本調子ではなく、途中の成長鈍化を受けて投げ売りされた時期もあるので、アリババ、テンセントより山谷のあるチャートになっています。

今後の値動き予測

5年チャート

このところ業績が思ったほど伸びず、株価もヨコヨコを続けてきました。というかよく見ると最近まで三角保ち合いのチャートでしたね。こういう形だと、一方に抜けた時に大きなトレンドを形成しやすくなります。

250ドルが目安のポイントで、最近の上昇でもう一度そのラインの突破に向かっています。チャート的には抜けそうで、決算的には五分五分くらいですかね。

1年チャート

今年7月以降急騰して、14年につけた直近高値250ドルを一時突破しました。その後もとに戻ったので250ドルはそこそこ固い抵抗帯に見えます。

もし250ドルを突破したら300ドルまで壁はないでしょうね。

バイドゥ(BIDU)の投資戦略

まとめ。

回答

強い会社なのは間違いないですが、中国3強の中では一番足元がぐらつきやすいビジネスモデルかもしれません。

というか調べるとだいぶブラックな手口で儲けているように見えて、イマイチ好きになれませんね。バッドニュースばかり拾ったせいもあるかもしれませんが。

とはいえ、BATと言われていたのは3年前までで、今やATではという評価もまあまあ納得出来ます。

今のところ、アリババとテンセントを差し置いてバイドゥに投資する理由は見出せませんでした。


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これまで調査してきた米国株の個別銘柄記事リストをまとめました! 企業名クリックで各詳細記事に飛ぶことが出来ます。

企業名
(リンク先は分析記事)
ティッカー業種区分主力事業、ブランド
アマゾンAMZNITネット小売、クラウド
アルファベット/グーグルGOOGLIT広告(検索)、AI
アップルAAPLITiphone
マイクロソフトMSFTITOS、Office365
フェイスブックFBIT広告(SNS)
IBMIBMITクラウド、AI
インテルINTCIT半導体(PC、サーバ)
クアルコムQCOMIT半導体(モバイル)
エヌビディアNVDAIT半導体(GPU)
オラクルORCLITソフトウェア(DB)
シスコCSCOITネットワーク機器
アリババ・グループBABAITタオバオ、Tmall、アリペイ
ビザV金融決済インフラ
マスターカードMA金融決済インフラ
アメリカン・エキスプレスAXP金融決済インフラ
スタンダード&プアーズSPGI金融格付け機関
ムーディーズMCO金融格付け機関
ウェルズ・ファーゴWFC金融商業銀行
JPモルガン・チェースJPM金融商業銀行、投資銀行
バークシャー・ハサウェイBRK.B金融バークシャー
AT&T T通信モバイル通信
ベライゾン・コミュニケーションズVZ通信モバイル通信
ネットフリックスNFLX通信動画配信サービス
ウォルト・ディズニーDIS通信ディズニー、ESPN
ジョンソン・エンド・ジョンソンJNJヘルスケア医薬品(ステラーラ)、バンドエイド他
メドトロニックMDTヘルスケア医療機器(ペースメーカー他)
アボット・ラボラトリーズABT/ABBVヘルスケア栄養補助食品、医薬品(ヒュミラ他)
ブリストル・マイヤーズ・スクイブBMYヘルスケア医薬品(オプジーボ他)
ファイザーPFEヘルスケア医薬品(プレブナー、リリカ他)
メルクMRKヘルスケア医薬品(キイトルーダ他)
ギリアド・サイエンシズGILDヘルスケア医薬品(ハーボニー他)
CVS ヘルスCVSヘルスケア薬局、PBM
ユナイテッド・ヘルスUNHヘルスケア医療保険、PBM
P&GPG生活必需品ビューティー(パンテーン、SK-II)他
ユニリーバUL生活必需品パーソナルケア(Dove、LUX)
コルゲート・パーモリーブCL生活必需品オーラルケア(歯磨き)
コカ・コーラKO生活必需品コカ・コーラ
ペプシコPEP生活必需品ペプシ・コーラ
ゼネラル・ミルズGIS生活必需品ハーゲンダッツ
クラフト・ハインツKHC生活必需品チーズ、ケチャップ
マコーミックMKC生活必需品スパイス
ホーメルフーズHRL生活必需品SPAM
マクドナルドMCD生活必需品マクドナルド
スターバックスSBUX生活必需品スターバックス(スタバ)
ウォルマート・ストアーズWMT生活必需品大型店舗小売
コストコ・ホールセールCOST生活必需品会員制小売
ホーム・デポHD生活必需品DIY小売
フィリップ・モリスPM生活必需品たばこ(マルボロ)
アルトリア・グループMO生活必需品たばこ(マルボロ)
レイノルズ・アメリカンRAI/BTI生活必需品たばこ
アンハイザー・ブッシュ・インベブBUD生活必需品バドワイザー
ナイキNKE生活必需品スニーカー(ナイキ・エア)
ギャップGPS生活必需品GAP、オールドネイビー
エクソン・モービルXOMエネルギー石油メジャー
シェブロンCVXエネルギー石油メジャー
ロイヤル・ダッチ・シェルRDS.Bエネルギー石油メジャー
ボーイングBA資本財B787ドリームライナー
ロッキード・マーティンLMT資本財ステルス戦闘機F-35
ユナイテッド・テクノロジーズUTX資本財航空機エンジン、エレベーター
キャタピラーCAT資本財建設機械(油圧ショベル他)
ゼネラル・エレクトリックGE資本財照明、航空機エンジン
スリーエムMMM素材ポストイット
デューク・エナジーDUK公共電力、ガス

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