3分で分かる、EC・越境ECの可能性(後編)

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前編はこちらからどうぞ。

3分で分かる、EC・越境ECの可能性(前編)
今回は越境ECの記事です。後編は以下からどうぞ。 越境EC自体は特に目新しいネタでもないのですが、中国市場に牽引され順調に伸び...

後編、結構長くなったかも……。

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レクタングル大

ECの市場規模

国内EC市場規模

何度も引用してしまいますが、経済産業省のレポートから。

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(出典:経済産業省)

国内EC市場は15年に13兆円となりました。これは中国、アメリカ、イギリスに次ぐ、世界4位の規模です。これまでの二桁成長からは鈍化して7%程度の成長率にとどまったとはいえ、引き続き拡大傾向は変わらなさそうです。

また、今後についてはさらに市場規模が倍増するという予測を野村総研が立てています。

2021年のEC市場規模は倍増の25.6兆円に ー 野村総研が予測

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(出典:野村総合研究所)

中身を見ていくと、スマホを利用した決済が25%を超えてきていますね。品目別にはアパレルや医薬品でスマホ決済が40%を超えていました。

高機能なスマホが個人に普及し、フリマアプリも増え、シェアリングエコノミー時代という追い風の中、スマホEC市場は今後もEC市場拡大の中心に置かれそうです。

実際、予測ではこの国内スマートペイメント市場(電子決済)も2021年度には91.3兆円に到達……って思った以上にすごいんですね。日本のGDPの1/5に匹敵します。そらフィンテックも騒がれるわけですね。

フィンテック、ビットコインのまとめ(フィンテック編)
ずっと書きたかったネタを書こうと思います。 フィンテック……今最も旬なトピックスとして経済界隈を賑わせている、新しいテーマです。本格的...

BtoC-EC市場

http://www.ebisumart.com/blog/ec-rate/(市場伸び表:経済産業省のレポートでも可)

分野別に見ると以下の通りです。

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(出典:経済産業省)

物販系:衣料・食品が大きいのですが、これらは現物を見て確かめる人が多いため、EC化比率(後述)で言えば小さいと思われます。家電みたいな大型・高価な買い物はECが浸透しやすい気がしますね。

こちらの記事の後半あたりに物販系のECビジネス展望が詳しく載っています。

サービス系:旅行サービスが大きいですね。インターネット経由で予約したほうが安いです。

デジタル系:電子書籍やオンラインゲームですね。スマホ普及でデジタルサービスは多様化しているので、今後も期待出来そうな分野です。デジタル系は複製コストが低いため、売れるだけ売ったほうが得するモデルになり、利益率も高いです。

BtoB-EC市場

BtoB-EC市場(企業間電子商取引)は広義で288兆円と、実はBtoCの市場より大きかったりします。

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(出典:経済産業省)

企業対企業の取引なので効率化が求められやすく、個人間取引に先行してEC化が進みました。

EC化比率(EC化率)

これはオンラインで購入する人の割合ですね。EC化率を見て会社の戦略を変えないといけません。

毎年着実に伸ばしているものの、BtoCのEC化比率は現在4.5%程度しかありません(2010年に2.8%だったことを考えると十分な成長ですが)。まだまだ拡大余地が大きそうだということが分かります。将来EC化比率が20%になったら60兆円市場が出来上がります。

逆にBtoBのEC化比率は20%近くあります。こっちも残り80%が全てEC化すると、1000兆円規模の産業にw

進展している理由は上述の通り。ただし、この20%という数字にはEDIの数字が含まれているので、高めに出ているからくりがあることにも注意です。

世界EC市場規模

世界の市場規模は日本の20倍と、さらにスケールが大きくなります。

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(出典:eMarkter)

現在既に191兆円の市場は、3年後には300兆円規模に達してしまいます。EC化比率も6.7%から8.8%に急上昇していきますね。

地域別に見ると、これまで見てきたように、中国が20%以上の圧倒的な成長率で世界トップシェアを握り牽引していく現状はしばらくこのままです。

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(出典:eMarkter)

そしてこっちは企業のパワーを示した図。アリババがAmazonすら圧倒していることがわかると思います。楽天の何倍なんだろう。

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(出典:BUSINESS INSIDER)

越境EC市場規模

で、肝心の越境ECの市場規模ですが、日本は2000億円超でした。

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(出典:ECのミカタ)

