また前に読んだ本の再読シリーズで行きたいと思います。今回はバフェット本です。
自著を残していないバフェットの考え方を知るには、実際の売買実績やバークシャーの投資家に宛てた手紙から情報を得る他ありません。
追記)本記事の内容をまとめて動画にしました!
バフェット投資のポイント
先にバフェット銘柄上位10銘柄を載せておきます(16年12月時点)。リンククリックで詳細な個別銘柄分析記事に飛びます。
企業名 | ティッカー |
---|---|
Apple Inc. | AAPL |
Bank of America | BAC |
Coca-Cola Co. | KO |
American Express Company | AXP |
Kraft Heinz Company | KHC |
Moody’s | MCO |
Wells Fargo & Co. | WFC |
U.S. Bancorp. | USB |
Davita | DVA |
Charter Communications | CHTR |
おまけ:バークシャー・ハサウェイ | BRK.B |
注目はアップルを買い増しして7位まで上げて来たことですね。逆にウォルマート(WMT)とベライゾン(VZ)は9割以上持ち分を減らしています。
さて、そんなバフェット投資のポイントは以下2点です。
- 「長期視点での優良株」を「短期で市場が過剰反応して売り込まれたタイミング」で購入するのがバフェットのスタンス
- そうした優良株の多くは身近なもので、事業内容が簡単にイメージ出来るものばかり(そして、そうした事業ほど何十年経っても陳腐化しない)
優良企業の条件
消費者独占企業
- 価格ではなく、品質、ユニークさ、ブランドが購入の決め手になる
- インフレを価格に転嫁出来る
- 定期的な買い替えが必要(長期利用、保存不可)で、強いブランド力で顧客、販売店ともに選択の余地がない
- 他の企業の事業存続に欠かせない
- 個人の日常生活に欠かせない
- 地域独占力を持つ小売
EPSの増加傾向
- 安定的に右肩上がりであること
- 落ちた時は一時的かそうでないか
- 過去10年の平均成長率を調べる:=(直近のEPS/10年前のEPS)^(1/10)-1
負債が少ない
- キャッシュリッチで長期負債の必要ない事業キャッシュフロー
- 不測の事態に貯めている現金で対応出来る
- M&Aは消費者独占企業同士か、コモディティ企業が消費者独占事業に生まれ変わるかでないとうまくいかない
- 長期負債÷税引利益が小さい数字になるか(何年で完済出来るか)
ROEが高い
- 一貫して高いROE(15%以上など市場平均を上回る水準であること)
- 今後の内部留保再投資に対する期待
内部留保の使い方
- 内部留保を現状維持のための再投資に回さない(設備更新に費用がかからない事業)
- 内部留保は新事業投資や自社株買い戻しに使い、株価を上げている
- 運用成績が芳しくない場合は自社株買い戻しや配当による還元
- 10年前の発行済み株式数より現在の株式数が少なければ自社株買い戻しに積極的である
避けるべき企業
コモディティ化した企業は避けるべき、という態度ですね。
- 売上高営業利益率が低い(一桁%台)、推移が不安定
- 在庫回転率が低い
- ROEが低い(市場平均12%並)
- ブランド価値がない(コンビニに売っているもので主力商品を思いつかない)
- 競合が多い業界
- 過剰生産体質の業界
- 設備稼働率が利益に与える影響が大きい(設備投資が大きい、事業サイクルの早い企業)
購入タイミング
- 相場全体の暴落(一時的な総悲観)
- 景気後退局面(打開できる企業であることを見極める)
- 一時的な損失(経営ミス、本業と関係ない問題、特殊要因や構造変化)
- 購入価格が収益率を決める
- 将来の企業利益を予想するのではなく、将来の株価予想から期待収益率を算出する。期待収益率が高まってきたタイミングが購入タイミングである
- ある銘柄の投資価値をXドルと試算した上でそれを下回ったら買うのはグレアム流、現実的に期待できる未来の収益率が市場平均を上回る場合に買うのはバフェット流
- 期待収益率=(現在の株価/10年後の予想株価)^(1/10)-1
- 上記の式を用いて他の予想指標も同様に計算出来る
ということで、バフェット本の備忘録記事でした。初心者も読みやすい本で、投資のエッセンスが詰まっている素晴らしい本です。是非手元に置いて何度も読み返すことをおすすめします。