下の記事で米国の50年以上、25年以上連続増配株と、日本の連続増配株を見てみました。
25年連続増配と同じ理屈ですが、まだこれまで拾いきれていない有望企業は数多くあるはずです。特にIT系はここ20年で急速に成長し、ようやく配当に向けるようになってきたということもあり、また敷居を下げて探してみるのもありかなと思っています。
ということで、10年以上の米国連続増配株で、また15銘柄選抜してみました。
目次(クリックで飛びます)
- 米国株10年以上連続増配銘柄
- マイクロソフト(Microsoft:MSFT)
- IBM(IBM)
- クアルコム(QUALCOMM:QCOM)
- ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications Inc.:VZ)
- モンサント(Monsanto Company:MON)
- キャタピラー(Caterpillar:CAT)
- ロッキード・マーティン(Lockheed Martin:LMT)
- ヤム・ブランズ(Yum! Brands:YUM)
- ケロッグ(Kellogg:K)
- コストコ(Costco Wholesale:COST)
- ティファニー(Tiffany & Co.:TIF)
- GAP(Gap Inc:GPS)
- ナイキ(Nike:NKE)
- レイノルズアメリカン(Reynolds American:RAI)
- ベストバイ(Best Buy Co Inc:BBY)
米国株10年以上連続増配銘柄
ぱっと見て面白そうな株を羅列しています。具体的には一般消費者にも知名度の高いブランド持っているところ中心。順番はめちゃくちゃです。
本当はBtoBの産業、素材系とかにいい銘柄が眠っていそうではあるのですが、米国株だと10年以上連続増配が多すぎて絞りきれませんです(日本株だと10年なんてほとんどないのにね!)。
マイクロソフト(Microsoft:MSFT)
→詳しい個別記事書きました!
正直今回の記事を書こうと思ったのは、マイクロソフトが高配当銘柄に変わりつつあるためです。現在14年連続増配中、利回りは3%弱。
あのマイクロソフトも徐々に成熟期を経て衰退期に来ているなと思いますね。法人PC用のOSとして圧倒的な地位は揺るぎなく、当面はライセンスフィーで莫大な収入が約束されていることに間違いありません。しかしスマホOSでは惨敗、AIやその他ビジネスもクラウド(Azure)以外なんかパッとしない印象が拭えません。
そうなると以前のような株価上昇をもって投資家に還元するのではなく、IT産業には非常に珍しい、配当を増やして株価の魅力を上げていく方向に軸足を移してきていると。今も配当性向は100%を超えており、どこまで連続増配を続けられるか不明ですが、注目すべき銘柄と考えます。
IBM(IBM)
→詳しい個別記事書きました!
連続増配20年、利回りも4%と非常に優秀な水準です。
IT巨人IBMは、かつてはサーバやコンピュータ、プリンタ等を中心事業としてきましたが、日本を含む新興国の追い上げもあり、選択と集中で馴染み深いBtoC領域をほとんど切り捨ててしまいました。この潔い判断凄いですよね。
今ではAI(Watson)やクラウド、ソフトウェア事業等の高付加価値領域を主軸にして、いよいよ復活かなという感じもしています。ちなみに米国特許取得数は23年連続1位で、将来への投資も続けながら絶えず自社の事業構造を変革出来ることが伺えますね。
クアルコム(QUALCOMM:QCOM)
→詳しい個別記事書きました!
IT企業でCDMA携帯電話用チップはほぼ市場を独占。要はスマホの性能を左右するCPUの設計をしています。ファブレス企業(fabrication facility=工場を持たない会社のこと)のため利益圧迫要因も少ないです。
このほかアプリのプラットフォーム特許を多数持っていて、ライセンスフィーによる安定した収入が柱になっています(マイクロソフトと同じですね)。これによってIT企業でありながら連続増配銘柄にも顔を出しているというわけです。
13年連続増配、利回りは3.5%程度、配当性向も60%で悪くない感じです。
しかも直近では5兆円でNXPセミコンダクターズ買収(M&A)を達成しています。どうも最近は台湾メディアテック等がチップセットの自社開発を進めていることに対抗するための拡大策なんだとか。
ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications Inc.:VZ)
ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)-Yahoo!ファイナンス
→詳しい個別記事書きました!
