3分で分かる、ドローンビジネス ドローンってそんなに有望かな?

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ロボットの一種、空飛ぶスマホのドローンについて、いつものように調べてみました。

17/7/1追記:これは1年近く前の記事ですが、この間にヤマトのブラック企業問題なんかが取り沙汰されています。

物流業務の人員不足もあってオートメーション化の検討が進む中で、例えばアマゾンが独自の物流網を構築してその中にドローンを組み込む、みたいなネタも出てきています。

とはいえ、私としてはドローンの価値をそこまで見いだせないという現状に変わりません。今見てもわりといい線ついてるんじゃないかと思っています(笑)

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ドローンとは

ドローンとはなにか、まずはWeblioから定義を引用します。

無人で遠隔操作や自動制御によって飛行できる航空機の総称。英語の「drone」は「(無線操縦の)無人機」あるいは「オス蜂」といった意味の語。

出典:Weblio新語時事用語辞典

要するにラジコン強化版みたいなもんです。

あるいはAIで動くからロボットでもあり、センサーがついているからスマホ(IoT)でもある。ドローンの理解はそんな感じでOKでしょう。

ドローンのなにが画期的なのか?

なぜ今ドローンが流行っているのか、それは未だ手付かずの「低い上空」領域に機械を飛ばすことが、全く新しいビジネスに繋がるのではないかという期待があるからです。

ドローンの飛べる領空は以下の図の通りで、今ここには電波(目に見えない)とかせいぜい虫や小鳥が飛んでるくらいなんですよ。

drone1

(出典:総務省 ドローンの現状について)

飛行機(モノの輸送)の代替=無人配送が出来そうというだけではなく、人が踏み入れることができない危険な場所の調査等、使い道が広そうな技術です(ドローンはロボットの一種ですしね)

技術要素

端的に言えば部品の小型化&高性能化&価格下落と、コンピュータ(将来はAI)による自動制御技術の発達の二面があります。

前者をもっと具体的な部品名で言うと、「モーター」「バッテリー」「センサー」になります。

モーターやバッテリーの小型化(+軽量化)は遠くまで飛ばすことを可能にし、センサーの高性能化はコンピュータの制御技術と合わさって、ドローンの姿勢制御を安定化させました。

ドローンのある未来像(活用案)

イメージ図、いいですね。「空の領域を使ってなにか新しいサービスを」という形で未来像を考えてみましょう。

drone8

(出典:Yahoo!ニュース)

アンケート結果も同じサイトにあったので、一緒にお借りします。

drone9

(出典:Yahoo!ニュース)

空輸

一番先に考えるのはこれですが、実のところどうなのかな? と個人的には思ってたりします。

小回りが効いて無人配達が出来る点はもちろん高ポイントですが、空を飛ぶ=高いリスク(人とぶつかったり、中身を壊したり)を負う必要はないし、現状の陸運からスイッチするほどの魅力があるかというと……。

これを見ると人の運搬は最後に来ていますね。

drone2

(出典:日経BPクリーンテック研究所)

空撮

スポーツ中継とかに使えそう。VRと組み合わせて臨場感のある映像がいとも簡単に撮れるようになればと思います。

災害時の救助

これは期待大ですね。東日本大震災で原子炉の作業をロボットにやらせようという話も上がっていた記憶があります。

ロボットの一種であり空を飛べるドローンは、地上の障害物を無視して活動が出来るため、災害時にこそ活躍するんじゃないでしょうか。

測量(特に危険地帯の調査)

人間が1、2か月かかる測量も、ドローンならちょちょっと空飛んで数時間で出来るのです。
GPS(位置情報サービス)の進歩も大きいですね。

農業

実は最も影響が大きいのは農業です。後述しますが、現時点のサービス分野で50%を占めています。

ヤマハの農薬散布機(飛行機で空から農薬を散布するやつ)は1000万もするので、5万円のドローンで出来るならまず間違いなく代替されるでしょう

農薬散布以外にも整備・点検、測量など親和性が高く、引き続き牽引していくものと思われます。

活用支援ビジネス

ドローンはしばらくそこら中にぶつかると思うので、保険サービスはありそうです。上手く操縦するための教室なんかは既にあったりします(そのうち完全自動制御になるから意味ない気がするんですが)。

あとはバッテリーが長持ちするようになってきたとはいえ、超長距離を飛ばすためにガソリンスタンドならぬ充電スタンド(?)的なのも出るのかな。

ドローンのビジネスモデル考察

既にドローン本体は中国DJI一強(世界シェア7割、PHANTOMシリーズは累計販売台数が100万台突破)となっていますが、競争激化で値下げが進み、本体では利益がほとんど出ていません。

drone3

(出典:biblion)

ここらへんもスマホと一緒だと言われる所以ですが、所詮部品毎に見ればスマホとたいして変わらないんですよね。組立工場なんだから安くしてなんぼなわけです(一応、DJIは姿勢制御の独自技術があるので、圧倒的シェアを持てるのですが……)。

ということで、売った後にアプリやサービス提供で課金してお金を稼ぐ周辺事業中心のビジネスモデルになります(iphoneにおけるAppstoreですね。OSの競争もあってスマホのビジネスモデルをなぞっている印象があります)。このことは、下の市場規模グラフでも分かります。

ドローンの市場規模、ロードマップ

国内・海外のドローン市場

ドローン市場は国内市場だと現状104億円規模、2020年までに1138億円に拡大する見込みです。案外小さいね。

drone4

(出典:インプレス総研)

内訳を見てみましょう。上にも書いたように、現状は農業利用が圧倒的多数ですね。しかし、今後を見ると検査や測量においてもビジネス領域を拡大していくと

drone5

(出典:インプレス総研)

一方こんな資料も出てきました。国内業務用ドローンの市場規模は、2030年に1000億円で、年間販売台数は8200台……あれっ、しょぼくね?

drone6

(出典:日経BPクリーンテック研究所)

ちなみに、世界のドローン市場だと10兆円規模でした。アメリカでは10万人の雇用を生み出すのだとか(でもこれには完全自動飛行は考慮されてないので、たぶん最終的にはそこまで雇用生みません)。

参考ドローン10兆円市場が日本にもたらす脅威

ロードマップ

ロードマップとしては、こちらが分かりやすいので引用させていただきます。技術的には今後より安全性を高めていく方向ですが現状から大きくかわりなく、国の法整備・ルール化が重要なポイントになってきそうです。

drone7

(出典:インプレス)

ドローンのリスク・課題=規制の問題

ということで、ドローンを語る上で避けて通れないのが規制の問題です。テロもあって空を自由に飛ばすというのは流石にハードルが高い。

参考ドローンの現状について

まあある程度の制限は必要でしょう。ただ、過度な制限は日本におけるドローンビジネスを狭めてしまいますので、上手く落としどころを見つけてほしいです。

ちなみに、DJIの人曰く、ルールが整備され政府の方針が明確化されたことでむしろ企業参入が促進される土壌が整ったそうです。

参考世界最大級ドローンメーカーDJI社の企業価値が1兆円を超えた理由(後編)

DJIのドローン、アマゾンの評価かなり高いですね……。おもちゃとして買うにはちょっと高いですが。


他のIT系テーマについて以下でまとめております。よろしければ合わせてお読みいただけるとうれしいです。

3分で分かる、IT系テーマの全体像まとめ キーワード、俯瞰図、ロードマップ等

ドローンの取り組みで注目を集めているアマゾンの個別記事はこちらからどうぞ。

【米国株】アマゾン(Amazon:AMZN)の銘柄分析
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