【米国株】テスラ(Tesla:TSLA)の銘柄分析

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今回はテスラ(TSLA)のファンダメンタル、チャート分析をやっていきたいと思います。イーロン・マスクが興した電気自動車(EV)の会社ですね。

いつの間にやらテスラ・モーターズから名称変更があったらしく、テスラで統一します。

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テスラ(TSLA)の事業内容

ビジネスを3Cで分解してみましょう。

事業内訳

17年3Q決算から情報を抜いてきます。あんましっかりしたIR出てないですね……。

(出典:Tesla IR)

事業としては電気自動車(EV)の販売がメインで全体の7割くらいを占めています。それ以外にはEVのリースと、買収した太陽光発電事業もやってますが、基本はEV事業の行方を追っておけば良いでしょう。

利益は出ておらず、赤字体質です。それどころか直近で過去最大の赤字を計上しています。

地域別売上は、四季報によると米国60%、中国15%、ノルウェー5%とその他です。中国、ノルウェーは世界でも特にEVシェアが高く、そこで人気があるのはいいことですね。

EVはなにがいいのか

電気自動車はバッテリーに電気を充電して、それでモータを動かして走ります。

EVの競争相手は従来の自動車だったり、ハイブリットカーなどの次世代自動車になります。EVがそれらと比較してどこが優れているのでしょう。

個人の問題

  • 電気代がガソリン代よりも安い(維持費の目安は約半分)
  • 税金が安い(日本ではエコカー減税、欧州各国などでも税制優遇あり)
  • 充電は自宅で出来る(ガソリンスタンドに行かなくていい)
  • 静か
  • デザインが良い

社会的な問題とか

  • 環境に優しい(排気ガスや二酸化炭素は電気を作る工場以外発生しない)
  • 部品が少ない(エンジンの部品は3万点近くあるが、モーターの部品は数十点のみ)

テスラの車種について

テスラで販売している電気自動車は以下の3種類があります。HPの写真を見てみると、どれもかなり洗礼されたデザインになってますね。

電気自動車はモーターで動くのでエンジンが不要で、かなり広々しています。テスラは電気自動車用にデザインを一新しており、見た目にすごくカッコイイですね。人気が出るのも頷けます。

  • ロードスター:2008年にはじめて売り出した電気自動車で、1000万円以上します。性能が非常に高く、1回の充電で1000km走ります。
  • モデルS:1000万円程度のセダンタイプ(4ドア車)です。充電に45分要しますが、1回の充電で600km以上走り、電気代も1000円程度だそうです。ガソリンと比べるとかなり安いんですね。
  • モデルX:クロスオーバータイプらしい。
  • モデル3:低価格(400万円程度)のセダンタイプらしい。

上のメリットでもちょっと書きましたが、電気自動車は燃費が非常に良いです。だいたい1kmあたり3円以下で動きます(ガソリンだと1km6円くらいになるらしいです)。

バッテリーが高いので本体購入価格が高額になっていますが、維持費で元が取れるかどうかということになりますね。

生産基盤がクソ弱い

テスラは部品メーカーとのサプライチェーンを持たないままに参入したため、生産基盤がとにかく弱いです。

販売台数は過去累計でも25万台、四半期ではわずか2万台程度です。トヨタやフォルクスワーゲンが年間1000万台の販売で競っているところと比較すると、いかに少ないか分かるでしょうか。

参考テスラEV世界販売、25万台を突破…モデルS が貢献

しかし人気がないわけじゃないんですね。むしろEVブランドとしては圧倒的で、生産数が追いついていないんです。任天堂Switchみたいなもん。

直近の赤字決算についても目標数量を生産出来ていないからです。18年1Q目標でも週5000台しか生産出来ないので、販売機会を大きく逸していると言わざるを得ません。

ビジネス感覚としてはもっとずっと赤字を拡大して販売量を増やし、シェアを一気に拡大すべきだと思います。

競合

EV市場ではトップを走っています。後を追いかけるのが日産のリーフ、トヨタのプリウスプライム(PHV)ですね。

重要市場の米国、中国でトップシェアを確保し、欧州最大シェアのノルウェーでもトップで大人気です。

余談ですが、ノルウェーはEUに加盟していないながら隠れたエネルギー輸出国です。

原油や天然ガスの埋蔵量はサウジアラビアとほぼ同等でありながら、山岳地帯と降水量の多さから95%が水力発電で賄っていて、電気代がとても安いです。このためEVと相性が良いですし、掘り起こした原油はほとんど輸出に回せるので経済も安定しているのです。

(出典:三菱自動車販売グループ)

市場全体で見ればトヨタやフォルクスワーゲンなどの既存の自動車メーカーと、次世代自動車とシェアの取り合いをしています。

(出典:経済産業省)

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コネクティッドカーや安全運転技術という方向でも、自動車の進化はまだまだ続きそうです。