越境EC、日本の市場規模は2,229億円!中国は?【経済産業省調べ】

今後の越境ECの伸びも中国が圧倒的ですね。こうしてみると、まだ越境ECは本格化する前のフェーズという印象を受けます。ここ1、2年で続々参入と思われますので、今仕込みどきかなと思いました。

リスク、課題

楽天、Yahoo!といった大手が過去中国から撤退したように、相応に大変でリスクも大きいことは認識しておくべきです。

  • 配送:国をまたいで商品を送るので、関税だったり輸送だったりの手続きが大変そう。一応、運んでいるうちに壊れたりするのは昔の話で、最近は大丈夫っぽいです。
  • 法律:海外に商品を送る場合、商品を受け取った側が居住する国の法律が適用されることになります(要は中国の法律ですね)。安全基準が違ったりする等の問題が出ると、結構面倒な感じです。
  • 在庫:配送を楽にしようと中国国内に倉庫を用意するのも、それはそれで手間とお金がかかります。
  • 代金回収:相手が信用出来るのかどうか。楽天みたいに★で評価つけられるので、それを見て判断するしかないようです。アジアはクレジットカードが普及していない国も多く、利用は難しいのかも(勝手に使われる恐れがあり、お店でクレカを提示できません)。
  • 言葉の壁:チャットで会話があるので、Google翻訳だけではキツそうです。商習慣も違うし調整だけでも一苦労。
  • 税制改正:関税等、中国政府のさじ加減ひとつ。今のところ積極的にECを支援している方向で改正しています。

小売の未来像、今後のトレンド

関連記事でもないんですが、ざっくりした未来像は下の記事でも書いていたりします。よかったらどうぞ。

AI(人工知能)のある未来を考えてみる(2045年くらいの未来社会)
まだ続きます~。 やっぱり未来の世界を考えるって大事だと思うんですよね。投資においてもそうですし、ビジネスにおいてもそう。小説...

最近のトレンド

そもそもEC市場におけるトレンドが越境ECなんですけどね。

オムニチャネル

ちょっと前から「オムニチャネル」と呼ばれる、リアル、バーチャルを問わずあらゆる場所で顧客接点を持ち、チャネル連携を強化しようというバズワードが出てきました。

これまで見てきたように、EC化比率が徐々に上がり店舗とWebの境目がなくなってきた今、店舗で実物を確認してWebで(安いところから)買う、あるいは逆にWebで買ったものを実店舗で受け取るというのはもはや当たり前です。在庫やポイントもリアルタイムで連携させ、シームレスなサービス提供を目指します。

ここで重要なのは住み分け……つまり、実店舗では実物でしか出来ないこと(体験)を、Webでは使いやすさや検索のしやすさを提供するのです。相乗効果がオムニチャネルのポイントですからね。

Webマーケティング

SNSが流行り、多くのいいね!やリツイートを獲得した商品はこれまで以上の勢いで爆発し、短期的に大きな収益を上げるようになりました。あるいは検索流入からニッチ市場・ロングテール市場を狙い、高い成約率を叩き出す企業も出てきています。

どちらにしても、Web上にオウンドメディアを持ち、情報発信をしていく必要があります。そのためのWebマーケティング(SEOや自社ブランディング)は重要性を増してきています。

事実、ブランドの強いメーカーの成長率が高いという傾向が見られます。ブランディングのため、商品帯を絞っていることも特徴でしょうか。

決済インフラの多様化

そして、スマホ(及びスマホでの電子決済インフラ)普及は、CtoCの市場を広げました。

メルカリみたいなフリマアプリやオークションですね。シェアリングエコノミーもあり、この領域が益々拡大すると思われますが、その場合BtoC市場の圧迫要因になり得ます(というか、BtoC-EC市場の成長率が鈍化した原因は間違いなくこれだと思われます)。

シェアリングエコノミーは未来の経済社会になるか
シェアリングエコノミー、AirbnbやUberといった企業の登場により、本格的に認知されてきた新しい経済です。 "share"、すなわ...

