3分で分かる、IoT(Internet of Things)の概要おさらい記事

テーマ株

去年、今年のバズワードトップ3に確実に入りますね~。耳タコレベルでよく聞くんですよ、ほんとに。2020年くらいまで続くんじゃないでしょうか。

本もいっぱい出てますので、一冊読んだほうが早いかも。私の場合図解でぱぱっと分かるやつでないとつらいので、下の本をオススメします。

この記事、書いてから振り返るとすさまじい画像攻勢になっていました。容量は圧縮してなるべく落としていますが、結構ページ重いかもしれないのでご注意を。

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IoTとは

IoTとはモノのインターネット(Internet of Things、IoT)と訳し、様々なモノがインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組みのことです。

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(出典:みずほ銀行)

ま、ビッグデータの流れで、今まで売ってきたような製品にセンサーをつけて、得た情報をなんとか活かしましょうという話です。2020年には500億ものデバイスがインターネットに接続する見込みです。

流れで言うと以下のようになりますね。

① 「センサー」でモノから情報を取得する(センシング)

② インターネットを経由して「クラウド」にデータを蓄積する

③ クラウドに蓄積されたデータを分析する。必要であれば「人工知能」が使われる

④ 分析結果に応じてモノがアクチュエートする(ヒトにフィードバックする)

出典:東洋経済オンライン 「IoT」とは何か、今さら聞けない基本中の基本

これもすごく分かりやすいです。IoTに出来ることをわずか3パターンにまとめている優れた分解です。

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(出典:SINAP)

それと時々出てくるのですが、M2MとIoTの違いは以下の図のようになります。

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(出典:IDC JAPAN)

IoTの技術要件、技術要素

技術要件+アルファは以下の通り。

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(出典:NTT未来ねっと研究所)

技術要素は以下の通り。

『IoTビジネスモデル革命』(小林啓倫著、朝日新聞出版)から

  • モノ:あらゆるモノが対象になります。センサーをつければ電子的なものでなくても大丈夫。
  • センサー:センサーはこれからのIoTビジネスの肝になります。ドローンでも見ましたが、温度、GPS、カメラ、マイクなどセンサーには様々な種類があります。モノに取り付ければほしい情報が手に入ります。
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(出典:SINAP)

  • プロセッサー:CPUですね。小型化高速化して、情報処理能力をモノに与えます。通知や制御を行う役割があり、センサー同様に重要です。
  • 通信ネットワーク:データのやり取りに必要なネットワーク装置。
  • 情報処理:ここで言う情報処理は、ビッグデータ解析ですね。集めた情報をどう活かすかというところ。ビッグデータビジネスで見たように、AIにかかっています。

そもそもビッグデータ収集が出来ないことを前提にしたのが統計学という学問なので、余分にデータが手に入っても効果が薄い。加えて、集めたデータを解析する技術は相変わらず統計学(つまりデータ収集が出来ないことを前提とした分析)です。AIが登場してやっと別の分析手法が出てくるかもという感じですね。

ビッグデータについて 統計学があればビッグデータは不要なのか

話を戻してまとめまして、このセンサー、プロセッサー、ネットワークの3つが、IoTの実現をもたらすイノベーションです。

なぜIoTは注目されるのか

IoTが注目される理由を考える上で、技術進展の背景を理解しないといけません。

背景として、スマホという受信デバイスが普及したこと、センサーの小型化・高性能化がありますね。5G(今後)によって受信したデータをクラウドに集め、AIを活用してビッグデータ解析し、新たなビジネスに繋げていく、そういう広がりの中心にあるから注目されるのです。

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(出典:東洋経済オンライン)

また、この手の全体像については下の記事でガッツリまとめています。

3分で分かる、IT系テーマの全体像まとめ キーワード、俯瞰図、ロードマップ等

IoTのビジネスモデル

IoTのもとで、全ての企業がIT企業になり得ます。

各社が自社のデータを取れるということそのものが既に差別化要素なのですから、あとは情報をお金に換えるだけですね。データを売ってお金に換えるのもいいですが、出来れば上手く集めたデータを活かしてビジネス拡大を目指したいところ。

