【米国株】スリーエム(3M:MMM)銘柄分析【連続増配株】

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今回はスリーエム(3M:MMM)のファンダメンタル、チャート分析記事になります。リクエストをいただいたので色々と調べてみました(いつもありがとうございます)。

私はスリーエムと行ったらポストイットなんですが、実に5万5千点を超える幅広い商品群を有する世界屈指の化学系コングロマリットです。だいぶ前に経営の本かなにかで、スリーエムの15%ルール(イノベーションを生むために、勤務時間の15%を通常業務以外の活動にあてることが許されている)を読んだ記憶があります。

また、以前記事にした米国株連続増配銘柄でも8位にランクイン。57年連続増配銘柄でもあり投資先としても超優等生、そんな印象です。

米国株50年以上連続増配銘柄一覧(コメントつき)
こちらの米国株版となります。 25年連続増配版も記事作成しました! 10年以上連続増配銘柄で記事書きました! ...
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スリーエム(MMM)の事業内容

ビジネスを3Cで分解してみましょう。

今後50年間、100年間、成功を続け、環境の変化に対応していく企業を1社だけ選べといわれれば、わたしたちは3Mを選ぶだろう。

出典:ビジョナリー・カンパニー

事業内訳

特定の製品に依存した経営ではなく、多種多様な化学製品、ビジネスをかき集めてポートフォリオ化したような印象を受けます(コングロマリット)。一般消費者向けにポストイットやスコッチテープなど多数の製品を販売していますが、それはスリーエムのビジネスの一部に過ぎません。

(出典:スリーエムジャパン 会社案内)

以下のように「汎用性の高い技術プラットフォーム」として46の分野に渡る技術領域を有しており、これらコア技術にイノベーションを加えて出来上がったのが55,000の製品ということになります。

(出典:スリーエムジャパン 会社案内)

一応大きく分けると5つの事業分野があります。

(出典:スリーエムジャパン 会社案内)

15年アニュアルレポート(上)と16年4Qの決算書(下)を見た限り、内訳だとこんな感じ。

  • インダストリアル:34%。直近の4Q決算では+4.6%と最も好調。
  • エロクトロニクス&エネルギー:17%。直近の決算で前年比マイナス。
  • セーフティ&グラフィックス:18%。直近の決算で+2.2%と堅調に推移。
  • コンシューマ:15%。決算はマイナスでした。
  • ヘルスケア:18%。決算は+1.3%でした。

グラフ化された資料がIR情報にあったので、こっちのほうが見やすいかも。

イノベーションを重視している企業で、15%ルールをはじめとしたイノベーションを起こす土壌を制度として用意し、常に革新的なアイデアを製品化することで長期にわたって成長を続けてきました。実際、スリーエムには、全売上高のうち発売から1年以内の新商品が10%、5年以内の商品が35%とする経営方針があります。

競合

事業領域が広すぎて競合という軸での分析は難しいですね。ニッチ市場のトップ製品がスリーエムのビジネス基盤になっているため、ある市場では競合しているものの、スリーエムの事業全てとかち合うような競合は存在しません。

  • 化学系:デュポン、ダウ・ケミカル、BASF(ドイツ企業)エイブリィ・デニソン(粘着剤)
  • ヘルスケア系:ジョンソン&ジョンソン
  • コングロマリット:ゼネラル・エレクトリック

デュポンはダウ・ケミカルと合併を発表し、時価総額1100億ドル超のメガ企業ダウデュポンになります。また、その後17~18年に3社に分社化する予定となっています。

市場

競合分析と同じ理屈で、幅広い事業のいくつかは調子が悪くなったりするでしょう。ただシステム化されたイノベーションの掘り起こしが徹底されていること、多数の基礎技術プラットフォームに裏打ちされた開発力があることから、将来の市場変化に対して容易に適応出来るだろうと想像出来ます。

産業化学は堅調、ヘルスケアはこれから明らかな成長市場、コンシューマ向け産業もニッチ市場の圧倒的シェアによりコモディティ化せず競争優位に立ちます。

リスク要素

為替変動リスク

海外売上高が全体の60%(アジア30%、欧州20%、その他10%)を占めるので、為替変動(ドル高)によって決算が悪化します。

昨年度の決算内容は為替変動の影響を受けて前年割れ、今年度も一度見通し引き下げを行いました。特に対ユーロでドル高が進んでいる影響で、直近欧州向けの売上高は前年比6.2%減収と大きく落ち込みました。

スリーエムというブランドには疑問

正直これだけトップ製品を持っていて企業文化が根付いていると潰れるリスクはほとんどゼロと言っていいと思います。

ただ、そうした製品の多さは逆にスリーエムという企業ブランドを掲げる上では向いていないのかなと(「◯◯といったらスリーエム!」、みたいな感じにはならないって意味です)。

……まあ色々考えたり調べたりしましたが、為替変動の影響はあるものの事業根幹に響くリスクは見当たらず、長期保有にぴったりの安定銘柄だと思いました。

スリーエム(MMM)の財務分析

PL

粗利48%、営業利益率22%と高い収益力を誇ります。売上、利益はやや横ばいで停滞している中で度々の自社株買い戻しを行い、EPSは年々増加傾向にあります。

なお、2Q決算ではドル高の影響で年間の売上見通しを下げていましたが、直近の決算では売上は横ばいだったもののコストカットにより純利益が前年同期比11%増と持ち直しました。

