ちょっと気になったので調べるてみるのですが、このDGSっていうファンド。
新興国×小型株×高配当ということで、中々面白いところをかき集めたなってファンドなわけです。
- 新興国:効率的市場仮説に従うなら、時価総額加重平均に合うように投資することが最適解=これから上がるのは新興国か(過去リターンは米国に劣後か五分)
- 小型株:小型株効果と呼ばれ、特に小型低PER株の期待リターンには明らかな優位性が見られる
- 高配当:高配当株は市場平均をアウトパフォームする可能性が高い
これからどうかというところはありますが、ざっくりと優位性やアノマリーがありますね。
目次(クリックで飛びます)
ウィズダムツリー 新興国小型株配当ファンドの基本情報
詳細は以下のHPをご参照ください。
- ティッカー:DGS
- ベンチマーク:なし
- 基準価格:52.83ドル
- 信託報酬:0.63%
- 設定日: 2007年10月30日
- ETF純資産総額:1,722,568千(米ドル)
- 月間出来高: 30万株
- 構成株式銘柄数:776銘柄
- 直近利回り:-%(直近配当なし:普段はだいたい3%前後)
バンガードと比べてしまうと費用が割高ですが、その分利回りも高くなっています。
組み入れ銘柄上位は以下の通りですが、全く知らないと思います。組入最上位でも1.33%しかないので、非常に多数に分散されています。
こういった株を個別に買うことはおそらくないでしょう。
セクター別だとあまり高配当に見えないラインナップです。IT、一般消費財、産業と成熟産業ではないセクター続いていますね。
小型株に間違いなさそうですが、
国別は以下の通り。台湾、中国、韓国と東アジアが50%近くを占めている格好です。
一応特定の国やセクターは25%という上限が設けられています。
vs; VWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF)
DGSの目論見書に比較で出ているのは「MSCIエマージング・マーケッツ・スモール・キャピタル・インデックス」ですね。
新興国の小型株についてのインデックスで、これを常に上回っています。
リターンは若干DGS優位
しかしながら、新興国のETF最有力といえばVWOでしょう。以下に分析記事リンク貼っておきます。
経費率0.14%や構成銘柄数4000銘柄という点が非常に魅力的。出来高も圧倒的で、新興国ポートフォリオを持つなら第一選択肢になると思っています。
これに勝てるなら選択肢になり得るでしょうね。
青がDGS、赤がVWOです。基本的にVWOより成績は上回っています。
高配当を謳うだけあってインカムゲインで更に差がついていて、DGSの3%前後に対してVWOは2.3%程度になっています。
DGS単体100%で運用した場合のリターン(非現実的ですが)
Max Draodown(最大下落幅)は-52%と大きいですが、CAGR(年平均成長率)に均すと4.35%となります。
まあ新興国の小型株を扱っているのですから、それなりにボラティリティは高くなりますよねえ。
こっちはVWO100%のデータ。設定年がDGSの1年前である2006年からなので、リターンが揃うように2007年スタートにしています。
CAGRやシャープレシオ(リスク・リターン比)はVWOのほうがごく僅かに悪いですね。
ただし、実際には経費率が年間0.5%近い差なので、リターンはもう少し差が縮まります。
とはいえ、たかだか10年のデータではありますが、若干DGS有利でしょうか。
ウィズダムツリーは運用資産額上位ではない
最大リターンを追求するにあたって、DGSは十分選択肢になるでしょう。
とはいえ和波的には新興国ポートフォリオのメインはあくまでVWOで、DGSは少し持っても面白いかな、くらいの感覚です。
私がバンガードやブラックロックのETFを選好するのは、運営元が非常に大きな会社だという点も大きいです。
インデックスファンドは2~3社が市場寡占する方向に向かっています。なぜならETFは規模の経済が効くビジネスだからですね。
一方で、ウィズダムツリーは2006年に設立された新興組で、保有資産としては上位AUMと開があります(かといって小規模ではまったくありませんが)。
こういうファンドが大手とぶつかっても企業体力で負けますので(ETFは人件費がほとんどなので、薄利多売で押し負ける)、ニッチ分野でポジショニングをとる必要があります。
スマートベータ的なアクティブファンドをメインに立てているのはこのためです。
インデックスファンドの価格競争と企業体力を考えたとき、バンガードやブラックロックのほうが、保守的な私としては安心です。
まあ中々面白いETFだと思いますので、検討してみてはいかがでしょうか。
関連記事です。
VWOの記事。トレード戦略は古いので気にしないで良いです。
他のETFもまとめています。まとめ方はだいたい同じテイストになります。
資産運用の最大手、ブラックロック社の銘柄分析記事。運用額は脅威の5.7兆ドルで、日本のGDPより多いくらい。