とはいえ、IoTで得られるデータといっても特別ではありません。その辺りの難しさは下のビッグデータ記事で見ました。

3分で分かる、ビッグデータ 市場規模、発展の要素、利活用

IoTの価値創造分野は以下の様な感じですが、事業として成り立たせるにはフィードバック(どういった問題を解決するのか)考えないとダメですよね。

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(出典:みずほ銀行)

なので、技術ありきではなく、社会(個人)の問題(あるいは便益)が先にあって、そこにIoTを持ってきたらうまくいく、そういうシナリオが欲しいですね。

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(出典:NRI)

それと、古い経営者にありがちなセンサーやプロセッサーをひとついくらで売ってそろばん弾くビジネスは終わったと思ったほうがいいです。

もうビジネスモデルの中心はハード(製造業)ではなくサービスの時代です。日本の7割はサービス業ですし、そもそもIoT自体売った後にどうするかということが主眼となっているはず。センサーは格安で提供し、サービスの利用料で回収していく形を狙っていくべきです

得意領域

サービス事例や得意領域は山程あるので割愛します。雑で申し訳ございませんが、図の引用でご容赦ください。

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(出典:NTT未来ねっと研究所)

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(出典:みずほ銀行)

IoTの市場規模、ロードマップ

2020年には500億デバイスがインターネットに繋がる未来が到来するIoT市場。

国内IoTの市場規模は、15年度で6兆円、2020年には14兆円近くまで広がる見込みです。平均成長率も16.9%あります。

[データは語る]2015年の国内IoT市場は、前年比15.2%増の6兆2232億円に―IDC

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(出典:IDC JAPAN)

分野別では、製造業、運輸業、公共/公益といった既にデバイス的なモノが普及している分野から先行してIoT活用が進んでいるみたいです。東京オリンピックもあり、市場は明るいです。

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(出典:NRI)

別の分類だと、ハードウェア(センサー等)よりもサービスが伸長していることが分かりますね。

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(出典:IDC)

世界では2025年に8兆ドル規模になる見込みです。市場成長率も平均28%と破壊力が伺えます。

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ロードマップと言うにはざっくりしていますが、未来社会はIoTを経由してモノが自律駆動する社会です。

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(出典:NTT未来ねっと研究所)

IoTのつくる未来像は、先ほどから度々引用させてもらっているみずほ銀行のレポートが一番詳しいので、根気のある方は読んでみてください。

みずほ産業調査 IoT(Internet of Things)の現状と展望

IoTのリスクと問題点

ネットワークの整備

5Gの記事で見たように、500億ものデバイスが繋がるネットワークを構築するのはとても大変です(特に誰がインフラにお金払うの? という点)。また、電力供給も今までとは比較にならない量になるのではないでしょうか。

3分で分かる、5Gネットワーク(前編)

セキュリティ問題

絶対出てくるセキュリティの問題。IoTの中で例えば自動運転車が狙われてテロに使われるリスクは消えません。ITに頼れば頼るほど、事故の影響度は大きくなります。

3分で分かる、セキュリティビジネスのトレンドと方向性

データ分析はAI頼み

データサイエンティストが不足しているとはよく聞きますが、そうでなくとも人の分析に限界があるのは過去の記事でも見てきた通り。ただセンサーを置いた程度で劇的な変化はありません。

ビッグデータについて 統計学があればビッグデータは不要なのか
3分で分かる、ビッグデータ 市場規模、発展の要素、利活用

エンジニア不足

むしろこっちが重要ではないでしょうか。IoTの設置には広範なIT技術が求められるのですが、IT企業でもなければエンジニアなんて雇っていません。

国の方針とか

参考程度です。とりあえずトップテーマにおいて国を上げた支援をはじめようとしていると思ってもらえれば。

人工知能、IoT、ビッグデータなどで100兆円超す経済拡大目指す

政府IT予算要求、AIやIoTに重点、マイナンバー関連支出は第二幕へ


他のIT系テーマについて以下でまとめております。よろしければ合わせてお読みいただけるとうれしいです。

3分で分かる、IT系テーマの全体像まとめ キーワード、俯瞰図、ロードマップ等
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