自分はインデックス投資家でもあり、個別株投資家でもあります。元々がFXトレーダーだったので、タイミング投資は好きなほうです。
タイミング投資は長期的には大きな意味を成さないとよく言われます。以下は一括投資と分割投資のどちらが良いか示したものです。
あるいは、アクティブファンドとパッシブファンドの勝率を見たものかもしれません(日本株においては、アクティブファンドが上回るケースも目立ちますが)。
よく、「自分は凡人だから~」みたいなお決まりの文句でタイミング投資を否定する人がいますが、まあデータでもそういう結果は出ているということです。
今回はそういった話ではなく、これを前提にちょっとだけタイミングを図ってみるという議題です。
1/3で負けるということ
66%で一括投資が勝つというデータは、裏を返せば34%(約1/3)で負けるということでもあります。
じゃんけんに負ける確率と同じですね。
まあまあ、普通だったら賭けていい勝率ですが、問題はこの1/3がどこでやってくるかということです。
はい、株価が高いときでしょう。だって買値から上昇しているうちは負けようないですから。
そして今のチャートを見てみましょう。高くないですかね。史上最高値ですよ。
そして、以前の記事になりますが、ピークアウトしそうな指標はいろいろ出ているわけです。
今から1.5倍になるのと2/3倍になるのとどちらが近いかと言ったら2/3倍と言う人が多いのではないでしょうか。
インデックス投資というのは、本来こういった定性的な判断をしないで投資します。長期的な株式市場の成長に賭けているからです。
その方法論は確かにシンプルかつ強力なものですが、私自身も試行錯誤の中で、いよいよ終わる感の出ているここ1~2年の投資判断で買い控えも選択肢に入れようかというものです。
年10~20%くらいは増減する
以下は26週のボラティリティを示したものですが、どんなに相場が硬直していても5%くらいは動いています。
VIX指数も似たようなグラフになります。あれも10~20に収まっているうちは正常の範囲内という目安にしていますね。
ついでに面白いデータがあったので紹介します。株式市場が大きく揺れた期間における、1日あたり平均ボラティリティです。
毎日2~3%の変動は思ったほどではないという印象でしょうか。
為替相場の参考。
ドル円ここには載ってないけど、1ドル110円として1日80ppくらい動くから1%以下かな。
株式市場は生き物ですから、常に上がり続けることもないし、常に下がり続けることもありません。
慌てて売買することを避けるために、こういうデータを頭に入れておくと良いかもしれません。固有リスクや出来高の足りない個別株には参考にならないので注意。
高値の投資を控える
ということで、株価の頂点から15~20%は買い控えしてもいいかなあと思っています。何回も書いたかもしれませんが、私は高値追いがとにかく苦手です。
この20%は安全マージンにもなるし、精神上も良いのです。分配金が入ったとしても、ずっとマイナス状態が続くのは嫌なものですからね……。
リスク・リターンの計算
S&P500ETFの分配金は歴史的に2%前後、株高の昨今は1.5%前後が目安になります。緑色の折れ線グラフです。
ここでバシッと数字で出せないのが痛恨ですが(笑)、単純計算で15%安く買うというのは10年分の分配金とイコールになります。
10年もあれば上下動しているうちどこかで目安の指値ポイントに引っかかることがあるでしょう。
まとめるとこういうことです。
タイミング投資の損失=(ポジションが取れなかった場合の)機会損失
- 上昇分のキャピタルゲイン
- ポジションが取れないうちに得た分配金
- 分配金の再投資から得た利益(インカム、キャピタル)
- 現金資産として保有していた場合のインフレ負け
これを含めて高値からいくらか落とした分だけ得られる利益とのリスク・リワードが釣り合えば良いわけです。
投資ルールはいろいろ考えられますが、自動引き落としは設定できないので不便は不便です。
- 高値から10%にあったらその月は買い控える
- 翌月下がったら2か月分を購入する
- 最大半年の期限を設けて、半年以内で一度も投資しなかったら6か月目の15日に3か月分を購入する、みたいな
下がり出したらもっと下がるから……
タイミング投資で難しいのは、「もっと下がるじゃん」と思ってズルズル食い下がってしまうことです。割り切りは大事ですね。あくまでちょっとだけ有利になるようタイミング投資しているだけなので。
一応指値を置くときのポイントを説明すると、多くの人が注目している株価の少し手前で注文するようにします。
例えば今の株価が1200円で、これを1000円付近で買いたいと思ったら1020円くらいに注文を入れておきます。980円に置くのは悪手です。
1000円はだいたい節目の数字でみんなが指値逆指値注文を入れています。もし割り込むなら980円で下げ止まることはなくて、800円とかそのあたりになるでしょう(820円に指値を置く)。
実は既に記事を書いているので、こちらを読んでください。
このタイミング投資が一括投資に負けるパターンは、例えば今から10年も元の株価に戻ってこなかった場合です。分配金の再投資も含めれば確実にパフォーマンスは劣るでしょう。
ただ、今が史上最高値付近なんですよね。先ほども言いましたが、これから伸び続けるよりは小休止入るのではと見ています。
分の悪くない勝負かなと思っていますが……。
投資手法を分散する
ここまでと真逆のことを言いますが、私はそれでもインデックスファンドを毎月5日に定期買い付けしています。だいたいポートフォリオの30%くらい。
何故なら、私の見立てが外れて上昇相場が延々と続くかもしれないからです。
どうあっても予測は出来ない以上、ひとつの手法にベットしないほうが賢明だと思います。
今年は定期買い付け以外はほぼ投資を控えていますが、いつでも一定額は市場に留めておくことを意識して、外したときのリカバリプランにしています。
自動で買い付けされるだけで簡単ですからね。
関連記事です。
ブラックマンデーの動きについての解説記事。
ポジションを持つと冷静な判断が難しくなります。利益を得る喜びよりも損失が出る恐怖が勝るからです。
やはり日本株と米国株は別の動きをするので、どちらのデータなのか前提チェックをしたほうが良いですね(自分もよくごっちゃで解説してしまいますが……)。
ところで誰かこのデータ持ってませんか↓
GWも後半に入りましたね。私はいつも通り自宅に引きこもっていますが、楽しく過ごしています。
みなさんも良い連休を。ではでは。