この3単語で知ったか出来るよっていう小話。
いずれも「悪いもの」を連想させる単語だからか、ぱっと聞いた感じマイナスイメージが強いですよね。
でも必ずしも悪いことを指しているわけではありません。慣例的に悪い意味で使われるケースが多いというだけです。
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リスクはプラスの意味でも使われる
日常用語でリスクとは(損失の)危険を意味しますが、投資におけるリスクとは、「不確実性」を意味します。
以下の正規分布で、平均からの乖離(振れ幅)をリスクと表現しています。当然離れるほどリスクが高いということです。
これがリターン分布だとして、左側(リターンが小さい)は想定外に「悪い」ことですが、右側(リターンが大きい)は想定外に「良い」ことですよね。
どちらもハイリスクです。
こうしてみると、ハイリスク・ハイリターンというのはある意味当たり前のことを言っているのですね。
貿易赤字は成熟国の常態
赤字という単語に引っ張られてマスコミのネガティブキャンペーンに使われるのが、これですね。
が、重要なのは経常収支であって貿易収支ではありません。
成熟した国家は通常、貿易赤字になるものなのです。
人件費の安いところでモノの生産をするわけですから、成熟国は自国内で生産拠点を持たなくなり、輸出より輸入が増えますよね。
それで貿易赤字に転落しても、海外資産(投資)が所得収入を生むことでトータルの経常収支はプラスになっているという仕組み。以下で言う5番目。
実際、日本も震災以降に貿易赤字が拡大していましたが、所得収支はずっと伸び続けています(現在世界一位)。
米国はサービス収支が伸びていて、日本もここをもっと伸ばしたいですね。これからの課題です。
ちなみに企業でも似たようなことが言えて、赤字が許容されるステージをきちんと理解すべきです。このように事業の導入期成長期はシェア拡大を優先して、利益は後回し。
一昔前にプロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)が有名になりましたが、事業の収穫期は事業維持に必要な投資が減ってきた後半までやって来ません。そこまでは投資続きでカツカツなのです。
アマゾンが創業から8年赤字だったのは有名な話で、その時期に脇目も振らず倉庫・物流投資を続けたからこそeコマースの世界的プラットフォーマーになれたわけじゃないですか。
会社で新規ビジネスを立ち上げようとするとすぐに回収計画を聞くおじさんいますけど、よく言われるように、日本人は赤字・損失に対する拒否反応が大きいと感じます。
為替の東京時間は「良いことのあとには悪いことがある」理論で、常にレンジ相場になっています。(NY時間は「良いことのあとには良いことがある」とばかりにトレンド相場になります)
資本主義経済は借金で成長するモデル
最後は借金。サラ金とかそういうのでマイナスイメージついてるのは分かります。
もちろん無借金が健全なことは間違いないのですが、借金という仕組みは資本主義経済の成長モデルそのものです。健全経営をしている上場企業にも借入金があります。
借金元本の利子率<運用収益(ビジネスへの投資など)であれば何も問題はありません。
以下の動画、経済の基本的な仕組みを理解するのに良い教材なので、リンク共有しときます。勉強教材も動画の時代ですねえ。
余談ですが、借金が悪いと言う割には、自宅を買うために35年ローンを組む(しかも「これは投資なんだ」みたいなこと言う)人がいっぱいいます。
本来家が買えるくらいの資産が作れるのは人生後輩~終盤です。しかし、借金して先に家を買うことで限られた人生の前半から豊かな生活を送ることが出来るのです。
損失が膨らむと大変なことになるのは事実ですが、それ自体が悪ではないということで。
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海外株(米国株)に投資している理由についてそれっぽいことを言いたいとき用。
利上げの影響についてそれっぽく話したいとき用。
データ集。