では引き続き自動運転車について見ていきましょう。前回はこちらからどうぞ。

目次(クリックで飛びます)
自動運転車の創る未来像
自動運転車は多くの社会問題を一手に解決する技術となりえます。
- 交通事故による死傷者減少
- 大都市の渋滞を緩和
- 物流業務の人手不足解消、長距離移動の運転ストレス軽減
- 交通の流れを加速化(人・モノの移動が早く効率的に)、
コストダウン - 高齢化、過疎化する地方を都市部と結びつける
- クリーンエネルギー、環境汚染への対策
こんな記事も参考になります。
生活の変化
イメージからいきましょう。ネットから探してきました。gifで重いので、リンクを貼っておきます。
こ、これは説得力ありすぎるっ。自動運転車で街がどう変わるか描いた風景が必見
※全然関係ないんですけど、
自動運転車によって新しいサービスが色々と出てきます。
物流においては、
長距離移動用の自動運転車は、より内装が豪華になります。ふかふかのベッド、シャワートイレ、キッチンまで。
ビッグデータ分析によって、

(出典:FutureNYC)
両手の空いた移動時間で、
道路の変化
事故を起こさない自動運転車によって、
人々は自動車を保有せず、

(出典:gizmodo)
自動運転車は電気の力で日中に街中を走り続けていますが、
いつでも呼べるので、街には駐車場もなくなります。
他業界への影響
ITが金融業界に入ってフィンテック革命を起こしているように、
- 保険業界:一番被害大きそうな保険業界。
自動車保険と自賠責保険は、 損害保険会社にとって売上全体の6割を占める主力商品です。 まあでも自賠責保険がダメになったら自動車のサイバー被害対策保 険みたいなのが出てきて延命しそうな気もします。 日本人は保険大好きだから。 - タクシー業界:
人件費7割のタクシー業界が自動運転車を導入しないわけがないで すね。運転手の失業はありそうですが、業界として見ても、 ただでさえUberのサービスに押される中、 安全性や安心感というポイントでも負けるのは痛いです。 観光案内等の付加価値が出せればいいのですが。 - 運送業界:運送も自動運転車によって無人化、効率化されます。
雇用問題はもちろんですが、 自動車メーカーやAmazonのような小売業界が直接運送サービ スに進出すると厳しいかもしれません。 - 運転免許センター:運転しないんだから要らないですよね。
- 自動車メーカー:米国で言えば、
向こう25年間で自動車販売が40% 減少すると予想されています。 カーシェアリングもハード売りのビジネスモデルに逆風ですので、 サービス業にモデルチェンジするか、 ブランドとして付加価値を上げるかの2方向かなと。 - 自動車ディーラー:もっと危険なのはこっちか。
まあITって技術自体が仲介者を省くシステムなので仕方ないです ね。 - 駐車場:不動産の活用手段のひとつですが、
上で見たように駐車場が街から消えます。
※タクシー代わりにする経済効果について以下参考。

(出典:ボストン・コンサルティング・グループ)
とりあえず無人トラックの隊列走行が早期実現しそうなので、

(出典:ITS Japan)
自動運転車の課題、リスク
自動運転車の普及は間違いなく進んでいくでしょう。
しかしその課題としてあるものは技術的な問題ではないようです。
つまり、
※技術的な問題で気になるのはセキュリティですね……。

法的問題
ジュネーブ道路交通条約で定義されている「
以下の記事が参考になります。
まあフェーズごとの話はさておき、
なお、日本損害保険協会による、
- レベル3まで:現行法(自動車損害賠償保障法(自賠法)
および民法)に基づく考え方が適用可能と考えられる。 - レベル4:国際的な議論の動向、社会受容性等を踏まえ、
自動車に関連する法令等を見直したうえで、 損害賠償責任のあり方を検討する必要がある。
心理的問題
心理的問題については、実際のところ、
しかし、前回記事で航空機と自動車を対比して見たように、
アメリカ自動車協会(AAA)が行った調査で、80%
トロッコの問題
「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という倫理学の思考実験。
所謂答えのない問いで、自動運転車が10人を轢いてしまうか、
こうした倫理的な問いにAIが答えを出せるのかという話です。
マイケル・サンデルの本「これからの「正義」の話をしよう」とかで紹介されていますので、
自動運転車の市場規模、ロードマップ
自動運転車市場における動向示唆。

(出典:ボストン・コンサルティング・グループ)
米国の調査ですが、米国人には購入意欲が強いようです。
市場規模
高齢者が増えてくること、
また、
ボスコンの試算によると、
10年後の2025年の自動運転車普及率を約13%、
自動車の基本価格を除いた市場規模を約420億ドル(約5兆円) と予測している。 さらに2035年には完全自動運転車が増加して、普及率は25% に、市場規模は約770億ドル(約9.2兆円) に達すると見ている。
そして普及率は市場投入後10年で、

(出典:ボストン・コンサルティング・グループ)

(出典:ボストン・コンサルティング・グループ)
しかし日本における自動車産業は現状、
なにせ下手をすると下の図にある産業が消えてしまうわけですから。

(出典:経済産業省)
ロードマップ
最初、国の目標。

(出典:高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)

(出典:高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)

(出典:高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)
普及までのより詳しいロードマップを見ていきましょう。

(出典:EYアドバイザリー)
自動運転車の登場によって、

(出典:日経BP未来研究所)

(出典:日経TRENDY)
前回記事でも一回引用した図ですが、

(出典:ADL)
また、自動運転車の重要技術8分野(地図、通信、社会受容性、
自動運転の技術として部分的な自動化はこの5年でどんどん浸透し

(出典:日経TRENDY)
自動運転車の主要企業動向
日本の自動車メーカー各社は、「
米国はGoogleにおける無人運転サービスに向けた公道実証や
欧州系の自動車企業は、
目標は完全自動運転車の完成。そのため、目下車載Androidプラットホーム「
言うまでもなくこのジャンルの先鞭をつけた企業で、
※ちなみに、2015年5月時点での事故件数(従来型も含む)
地図もあるしOSもあるしで開発環境としては最高だと思います。
画像を見ての通り、
やっぱり彼らのビジネスモデルって自動運転車自体にあるのではな
しかも自動運転によって両手が空いたところで提供出来る各種サー
参考記事:グーグルの自動運転車とAndroid Autoそして車載OSへの野望
Apple
まだ計画に未知数なところはあるものの、
最近「CarPlay」
Uber
2015年2月、
Uberはシェアリングエコノミー企業としてプラットフォームを
テスラ・モーターズ
最も歴史の浅い自動車メーカーながら、
2015年10月、「モデルS」で、
トヨタ
これまで割りと動きが鈍かったのですが、
2020年頃の実用化をめざした自動運転実験車を公開して、
ただし、
日産
ハイウェイから一般道までの自動運転が可能な実験車両での公道テ
2016年末までには混雑した高速道路上での安全な自動運転を可
2018年には、高速道路での車線変更を行う、
ロボット・タクシー(ZMP、DeNA)
国家戦略特区のプロジェクトとして、
3D地図でも活躍が期待されるZMP、
GM
2015年10月、高速道路で自動運転ができる機能(自動追従)
ダイムラー、フォルクスワーゲン、BMW(欧州)
積極的な欧州自動車メーカーは、

(出典:IT総合戦略室)
フォルクスワーゲンは競合に先駆けて自動運転車の開発をスタート
独アウディは中国・上海で、
国の方針(おさらい)
今、国を挙げて取り組みを進めているところです。
安倍晋三首相 東京五輪までに「自動運転車」普及 科学技術のフォーラムで
世界各国の動向

(出典:IT総合戦略室)
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