市場

自動車産業は大小様々な部品や関連サービスなど裾野が広く、日本で言えばGDPの1割、雇用者も全体の1割を占めている巨大産業群です。まさに国の産業を牽引すると言っても良いでしょう。

市場規模は自動車産業全体で200兆円、年間販売台数は9000万台とも言われています。

(出典:経済産業省)

この中でぐんぐん伸びているのが電気自動車です。特にシェア3割を誇る中国を中心に急速に販売台数が増え世界で200万台を突破、2035年に630万台を予測しています。

(出典:富士経済)

中国で普及しているのは大気汚染の解決策として国が優先的に導入を推奨しているからです。

同じように環境配慮で欧州での勢いが強く、ノルウェーやオランダでは将来的にガソリン車を禁止する可能性もあるそうです。テスラもノルウェーでの売上が割りと大きな比率を占めます。

EVって将来どうなんだろうね

自動車産業全体として言えば、先進国では市場成長が限界に来ています。

実際私も車に乗らないのでEVをほしいとは思わないです、正直。現代ではカーシェアリングで所有しない時代になってますから、購入意欲の高い新興国(特にEVなら中国)へ向けることは必須じゃないでしょうか。

とすると、やっぱり最安モデルで1台400万円は中々普及に厳しい価格帯ですよね。初乗り700円のタクシー5000回以上乗れちゃうじゃないですか。

単価(特にバッテリー価格)を下げていって、そこからですね。

まあテスラの主戦場である北米も自動車市場は天井感が強まってきているとはいえ、あちらは日本より遥かに車社会ですから、そこで既存の車メーカーのシェアをひっくり返したら十二分な利益になるでしょう。

リスク要素

全てはイーロン・マスク次第

テスラのトップであるイーロン・マスクは、ペイパルを興し、テスラを立ち上げ、今宇宙産業のスペースXでも脚光を浴びる新進気鋭の実業家です。

まだ大赤字垂れ流しているだけのテスラに異常な高値がついているのも、ほとんどこのイーロン・マスクが何かをやってくれるという期待感から来ているように思われます。

前にちょっとだけ考察してみましたが、やっぱり経営者って二流企業と一流企業に変える最後のスパイスだと思うんですよね。

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経営者というのは会社の業績を大きく左右する存在でありながら、定量的評価が難しいという非常に厄介な変数です。 しかし、投資をする上では経...

既存自動車と影響大きいガソリン価格の変動

テスラの主戦場はやはり米国です。こういっちゃなんですが、あまりエコを気にしないお方々というイメージがあります。笑

彼らに訴求するのはスマートなデザインであったり、ガソリン代よりも電気代が安い=コストメリットのほうが普及を左右すると思います。

昨今は下落していた石油価格が徐々に戻ってきていますが、テスラ的にはガソリン代も上昇し続けたほうがメリットが大きいでしょうね(まあ火力発電メインなので電気の価格も似た動きをしますが、高くなると本体と維持費を合わせた総費用の差は縮まりますよね)。

テスラ(TSLA)の財務分析

PL

売上としてはまだまだで、利益は出ていません。

テスラの投資を考えるにあたっては、利益ではなく売上&シェア拡大で評価されるフェーズだと思ったほうが良いです。

2003年に誕生したテスラも、期待だけで株価が動く時期は終わりました。

段々と実ビジネスとしての成果に繋がっているかどうかが見られるようになっていて、今のところはテスラは人気化しているというメリットと、生産基盤が弱くてシェアを取り切れていないというデメリットが共存しています。

赤字なのでこの辺の数字もめちゃくちゃです。

BS

同じく、あんま参考にならない指標です。

CF

キャッシュはないですね(笑)

利益出てないのはまあEV普及してからが収穫期と考えれば今はいいのですが、普及フェーズに向けて生産台数が確保出来ないほうがむしろ問題です。

現状販売機会を逸しているので、もっと投資拡大していくべきフェーズですが……お金がなくて動けないのかもしれません。

株主還元指標

配当に回す日は当分来ないでしょう。ずっと来なくてもおかしくないです。株価高で株主に還元すれば良いのです。

直近配当利回り:0.00%

テスラ(TSLA)のチャート分析

とりあえずリアルタイムチャートのリンク置いておきます。

テスラ(TSLA)-Yahoo!ファイナンス

過去の最高値、最安値

  • 最高値:389.61ドル(17年)
  • 最安値:14.98ドル(07年)