なお、ビットコインが普及するかはともかく、決済インフラは今も多様化しています。Amazonログイン&ペイメントは便利だと評判ですね。

レコメンド

技術面では、ビッグデータ活用によるマーケティングが一般化しています。実店舗から消費者の行動をデータとして取り込むにはセンサーの設置が必要です。しかし、ECサイトから情報を取り込むのはそこまでハードルが高くありません。

ユーザの登録情報は何で、どのくらいの時間サイトに滞在して、どれとどれの商品を見て、結局どの商品を購入したのか。そういった情報を蓄積させ、ビッグデータ解析によるレコメンド(おすすめ)が、これからのトレンドでしょう。

3分で分かる、ビッグデータ 市場規模、発展の要素、利活用
前回の記事は以下からどうぞ。前回は最後少し脱線してしまいましたが、ビッグデータの定義や統計学との住み分けについて見てみました。 ...

2020年くらいの小売

自動翻訳の完成

今大きな壁になっている言葉の問題は、2020年には解決していると思われます。

スマホに話しかけるとリアルタイムで翻訳をかけてくれるイメージですね。これによって海外ビジネスの敷居がぐっと低くなります。

IoTと小売融合

実店舗で服を見ていたらメールが届いて、その場ですぐECサイトから買えるみたいなサービスが広がります

この例だと監視されていて個人的には嫌なんですが、IoT活用によるマーケティングはお客さんが欲しいと思ったタイミングを逃さずアプローチ出来るので、上手く使えば成約率が格段に上がるはず。

ビッグデータ活用によるレコメンド進展(AI活用)

パーソナライズ化、よりヒット率の高いレコメンドですね。AIの項で詳しく説明したので、そちらに譲ります。

3分で分かる、現在のディープラーニングビジネス
前二つの記事でAI・ディープラーニングのこれまでと技術の中身について見てきました。 改めて、一枚の図でまとまっているも...

ロボットの接客(販売員は減る)

店舗で試してECで買うなら接客はロボットでもいいですよね。Web上のチャットや電話応対(カスタマーサポート)もロボット(AI)が代行するようになるでしょう。

配送時間短縮化=物流業務の効率化(ECで受注後ノンストップで発送)

ドローンによる配送は自分で否定してしまいましたw

3分で分かる、ドローンビジネス ドローンってそんなに有望かな?
ロボットの一種、空飛ぶスマホのドローンについて、いつものように調べてみました。 ドローンとは ドローンとはなにか、まずはWeblioから...

まあ、そうでなくともIoTによる物流業務の効率化(無人化)みたいな方向と、ECサイトから物流の垂直連携で、配達時間やコストの面で差別化を図ることになると思います。

Amazonは自社で巨大な倉庫を保有し、独自の物流網を構築することで莫大なアドバンテージを稼いでいます。

企業

こちらのサイトが大変参考になると思われます。ちなみに、このサイトには色々なEC関連企業のマップがありました。

分類するのは難しいのですが、プレイヤーには以下の様になると思います。

  • モールを運営する母体
  • 出店、販売して利益を上げる企業
  • 出品や販売、購入代行サービス、コンサルティング
  • 輸送サービス
  • 決済インフラ

楽天とAmazon

日本の二強ですが、中身は色々違います。

それぞれの流通規模で見ると、楽天市場が1.73兆円、Amazonが1.1兆円(これはもちろん日本市場限りの数字)です。BtoC-EC市場が10兆円強だったことを考えると、2社シェアは全体の2~3割近くを占める計算になります。

天猫と京東の違いで説明した通り、楽天=モール型(ショップが出店)、Amazon=ネットショップ型(Amazon自身も販売)です。

Amazon

とはいえ、世界で見ればAmazonは別格です。Amazonの年間流通規模は10兆円超えと、日本のEC市場総額に1社で匹敵します。

巨大なマーケットプレイスは圧倒的な品揃えで、かつほぼ最安値で提供しています。それらを自社独自の物流網で押さえ、今では独自の決済インフラも整備してしまいました。

また、Amazonプライムでは当日配達やビデオオンデマンドなど、様々なサービスを提供し、消費者を囲い込んでいます。

楽天

MVNOもそうですが、楽天は楽天(ポイント)経済圏を育てていくことに注力しています。利益率の高い楽天カードを使ってもらうためのサービス拡充ですね

実は楽天市場は新規出店手数料を無料としたYahoo!に押されています。あっちもTポイントで囲い込みしたり、強力なYahoo!オークションがあったりと、よく似たサービスを展開していますしね。消費者としては適度に競争してもらい、両方値下げしていってもらえると嬉しいですね。


テーマ株としても拾いたいですが、いかんせん時間がない(この記事は会社で……)。

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