【米国大統領選】ヒラリー・クリントンと米国株、日本株への影響【関連銘柄】

テーマ株

米国大統領選挙を11月に控え、そろそろ仕込みの時期に差し掛かってきたのかなと思います。

ということで、早速見てみましょう。

※長くなってきたので二つに分けました。銘柄名とドナルド・トランプについては後編で。

【米国大統領選】ドナルド・トランプと米国株、日本株への影響【関連銘柄】
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米国大統領選挙とは

詳細はWiki参照。オバマ大統領は既に2期目のため、今年2016年11月8日の選挙結果によって、新たな大統領が誕生するということになります。

小学校で習った内容ですが、日本のような議員内閣制と違い、米国は大統領という一人のトップが国民投票で直接選ばれます。そのため、大統領の権限は非常に強く設定されています(まあ制度を実現させるにはもっと強い議会を通さないといけませんが)。

選び方には2つの段階があり、民主党・共和党の中から代表を選ぶ予備選挙、国民投票による本選挙と言います。

予備選挙は7/18(共和党)、7/25(民主党)の代表がそれぞれ発表されるまでです。そして本選挙は11/8に実施(各州の選挙人に対して投票)。なお正式な大統領就任は17年1月20日です。詳しい進め方はこちらを見てください。

民主党と共和党の違い

こちらのまとめ記事が分かりやすかったです。

http://matome.naver.jp/odai/2143450053646381601

長くても読めるという方はこちらのサイト様の記事がたぶん一番詳しそう。投資する上では必要なさそうなレベルまで踏み込んでいる気がするけども。

日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略 / 深田 匠 著 > 第四章 米国の国際戦略 >「アメリカは」二つ存在している!- 愛する祖国 日本
日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略 / 深田 匠 著 の引用

路線

共和党は保守的で小さな政府(自由と競争)、民主党はリベラルで大きな政府(平等と公平)

そのために、共和党は軍事支出を増やし福祉費用を削減する強いアメリカを標榜し、逆に民主党は軍事支出を減らし福祉費用を増やす、平等を標榜する(と言われる)。前者は例えばブッシュの時のイラク戦争で、後者は例えば国民健康保険制度に近いオバマケアですね。

支持層

共和党は保守層やキリスト教原理主義勢力に支えられており、裕福な白人、大企業中心となっています。民主党は労働者やマイノリティが主体で、低所得者層、黒人やヒスパニック系、女性も多いです(だからオバマやクリントンが民主党から出てくるのですね)。

支持層のマップを見るとこんな感じ。東西の海岸沿いは移民が多いために民主党支持が強く、中西部は共和党勢力が優勢です。

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外交

民主主義のリーダーとして積極的な外交政策を取る共和党は、どちらかと言えば親日的。同じ民主主義国家であり、アジアの同盟国である日本とは共存共栄路線です。

対して自国内に目が向きがちな民主党は外交は上手くないです。オバマは世界の警察をやめると言ったり、利害関係を重視して中国に接近したりしてましたしね。

二人の候補

下を見ると、まあヒラリー・クリントンとドナルド・トランプに決まりかなあ。まだ発言一つ二つでひっくり返る可能性はありますが、この二人と考えて戦略を練りましょう。ちなみに現オバマは民主党所属。

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(出典:朝日新聞デジタル)

ヒラリー・クリントン

知性が高く有能と名高い、実現すれば米国史上初の女性大統領となるヒラリー・クリントンは大統領選の大本命。

ここまでの経歴は弁護士、ファーストレディ、ニューヨーク州選出の上院議員、国務長官と申し分なく、夫のビル・クリントンは42代の大統領。

下の記事が面白かったのでご紹介。クリントンの人柄を知る上で参考になると思います。

http://by-s.me/article/87106502464401588

ドナルド・トランプ

一代で5,000億もの資産を築き上げた「不動産王」。実業家としての実力派疑う余地なく、メディアへの露出も多いこと多いこと。

強気の発言(暴言)が目立ちますが、ダメだダメだと言われながらも現在共和党のトップ候補に。米国人はとにかく「強いアメリカ」が大好きなのでしょう。ちなみに大統領になったら発言を少し慎むようです。

BBCにトランプの人柄や信条を理解するのに役立ちそうな記事がありましたのでご紹介します。

ドナルド・トランプ氏が信じる22のこと - BBCニュース
2016年米大統領選に共和党から出馬している実業家ドナルド・トランプ氏は、支持率でトップを走っている。その政策や信条はどういうものなのか。

一般論としての株価への影響

大統領選挙の株価については以下に書いたので、見てください。強いアメリカへの期待から、どっちの政党が勝っても基本は株高、ドル高です。

投資のアノマリーまとめてみた(日本株、米国株、為替相場)

そして皮肉な話ですが、S&P上昇率は民主党>共和党となるらしい。

日本の例)選挙で上がる株

ここで上がると言っているのは、選挙において必要になる=特需の発生という意味です。

4708 りらいあコミュニケーションズ

旧もしもしホットラインで知っている人も多いかも。世論調査の会社です。他にもリサーチ系の会社はいくつかあります(トランス・コスモスとか)。米国で世論調査を専門にする会社はあるんでしょうか。新聞社がやっているのかな?

