【米国株】ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(Bristol-Myers Squibb:BMY)の銘柄分析

米国株

今回はブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)のファンダメンタル、チャート分析をやっていきたいと思います。

シーゲル先生の銘柄で3位になっている有力投資先で、1953年~2003年の年平均利回りは16.36%にも登ります。

ジェレミー・シーゲル「株式投資の未来」を読む

Wikiには一般向け医薬品のバファリンで有名とありますが、2005年にノバルティスに売却済みのはず。最近は小野薬品工業と組んでオプジーボの開発で名前が売れていたと思います。

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ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)の事業内容

ビジネスを3Cで分解してみましょう。

事業内訳

早速決算書から見ていきましょう。

決算書から

ブリストル・マイヤーズ・スクイブの主な注力領域は以下の4つ。

(出典:ブリストル・マイヤーズ・スクイブIR)

  • Oncology(ガン領域):白血病、肺がん、皮膚がんなどで、BMYの主力領域になります。後述のオプジーボが16年に売上急拡大しており、売上全体の20%近くを占めています。白血病のスプリセル、抗がん剤ヤーボイも含めて、手計算で全体の35%近くになっていますね。
  • Cardiovascular(心血管疾患領域):静脈血栓塞栓症、心房細動の医薬品を扱います。レポートにあるのはエリキュースのみですが、これで17%近くを占めます。
  • Immunoscience(免疫系疾患領域):間接リウマチ治療薬オレンシアですね。約11.5%くらいになります。
  • Virology(ウイルス性疾患領域):B型肝炎、C型肝炎の医薬品で、バラクルード、スンベプラなど合計して売上の24%近い規模になります。
  • Fibrotic Diseases(線維性疾患)、その他:残り12.5%くらい。コンシューマ事業は売却しているため、バファリン等はやっぱり入っていませんね。

成長を一手に引き受けているオプジーボの動向が最も重要で、次いで将来の種まきとなるパイプラインが重要なポイントになります。

海外売上比率は45%です。ヘルスケアセクターの銘柄は大体半分くらいが海外売上になっていることが多いですね。

(出典:ブリストル・マイヤーズ・スクイブIR)

オプジーボについて

ブリストル・マイヤーズ・スクイブの事業を左右するのは、オプジーボというガンの免疫治療薬です。前年比で大幅成長した医薬品はオプジーボ(3倍以上)と、エリキュース(2倍)くらいですからね。

オプジーボはなぜ騒がれているかというと、これまでガン治療に免疫療法がなかったからなんですね。これまでのようにがん細胞を攻撃する治療法(手術や放射線治療)ではなく、身体の免疫機能に働きかける治療法のため、副作用が少なく効果も長期に及ぶことになります。

しかもこの治療法がサイエンス誌によって「2013年の科学のブレークスルー」に選ばれた当時、世界中で医薬品はオプジーボしかありませんでした。ブルーオーシャンってやつです。

さて、ガンにはいくつかの種類があります。肺がん、胃がん、乳がん……それぞれ20くらいのガンがあって、それぞれの種ごとに臨床試験が必要になります。BMYが注力していたのは特に患者数の多い肺がんでした。しかし、この臨床試験は失敗という結果に終わりました。

参考オプジーボは“失敗” キイトルーダは“好結果”―明暗分かれた?「肺がんファーストライン」P3試験

ただ、これで全部ダメになったわけではないのでご注意ください。あくまで「非小細胞肺がんのファーストライン(オプジーボ単剤)」においては臨床試験失敗ということです。それ以外の試験は全て成功していますし、皮膚がん等は既に実用化されています。患者数の多い胃がんもこれからです。

(出典:楽天証券)

他剤(ヤーボイ)との併用試験はこれからフェーズ3ですので、こっちが成功して巻き返しの可能性もあります(非小細胞肺がんは肺がんの85%を占めるらしいので、なんとか巻き返してほしいですね)。

ということで、競合比較でどうかというと、非小細胞肺がんのファーストラインにおいてはメルクのキイトルーダが優位です。その他のがん免疫療法においては、以下のように、未だ拮抗しているかBMY優位であることをおさえましょう。

