今回は15年に制定されたばかりのスパイダーの高配当ETFを取り扱います。
最新情報更新して動画作りました!
目次(クリックで飛びます)
【SPYD】ポートフォリオS&P500高配当株式ETFの基本情報
SPYDという名称を聞くと、有名なSPYというスパイダーのS&P500ETFを思い出すかもしれません。
SPYDはS&P500の構成銘柄のうち、高配当株に絞って組んだETFになります。
参考SPDR® Portfolio S&P 500® High Dividend ETF
- ティッカー:SPYD
- ベンチマーク: S&P 500 高配当指数
- 基準価格:38.85ドル
- 信託報酬:年率0.07%
- 設定日: 2015/10/21
- ETF純資産総額: 1,442百万(米ドル)
- 月間出来高:1,802万株
- 構成株式銘柄数:80銘柄
- 分配:四半期ごと(直近利回り3.49%程度)
設定日が新しいため純資産総額はまだまだ小さいですが、高い利回りと低い信託報酬が目につきます。もう少し見ていきましょう。
【SPYD】ポートフォリオS&P500高配当株式ETFの特徴
高配当ETFというと、バンガードのVYMや、ブラックロックのHDVが既にあります。
後発ということもあり、それらと比較すると中々特徴的なETFになっています。
- 不動産、公共セクターで50%を占める
- 80銘柄を1.25%ずつ均等保有
- 高い配当利回り
不動産、一般消費財、公共セクターで50%を占める
セクター分布が非常に偏っています。以下の通りです。
セクター | 比率(%) |
---|---|
不動産 | 21.14 |
一般消費財 | 14.47 |
公共 | 12.53 |
エネルギー | 11.37 |
金融 | 9.74 |
IT | 9.69 |
生活必需品 | 8.24 |
通信 | 4.48 |
素材 | 3.55 |
産業 | 2.59 |
ヘルスケア | 2.19 |
不動産、一般消費財、公共セクターが多くを占めるETFは中々見ません。ちょっと前までは不動産と公共セクターで50%を占めていたようです。
SPYDを買うかどうかという問いに対しては、「不動産、公共セクターをポートフォリオに加えるかどうか」とほぼ同義でしょう。
VYM、HDVのセクター分布と比較
ちなみにVYMやHDVの特徴は以下のようになっていました。
- VYM:金融、ヘルスケア、消費財多め。銘柄数が圧倒的に多く、上位の全体に占める割合は小さい。ただ大企業や金融系の株に偏っており、不況下では不利かも。
- HDV:エネルギー、生活必需品、ヘルスケア多め。VYMとは違ったポートフォリオで、一般的に個別株の高配当銘柄を買おうとするとHDV上位が多くなる。銘柄数が少ないため、上位株が全体に占める割合が大きいことが特徴。
- VIG:資本財、消費者サービス、ヘルスケア多め。伝統的大企業が多く、ブランド優位。逆に通信サービス、エネルギーはほとんど0%にとどまる。
チャート比較は以下の通り。青がSPYD、緑がVYM、赤がHDVです。まあ3年程度だとあまり違いがないという感じ。
S&P500のセクター分布と比較
また、S&P500とも相当違うセクター分布になっていることが分かります。
現状のS&P500構成セクターは以下のようになっていて、10%の一般消費財はともかく、不動産や公共事業セクターは3%しかありません。
チャート比較は以下の通り。青がSPYD、赤がS&P500です。少し開きがあるように見えますが、配当利回りを加味するとそこまでの差はないです。
80銘柄を1.25%ずつ均等保有
保有銘柄も極端に突出したものがありません。というのも、だいたい均等に1.25%×80銘柄=100%となるようにポートフォリオを組んでいるからです。
現状の保有比率上位銘柄を見ますが、あまり意味はありません。銘柄入れ替え率(Turnover rate)は35%あります。
銘柄 | 比率(%) |
---|---|
Coty Inc. Class A | 1.84 |
Xerox Corporation | 1.66 |
Altria Group Inc | 1.51 |
Western Digital Corporation | 1.49 |
Hanesbrands Inc | 1.45 |
Edison International | 1.40 |
Seagate Technology PLC | 1.40 |
Broadcom Inc | 1.39 |
Philip Morris International Inc. | 1.38 |
Eaton Corp. Plc | 1.38 |
さて、あまり見かけない株ばかりではないでしょうか。どれもS&P500構成銘柄ではありますが。