ちなみに日本でも16年から18歳から選挙権を持つようになるので、世論調査の需要は高そうです。

3955 イムラ封筒

これもお馴染みですね。ここは封筒というニッチ産業で業界首位。選挙使われる窓封筒は大体イムラ封筒です。ネット選挙になると地位が下がりそうですが、老人がいるので安定した需要は続くでしょうね。

米国ではどうなんでしょうね。公共機関が配ってたりするんでしょうか。調べても分かりませんでした。

6457  グローリー

これもお馴染みの選挙銘柄。開票作業用の機械を作っています。両替機とかも扱っていますね。両替機と言えば日本金銭機械が北米市場でも有名なんですが、ここも選挙用の機械とか米国に売ってたりしませんかね。IR見た限りしてませんね。

3919 パイプドHD

傘下のパイプドビッツがAKB総選挙のシステム構築をしたことで有名。日本で電子投票が始まったらたぶん思惑買いされそうな銘柄。不正投票検知や一斉投票によるトラフィック増にも耐えられる実績を持っているのが強み。

米国はまだ電子投票未実施ですが、海外の中ではエストニア、ブラジルなどが成功例として挙げられるようです。

共和党政権下で上がる米国株

防衛産業

散々書いたように、共和党は強いアメリカ路線で軍事支出を増やします。国防関連銘柄が高騰したすいです(具体的な銘柄は次の記事に列挙)。

特にオバマ政権下では核兵器の縮小など軍縮が進められていたので、反発が大きいかもしれません。

エネルギー産業

これも書いている通りです。軍事支出増加によってエネルギー需要も増えますし、自由と競争を標榜する共和党は民主党ほど環境に配慮しない可能性が高いのです。こちらもオバマ政権下では様々な環境規制が取られていたので、反発が大きいかもです。

金融業

相変わらずですが、多くの規制を設けた民主党政権より、自由競争の共和党のほうが規制が少なく、ハイリスクハイリターンの金融業は収益が良くなる可能性が高いです。

民主党政権下で上がる米国株

ヘルスケア

オバマケア政策のように、民主党は社会福祉に対する意欲が強いです。破格の保険料を請求され病院に入る人が制限されていた状態から、現在ではより多くの人が利用出来るようになったので、ヘルスケア産業は潤うはずです。

内需株

同じく、低所得者層との格差是正対策を打ち出すので、身近なものの消費が広がります。

環境ビジネス

共和党と対照的に、民主党は環境に配慮する政党ですので、関連株の上昇が見込めます。

利上げについて

利上げすると消費活動が停滞します。FRBは独立性を保たれているので大統領選挙とは直接関係ないのですが、トランプがこんなことを言い出しました。

トランプ氏「イエレンFRB議長を再任せず」 米誌に

利上げについては「3~4%という政策金利になれば景気の足かせとなり、大変恐ろしい」と述べ、低金利政策の継続を求めた。

利上げ基調のイエレン議長を再任しないらしいです(ヒラリーの場合は再任の方向)。

既に一度利上げしていることや中国をはじめとする新興国経済の停滞から近いタイミングでの利上げはないのではという意見が一般的です。利上げによって株価に水をさされるということはないかなあ……とは思うものの、なんとも言いがたいです。

二人の発言から、株価への影響を考えてみる

探しても出てくるのは「日本への影響は?」という記事ばかり……投資家向けに株価の影響ももっと欲しいところ。

というわけで、私が勝手に思ったことを書いているだけです。個々の銘柄は次の記事でリストにしています。

ヒラリー・クリントン

どこからはじめたものか……。ヒラリーはかなりはっきりと公約を固めているので、見通しが立てやすいです。

やっぱりクリーンエネルギー推進派

クリントン氏、再生エネルギー生産拡大に向けた目標公表

再生可能エネルギーの生産を大幅に拡大する方針を示し、大統領就任から10年以内に米国内すべての世帯に十分なクリーンエネルギーを供給する目標を設定した。

やはり民主党、クリーンエネルギー推進しますね。再生エネルギー産業には追い風、伝統の石油産業には逆風かな?

