シェアリングエコノミーは未来の経済社会になるか

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シェアリングエコノミー、AirbnbやUberといった企業の登場により、本格的に認知されてきた新しい経済です。

“share”、すなわち「共有する」経済は、大量生産大量消費(大量保有)の高度経済成長期とは真逆の、生産しない&所有しない経済と言えるでしょう。

今回はシェアリングエコノミーについて見ていきたいと考えています。

なお、ITとかの全体像については以下のページをご覧ください。

3分で分かる、IT系テーマの全体像まとめ キーワード、俯瞰図、ロードマップ等
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シェアリングエコノミーの定義、特徴

良い表現があったのでそのまま引用させていただきます。

場所・乗り物・モノ・人・お金などの遊休資産をインターネット上のプラットフォームを介して個人間で貸借や売買、交換することでシェアしていく新しい経済の動き

出典:一般社団法人 シェアリングエコノミー協会

これが全てですね。購入ではなく、交換・貸借。

背景

モノ余りの時代になって久しいですが、私達の可処分所得はどんどん下がってきています。

お金がないと、買うものを絞らないといけません。いや、本当にそうでしょうか。タクシーに一人で乗っても四人で乗っても料金は変わりませんが、一人あたりの負担は小さくなります。

同じように、あらゆるモノをみんなでちょっとずつお金を出し合って買って必要な時にだけ使うように出来ないでしょうか。

こうした考え方から生まれたのがシェアリングエコノミーです。

かつてほど無駄にモノを買い集めて消費する生活を送る必要はないと気づいたのです。若者のなんとか離れ、合理的だから止められないということです。

もちろん、モノの貸し借りなんて昔からありました。

それがここまで発展した理由のひとつは、スマホの普及です。スマホがオンデマンドで情報を送受信し、必要な時に必要な量だけ利用するという理想が実現したのです。また、目に見えない相手への信頼を醸成するSNSの普及が第二の理由となるかと思います。

シェアリングエコノミーの事例を分類してみる

シェアリングエコノミーの大まかな分類は以下の図を見て下さい。サービス(企業)名称まで載っていて、株探しにも持って来いです。

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(出典:一般社団法人 シェアリングエコノミー協会)

移動手段(乗り物)をシェアする

非常に分かりやすいですね。

Uberの個人タクシーを筆頭としたサービス、カーシェアリングもレンタルより格安だと人気化してきています。例えばUberの仕組みは以下のようになります。

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場所をシェアする

真っ先に思い浮かぶのが、Aribnbを筆頭とした場所貸しです。

今の生活スタイルを見なおしてみると、自宅を持っていても1日の殆どの時間を外(例えばオフィス)で過ごすという人もいると思いますし、逆にオフィスのように夜間帯は全く使わないという場所もあります。

そうした遊休資産を、その時その場所を必要としている人に貸し出してあげる。そういうWin-Winのビジネスモデルですね。インバウンドも相まって爆発的に増えましたが、法整備などの課題も残しています(現地の住まいに泊まるってちょっと怖い気もしますが……トラブルはめったに聞きません)。

ま、人が泊まると考えるとハードルが高いですが、場所貸しの「軒先ビジネス」、駐車場貸出サービスの「軒先パーキング」みたいな例もありますので、アイデア次第で化けそうです

スキル(人)をシェアする

これはクラウドワークスやランサーズをはじめとしたクラウドソーシングですね。

主婦や学生のアルバイトのような単純労働から、専門スキルを活かしたマッチングサービスもあります。

簡単な困りごと解決の「ANYTIMES」、もう少し専門的な「クラウドワークス」や「ランサーズ」、専門的なシェアになる「SKET」(デザイン)や家事代行「casy」、出張シェフ「mychef」とか。上にも書いたように、スマホによってオンデマンドですぐサービス提供出来ることが特徴です。

モノをシェアする

古くはフリーマーケットを思い浮かべましたが、事例を調べるとオンラインファッションレンタルの「airCloset」「SUSTINA」、貸出クローゼットの「Liece」、モノの貸し借りマッチングサービス「モノシー」なんかもあります。

特に高額なモノや一回きりのモノ、購入前に試用したいモノなんかは需要がありそうです。

お金をシェアする

これは例えばフィンテックで紹介したソーシャルレンディングですね。シェアリングエコノミーとしては主流ではなさそうです。

フィンテック、ビットコインのまとめ(フィンテック編)

市場規模について

2013年時点では150億ドル程度の市場規模ですが、2025年には約3,350億ドル規模(約40兆円)に成長する見込みです。

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(出典:Uber Japan)

結構な規模だと思いませんか。今既に流行っているところを見ると、絵空事でもなさそうな印象を持っています。

未来像を考えてみる

背景でも触れましたが、シェアリングエコノミーは、資本主義の典型である大量生産大量消費の時代に対するカウンターの立ち位置になります。

なぜシェアリングエコノミーが流行るのかと言えば、それが合理的だと感じるようになったからです。

交通網が発達した日本で、車は必ずしも必要ありません。たまに欲しい時だけ、借りて使えば良いのです。そんな社会は、今後のモノあまり、金不足の未来社会で一層流行っていくのではと思っています。

海外の場合

先行事例として出ているアメリカで考えると、きちんとビジネスとして成立している点は大きいと思います。

やっぱりサービス提供側に金銭メリットがないと続きません。

有名な話ですが、アメリカではフリーランスが3割もいます。彼らは会社員としての生き方以外にも様々な収入源を求めており、小さな事業を自分の裁量で引き受けられる点も相性が良いかなという感じ。

日本の場合

きれい好きの日本人は結構抵抗感も大きいようです(個人的には、昔から隣の家で調味料を貸し借りしていた日本は、シェアに対する抵抗が小さいように思いましたが。SNSも大流行してますし)。

以下、AirbnbとUberをそれぞれ利用したいと思うかどうかのアンケートで、7,8割の人が「あまり利用したくない」と回答しています。

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(出典:@IT)

目に見えない相手への不信感という根強い不安要素がシェアに踏み切れない理由となっており、この点を払拭する仕組みづくりが大切かと。評価システムだけじゃなくて、プラスアルファの要素はありませんかね。

なお、アジア全体ではシェアすることについての意識が最も高いそうです。

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(出典:Uber Japan)

その他をポイントを考えると、東京オリンピックにおけるインフラ整備も期待されています(タクシー、民泊)。女性や高齢者の社会進出、地方創生といった問題の解決策にもなり得ますし、国も法整備等の面から後押ししてくれるでしょう。


私も支出を押さえて全く苦にならないタイプの人間ですし、価値観として非常に賛成出来る点が多いです。若い世代は特にそういう人がたくさんいる印象なので、もっと流行るんじゃないかな~と。

次は銘柄を見てみたいと思っています。シェアリングエコノミーの括りというか、このシェアの胴元になるというビジネスモデルが上手いんですよね。

他のIT系テーマについて以下でまとめております。よろしければ合わせてお読みいただけるとうれしいです。

3分で分かる、IT系テーマの全体像まとめ キーワード、俯瞰図、ロードマップ等
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