【VDC】米国生活必需品セクターETF【XLP】比較とか構成銘柄分析とか

テーマ株

このブログは雑記ブログなのであっちこっちに話が飛んで行くのですが、その中でも海外ETF系の記事は人気があるみたいです。

なので、もういくつかオススメのETFをご紹介しておきます。まるでバンガードのまわし者かと言わんばかりにバンガードを薦めてますが、今回の必需品セクターに限ってはSPDRのXLPも合わせてオススメしています。これはあまりにも出来高が違いすぎるからです。

ETFに対する私の考え方はこちらの記事に書いています。

【投資手法まとめ】ETF投資のルール

→最新でルールをいくつか変えているので、合わせて以下もご参照ください。

タイミング投資をしないルールについて
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VDC(バンガード米国生活必需品セクターETF)の基本情報

重要情報を抜き出します(2016年5月4日時点)。詳細は以下のバンガード公式ページをご参照ください。

参考バンガード米国生活必需品セクターETF

  • ティッカー:VDC
  • ベンチマーク:MSCI USインベスタブル・ マーケット・生活必需品25/50 インデックス
  • 基準価格:134.93ドル
  • 信託報酬:年率0.10%
  • 設定日: 2004/01/26
  • ETF純資産総額: 3,122百万(米ドル)
  • 月間出来高:344万株
  • 構成株式銘柄数:101銘柄
  • 分配:四半期ごと(利回り2%弱程度)

チャートはこんな感じ。かなり割高。

vdc

XLP(生活必需品セレクト・セクターSPDRファンド)

重要情報を抜き出します(2016年5月4日時点)。詳細は以下のSPDR公式ページをご参照ください。

参考生活必需品セレクト・セクターSPDRファンド

  • ティッカー:XLP
  • ベンチマーク: S&P 生活必需品セレクト・セクター指数
  • 基準価格:53.06ドル
  • 信託報酬:年率0.16%
  • 設定日: 1998/12/16
  • ETF純資産総額: 10,347百万(米ドル)
  • 月間出来高:24,786万株
  • 構成株式銘柄数:39銘柄
  • 分配:四半期ごと(利回り2%弱程度)

チャートはやっぱり割高。

xlp

構成銘柄の分析

どちらも主力銘柄は殆ど変わらないので、以下の11銘柄を見てみましょう。以前の記事に書いたものは流用しています。

リンククリックで詳細な個別銘柄分析記事に飛びます。

主要構成銘柄VDCXLP
Procter & Gamble Co.10.5%11.45%
Coca-Cola Co.8.59.30
Philip Morris International Inc.6.48.13
CVS Health Corp.5.06.25
Altria Group Inc.5.35.96
Wal-Mart Stores Inc.4.55.60
PepsiCo Inc.7.04.57
Walgreens Boots Alliance Inc 3.93.99
Costco Wholesale Corporation 3.73.70
Colgate-Palmolive Company -3.53
Mondelez International Inc.3.8-
産業グループVDCXLP
食品・生活必需品小売り 21.4
(薬品小売り9.3+スーパーマーケット8.3+食品小売り3.8)
23.64%
飲料20.3
(清涼飲料18.3+蒸留酒ワイン2.0)
21.08
家庭用品18.119.24
食品21.2
(包装食品18.8+農産物2.4)
18.05
タバコ14.016.52
パーソナル用品2.41.25
その他2.60.22

【PG】Procter & Gamble Co.(P&G、ピーアンドジー)

米国株50年以上連続増配銘柄一覧(コメントつき)の記事そのままです。

pg

プロクター・アンド・ギャンブル(PG)-Yahoo!ファイナンス

P&Gの個別銘柄記事を書きました!

【米国株】プロクター・アンド・ギャンブル(P&G:PG)の銘柄分析【連続増配】

誰もがご存知P&Gは、一般消費者向けの日用品の製造販売企業。利回りは3.2%くらい。

日本でも花王が連続増配トップ(26年)でしたが、やはり景気にかかわらず一定の需要が見込める必需品を扱う企業故に、業績が安定しています。また、一般に日用品は価格弾力性(価格変更に対する需要変化)が小さいとも言われています。

花王と比べてマーケティングが上手いと言われており、グローバル展開はP&Gのほうが二手三手先を行っています(日本では一番の花王は、国内売上が6割で海外展開が進んでいません。日本は人口減で市場が先細りしているので、セクターバランスが良くありません)。