もしシェールガス開発に対しても規制(フラッキング禁止)を設けるなら、原油価格は高騰するでしょう。これはまた中東進出の可能性も……。

しかしながらヒラリーのバックにある財団にはエクソンモービルやシェブロンなどの石油財閥と結びつきが強いようで、環境保護派はジレンマなのだとか。

ヒラリー氏と石油業界のつながり、環境団体は支持表明にジレンマ

金融業には逆風

ヒラリー・クリントンが金融取引の各種規制を提案

最近になって大統領となったらアメリカ国内の金融業界の規制を、強化すると発表した。

サブプライム危機を受けて、大手銀行の分割解体・小型化や、ヘッジファンドの高頻度取引(HFT)への課税強化等、規制を強化する方針。

医療制度改革

クリントン氏の発言を受けバイオ医薬品関連株式は下落

2015年9月21日、同氏はツイッターに、一部の特殊医薬品会社による医薬品価格の値上げについて、翌日(9月22日)に対処案を発表することを投稿しました。

これも民主党らしく、高額医療の自己負担額抑制ですね。Twitterに投稿した後バイオ株が連日暴落するなど大きな反応がありました。

「日本は円安誘導している」

クリントン氏、「円安誘導」と日本批判

米東部メーン州の地方紙への寄稿で「中国や日本、他のアジアの国々は通貨の価値を低くし、商品の価格を人為的に安く抑えてきた」と指摘。不公正な行為で米国への輸入が増え、国内の労働者は職を失うなどの被害に遭うと説明した。

この発言後、今結構な円高ですよねwこれこそ誘導じゃん。

この発言を見るにヒラリーはドル安にしたいんでしょうか。ドル安だと輸入品の値段が上がるので低所得者層には辛いと思いますがね……。通例だとアメリカに資金が集まるのでドル高なんですが、外れるかもしれません。

日本株(輸出主導の大型株、日経平均)にとっては大きなマイナス要因。

TPP反対

まあ米国大企業しか利のないTPPですからね。そら反対するでしょう。これも日本株(特に大型株)にとっては大きなマイナス要因。

ヒラリー・クリントン氏「TPPを支持しない」 その背景は?

「私は最初から、米国民の雇用創出、賃金上昇、国家安全保障の強化につながる貿易協定を結ぶ必要があると語ってきた。他にも多くの疑問が解消されていないと思うが、私にとってはこの3点に尽きる」とした上で、TPPは「私が設定した高い基準を満たすとは思わない」と述べた。

そうそう、国内の雇用を守るという意味もありますね。

え? でもこの人国務長官時代は賛成してたって? うーん、オバマと違う路線を出したかったというより、選挙対策でしょう。民主党候補はみんな反対のようですし、支持基盤の労働組合は当然猛反対しているポイントの一つです。

UFO発言

ヒラリー・クリントンが超爆弾発言 「エイリアンはすでに地球にいる」大手誌も報じる

当選した暁には専門調査団を結成してUFOとエイリアンの真相を究明するというものであった。

ちょっとこの記事多すぎませんか。「ヒラリー 発言」「ヒラリー 公約」でぐぐってもこれしか出て来ないんですが。

株への影響という意味では、たぶん宇宙産業への投資が拡大されるんじゃないかと思います。

軍事

ヒラリーが批判されていることの一つに、イラク戦争へ賛成票を投じたことが挙がっています。それ以外にもリビア侵略、シリアのアサド政権打倒など、民主党政権下で数多くの戦争を推進してきた実績があります(共和党のような国家戦略的な戦争ではなく、国民感情や周囲から流されての戦争が多いのが民主党の特徴です)。

そう考えると、多くの識者がヒラリーの軍拡について懸念を表明しているのも無理はないのかもしれません。シリア、イラクの軍事介入の是非はヒラリー政権で大きな注目を集めると思います。

こちらのサイト様は興味深い記事がとても多く、オススメです。

ヒラリー・クリントンを、発言ではなく、実績で評価する - マスコミに載らない海外記事
Eric ZuesseGlobal Research2016年4月25日ヒラリー・クリントンの主要実績は、彼女がアメリカ国務長官だった時に、ホンジュラスにおける2009年6月28日のクーデターを“クーデター”と呼ぶのを拒否することで実現した。彼女がそれをクーデターと呼ぶのを拒否したので、バラク・オバマ支配下のアメリカ.

国内インフラに2750億ドル(30兆円規模)の投資

動画付きのツイートで、「5年間で2750億ドルのインフラ投資を行う」と名言しています。道路、橋、トンネル、送電網といった改修です。

もちろん不動産、建設、土木工事産業関連は、実需増加により業績が好調になると予想されます。

移民に対する市民権、男女平等、最低賃金引き上げ

民主党として掲げている政策です。経済への影響は大きいかもしれませんが、個々の株として見ると難しい。


民主党は過去の事例が示す通り、内需拡大によってS&Pの上昇が見込めますが、様々な規制を設けることで一部の業界にとっては厳しい市況になります。ついでに日本にとっては全般的には悪材料が多くなりそうです。

とりあえず、前編はここまでにします。後編はこちら。

【米国大統領選】ドナルド・トランプと米国株、日本株への影響【関連銘柄】
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