【人材ビジネス】HRテック、人材教育、マッチング……人事業界の今後まとめ

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人口減少社会に突入する日本にとって、人材確保と教育、マッチングは今後ホットなテーマになるでしょう。

今回の記事は、人事・人材関連ビジネスについてまとめていきたいと思います。

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人材ビジネスとは

人材派遣、人材教育、HR(Human Resources)など言い方はいろいろあると思いますが、以下のように「働きたい人と働いてほしい企業との間を取り持つ」という仕事になります。

(出典:リクルート)

主に4つの分野のビジネスがあります。

採用前はリクルートのような人材派遣会社、採用後は各社人事部とそれをサポートするコンサル会社の仕事になりますね。

人材募集

各社の人材採用に関するビジネスですね。大前提として、ほとんどの会社は常に人手不足です。

マネタイズは人材募集をかけている企業から手数料を受け取る形になります。

  • 求人広告:リクルートやマイナビなど求職者向けに出す求人広告
  • 採用コンサル:人材採用に関するアドバイスなど
  • BPO:採用自体や給与計算など一部業務の外部委託(アウトソーシング)

採用・選考

採用、選考フローの中のビジネス。

近年は終身雇用が崩壊し、労働市場も以前に比べ流動的になっています。キャリア形成が多様化していることで、ビジネスチャンスも広がっているように感じます。

  • 人材派遣、請負:派遣会社が自社の登録スタッフを企業へ派遣
  • 人材紹介:人材エージェントが仲介して企業と個人をマッチング
  • 新卒採用:未だに新卒一括採用の文化が続いています
  • 転職採用:転職市場は以前に比べると活発化
  • エグゼクティブ採用、キャリア採用:所謂ヘッドハンティング。高い特殊技能を持つ人材は高額報酬で引き抜きすべき
  • アルバイト、パート採用:人件費が安く済むので非正規雇用が増加
  • キャリアカウンセリング:手に職ひとつでは生涯食っていけない時代です

人的資源管理

人材の管理と育成を行い、パフォーマンス最大化を目指すものです。タレントマネジメント。

管理系業務はシステム化自動化に伴って縮小、人材育成は今後拡大していくでしょう。

  • 組織計画:組織編成、戦略立案など
  • 人材育成:eラーニング、セミナー教育プログラムの準備、階層別や職種別の研修など
  • 適性検査:アセスメント
  • 社内制度:人事制度、雇用管理、評価、賃金
  • 人事システム運用:社内制度運用のシステム化

福利厚生

従業員が安心して働けるようサポート。従業員満足度(ES)にも影響します。

  • 社内制度整備:家賃補助や育児休暇、介護休暇、保養所など制度の充実化、年金保険制度などQA対応
  • 福利厚生プログラム:ポイントで使えるプログラムなど整備
  • 退職プログラム
  • 再就職支援

人材ビジネスのホットなテーマ

人材ビジネスを左右する外的要因をまとめました。

少子高齢化

やはり人材ビジネスの根幹である人口動態が一番重要ですね。人口は予測精度が非常に高く、少子高齢化&労働人口の減少は不可避です。

今は1億2000万人いる日本も、2050年には1億人を切るという予測が立てられています。

(出典:総務省)

母数が減ることで、人材派遣会社は今後競争激化して苦しくなっていくでしょう。

生涯現役社会

対策は生涯現役社会ですね。人口が減ること自体もそうですが、特に生産年齢人口の減少が一番痛いので。

今の60代はまだ元気なので、長く(出来れば生涯)働いてもらえれば解決です。私は一生働くなんてとても無理そうですが……。

政府は年金受給開始年齢を引き上げたりして、リタイアさせずに働くよう仕組みを作っていくと思います。

【生涯奴隷】70歳以上でも年金支払いwww年金制度は将来も存続していくのか?

