楽天投信でVT、VTIを買うだけのインデックスファンド「楽天・全米株式インデックス・ファンド」が登場しました。
17年9月28日から取り扱い開始で、調べてみるとかなり良い内容のファンドなのでご紹介します。
実は目ざとい投資ブロガーさん達によって既に解説記事は多数上がっています。たぱぞう先生の記事が大変分かりやすくてオススメです。
目次(クリックで飛びます)
楽天・全米株式インデックス・ファンドの概要
一言で説明すると、
米国市場のほぼ全株式へ投資するVTIを、日本円で購入出来るインデックスファンド
ということになります。
VTIは以下のリンクで詳しく説明していますが(更新されてないが^^;)、雑に言うとTOPIXの米国版です。
米国市場の3800以上の銘柄にこれ一本で投資出来る神ファンドです。バンガードの商品なので、経費率は安心格安の0.04%という。
まあ正直あれこれ言わずVTI一本だけでも資産運用として十分ですね。VTIを基本に好みで先進国の株を入れたりしてポートフォリオを調整すれば良いと思います。
さて、楽天・全米株式インデックス・ファンドの仕組みは以下の図で解説されていますが、要はそんな偉大なバンガードのETFを買っているだけです。資産保全のために運用会社は別で立てています。
ちなみに全世界に投資するVTも同時リリースされています。日本ではVTが有名ですが、出来高的にはVTIの方が圧倒的に大きいので、基本的にVTI推奨。
こんな仕組みをわざわざ作ったわけですし、バンガードとしても楽天投信とタッグを組んでこれっきりではないでしょう。
そう考えると、今後はVYMやVWOでも同様の商品が出る可能性は高そうです。欲を言えばVDCやVHTも出してほしい。期待ですね。
楽天・全米株式インデックス・ファンドの何が素晴らしいのか?
とはいえ、普通に考えればバンガードのETFをそのまま買えばいいって話です。
間に会社が入るということは、それだけマージンを取られる(手数料が多くなる)わけで、わざわざ楽天・全米株式インデックス・ファンドで買う理由は何でしょうか?
楽だから
まあ楽なんですわ。
口座指定して自動引き落とししてもらうだけで成立ですよ。辞めたくなったら解約ポチーで返金されます。
これがもしバンガードETFを買おうとすると、ETFは米国市場で取引されていますから、米国口座を開く必要があります。さらに円じゃ買えないので為替取引でドルに換えて、やっとこさ取引開始。
さて買おうと思っても日本の4桁数字ではなく、ティッカーシンボルという数桁の英字で割り振られていて探すのに一苦労。検索も英語だから「バンガード」と打っても出ない、解説しているようなサイトも英語ばっかり。
購入した後も日々の変動はドル建て表記だから実収益は円に換算し直す必要があり、加えて出金時には逆の処理が必要になります。分配金は課税されるのですが日米二重課税は確定申告しないと返ってきません(それに満額返って来ない場合も多い)。
ね、敷居が高すぎて大抵の人は諦めますよ。投資好きじゃないとこういう手間はツライでしょう。
コストもかなり安め
さてその手間代がいくらなのかというところですが、実質負担は税込み0.1696%です。これめっちゃ安いですよ。
VTI自体の経費で0.04%なので、楽天投信の信託報酬は0.1296%です。
比較してみると、例えばニッセイTOPIXインデックスファンドが0.1944%ですから、それより安く売買出来るわけです。
そもそもETFは取引の度に購入手数料がかかりますので、一回あたり25万以上でないと取引手数料1%以下にならないですし、米ドル振替時にもスプレッドを取られます。
ファンドは分配金を出さない方針っぽいので、そうであれば20.315%の課税繰り延べが可能です(詳しくは後述)。
正直米国投資をやってる私でも、どっちかと言われれば楽天のインデックスを選んでしまいそうなくらい魅力です。
米国投資はこれから主流になる投資先
米国への投資が日本より優位であるデータは、これまで当ブログでも散々話題にしてきました。
あれこれデータを出すと長いのでやめますが、言ってしまえば経済成長の3要素である「労働力」「資本投下」「技術革新」いずれも日本を上回っているのです。
加えて、市場透明性や投資家還元、安価な手数料にドルの安定性を享受しながら、新興国投資とそう変わらないリターンが期待出来るのです。
当ブログでも定期的に話題にして米国株投資をオススメしていくので、色んなデータを見て「米国株っていいなあ」と思ってもらえれば!
注意点も一応ね
公平に注意点も書きます。
二重課税だよ!