昨年は全部門で減収減益でしたが、今期はインダストリアル部門が3%増収と伸長、エロクトロニクス&エネルギーは1%減益となりました。

ROEやROAの効率性指標は非常に高い状態で推移しています。

BS

意外と固定費用が大きいのは化学系で設備投資があるから? ちょっと分かりませんが、そういえばR&DはIFRSだと無形資産に計上されるんでしたっけ。ちなみにR&Dは年間売上の6%を目標としているようです。

R&Dは流動資産扱いなんでしょうか。研究したものを数年~数十年かけて回収するんですから、減価償却するようなイメージがありますが……詳しくないのでやめておきましょう@簿記2級。

自己資本比率は35~50%で動いており、スリーエムのキャッシュを稼ぐ力を考えればまず問題は起きない水準です。財務基盤は堅いと思います。

CF

一貫して高く徐々に成長している営業キャッシュフローと、事業継続のために一定割合をキープする投資キャッシュフローのバランスが非常にきれいです。

事業買収による事業多角化を進めていますが、キャッシュの範囲内でおさめられています。

グラフのせいで横ばいに見えますが、キャッシュフローの伸びは年率5%近くありますよ。

配当指標

スリーエムの魅力は50年を超える連続増配銘柄であることです。配当性向も50%を下回っており、潤沢なキャッシュフローから無理なく捻出していることが分かりますので、当面連続増配は続けられるのではないかと思います。

また、これに続いて自社株買い戻しも毎年行っており、総還元性向は100%を超えている状況です(EPS成長を維持する目的ですが、こっちは無理してる感があります)。

「Share Repurchase」が自社株買い戻しなのですが、配当より大きいです。

スリーエムの利益還元意欲の高さが垣間見えるデータとなっています。還元しすぎて純利益以上返してしまっている状況ですが。

スリーエム(MMM)のチャート分析

とりあえずリアルタイムチャート置いておきます。

スリーエム(MMM)-Yahoo!ファイナンス

過去の最高値、最安値

過去20年チャートで一貫した上昇傾向を見せています。3回叩いた100ドル手前の壁を13年に突破してから抵抗帯がなく最高値を徐々に切り上げて行った形。とりあえず今は高すぎて手が出せない。

  • 最高値:182.27ドル(16年7月)
  • 最安値:32.81ドル(98年10月)

最安値圏の40ドル付近まで落ちるのはリーマンショック級のインパクトがないと当面ないので、直近抵抗帯の135ドルと一度突破した100ドルを心理的な抵抗帯と置きます。

今後の値動き予測

5年チャート

なんかごちゃごちゃに見えますけど、こちらの記事で解説している通り、抵抗帯=トレンド転換のパワーを生む部分を探しているだけです。

業績と連動して一貫した右肩上がりのチャートですが、下で見るように直近になるとまた停滞感があります。既に高値に行っているので、試す価格が見えずしばらく臆病な動きをしながら上がりそうに見えます(こういうとき、押し目狙って待ってても来ないのです)。

1年チャート

線が引きにくいです。182ドルの高値が固まるのかどうかですが、164が心理的な目安になりそうなので、そこを割ったら戻ってこないように見えます。というか今落ち始めているところは長期EMAも割り込んで止まりにくくなっているので、164まで落ちそう。

1か月チャート

25日の決算発表は若干出来高で振れた程度で大きなインパクトなし。ここ1か月は下降路線で、ピボットあるいはボリバン下にヒゲつけて触れては戻しを繰り返して少しずつ切り下げています。

再転換して上昇を狙うにはパワーが足りないので164に落ちるまで継続しそうな印象。

スリーエム(MMM)の投資戦略

まとめます。

  • 事業分野が多岐に渡るコングロマリットで、ニッチ市場ナンバーワン製品を多数抱える安定した事業ポートフォリオを持つ。
  • イノベーションを生み出す仕組みがあり、今後の市場変化にも対応出来そう。
  • 為替変動の影響はあるものの事業根幹に響くリスクは見当たらず、長期保有にぴったり。
  • 投資家還元が強く、連続増配や自社株買い戻しは二重丸。
  • 売上は横ばいだが利益率や効率性指標が非常に良い状態をキープ、キャッシュも微増。
  • とりあえず今は高すぎて手が出せない。

回答

出口を180ドルにするのは危険なのでリーマン前のレンジだった70~100ドルで買い増しするのが最高のシナリオなんですが、経営指標に急激な変動が起きにくい事業ポートフォリオなので、しばらく164ドル以上をウロウロしそうです。今一時的に下がってはいるのですが、買い始めるとしても私は135ドル切ってからかな……。

出口戦略は永久保有銘柄にしても検討必要な項目で、個々の株の収益率が購入価格に依存することを考えると、このタイミングでは仕込みに動けません。


最近同じ結論ばっかり書いててイヤになるんですが、インデックスやらETFやら定期購入している分もあるし、他にエネルギー系とかのもう少し安い株もあるし、あとは休むも相場って感じでポジポジ病を押さえます……。

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