テーマ株をまとめるにあたり、先に主要テーマの多いIT系のキーワードをまとめておきましょう。相互に関係していることが分かったほうが、今後の株探しにも有益だと思います。
ITの概観まとめ図
借り物の資料で失礼致します。最初になんとなくイメージを掴むのに最適だと思われる、全体像のマップを見てみましょう。
ビッグデータ、IoT、ロボット、人工知能、クラウド……それぞれのテーマは独立したものではなく、互いに繋がりを持って相乗効果を発揮します。
SNSの情報、スマホ、ウェアラブル端末、あるいはIoTとしてあらゆるモノに取り付けられたセンサー情報がインターネットを通じてデータとしてクラウド上に集積されていきます。
集積されたデータは膨大かつ多種類、リアルタイム性を兼ね備えたビッグデータと呼ばれます。ビッグデータを分析、活用することにより、各種サービスを展開出来る他、インターネットを通じて再びスマートデバイスにフィードバックされていきます。
あるいは情報を機械が機械学習、ディープラーニングによって学習し、人間を超える認識・判断の可能なAI(人工知能)及びAIを頭脳としたロボットの開発が進んでいきます。もちろん、人工知能はクラウド上で共有され、さらに革新的なサービスを生み出します。
似たような図ですが……
同じですね。しっかりと相互の関係性、背景を把握しましょう。今後また別のバズワードが生まれると思いますが、それは今の発展形であり、上の図のどこかに属することになります。
この全体像を頭に入れた上で個々のテクノロジーを知ることが大切です。
流れが分かりやすいITまとめ
ハードウェアを中心に、時系列的な流れに少し重きを置いたまとめ方は以下の図が分かりやすいと思います。
膨大なデータから学習するAIの発展にビッグデータを収集可能なネットワークの性能改善や記録装置の改良が不可欠なように、やはりハードウェアの技術進歩が根幹にあります。
企業名(米国)が分かりやすいITまとめ
見難かったらこちらのサイトで確認してみてください。英語が大丈夫ならこちらの元サイトの方が詳しいです。
※下のほうが新しいですが、一応両方載せておきます。
コア技術だけでもAIやディープラーニング、画像認識や文章認識といった多岐に渡る研究分野があり、各企業には当然得意分野があります。そうした企業名込の情報をぱっと見て分かる貴重な図です。
ITのトレンド図でまとめる
以下ではITによる変革を4つの力に分けて説明します。
言い方やまとめ方が違うだけで、本質的には他と同じです。詳しくはこちらのサイトをご確認ください。
また、上記を含めた最新ITトレンドについて、スライドでまとめてくれていますので、合わせてご紹介します。
参考最新のITトレンドとビジネス戦略【2016年6月版】サービス&アプリケーション編
IT市場の市場規模
全体
参考2016年のIT市場は1.4%増の14.7兆円–IDC予測
2016年の国内IT市場規模は前年比1.4%増の14兆7653億円、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は1.1%で、2019年の市場規模は15兆4648億円と予測している。
意外と増えてないw
見ての通り、サーバ市場はマイナス成長に転じますが、スマホ、ソフトウェア市場等は堅調に推移しますので、全体としては横ばいくらいです。
そして特筆事項として、成長市場については以下の予測が立てられています。
なお、2016年の第3のプラットフォーム市場(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)については、成長率7.0%と予測している。
個別市場
長くなりすぎるので割愛します。以下に各市場ごとの成長予測が掲載されています。
参考2021年までの市場トレンドを予測(第230回NRIメディアフォーラム)
こうしてみると、成熟産業と成長産業の差がくっきりと分かれています。もちろんテーマに上がっているものが成長産業で、右肩上がりの市場拡大が予想されます。
※ITとは別枠で取り扱おうと思っているのですが、私にとって重要なコンテンツ産業も大きな変化の只中にあります。
また、経済産業省の説明資料には、各産業界ごとに事例が載っており、テクノロジーによる分類とはまた違う角度から見ることが可能です。
国の方針
国はどう考えているかということで、それぞれ見てみましょう。
経済産業省
役立ちそうな情報は上でも紹介した説明資料。主要領域それぞれの解説や、海外(主に米国)の事例について調査結果が豊富に載っていて便利です。
参考人工知能・IoT・ビッグデータによる新たな産業・社会革命
総務省
日本の課題、ICTの動向、グローバルの動向等が豊富に図解されています。やっぱりこういった情報は信頼できる国から取ってくるべきですよね。
科学技術・学術政策研究所
ここは未来技術の予測シナリオ(2030年)についての情報が面白いです。
ITロードマップ、トレンド(2020年頃までのIT技術を見る)
これはNRIから毎年同タイトルの本が出版されています。一冊で最新トレンドが把握できるため、IT関連に投資する人は必読です。
過去のナンバリングを見ていると、毎年かなり移り変わりがあると分かります(例えば2年くらい前はビッグデータ、ウェアラブル端末が主流でした。ところが今はそんなに言われてません)。
全体論
以下3つの方向に、ITのトレンドは傾倒していきます。