移民の受け入れ

ちなみに先進国の中でアメリカだけが今後も生産年齢人口が増加する見込みです。何故かと言うと移民を受け入れて維持しているからですね。

(出典:ガベージニュース)

最近、東京の飲食店に入ると店員が外国人で、カタコトの日本語を使っているシーンをよく見かけませんか。中国、東南アジアからは結構来てるなあという印象です。

グローバル人材と言うと海外に出ていく人材に目が止まりますが、むしろ日本国内に優秀な人材をどう呼び込むかのほうが大きな課題ですね。

自動翻訳による競争のグローバル化

日本語は習得難易度の高い言語(世界一難しいという声もある)ですが、自動翻訳が発達すれば語学の壁がなくなるでしょう。

(出典:FSI)

純粋にその人のスキルが問われるようになります。

今までグローバル競争に晒されなかった業界や人材は、外敵に負けないよう自身の価値を高めていく必要がありますね。

AIに仕事が奪われる時代

かの有名なオックスフォード大学の研究によれば、今の仕事の77%は消えるそうです。

(出典:オズボーン論文)

これまでも技術革新のたびに職人は仕事を失ってきましたが、代わりに機械の整備という仕事が増えたりしました。

しかしAIは(最終的には)チューニングを自身でやってしまうため、人口に対して仕事が足りない状態になる可能性があります。

働き方改革関連法案の施行

過労死が英単語になるくらい働きすぎの日本人のために、19年4月から国が働き方改革関連法案を施行しました。

参考「働き方改革」の実現に向けて 厚生労働省

法律なので「義務」です。やらないと罰せられるので、これまでのような努力目標ではなく、各社具体的な対策を打つことになります。

  • 有給取得:有給取得を義務化。育児休暇や介護休暇に対する理解もしてほしい
  • 残業規制:上限を超える残業はNG、サービス残業も許さないように監視してほしい
  • 正規非正規の同一賃金:不合理な待遇差の禁止(今後は非正規雇用が増えます)
  • リモートワーク、フレックス:場所や時間にとらわれない働き方の推進……etc

副業解禁やパラレルワーカーの増加

ひとつの会社にすべてを捧げても、将来その会社が生き残っている保証はどこにもありません。むしろ、ほとんどの会社は消える時代が来るのかもしれません。

参考全349社、すべて実名! 10年後「大きくなっている会社」「小さくなっている会社」 

米国ではフリーランスが1/3を占めており、今も急増しています(後述)。

日本でも昔は禁止する会社が多かった(それもおかしいのだが)副業が解禁され、複数のビジネス、複数の収入源を持つことは当たり前の時代になるでしょう。

私もそういう働き方をしていますし、副業活動が本業にも好影響を与えることをよく知っています。みなさんも副業やりましょう。

私の「複業」活動と、10の収入源を持つ意味

人材業界の面白いビジネスモデル

そのうち更新します。

転職会議

有名な転職情報サイトです。口コミ書いたら他の人の口コミも見れるって面白いですよね。

ランサーズ

クラウドソーシングで有名な会社ですね。

「仕事を依頼したい人」と「仕事をしたい人」のマッチングビジネスで、ランサーズは胴元でマッチングが成約したときに手数料を20%取るという安定したビジネスモデルです。

HRテックについて

カオスマップは本当にカオスなんですが、人事業務(採用と管理)の効率化がメインですね。

(出典:HRTech)

参考9カテゴリー390サービス掲載!HR Tech業界カオスマップ(2019年4月22日現在)

管理系は取り上げるほどじゃないですが、特に採用・タレントマネジメント領域でビッグデータ解析を使ってどこまで出来るかは楽しみです。

HRテック導入によって期待できる効果には、何があるのでしょう?大きく4つあると考えられています。

・ソーシャルメディアを通した人材獲得

・AIのリコメンデーションによる効率的な面接

・データ分析による人材・組織開発

・離職率の改善

参考HRテック(HR TECH)とは? 国内市場と今後の動向

人材ビジネスの今後について思うこと

人事部門の役割変化

人事部門は今のところ、人事管理業務がメインになっていると思います(弊社の場合)。今後この領域はAIで自動化して、もっと数字に直結する部分を担当すると。

(出典:HR総研)

人材が経営に与える影響はどのくらいあるのか測るのは難しいですが、CEOについては今も「人」が業績を左右すると言ってよいと思います。

投資をする上で、経営者をどのように評価すれば良いのか?

