今回はフィンテック(ブロックチェーン、ビットコイン)関連銘柄を調べていきたいと思います。
これまでの記事はこちらから。
結局のところ、長々と見てきて所感は以下のようになります。
- フィンテックというキーワードの中身は、案外しょぼい(決済サービスの電子化とか、そんなフィンテックなんて大仰な名前をつけるほどのものじゃないし……)。
- ビットコインが流行るかどうか、ちょっと微妙(特に日本は世界有数の金融インフラが既に整っていて、スイッチングコストも大きい。海外のほうがメインかも)。
- ブロックチェーンは応用範囲が広そう(日本でも不動産とか契約関連に仕組みを応用する余地が大きそう)。
うむ、というわけで、当ブログの投資先としてはフィンテック=ブロックチェーンとして考えたいなと。たぶんもう1,2回あるかなという期待先行の上げ相場ではあんま区別しなくても良いのですが、ビジネスとして生き残りそうなのはブロックチェーンに関連した技術に絞ります(日本株の場合)。
よりフィンテックの進む米国株ではグローバルでのプラットフォーム競争に目を向けたいなと思います。
目次(クリックで飛びます)
フィンテック・ブロックチェーン関連銘柄(日本株)
ブロックチェーンは大きくわけて、パブリックブロックチェーン(Orb社など)、プライベートブロックチェーン(テックビューロ社など)の2つに分類されます。前者はビットコイン等で既に広まっているタイプ、後者はブロックチェーン2.0と呼ばれる新しいタイプで、スピードと低コストを両立出来る仕組みです。企業で使われやすいのはプライベート型ですね。
2016年に「来る」ブロックチェーン・プロジェクト10選で見ると、プライベート型の方が少ないです。テックビューロのmijinはその代表で、日本発である点がポイント高いですね。
プライベートブロックチェーン(テックビューロ)系
プライベートブロックチェーンの代表テックビューロのmijinは、上述の通り、これまでのブロックチェーンに比べて処理が高速化しています。
分散先を許可制にする(管理者を作る)ことで悪意ある参加者を排除し、会社のような小さな規模での取引に使いやすいモデルになっているようです。ここと提携している銘柄を中心に見ましょう。
さくらインターネット(3778)
15年の年末にフィンテック大相場を作り上げたブロックチェーン銘柄の大本命。
本来データセンターの運営を本業としていた企業がなぜそんな大騒ぎされたかというと、テックビューロ社のプライベートブロックチェーンの実証実験環境「mijinクラウドチェーンβ」を金融機関やエンジニア向けに「世界で初めて」実用可能なレベルで一般に無料提供したためです(提供形態はクラウドサービス)。
ロックオン(3690)
テックビューロ関連。ブロックチェーンを活用したEコマースの運用コストを3分の1以下に下げることを目標としています。
SJI(2315)
さくらインターネットの余波を受けて高騰。単にテックビューロ社のブロックチェーン技術のフィンテック実証実験を開始したと発表しただけで、中身は全く分かりません。
ちなみによく名前の上がるネクスグループ(6634)はSJIと資本提携したことから、フィスコ(3807)はSJIやネクスグループの親会社であることからブロックチェーン関連銘柄となっています。マネーパートナーズグループ(8732)も親会社です。
まあ期待値として買う相場ではありですが、実態はどうなんでしょうね。今は経営再建途中ですし、ちょっと怖いかも。ただ、仮想通貨にとどまらず他分野でのブロックチェーンの応用を研究しており、そこは期待している点です。
インフォテリア(3853)
テックビューロと事業提携。
インフォテリアはデータ連携ソフトの開発販売を主力としており、両者のソフトを連携させて金融システムにおける構築・運用コストを10分の1以下にするプラットフォームを提供しようとしています。
アイリッジ(3917)
同じくテックビューロ連携。GPSサービスを展開するアイリッジは、O2Oビジネスにおいてブロックチェーンを活用した金融アプリ開発を進めています。
フォーサイド(2330)
テックビューロと連携。自身が運営するポイントサービスにおいて、ブロックチェーン技術を使った残高の整合性確認やユーザ認証等を行う実験を開始。
GMOインターネット(9449)
テックビューロ連携。mijinをベースとしたゲーム用バックエンドエンジンを共同開発中です。
パブリックブロックチェーン(Orb)系