- ネットとリアルの融合:スタートアップ企業による、小さく多種多様な変革、SNSやコミュニケーションの形がより体験(リアル)を重視したものに。
- テクノロジー主導による産業革命:フィンテックを代表として、ITが既存産業を破壊する(ディスラプション)、あるいはシェア、フリーの経済と融合して産業構造が変革する。
- 安全性:データの価値上昇に伴って、プライバシー、セキュリティの重要性が一層高まる。
AI中心に見る今後5年の動き
現在の主要テーマの総括、一つの完成形がAI(人工知能)です。こちらの発表が詳しくてオススメです。
既に利用が拡大しつつある人工知能ですが、今後以下のように成長が見込まれています。
- 音声、画像、自然言語のそれぞれの処理については17年を目処に実用性向上
- プラットフォームの改良によって学習効率が向上
- そして2020年には自律的な学習機能が実用レベルまで向上する見込み
今後テーマになりそうなIT系のキーワードまとめ
ここでは本当に簡単にだけまとめておきましょう。詳細内容及び関連銘柄、オススメ銘柄については、これからそれぞれ記事にしていきます。
いずれ全部記事に出来ますように。
全体概要
以下に87のキーワードを同一分野ごとに分類してくれた一枚図があります。キーワードの発見に大変役立つと思いますので、ざっと目を通してみてください。
また、各産業と関わりの深くなりそうなテクノロジーについては以下の整理が非常に見やすいと思います。
ビッグデータ
ビッグデータとは大量かつ多種類、高頻度のデータのこと。
ハード面での成長(高性能化、安価)
ビッグデータの入門書としては、以下がおすすめです。
SNS、ソーシャルメディア
無料ではじめられ、
ウェブ上でのメディアであり、リアルタイムに反応がある「
今やウェブでの拡散性はビジネスにおいて無視出来ない勢いに達し
シェアリングエコノミー、APIエコノミー、オープン化
モノ、お金、サービス等の交換・
ソーシャルメディアの普及によって、
APIエコノミーは、
シェアリングエコノミーの入門書としては、以下がおすすめです。
インターネット(LTEから5G、Bluetooth等)
主に5G=次世代移動通信システムが目玉です。
2020年に現在の1,
5Gは人の通信(SNSや動画視聴)ではなく、
クラウド、プラットフォーム
クラウドとはハードウェアやソフトウェアを必要な分だけネットワ
これまでIT投資には莫大な初期投資がかかりました。システムを作るとなるとサーバを買ったり、アプリケーションを買ったり自前で作ったりする必要があったためです。しかし、クラウドの登場によって必要な分だけを月額サービスで利用可能となり、
クラウドの概要についての記事は以下です。
セキュリティ
ファイアウォール、侵入検知システム等、
一方で、攻撃者の攻撃方法もどんどん多様化、複雑化しており、
IoT、ウェアラブル
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)とは、
あらゆる活動が収集可能となり、離れたものの状態を知る、可視化する、
大規模通信規格、クラウド化の進展、ビッグデータ、
IoTの入門書としては、以下がおすすめです。
AI(人工知能)
AIとはArtificial Intelligenceの略称で、
推論、認識、判断や表現等について、
AIは機械学習によってどんどん進化しており、
AI(人工知能)の入門書としては、以下がおすすめです。
機械学習、表現学習、ディープラーニング、アルゴリズム
人間の学習能力を機械でも再現しようという試みです。
これまでのAIは人間によって教えられた分類に従って学習してき
ロボット、ドローン
ハードウェアの高性能化、小型化(センサー等)や動きの精密化、
ロボットの活用場面はあまりにも広く、
VR、AR、MR
VR(Virtual Reality)はデジタルの三次元空間に没入する方法、AR(Augmented Reality)は現実世界にデジタルの情報を重ねあわせて表示する技術、そしてMR(Mixed Reality)はその二つの融合で、
体験に価値が置かれる現代において、特にVRはPlaystationVRの登場もあり、本格的なブームが到来しそうな状況です。
ARの概要についての記事は以下です。
VRについては以下に記事を書きました。
VRの入門書としては、以下がおすすめです。
ARとも関係深いGPS関連の記事はこちらです。
AR、GPSと言えばポケモンGOもそうですね。
フィンテック(ビットコイン、ブロックチェーン)
フィンテック(Fintech)とは、ファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)のを併せた造語で、金融業界にITを組み合わせた新しい金融サービスの形を総称した
フィンテックの概要についての記事は以下です。
ブロックチェーン、ビットコインの入門書としては、以下がおすすめです。
自動運転車
一大産業である自動車産業の革命。
AIの進展、ビッグデータ収集による現実の把握、
3Dプリンタ
メーカーズ革命。
ものづくり(製造工程)の機械化、自動化は不可避の流れで、設計図さえあれば車の部品も家も料理も、どんなものでも自宅で創る時代がやって来ます。
メイカーズ革命の入門書としては、以下がおすすめです。
宇宙ビジネス
変化球かもしれませんが、IT技術の進展は間違いなく宇宙開発へと向かうはずです。宇宙旅行が出来る日もそう遠くはないのでしょう。