日本はサラリーマン社長が多すぎです。

(出典:ウイリス・タワーズワトソン)

人事部門としては、以下のような観点でビジネスに直接貢献出来るのではないでしょうか。いずれもタレントマネジメントに関わる部分ですね。

  • 時間以外の評価指標を作る:成果を測って評価出来る仕組みを作り、優秀な人材にお金を多く上げて引き止めるべき
  • 適材適所の人員配置:パフォーマンスを最大化出来る組織体制を作る。能力はもちろん人との相性も考える必要あり
  • 人材育成:複数のプロフェッショナル分野を持った人材に育成

人材派遣業の今後

少子高齢化ということは抜きにしても、人材派遣業って難しいビジネスだと思います。

要は人材の卸売事業ですよね。

企業の「人が足りないから貸して!」というニーズを満たすために、要件を満たす人材を派遣するわけです。以下いずれかが必要です。

  • 優秀なスタッフを抱えている(登録してもらう):優秀な人材は少ないパイの奪い合い。教育して高度人材に育成出来れば差別化=派遣業者にとって、人は商品ではなくサービスと言える
  • ロボットや外国人労働者で代行する:今まで扱っていない人材なのでノウハウなし
  • マッチングの仲介者になる:ランサーズ、クラウドワークス等との差別化

卸売業者はインターネットの登場でビジネスが出来なくなりました。インターネットの本質は企業と最終消費者(この場合は労働者)とを直接つなげるものだからです(アマゾンとかまさにそうですね)。

【米国株】アマゾン(Amazon:AMZN)の銘柄分析

直接コンタクトが取れるなら仲介マージンが発生する業者なんて不要……とは採用コストの関係でなりませんが、優秀な人材は直接オファーを出せる仕組みがあってもいいと思います。

今も選考段階でSNSを調査したりはあるみたいですし。

あるいは高度人材やニッチ分野に特化したりするのも有効だと思います。

人材紹介業のモラルハザード

人材紹介ビジネスには大きな矛盾があります。それはお金をもらうのは企業側からという点です。

  • 就職・転職活動者:人材紹介業者に自身のプロフィールを登録する。オファーが来るか、エージェントと相談して転職先を提示されて、お互いに合意すればマッチング。利用料はかからない。
  • 企業:人材紹介業者から自社の求める人材に近い候補をピックアップしてもらい、面接の上でお互いに合意すればマッチング。エージェントに手数料を払う。
  • 人材紹介業者:就活生と企業をマッチングさせる

はい。このときお金を出すのは企業側なのですから、多少ミスマッチがあっても企業側の事情を優先するインセンティブが働きますよね。

人材紹介業は「個人のキャリア形成を支援する」と言いつつ、常に最優先で考えてくれるわけではないということです。

まあ、やりすぎると口コミが広まってビジネスが縮小しますが。

人材紹介業はネットワーク効果が強いビジネスなので、母体の規模(登録者数)を大きくするために悪評は避けたいでしょう。

フリーランスの増殖

アメリカを見ていると、1/3がフリーランスという働き方になっています。2027年には50%を超えそうです。また、ミレニアル世代(18~34才)に絞ると約半分がフリーランスです。

(出典:Freelancing in America)

AIの登場で今の仕事が減ることと、働き方の多様化でフリーランスを選ぶ人が増えることが合わさって、就業形態は将来逆転する見込みです。

個人は複数の会社に所属する、あるいはフリーランスになって、プロジェクトごとに集まることが普通になるでしょう。

フリーランスへのサポートは大きなビジネスチャンスです。今まで企業向けだった人材ビジネスが、個人向けにマネタイズ出来るサービスモデルが出てくると思います。

私のイメージとしては「評価経済」的な感じで、個人の信用がそのままお金になる社会です。そのために個人ブランディングが出来るサービスがほしいです。

【未来図】小さな経済圏という未来社会と、クラウドファンディングの可能性

完全なマッチングが出来たら転職ビジネスは成り立たない?