パブリック型がプライベート型と違う点は、誰でもブロックチェーンの情報を閲覧出来る点ですね。従来からあるパブリックブロックチェーンの代表はOrb社で、誰もがブロックチェーンを利用して仮想通貨を発行できるSmartCoinを発表しています。
ビットコインの技術ゆえにビットコイン関連銘柄の一種と言ってもいいかもしれません。
セレス(3696)
「モッピー」「モバトク」「お財布.com」と結構有名なポイントサイトを運営する企業ですが、bitFlyer、coincheck、ビットバンクとの事業提携を発表し、ビットコイン決済事業に参入。Orbの株式も取得しているなど、フィンテック・ビットコイン分野で先頭を走る企業です。
リアルワールド(3691)
BitFlyer社との業務提携。ここもポイントサイトですが、やっぱり決済サービス系ビジネスはフィンテックと相性いいみたいですね。
アドウェイズ(2489)
アフィリエイト広告で国内首位の企業で、Orb社への出資しています。広告モデルも相性いいっぽいですね。
ブロックチェーン利活用(スマートコントラクト)関連銘柄
スマートコントラクト関連銘柄がメインになります。改ざん防止の仕組み、ゼロダウンタイムのブロックチェーンは、契約手続きに相性が良く、スマートコントラクト導入により、リーガルテックの実現を目指します。
エスクロー・エージェント・ジャパン(6093)
エスクロー・エージェント・ジャパン(6093)-Yahoo!ファイナンス
Orb社と共同で不動産取引の認証・決済システムの実証実験開始。前回見たように、不動産取引は権利の不透明さ、取引情報の非対称性が問題となっており、ブロックチェーン導入の意図が非常に明確な領域です。
売買・決済・権利移転を効率化し、取引の安全性・透明性を担保、金融機関や不動産事業者の負担軽減を目指しています。個人的には一番期待しているブロックチェーン関連銘柄の一つです。
デジタルガレージ(4819)
子会社DGインキュベーションがBlockStreamに出資(BlockStreamはカナダを拠点とするブロックチェーン関連のベンチャー企業)。
また、WEB上での効率的な契約手続きを実現するスマートコントラクトのシステムを開発中。
弁護士ドットコム(6027)
上のデジタルガレージ(4819)とブロックチェーン技術を用いたスマートコントラクトシステムの共同開発を行うと発表。
ビットコイン関連銘柄
- GMOペイメントゲートウェイ(3769):bitFlyerと業務提携。ビットコイン決済サービスの開始(一番進んでいるところかな? 一応決済系企業では一番手にビットコイン決済サービスをはじめた模様です)。
- メタップス(6172):オンライン決済サービス「SPIKE」開始。
- マネーパートナーズグループ(8732):株式会社フィスコ・コインを設立しビットコインの取引所運営を行うと発表。子会社のSJIがテックビューロと連携して実証実験。
- リミックスポイント(3825):株式会社ビットポイントを設立し、ビットコイン等の取引所運営を行うと発表。
- Jトラスト(8508):Jトラストフィンテック株式会社を設立し、ビットコインサービスの提供を行うと発表。
- GMOメディア(6180):ポイントタウン運営の同社は、bitFlyerと業務提携を発表
- VOYAGE GROUP(3688):bitFlyerと業務提携。ビットコインの販売取引所の運営及びブロックチェーンを活用した新サービスの研究開発。
- マネースクウェアHD(8728)bitFlyer提携。ポイント交換。
その他フィンテック関連銘柄
主に決済サービスをはじめとした、ブロックチェーン以外のフィンテック関連銘柄。この他にも大手金融機関は大体入りますね。
- クレディセゾン(8253):「セゾンベンチャーズ」を設立し、フィンテック関連銘柄へ出資(マネーフォワード、コイニー等)。
- オリエントコーポレーション(8585):みずほが出資。
- SBIホールディングス(8473):マネーフォワードに出資。
- 静岡銀行(8355):マネーフォワードへ出資。
- フィンテックグローバル(8789):名前がそのもの。
- 東芝テック(6588):ICカードリーダー製造(POSは世界シェア1位)。
どうなんでしょう、個人的にはこれからブームになるとしたらスマートコントラクト系、ビジネス化領域なら決済インフラの部分が最初かなと思っていますが。
他のIT系テーマについて以下でまとめております。よろしければ合わせてお読みいただけるとうれしいです。