メルク以外にもファイザーやロシュも進出してきており、本格的な競争はまだこれからです。

(出典:ブリストル・マイヤーズ・スクイブIR)

それにしたって、この新薬開発に成功していれば年120億ドル規模に成長していたって、ブロックバスターの破壊力はやっぱりおかしいですねw

あと、日本における医薬品売上でも2位になっています。日本では小野薬品工業が製造販売しています。腎細胞がんにも適応が拡大され、売上が伸びたようです。

(出典:IMSジャパン)

小野薬品工業で調べると薬価問題(半額になった)について書かれているのですが、あくまで日本市場の薬価改定ですので、BMY投資においては気にしないでいいと思います。

パイプライン

見てもあんまり分からんのですがね、4領域注力は変わらず、今後2年でオプジーボの各領域で臨床試験が進んでいきます。

(出典:ブリストル・マイヤーズ・スクイブIR)

メガファーマですのでそれ以外にも多数のパイプラインが走っていますが、新薬開発競争はM&A競争に代わっており、どこのベンチャーをM&Aで獲得するのかという点も注目すべきです。

競合

まとめ記事出していますので、全体的なところはそちらで見てもらえると幸いです。

ヘルスケア、バイオ関連銘柄【米国株25社コメントつき】

ヘルスケアセクターは病気の症状ごとにカテゴリーリーダーが異なる業界ですので、製品単位で見ていかないといけません。

BMY個別では主力になるオプジーボを押さえておけば大丈夫だと思います。メルクのキイトルーダやその他の企業の動きですね。

ちなみに、BMYは今のところブロックバスターのランキング上位に載っている製品はありません。売上高もファイザーの2/5くらいですしね。

(出典:メディサーチ)

でも、オプジーボが年120億ドルになったら突然3位に浮上してくるということになります。

それ以外でヘルスケアセクターの銘柄分析記事をいくつか書いています。どれもオススメの銘柄ばかりです。

【米国株】ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson:JNJ)の銘柄分析【連続増配】
【米国株】ファイザー(Pfizer:PFE)の銘柄分析【高配当】
【連続増配】アボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories:ABT)の銘柄分析【米国株】

医薬品ではなく、医療機器ビジネスも安定感が高く優良銘柄が眠っています。

【米国株】メドトロニック(Medtronic:MDT)の銘柄分析

日本のバイオ株なんかもどうでしょう。

【日本株】バイオベンチャー(創薬)関連銘柄【小型成長株36社コメントつき】

市場

全体的な話としては、他の記事で詳しく取り扱っているので、そちらをご参照。

【VHT】ヘルスケア関連銘柄【製薬・バイオテクノロジー】

言い方は悪いのですが、高い開発費用に見合った市場規模でないと投資が難しい事情もあります。ですので、BMYの注力領域もまた患者数の多い領域になります。

  • がん:発症数は1,410万、死亡者数は年間820万人と推定。特に肺がんの死亡者数は約160万人と全体の1/5に登る。
  • 心疾患:日本における心疾患の患者数は172万とのことで、多くの人がかかる病です。
  • 関節リウマチ:リウマチは30~50歳代の女性に多く発症し、関節痛などを引き起こします。日本にも100万人以上の患者がいるそうなので、メジャーな症状と言えます。

リスク要素

新薬開発失敗リスク

製薬会社のリスクとして仕方ない面があります。失敗の可能性があるからこそ、各企業はパイプラインを強化して数撃ちゃ当たるのビジネスをやっているのです。

パテントクリフとジェネリック医薬品

これももうお決まりですね。特許切れによってジェネリック医薬品に取って代わられるリスクです。米国のジェネリック医薬品シェアは9割なので、特許切れになったタイミングで業績がガクンと落ちます。ファイザーのリピトールなんかが代表例ですね。低分子医薬品はジェネリック医薬品が簡単に作れます。

ブリストル・マイヤーズ・スクイブで言えば、12年にそれまで主力だった抗血小板薬のプラビックスが特許切れとなり売上が激減しました。

ですが、現在主力のオプジーボは14年、エリキュースも12年承認なので、当面このリスクはないんじゃないかと。

オプジーボの臨床試験

新薬開発の成功率は1/10、成功したものの中で売れるのはさらに1/10程度です。

オプジーボはガンという最大患者領域の新薬ということで最も競争の激しい領域での戦いになります。免疫療法についても他社の追い上げがすさまじいですが、まずは残りの臨床試験に成功することが大切です。

ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)の財務分析

PL

12年から大幅に下落しているのは、抗血小板薬のプラビックスの特許が切れたことが原因です。年によって上がったり下がったりの波が大きく、利益も安定していません。

利益率は市場平均の12%は常に上回っているので、最低ラインでも高い水準を維持出来ていると言えます。

BS

バランスシートはPLよりも安定的です。問題は特に見当たらないかと思いますが、買収でのれん(Goodwill)計上が多いと減損リスクに注意が必要です。

ブリストル・マイヤーズ・スクイブののれん代は資産全体の20%程度なので大丈夫かな。

CF

キャッシュの余裕が少なくなってきています。同じくプラビックスの特許切れが響いていますね。M&Aの多い業界なので、キャッシュリッチであることは、いざ買収したい企業が出た時にすぐ出動出来ることを意味します。

株主還元指標

地味に増配ですね。連続増配のスクリーニングにはかからないものの、過去44年減配はありません。そうしたところが高利回りの土台になっているんですね。

配当性向が平均して80%を超えてきており、そんなに増配余力ありません。

直近配当利回り:2.76%

ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)の株価、チャート分析

とりあえずリアルタイムチャートのリンク置いておきます。

ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)-Yahoo!ファイナンス

過去の最高値、最安値

臨床試験失敗のニュースが流れたのが2016年8月、そこから約半値まで暴落しました。それだけ期待値の高い事業だったということです。

  • 最高値:77.12ドル(2006年7月)
  • 最安値:16.00ドル(2008年)

単純にリスクリワードで見てしまえば、45ドルくらいは十分な買い水準です。

今後の値動き予測

5年チャート

12年の売上減少も全く響くことなく上昇してきましたが、チャートは踊り場にあります。

1年チャート

次の臨床試験結果を待っているような彷徨う動きで、75ドル~50ドルあたりの半分より下レンジでとどまっています。これ、需給だけで暴落しないですかね。なにかの拍子に50ドル割ったら下ってくれそうです。

ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)の投資戦略

まとめ。

  • 12年のプラビックス特許切れで売上減少も、オプジーボやエリキュースの成長で復調してきている。
  • BMYにとって最も重要なオプジーボは非小細胞肺がんのファーストラインの臨床試験に失敗したが、他のガン領域では成功しており、肺がんでも他剤併用試験はこれからのため、まだ巻き返しも可能。
  • キャッシュに余裕はそれほど大きくなく、配当余力もそれほどない(オプジーボの動向次第で変化)。
  • チャートでは臨床試験失敗から半値に落ちており、あまり高くない。

回答

結局はオプジーボの動向次第です。これだけ夢のある医薬品がポンポン出て来るはずもなく、オプジーボで競争に負けるとセカンドプランでのリカバリは効きません。

とはいえ、歴史に裏打ちされた企業は、バイオ医薬品ベンチャーのような新興企業を圧倒するリターンをもたらすというシーゲル先生の理論に従えば、BMYはまだまだ価値があると言えます。今は期待値も高くないと思われ、最悪失敗しても大やけどはしないで済みそうです。

自分自身がお世話にならないことが一番ですが、ガンや生活習慣病は無関心ではいられない話題です。なので、私にとって製薬企業は応援したい企業でもあり、ヘルスケアセクターは積極的にポートフォリオへの追加を考えるセクターです。