私は仕事上ゼロックス、ウェスタンデジタル、ブロードコムは知っていましたが、それ以外だとたばこ株のアルトリア・グループ(MO)と、フィリップ・モリス(PM)しか分かりませんでした。
REITや不動産系株は高配当のものが多いですが、そういった株にフォーカスを当てるところがポイントだと思います。
高い配当利回り
より高配当株に寄っているために、配当利回りは3.5~4%前後で推移しています。年末など株価が落ちたタイミングで4%を超えています。
今が好景気なことを割り引いて4%以上で取れれば悪くないように見えますが、どうでしょうか。
VYMやHDVより高い配当利回りが期待できて、ざっくりこんな感じになります。
- VYM:2.5~3.5%
- HDV:3~3.5%
- SPYD:3.5~4%
SPYDはキャピタルゲインが期待できない反面、インカムは高く出てきます。
不動産、公共セクターについて
結局SPYDは15年に出来たばかりのファンドなので、リセッションを経験してどういう動きをするかが問題になりますね。
もしずっと年4%前後の配当利回りを叩き出すなら普通に買いだと思いますが、不動産セクターが景気敏感株ということは忘れないでおきたいです。
参考まで、不動産セクターETFのIYRは以下のように株式市場とよく似た動きを見せます。
また、公共セクターというのは過去S&P500平均を下回るリターンを出しています。
セクター | 平均リターン(%) |
---|---|
ヘルスケア | 14.19 |
生活必需品 | 13.36 |
情報技術 | 11.39 |
エネルギー | 11.32 |
一般消費財 | 11.09 |
金融 | 10.58 |
資本財 | 10.22 |
電気通信 | 9.63 |
公共事業 | 9.52 |
素材 | 8.18 |
S&P500平均 | 10.85 |
一方で、S&P500のうち高配当上位20%の株に投資するとリターンが高くなるのは過去のデータで実証されています。
私がHDVやVYMを選好するのは、セクター+高配当のリターン偏重が大きいのです。うん。
考え(と、不動産の投資リターンについて)
不動産のリターンをいろいろ調べてみると、結構S&P500をアウトパフォームする時期もあるんですね。
家の価格推移はS&P500と比較すればずっとマイルドだったりします。そりゃあそうか。
もっと長いのありました。不動産はやっぱ株式に比べるとボラティリティ低いですね。
まあこういうデータはキャピタルゲイン向けのものですが、インカムゲインは不動産強いです。S&P500のリターンは何度か見たように2%前後ですね。
インカムだけ積み上げた結果。
こういうの見てると欲しい気がしてくる……^^;
不動産をポートフォリオとして持っていないので、サブプランとして少し持つのはいいかな~という感じですが、メインにはしないと思います。
トータルリターンはHDVとかVYMのほうが高くなると思うんですよね。インカムをそのまま使う(再投資しない)ようになったらひっくり返るかもしれませんが。
当ブログでは他のオススメETFも紹介しています。気になる方は以下の記事からどうぞ。
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銘柄名 (リンク先は分析記事) | ティッカー |
---|---|
VTI(米国全株式市場) | VTI |
VYM/HDV/VIG(米国高配当セクター) | VYM/HDV/VIG |
VWO/EEM(新興国セクター) | VWO/EEM |
VDC/XLP(米国生活必需品セクター) | VDC/XLP |
VHT(米国ヘルスケアセクター) | VHT |
VBR/VBK(米国小型株) | VBR/VBK |
VEA/VGK(米国外株式市場:先進国・欧州) | VEA/VGK |
VT/VEU(全世界株式市場) | VT/VEU |
VSS/VXUS(米国外株式市場:小型株) | VSS/VXUS |
日経平均/TOPIX/JPX400 | 1346/1348 |
S&P500/ダウ工業株30種 | VOO/DIA |
パワーシェアーズQQQ | QQQ |
PFF(米国優先株式) | PFF |
1570/1357(日経レバレッジ/ダブルインバース) | 1570/1357 |
GLD/IAU(金) | GLD/IAU |
1699/USO(原油) | 1699/USO |
SLV/DBA/DBC/VDE(その他のコモディティ・エネルギー) | SLV/DBA/DBC/VDE |
REIT(不動産投資信託) | - |
インデックスファンドまとめ | - |
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ではでは。