P&G 製品一覧を見てください。誰でも知ってる商品ばかりですよね。

  • パンパース(おむつ)
  • アリエール、ボールド(洗剤)
  • ファブリーズ(消臭剤)
  • パンテーン、h&s(ヘアケア)
  • ブラウン(電気シェーバー)……etc

60ドル割ったら買っていいと思います。20年後も確実に生き残る企業筆頭であり、安心感も段違いです。いいところを挙げたらキリがないくらい。ま、売上は完全に横ばい安定、株としては二番手三番手を買ったほうがキャピタルゲインが多かったりするのも事実ですが。大企業の宿命ですね。

【KO】Coca-Cola Company(コカ・コーラ)

同じく米国株50年以上連続増配銘柄一覧(コメントつき)の記事そのままです。

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コカ・コーラ(KO)-Yahoo!ファイナンス

コカ・コーラについて、個別銘柄記事を書きました!

【米国株】コカ・コーラ(The Coca-Cola Company:KO)の銘柄分析【連続増配銘柄】

世界最大のノンアルコール飲料メーカーで、圧倒的なブランド力を武器に世界200か国で販売しています(米国以外の売上比率7割以上)。利回りは3%くらいになります。

コカ・コーラ以外では「ファンタ」「スプライト」「ミニッツメイド」「アクエリアス」。やっぱり炭酸飲料が過半数を占めます(一説では、世界の飲料水の3%がコカ・コーラのものだとか)。

近年の健康志向で若干業績が落ちていますが、相変わらず営業利益率は20%を超え財務体質は優良そのもの。バフェットの主力銘柄であることでも知られており、株主還元も積極的です。コカ・コーラ創業時(1919)に1株買って、その後の配当を再投資していたら、今1,000万ドルになる計算だそうです。

また、コーラの原液のレシピが秘密にされていることも有名ですよね。原液だけ自社内で製造し、ボトルに詰めるのは現地で行うという一種の特許ビジネスのため、さらにリスクを抑えた事業展開が可能なのです。

【PM】Philip Morris International Inc.(フィリップ・モリス)

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フィリップ・モリス(PM)-Yahoo!ファイナンス

→フィリップス・モリスの個別銘柄記事を書きました!

【シーゲル銘柄】フィリップ・モリス(Philip Moris:PM)の銘柄分析

フィリップ・モリスはタバコの会社。タバコを吸わない人でも「マルボロ」のブランド名は聞いたことがあるのではないでしょうか。

フィリップ・モリスは2003年に後述のアルトリア・グループに社名変更をしていますが、フィリップ・モリスUSA(=アルトリア・グループ)とフィリップ・モリスInternational(分社化)に分かれていて、前者が米国市場、後者が米国外市場を担当しています(日本が買うのはフィリップ・モリスInternational)。

タバコ業界はキャッシュリッチで配当利回りも良く、一見成熟産業に見えても投資対象として非常に魅力的なのです。シーゲル先生曰く、アルトリア・グループに50年前に投資してそのまま配当金を再投資し続けると、年利20%近い数値を出していました。

【CVS】CVS Health Corporation(CVSヘルス)

cvs

CVSヘルス(CVS)-Yahoo!ファイナンス

→CVSヘルスの個別銘柄記事を書きました!

【米国株】CVSヘルス(CVS Health:CVS)の銘柄分析

米国のドラッグストアチェーン二強の一角。もう一つはウォルグリーン。

2007年にPBM(薬剤給付管理:薬剤の値引き交渉のこと)大手のケアマーク社と経営統合し、ビジネスモデルを一新しました。これにより、様々なヘルスケア事業を複合した総合ヘルスケア事業体として、シナジーが期待されています。

面白いのが、ウォルグリーンは逆にPBM事業を売却し、ブーツ社と経営統合によって欧州でも最大のドラッグストアチェーンとなっていること。事業ポートフォリオの選択と集中が二社の今後を分けるような気がするし、そうでもない気もする。CVSは米国内目線が強いとだけ覚えておけばよいですね。

【MO】Altria Group Inc.(アルトリア・グループ)

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アルトリア・グループ(MO)-Yahoo!ファイナンス

→アルトリア・グループの個別銘柄記事を書きました!

【シーゲル銘柄】アルトリア・グループ(Altria-Group:MO)の銘柄分析

タバコとワインの製造販売。JTもそうですが、タバコ関係の会社は食品も傘下に持っていますよね。ライバルはレイノルズやブリティッシュ・アメリカン・タバコ、JTなど。

健康被害への対策として最近は電子タバコにも力を入れているようで、14年にグリーンスモークを買収しました。

なんにしても、高配当(45年連続増配)かつ安定的な成長が魅力的です。

【WMT】Wal-Mart Stores Inc.(ウォルマート・ストアーズ)

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ウォルマート・ストアーズ(WMT)-Yahoo!ファイナンス

→ウォルマート・ストアーズの個別銘柄記事を書きました!