外国株のインデックスファンドに投資している人は知っていると思いますが、よく考えると以下のように二重課税されます。1で20.315%、2で10%ですね。
ETFのように外国税額控除で取り返すことも出来ません。
ちなみに、日本株を国内でファンドで買った場合には2で課税されず、個別株と同じ20.315%になります。これはルールなので従うしかないです。
分配金は課税されるけど、極力分配金は出さないからたぶん大丈夫!
1についてはファンドが分配金さえ出さなければ課税は繰り延べ出来ます。
※分配されたら自動再投資しようが課税はされます。自動再投資というのはあくまでも課税後の分配金を自動で再投資しているだけですので、無分配型とは別物です。誤解なきよう。
方針としては分配金を出さないファンド(出しても最小限に抑える)っぽいので、おそらく大丈夫だと思います。
ETFとのコスト差はごく僅かですが、20.315%の課税が繰り延べ出来るという点で相当有利ではないでしょうか。
為替ヘッジはない商品
円で売買出来ますが、基準価格は為替変動リスクを受けます。
投資先のETFは米国ドル基準のもので、為替ヘッジもしていないということです。ヘッジ込みだとプレミアムが乗るので、まあ気にしなくて良いと思います。
為替の損得勘定は難しいのですが、一般的には円安ドル高傾向に進むと言われていますし、個人的には悪く見積もってもせいぜい1ドル60円は切らないと思っています。購買力平価説なら100円前後です。
長年運用する目的の商品ですし、そこまで気にしなくていいかなあと。気になる人はTOPIXも買ったり、そのうちVWOとかVGKあたり出てくるのを待ちましょ。
運用初年度は注意が必要
凄く良い商品なのですが、私はもうちょっと我慢して待ちますw
お金が集まらないファンドは不安定=はじまって間もないファンドはやっぱりちょっと不安です。
しばらく様子見して人気そうなら買ってみようかなと思いました!
証券会社の未来
最近インデックスファンドってだいぶコスト頑張ってくれてますよね。こういうのが増えるとわざわざETFを買い付けるより優先する人も出てくるんじゃないかなと。
私がETFの投資ルールを最初に作った頃、特に新興国ファンドなんて最安でも1%を超えていました。それが今や1%超えたら売れない時代。
証券会社的にはオイシイ思いが出来る時代ではなくなったのかもしれませんが、早く対応したほうが将来生き残ることに繋がります。
昔は大手企業以外を相手にしなかった銀行も、企業がお金借りてくれなくなったから個人向け融資に手を伸ばしました。今や個人向け融資は金融機関の最も重要なビジネスです。
これは私達個人投資家がファンドを選ぶ上でも重要な基準になると思います。
劣悪ファンドを売り続ける証券会社は見切るべき
証券会社はこれまで自分達の利益だけを考えて劣悪なアクティブファンドを売りつけてきました。大した運用成績もないファンドが3%とか5%とかの運用手数料を平気でぼったくっていたんですからね。
良いものを作れば即ち売れるという時代ではありませんが、大切なお金を運用するのですから、何よりも信頼関係が大切なのです。
ファンドは乱立より少数が安定している方が好ましく、お金の集まるファンドにはさらにお金が集まってきます。どうせ似たような商品なのですから、コスト競争以前に先に動いて大きくした方が有利なのです。
特にネット証券に顧客を奪われている店頭証券は早く投資家のニーズに合った商品を販売するべきです。
逆に言うと、私達としては将来も生き残りそうな証券会社を見極めて付き合ったほうがいいです。一応、万が一があっても1000万円までは保証されていますが、いつまでも旧態依然とした証券会社と付き合うと、今後不利益を被る可能性が高くなります。
つみたてNISAの追い風も
国が積極的に制度を作っていることは、低コストインデックスファンドの増加に一役買っています。
箱があれば中身を作る会社は必ず出てきます。国策に売りなしとはちょっと違いますが、国が用意した箱であればそれはドル箱です。
この楽天・全米株式インデックス・ファンドもつみたてNISAを意識して作られた商品で、実際につみたてNISAで運用可能になるようです。
気軽に米国株投資が出来るのは非常に嬉しいことですね!
ちなみに、楽天証券だけでなくSBIやマネックス証券でも順次購入可能になるようです。皆さんのメイン口座を使って売買してはいかがでしょうか?
SBI証券はこちら。
マネックス証券はこちら。
また、つみたてNISAのオススメ商品としてこちらを1位にしておきました。
http://w73t.com/nisa2/
ではでは。