今回はパワーシェアーズ 100 トラスト・シリーズ1(通称PowerShares QQQ)について考察します。
QQQはNASDAQ100種に投資出来るETFで、テクノロジー系の銘柄が約6割を占めています。
NASDAQは設立以降の経緯から、どちらかと言うと新興企業が多く上場している市場であり、有名どころではFAAMG(フェイスブック、アップル、アマゾン、マイクロソフト、グーグル)は全てNASDAQ上場企業です。
将来性豊かなIT関連銘柄と言っても、個別銘柄で購入すると当たり外れの二択になり成績が安定しません。そこでQQQを活用することによって、IT企業の動きを網羅的に押さえつつ高いリターンを期待することが出来ます。
IT企業の多くは配当を出さず、従ってQQQの利回りも年1%以下の水準です。一方で価格はリーマンショック下限から7倍近くに上昇しており、キャピタルゲインを狙えるETFと言えるでしょう。
目次(クリックで飛びます)
パワーシェアーズ QQQの基本情報
詳細は以下のHPをご参照ください。

(出典:Yahoo! FAINANCE)
- ティッカー:QQQ
- ベンチマーク:ナスダック 100指数
- 基準価格:147.66ドル
- 信託報酬:0.20%
- 設定日: 1999/03/10
- ETF純資産総額:53,277百万(米ドル)
- 月間出来高: 81,077万株
- 構成株式銘柄数:100銘柄
- 直近利回り:0.87%程度
組み入れ銘柄上位は以下の通り(クリックでリンク先に飛びます)。
FAAMG5社で42%近くを占めており、これにインテル、シスコとIT大手が続いています。NASDAQ市場は宝の山。
構成銘柄上位 | ティッカー | 比率(%) |
---|---|---|
Apple Inc | AAPL | 11.57 |
Microsoft Corp | MSFT | 8.44 |
Amazon.com Inc | AMZN | 6.86 |
Facebook Inc | FB | 5.89 |
Alphabet Inc | GOOG | 4.91 |
Alphabet Inc | GOOGL | 4.27 |
IntelCorp | INTC | 2.69 |
Comcast Corp | CMCSA | 2.58 |
Cisco Systems Inc | CSCO | 2.43 |
Amgen Inc | AMGN | 1.96 |
マイクロソフトやインテルあたりは成長が落ち着きつつあり連続増配銘柄へ舵を切っていますが、それ以外の多くは無配当あるいは余ったキャッシュを特別配当で還元するのみです。
基本的にはM&Aや事業再投資によって事業を拡大し、収益を上げることによって株価を上昇させて株主に報いる格好です。
このため利回りは1%を下回っており、長期保有として必ずしも優れているという訳ではありません。値上がり益狙いに徹した方が良さそうなETFになっています。
SPYに次ぐクラスの人気を誇り、出来高が凄まじい水準になっていますね。
QQQのIT比率は約60%
一応注意ですが、QQQのIT銘柄比率は60%程度になります。
IT銘柄にはこの他にエヌビディア(NVDA)、ペイパル(PYPL)、クアルコム(QCOM)や中国のバイドゥ(BIDU)も入っています。

(出典:Powershares)
Consumer Discretionary(一般消費財)が21.27%なのはアマゾン、コムキャストの貢献が大きいです。コムキャストはケーブルテレビ最大手ですね。
3位がヘルスケアで11.44%です。アムジェンの次にセルジーン(CELG)、ギリアド・サイエンシズ(GILD)、バイオジェン(BIIB)と続きます。
ギリアドだけ個別記事、ヘルスケア系として以下の記事でまとめて書いています。
また、QQQは非金融企業を対象としており、同じく成長株に分類されるような金融銘柄はこの中に含まれません。
QQQの売買戦略(S&P500等との比較)
既に述べた通り、QQQはキャピタルゲインを狙って売買するものです。
S&P500や日経平均との比較
S&P500や日経平均と比較して圧倒的な成長速度を誇っています。見にくいかもしれませんが、青がQQQです。
続いて緑がNASDAQ、水色がHDV、紫がS&P500、黄色が日経平均。2001年を基準にしても随分と差があるものです。というかこのところのITセクターが強すぎるというべきでしょうか。