【米国株】ウォルマート(Walmart:WMT)の銘柄分析【連続増配】

世界最大のスーパーマーケット。バフェット銘柄でもありますね。エブリディロープライス、規模の経済を活かした薄利多売で巨大化してきた企業です。

業績見通しを下方修正したこと、そしてなにより政府要求により賃上げが決定されたため、15年後半からバカみたいに下げてますね。ウォルマートの従業員って国外も含めると220万人いますから……損益にもろに跳ね返って来ます。ま、今まで最低賃金が異様に低くて従業員の士気の低さが指摘されていましたので、これをきっかけに今後変わればいいんですが。

現在は対Amazonにシフトしている様子が見受けられ、積極的なIT投資によって会員の囲い込みを進めているような印象を受けますね。

【PEP】PepsiCo Inc.(ペプシコ)

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ペプシコ(PEP)-Yahoo!ファイナンス

→ペプシコの個別銘柄記事を書きました!

【米国株】ペプシコ(Pepsico:PEP)の銘柄分析【高配当】

ネスレに次ぐ世界第二位の食品・飲料大手。

コカ・コーラと同じく炭酸飲料の伸び悩みによって業績成長が鈍化しています。傘下にあるフリトレーが好調で牽引していますが、かつてのケンタッキー、ピザハットのように分社化するかもとうわさされています。

海外売上比率が50%と高いものの、コカ・コーラには一歩遅れを取っている印象。

【WBA】Walgreens Boots Alliance Inc(ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス)

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ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)-Yahoo!ファイナンス

さきほどCVSで出てきた通り、米国ドラッグストアチェーン二強の一角。ブーツと統合したために世界最大のドラッグストアチェーンになりました。

また、プライベートブランド(PB)でも全米最大を誇り、総合ヘルスケア事業を目指すCVSとは逆に、コンビニエンス性を重視した戦略となっているようです。

【COST】Costco Wholesale Corporation(コストコ・ホールセール)

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コストコ・ホールセール(COST)-Yahoo!ファイナンス

→コストコの個別銘柄記事を書きました!

【米国株】コストコ・ホールセール(Costco Wholesale:COST)の銘柄分析

倉庫型会員制の小売企業。最近日本にも進出してきて、結構人気になっているようですね。

入荷した商品をパレットに載せたまま陳列しており、ディスプレイや管理費を抑えて低価格を実現しています。日本の会費は4,000円、1回行ってみたいですね。

【CL】Colgate-Palmolive Co.(コルゲート・パーモリーブ)

米国株50年以上連続増配銘柄一覧(コメントつき)の記事を流用しています。

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コルゲート・パーモリーブ(CL)-Yahoo!ファイナンス

→コルゲート・パーモリーブの個別銘柄記事を書きました!

【連続増配】コルゲート・パーモリーブ(Colgate-Palmolive:CL)の銘柄分析【米国株】

日用品(ホームケア、ペット用品)の会社。利回りは2.2%くらい(やっぱり株高で利回りは低く出ます)。

P&Gで書いたように、日用品は強いです。歯磨き粉、石鹸、シャンプー・リンス……コルゲートは家庭用品市場においてアメリカ三位の実力を誇ります。案外P&Gよりこういうところのほうが株としては美味しかったりするんですよね。

売上高としてはP&Gの5分の1以下、売上の半分はオーラルケア商品です。根強い市場を持つペット用品は13%なのでそこまで業績を牽引してくれるわけではないのかも。

【MDLZ】Mondelez International Inc.(モンデリーズ・インターナショナル)

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モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)-Yahoo!ファイナンス

「オレオ」「リッツ」「キャドバリー」みたいなお菓子や飲料の製造販売。日本法人ではガムの「クロレッツ」、「リカルデント」なども有名ですね。

元々はクラフトフーズという社名でしたが、12年に切り離してモンデリーズ・インターナショナルに変更しています(クラフトフーズは北米市場向け。アルトリア・グループとフィリップ・モリスの関係と同じです)。