こっちでAT&Tを紹介しましたが、米国通信業界の二強(日本で言えばドコモ、KDDI、ソフトバンク)。利回りはAT&T同様に非常に高い4.5%、配当性向は50%とまだ余力あり。
※AT&Tも個別記事を書いています。
コメントは同じになりますが、懸念点はソフトバンクが買収した業界3位のスプリントの動向です。しかし、業界4位のTモバイルとの合併は破綻したので、当面は同業界から二強を揺るがすような事態はないと思われます。
まあ、通信インフラコストの低減圧力、5Gのような次世代メガ通信規格への対応等市況の変化はあり、全般的に変化の大きな業界ではあるものの、向こう10年は安定しているんじゃないでしょうか。
モンサント(Monsanto Company:MON)
遺伝子組み換え作物や農薬でマーケット独占している企業ですが、バイエルに6.8兆円で買収されてしまいました(17年末までに取り込み完了目処)。
キャタピラー(Caterpillar:CAT)
→詳しい個別記事書きました!
現在22年連続増配かつ利回り4%後半なので、そろそろ連続増配銘柄の主軸に上がってきそうな気がするキャタピラー。名前知っている人も多いと思いますが、建設機械は創立時からずっと世界シェアトップを走っている企業です。一応トランプ銘柄なんですかね? トランプの公共事業政策に関連しそうです。
ロッキード・マーティン(Lockheed Martin:LMT)
→詳しい個別記事書きました!
何回か過去記事(リンクは宇宙ビジネス記事)でも出しました、軍事産業の会社です。共和党の癖に内向的なトランプが軍事費縮小を進めると苦しくなるのですが、それはそれで買い場がやって来そうですよね。
ヤム・ブランズ(Yum! Brands:YUM)
ヤム・ブランズじゃ聞いたことないかもしれませんが、「ケンタッキー」や「ピザハット」のフィランチャイズチェーンを展開する世界的なファーストフード企業です。連続増配としては12年ですが、マクドナルド同様のフランチャイズフィー主体のビジネスモデルは安定感があります。
ケロッグ(Kellogg:K)
シリアル「コーンフロスティ」ならみんな知ってますよね。他にはもっと健康志向の「オールブラン」とか。日本だとフルグラ人気が圧倒的なのですが、アメリカではケロッグ大人気ですしね。配当性向が200%近くと非常に高いですが、どうでしょう。
コストコ(Costco Wholesale:COST)
→詳しい個別記事書きました!
会員制の倉庫店という変わった形態で、食品・衣類・日用品・自社ブランド製品その他なんでもメーカー卸値に近い価格で販売しています。色々なビジネスモデルがありますが、会員制(月額定額モデル)は絶対的に安定していますよね。
11年連続増配、利回りは1%と低いものの、配当性向も30%と低く、これから伸びるかなと期待出来そうです。
ティファニー(Tiffany & Co.:TIF)
ティファニーのペンダントなら聞いたことあるはず。13年連続増配、利回り2.5%、余力もまだまだあるブランド銘柄なので注目。ティファニー・ブルー。
GAP(Gap Inc:GPS)
→詳しい個別記事書きました!
アメリカ最大の衣料品小売店で、自社で製造から販売まで一貫して行うビジネスモデル(日本で言えばニトリが有名かな)で、GAPの服は日本に数多く流通しているため、みんな絶対知ってるはず。
これだけ大きな会社になってなお、フィッシャー一族が全体の25%の株式を保有中。4%に迫る高配当、配当性向は40%以下になってますね。
ナイキ(Nike:NKE)
→詳しい個別記事書きました!
スポーツウェアや靴で有名なナイキブランド。サッカーのイメージからアディダスとの二強って印象が強いです。
利回りは1%と低いものの、配当性向も30%なので余地が大きいのも魅力です。ちなみに自社工場は持ってない点も利益を圧迫しないポイント。
レイノルズアメリカン(Reynolds American:RAI)
→詳しい個別記事書きました!
フィリップモリスといいアルトリアグループといい……タバコ強すぎだろ(同じグループなんですが)。利回り3%、配当性向も50%です。
ベストバイ(Best Buy Co Inc:BBY)
日本には上陸していないので馴染みがないですが、世界最大の家電量販店です。アメリカに行けばそこかしこに見かけることが出来ます。13年連続増配、利回り3%強で客数も多く安定しているかなと。
10年以下でこれからに期待の連続増配銘柄記事を書きました!