(出典:Yahoo! FAINANCE)
気になるのは、ITセクターは不景気での落ち込みが激しいということ。その点を拡大しましょうか。2007年~2010年までで比較しましょう↓

(出典:Yahoo! FAINANCE)
プラ転早い!
確かに-40%近く急激な落ち込みがあるのですが、幅で見ればS&P500と大差なく、そこからの復帰速度は一番早いです。
ちなみに、不況に強いと言われる生活必需品セクターとして、VDCを足すとこうなります↓

(出典:Yahoo! FAINANCE)
黄緑色がVDCです。流石の不況耐性ですね。ITセクターと比較するとリーマンショックですら軽微な影響しか受けていません。
もしVDCに興味を持たれた方はこちらからどうぞ。
歴史的高値の意味
現状、歴史上類を見ない高値圏に飛んでいるので、下がりだしたらどれだけ損が出るか分かりません。
まあこういったタイミングでの投資判断は常に難しいのですが、私だったら投資しません。
ここから2倍になるより半分になる方が確率が高そう=期待値として下と感じるからですね。ここから先2倍3倍を狙うなら個別株に突っ込みますかね。
もちろん将来まだまだ上がるのかもしれませんし、そうでないかもしれません。分からないのですから、購入価格で安全域を確保しておかないと後々怖いのです。
これが高配当系ETFであれば、保持し続けていればやがて分配金が損益分岐点を下げてくれますが、QQQはほぼ純粋なキャピタルゲインを狙うETFなので上手く行きません。
このあたりを踏まえて投資戦略を立てていくと良いと思います。
オススメの証券会社
米国ETFに興味を持たれたら、早速口座開設をオススメします。ひとまず以下のいずれかの証券会社で海外口座を開いておけば間違いないと思います。
SBI証券
日本一の口座数を持つネット証券で、米国株も多数取り扱っています。米ドル振替のスプレッドが縮小されて最安なこと、サイトが使いやすいことが良い点です。
楽天証券
SBIと並んで楽天も大手ネット証券で、ほぼSBIと互角です。どちらを選ぶかは好みですが、普段楽天ポイントを使う場合は楽天証券の方が色々お得になるのでオススメです。
マネックス証券
米国株の取り扱い銘柄数は日本最多で、他では見ない小さな米国株まで買えたりします。当ブログのチャートはマネックス証券と一緒に利用出来るTradeStationを活用しています。
当ブログでは他のオススメETFも紹介しています。気になる方は以下の記事からどうぞ。
以下のリンクから直接飛ぶことも可能です。
銘柄名 (リンク先は分析記事) | ティッカー |
---|---|
VTI(米国全株式市場) | VTI |
VYM/HDV/VIG(米国高配当セクター) | VYM/HDV/VIG |
VWO/EEM(新興国セクター) | VWO/EEM |
VDC/XLP(米国生活必需品セクター) | VDC/XLP |
VHT(米国ヘルスケアセクター) | VHT |
VBR/VBK(米国小型株) | VBR/VBK |
VEA/VGK(米国外株式市場:先進国・欧州) | VEA/VGK |
VT/VEU(全世界株式市場) | VT/VEU |
VSS/VXUS(米国外株式市場:小型株) | VSS/VXUS |
日経平均/TOPIX/JPX400 | 1346/1348 |
S&P500/ダウ工業株30種 | VOO/DIA |
パワーシェアーズQQQ | QQQ |
PFF(米国優先株式) | PFF |
1570/1357(日経レバレッジ/ダブルインバース) | 1570/1357 |
GLD/IAU(金) | GLD/IAU |
1699/USO(原油) | 1699/USO |
SLV/DBA/DBC/VDE(その他のコモディティ・エネルギー) | SLV/DBA/DBC/VDE |
REIT(不動産投資信託) | - |
インデックスファンドまとめ | - |