ちなみにオレオやリッツなどは山崎製パンがライセンス契約を結んでおり、16年8月末で終了見込み。これに反応して山崎製パンの株価が一時暴落しました。

参考山崎製パン、主力・リッツ&オレオを突然奪われ危機…業界王者のプライド崩壊、巨額売上消失

VDCとXLPの違い

見比べると分かる通り、構成銘柄数が違います。これは主にVDCには小型株まで含まれており、XLPには大型株のみで構成されているためです。

また、出来高が桁二つも違います(XLPが圧倒的に多い)。

  • VDC:大型~小型株、出来高小さい→小型株効果で、若干収益率が高いです。
  • XLP:大型株、出来高大きい→安定しているので長期投資向け。

二つをチャートで見比べるとこんな感じ。

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実は先日書いたVHTも同じように出来高ではSPDRのXLV(ヘルスケア・セレクト・セクターSPDR)が圧勝です(すっかり書き忘れましたね)。

一応、VHTの方はヘルスケアという成長産業のため、小型株効果が発生しやすく、小型株の有無が値動きで大きな違いになります。ヘルスケアセクターでは多少出来高が小さくともVHTがオススメです(私が長期投資のためにETFを買うわけではないことに起因します)。

VDC、XLPの魅力

生活必需品セクターとしての強み

生活必需品は不景気だからと節約出来るものではないため、経済状況に関わらず常に一定の需要が見込めるという強みがあります。

過去の記事で米国の力強い経済成長を書きましたが、米国GDPの約7割を占める個人消費は経済の中心になります。その個人消費の中心にあるのは生活必需品セクターです。米国の右肩上がりの成長の恩恵を受けて株価も上昇していくことが期待出来ます。

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(出典:ブルームバーグ)

また、構成銘柄を見た通り、ほとんどはグローバル企業なので、世界中で人口が増加し、購買力のある中間層が増えていくに従って、必需品は飛ぶように売れていくでしょう。

値動きも不況に強い!

ヘルスケアのときにも挙げましたが、不況に強いです。リーマン・ショック時の凹みに注目してください。凹み具合が小さいことが分かると思います。

そしてその後の値上がりも2トップを形成していますね。

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まとめると、とりあえず買っとけ銘柄です。

投資戦略

構成銘柄がことごとく天井突き破ってるので、当然ETFとしても非常に高いです。いくら素晴らしい株でも今すぐ買うのではなく、タイミングを図りましょう。

下では数年で売却してキャピタルゲインを得ようというものですが、これは長期投資においても同じことです。ドルコスト平均法があるからすぐ買いはじめても大丈夫と考えてはいけません。長期投資こそスタートのタイミングが重要になってきます。

購入タイミング

VDCなら75ドル以下、XLVなら30ドル以下になってからスタートですね。もうちょっと下がるまで待ってもいいかもしれませんが、不景気でもあんまり下がらないので、買いはじめても大丈夫です。構成銘柄は大半が高利回り株ですしね。

売却タイミング

昨今の株価を高値の目安にするのはちょっと行き過ぎだと思うので、VDCは110ドル、XLVなら45ドルくらいが目標値になりそうです。安値で仕込めればかなりの高利回り株になるので、正直ポートフォリオと相談して永久保有でもいいくらいです。

ETFでは例外的に損切りをさほど気にしなくていいので、落ちたら落ちたで買い増し出来ると喜びましょう。


当ブログでは他のオススメETFも紹介しています。気になる方は以下の記事からどうぞ。

【結論記事】ETF、インデックスファンド記事まとめ

以下のリンクから直接飛ぶことも可能です。

銘柄名
(リンク先は分析記事)
ティッカー
VTI(米国全株式市場)VTI
VYM/HDV/VIG(米国高配当セクター)VYM/HDV/VIG
VWO/EEM(新興国セクター)VWO/EEM
VDC/XLP(米国生活必需品セクター)VDC/XLP
VHT(米国ヘルスケアセクター)VHT
VBR/VBK(米国小型株)VBR/VBK
VEA/VGK(米国外株式市場:先進国・欧州)VEA/VGK
VT/VEU(全世界株式市場)VT/VEU
VSS/VXUS(米国外株式市場:小型株)VSS/VXUS
日経平均/TOPIX/JPX4001346/1348
S&P500/ダウ工業株30種VOO/DIA
パワーシェアーズQQQQQQ
PFF(米国優先株式)PFF
1570/1357(日経レバレッジ/ダブルインバース)1570/1357
GLD/IAU(金)GLD/IAU
1699/USO(原油)1699/USO
SLV/DBA/DBC/VDE(その他のコモディティ・エネルギー)SLV/DBA/DBC/VDE
REIT(不動産投資信託)-
インデックスファンドまとめ-
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