上場から20倍以上になりました。販売台数なんて微々たるものですから、いかにテスラの将来性が評価されているかということになりますね。

4年くらい200ドル~290ドルあたりで形成していた踊り場をトランプ相場で突破し、上の波で泳いでいる格好です。

チャート的には高値にあり、時価総額でGMやフォードをも上回っています。販売台数は1/100なのに、時価総額では既に全米自動車メーカーで最大ですよ。

まあ北米市場取れればめっちゃ儲かると思うけれど……期待がどこまで織り込まれているのか怖いなあと。

今後の値動き予測

5年チャート

上場後しばらく抵抗になっていた50ドルが下限、踊り場上限は300ドル直前あたりにありましたが、そこを突破しました。

テスラは期待先行で株価がつり上がっているので、思惑・ニュースに過敏に反応して下落します。300ドルは一見サポートラインに見えて、固い水準ではないと思います。

1年チャート

400ドルに触れるか触れないかというポイントで反転し、下落トレンドに移ったような感じのチャートですね。

テスラ(TSLA)の投資戦略

まとめときましょう。

  • 電気自動車(EV)でトップを走るテスラは、モデルSなどの新モデルで売上を順調に拡大しているが、利益としては赤字状態が続く。
  • テスラのEVは人気があるものの、肝心の生産基盤が非常に弱く供給が追いついていない。もったいない。
  • EV市場は今後も成長が予測されており、将来性は明るい。2035年には年間630万台の販売予測となっている。
  • 時価総額は全米の自動車メーカーで最大で、ちょっと期待されすぎな気もする。

回答

株価はここからどのくらい上がる余地があるんだろう。

思った以上に期待されていて株価は高騰し、でも実態が追いついていないから評価が定まっていない状態です。

調べていてなんとなくですが、今後EVは普及するしテスラは結構なシェアを取るんじゃないかと思っているんですよ。でも製造業なんで利益率はそこまで良くならないとも思います。

フェーズ的に売上拡大していく時期なので赤字もやむなしです。そのシェア拡大が生産追いついていないから売られているかと思いきや、そのうち解消するだろうと見られているんですかね、たいして下がってないですよね。

当面株価成長でしかリターンを得られないので、ここから倍は難しいでしょう。テスラの挑戦は面白いですが、イーロン・マスク効果で上がったテスラへの投資妙味は大きくはなさそうです。


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企業名
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ティッカー業種区分主力事業、ブランド
アマゾンAMZNITネット小売、クラウド
アルファベット/グーグルGOOGLIT広告(検索)、AI
アップルAAPLITiphone
マイクロソフトMSFTITOS、Office365
フェイスブックFBIT広告(SNS)
IBMIBMITクラウド、AI
インテルINTCIT半導体(PC、サーバ)
クアルコムQCOMIT半導体(モバイル)
エヌビディアNVDAIT半導体(GPU)
オラクルORCLITソフトウェア(DB)
シスコCSCOITネットワーク機器
アリババ・グループBABAITタオバオ、Tmall、アリペイ
テンセントHKG00700ITテンセント
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バークシャー・ハサウェイBRK.B金融バークシャー
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ベライゾン・コミュニケーションズVZ通信モバイル通信
ネットフリックスNFLX通信動画配信サービス
ウォルト・ディズニーDIS通信ディズニー、ESPN
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メドトロニックMDTヘルスケア医療機器(ペースメーカー他)
アボット・ラボラトリーズABT/ABBVヘルスケア栄養補助食品、医薬品(ヒュミラ他)
ブリストル・マイヤーズ・スクイブBMYヘルスケア医薬品(オプジーボ他)
ファイザーPFEヘルスケア医薬品(プレブナー、リリカ他)
メルクMRKヘルスケア医薬品(キイトルーダ他)
ギリアド・サイエンシズGILDヘルスケア医薬品(ハーボニー他)
CVS ヘルスCVSヘルスケア薬局、PBM
ユナイテッド・ヘルスUNHヘルスケア医療保険、PBM
P&GPG生活必需品ビューティー(パンテーン、SK-II)他
ユニリーバUL生活必需品パーソナルケア(Dove、LUX)
コルゲート・パーモリーブCL生活必需品オーラルケア(歯磨き)
コカ・コーラKO生活必需品コカ・コーラ
ペプシコPEP生活必需品ペプシ・コーラ
ゼネラル・ミルズGIS生活必需品ハーゲンダッツ
クラフト・ハインツKHC生活必需品チーズ、ケチャップ
マコーミックMKC生活必需品スパイス
ホーメルフーズHRL生活必需品SPAM
マクドナルドMCD生活必需品マクドナルド
スターバックスSBUX生活必需品スターバックス(スタバ)
ウォルマート・ストアーズWMT生活必需品大型店舗小売
コストコ・ホールセールCOST生活必需品会員制小売
ホーム・デポHD生活必需品DIY小売
フィリップ・モリスPM生活必需品たばこ(マルボロ)
アルトリア・グループMO生活必需品たばこ(マルボロ)
レイノルズ・アメリカンRAI/BTI生活必需品たばこ
アンハイザー・ブッシュ・インベブBUD生活必需品バドワイザー
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シェブロンCVXエネルギー石油メジャー
ロイヤル・ダッチ・シェルRDS.Bエネルギー石油メジャー
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ユナイテッド・テクノロジーズUTX資本財航空機エンジン、エレベーター
キャタピラーCAT資本財建設機械(油圧ショベル他)
ゼネラル・エレクトリックGE資本財照明、航空機エンジン
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