転職ビジネスってよく考えると面白くて、日本的にはリピートしにくいビジネスモデルなんですよね。なぜかというと、完全なマッチングが出来たらそこに永久就職してしまうから。

似たような話で、ギリアド・サイエンシズはC型肝炎の特効薬を作りましたが、完治してしまうので使う人がどんどん減ってしまい、市場がなくなってしまったことを思い出しました。

まあ人の向上心には際限がないので、ある時点でマッチングしても、もっと上を目指して別の会社に転職するという前向きな意味で活性化すれば、その限りではありませんね。

日本では転職5回は多い方と言われますが、海外では当たり前。そうなっていくべきだと思います。

ひとつの専門で一生食っていくのは無理

事業ライフサイクルが短くなるという記事を以前に書きました。

事業ライフサイクルの短い時代の生き方を考える

詳しくは記事を読んでもらいたいのですが、技術革新のせいで次々改良製品・サービスが登場し、ひとつの事業が天下を取れる期間は年々短くなっています。

(出典:経済産業省)

これは技能についても同じです。

中世の時代は技術進歩が緩やかで、ひとつの技術を極めると、文字通り「100年飯を食っていけた」わけですよ。それが職人を生み出しました。

ところが、現代の事業ライフサイクルは5~10年がボリュームゾーンです。

(出典:経済産業省)

これからは生涯現役社会なので、人生で6~7の技能を極めないといけません。なんて大変な時代だろうとため息が出ますね……^^;

日本の人材ビジネス関連データ

就職率関連

失業率は2.5%と世界的にも非常に低いです。

(出典:総務省統計局)

新卒就職率も高く、今が売り手市場だと伺えます。

(出典:日本経済新聞社)

が、新卒から3年以内の離職率は30%あります。3回以上も呼びつけて面接しておきながら、マッチングの失敗が発生しているということです。

お互い嘘ついて入社してるもんね。

(出典:マイナビニュース)

転職経験回数というデータもありました。日本は労働市場が流動的ではなく、転職回数は少ない国です。

ただ、このグラフを見るとまだ1/3は終身雇用が生きていると言えます。考察したように、これから変わるでしょうか。

(出典:リクナビネクスト)

給与関連

各業界、職種ごとの平均給与にだいぶ格差あり。

(出典:年収ラボ)

非正規比率が4割に迫り、正規非正規間の格差も拡大しています。

(出典:総務省)

年齢に比例して上がっているところを見ると、まだまだ年功序列制。

(出典:年収ラボ)

働く理由は第一にお金ですから(決してやりがいではない)、年功序列&時間給ではない評価、報酬制度を考えるべきだと思います。

実際、労働市場先進国の米国ではクリエイターの平均報酬が上昇しているというデータがあります。

コンテンツビジネスの将来について考えてみる

ネットフリックスは自社で独自コンテンツを制作するにあたって、AIを使ってどのくらい売れるか予測出来るようで、期待値に見合った報酬を提示することが出来ます。

Contents is Kingの時代に合わせて、テクノロジーを活かす良い事例です。

人材ビジネスの市場

人材ビジネスの市場規模は7.4兆円で、成長市場(括り方にもよります)。景気の影響を受けやすい業界なので、リセッションに入ってからが冬の時代です。

(出典:矢野経済研究所)

現在の人材業界トップはリクルートが圧倒的。

(出典:Hrog)


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