JNJほどの安定感はありませんが、今高くないし、中々良い銘柄なんじゃないかと思いました。


専門的な内容が多かったですね。私も最初は全く分からなかったのですが、色々勉強して段々とキーワードに反応出来るようになっていきました。

メガファーマの分析ではあまり出て来ないですが、新薬開発で言えば、私はペプチドにも注目しています。


これまで調査してきた米国株の個別銘柄記事リストをまとめました! 企業名クリックで各詳細記事に飛ぶことが出来ます。

企業名
(リンク先は分析記事)
ティッカー業種区分主力事業、ブランド
アマゾンAMZNITネット小売、クラウド
アルファベット/グーグルGOOGLIT広告(検索)、AI
アップルAAPLITiphone
マイクロソフトMSFTITOS、Office365
フェイスブックFBIT広告(SNS)
IBMIBMITクラウド、AI
インテルINTCIT半導体(PC、サーバ)
クアルコムQCOMIT半導体(モバイル)
エヌビディアNVDAIT半導体(GPU)
オラクルORCLITソフトウェア(DB)
オクタOKTAITオクタ
シスコCSCOITネットワーク機器
アリババ・グループBABAITタオバオ、Tmall、アリペイ
テンセントHKG00700ITテンセント
バイドゥBIDUIT百度
ビザV金融決済インフラ
マスターカードMA金融決済インフラ
アメリカン・エキスプレスAXP金融決済インフラ
スタンダード&プアーズSPGI金融格付け機関
ムーディーズMCO金融格付け機関
ブラックロックBLK金融運用会社
ウェルズ・ファーゴWFC金融商業銀行
JPモルガン・チェースJPM金融商業銀行、投資銀行
シティグループC金融商業銀行、投資銀行
ウエストパック銀行WBK金融オーストラリア銀行
バークシャー・ハサウェイBRK.B金融バークシャー
AT&T T通信モバイル通信
ベライゾン・コミュニケーションズVZ通信モバイル通信
ネットフリックスNFLX通信動画配信サービス
ウォルト・ディズニーDIS通信ディズニー、ESPN
ジョンソン・エンド・ジョンソンJNJヘルスケア医薬品(ステラーラ)、バンドエイド他
メドトロニックMDTヘルスケア医療機器(ペースメーカー他)
アボット・ラボラトリーズABT/ABBVヘルスケア栄養補助食品、医薬品(ヒュミラ他)
ブリストル・マイヤーズ・スクイブBMYヘルスケア医薬品(オプジーボ他)
ファイザーPFEヘルスケア医薬品(プレブナー、リリカ他)
メルクMRKヘルスケア医薬品(キイトルーダ他)
ギリアド・サイエンシズGILDヘルスケア医薬品(ハーボニー他)
CVS ヘルスCVSヘルスケア薬局、PBM
ユナイテッド・ヘルスUNHヘルスケア医療保険、PBM
P&GPG生活必需品ビューティー(パンテーン、SK-II)他
ユニリーバUL生活必需品パーソナルケア(Dove、LUX)
コルゲート・パーモリーブCL生活必需品オーラルケア(歯磨き)
コカ・コーラKO生活必需品コカ・コーラ
ペプシコPEP生活必需品ペプシ・コーラ
ゼネラル・ミルズGIS生活必需品ハーゲンダッツ
クラフト・ハインツKHC生活必需品チーズ、ケチャップ
マコーミックMKC生活必需品スパイス
ホーメルフーズHRL生活必需品SPAM
マクドナルドMCD生活必需品マクドナルド
スターバックスSBUX生活必需品スターバックス(スタバ)
ウォルマート・ストアーズWMT生活必需品大型店舗小売
コストコ・ホールセールCOST生活必需品会員制小売
ホーム・デポHD生活必需品DIY小売
フィリップ・モリスPM生活必需品たばこ(マルボロ)
アルトリア・グループMO生活必需品たばこ(マルボロ)
レイノルズ・アメリカンRAI/BTI生活必需品たばこ
アンハイザー・ブッシュ・インベブBUD生活必需品バドワイザー
ナイキNKE生活必需品スニーカー(ナイキ・エア)
ギャップGPS生活必需品GAP、オールドネイビー
エクソン・モービルXOMエネルギー石油メジャー
シェブロンCVXエネルギー石油メジャー
ロイヤル・ダッチ・シェルRDS.Bエネルギー石油メジャー
ボーイングBA資本財B787ドリームライナー
ロッキード・マーティンLMT資本財ステルス戦闘機F-35
ユナイテッド・テクノロジーズUTX資本財航空機エンジン、エレベーター
キャタピラーCAT資本財建設機械(油圧ショベル他)
ゼネラル・エレクトリックGE資本財照明、航空機エンジン
テスラTSLA自動車電気自動車(EV)
スリーエムMMM素材ポストイット
デューク・エナジーDUK公共電力、ガス
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