ファーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
英国のEU離脱問題:ブレキジット(Brexit)に関しての国民投票が行われ、現在開票が進んでいます。なお離脱優勢w
→本当に離脱が決まりましたw:英国がEU離脱へ BBC「過半数上回る」、初の脱退例
ドル円が13年11月以来の100円割れ、ポンドの下げっぷりは当然異常事態w
日経平均はこの記事を書いている6/24AM時点で-495円、日経平均先物が-1,300円wです。
→結局この日の日経平均は-1,286円となりました。ダブルインバースだけプラスがヤバイ。
なんといっても、イギリスは日本にとってアメリカ、中国、オランダに次ぐ第4位の投資先です。逆にイギリスから見ても、日本はアメリカに次ぐ第2位の投資国です。
離脱となればEUとイギリスは今後貿易取引の仕組みについて協議をすることとなり、EU域内の貿易にも関税がかかるようになる可能性が生じます。すると欧州の玄関口としてイギリス経由でEU各国に輸出する多くの日本企業に影響します(イギリスに進出している日本企業の数は1,000社以上らしい)。イギリスでの鉄道車両や原発を計画する日立や東芝をはじめとして大型投資案件も多いですし、決して「対岸の火事」ではないのですね。
EU問題の根本はこちらのサイト様をご確認。超分かりやすいです。離脱後の影響試算等はみずほ研究所のリサーチをご確認。
目次(クリックで飛びます)
英国のEU離脱によって上がりそうな株、ETFとか
要するにEU離脱による世界的な経済不安が怖いんですよね。だからどの株(業種)なら強いとかそういうことはないです。
イギリスの事業がメインの企業はとりあえずアウト、そうでなくとも市況全体が悪くなるため、関係ない銘柄も落ちると思われます。不透明な相場に無理して突っ込む必要もないので、私の場合は永久保有銘柄以外は現金にして待ってたほうが無難かなと。
参院選とか米国大統領選挙前は通常上がるアノマリーがあるのですが、ちょっと難しいかも。かといってそれまでトレンド変えるようなネタもないので……戻しで一旦上がった後また下落~みたいな動きになりそうかな。
インバースETF
ということで、下がるならインバースで。下の記事で詳しく書いたので、読んでもらえると嬉しいです。
- 日経ダブルインバース上場投信(1357)
金(ETF、現物)
安全資産筆頭。詳しくは前に記事を書いたので、こちらをご参照。
- 【GLD】SPDR ゴールド・シェア
- 【IAU】iシェアーズ ゴールド・トラスト
- 純金上場信託(金の果実:1540)
円
同じく安全資産筆頭。市況が悪くなると円が買われるのは、日本が世界一の対外純資産を持つ債権国であることが評価されてのことです。
ちなみに円高になると、GDP的には非常によろしくないです。
みずほ総合研究所は日本のGDP=国内総生産を0.1%から0.8%程度下押しする影響があると試算しています。
債券はやめておいて
下の記事にも書きましたが、リスクリワードが釣り合いませんので、無理して投資するなら現金でOKです。
欧州売上比の高い日本株(仕込み銘柄?)
特に英語圏であるイギリスを窓口にしている企業は多く、これらはしばらく買わないほうが賢明です。電機、機械、自動車関連に多いです。
……とはいえ、逆に言えば長期的には仕込み銘柄になるのかもしれません。
- 日立製作所(6501):イギリスで鉄道事業
- 任天堂(7974):欧州で3割弱なんですね。WiiU不振+次世代機発表遅れ+VR出遅れと良い材料が見当たりません
- マツダ(7261):欧州売上17%。16年5月の決算を見ると、英国での自動車販売伸び率は16%、ドイツでは8%
- セイコーエプソン(6724):欧州売上比率高い(具体的な%は見つからず。海外売上比率が75%超)。リコー、ブラザーも同様
- コニカミノルタ(4902):欧州売上比率は32%程度で、影響大きそう
- ホソカワミクロン(6277):粉体機器(って何?w)。欧州比率55%
- オリンパス(7733):欧州比率26%程度
- ダイキン工業(6367):海外売上高比率は7割、うち欧州がどのくらいか不明ですが、高い比率らしい
- スミダコーポレーション(6817):電気機器。欧州比率48%ほど
- アルパイン(6816):電気機器。欧州比率45%ほど
- アルプス電気(6770):欧州比率30%弱程度
- マキタ(6586):欧州比率45%超
- ニコン(7731):欧州売上比率25%程度。キヤノンも同様
- マキタ(6586):欧州売上比率が43%もある……
- 日本板硝子(5202):欧州販売比率45%、従業員の8割が海外らしい
- DMG森精機(6141):工作機械世界最大手。欧州比率高く、独子会社の出資75%超
- 竹内製作所(6432):建設機械。欧州比率50%超……
- シマノ(7309):自転車や釣具で有名ですね。欧州比率40%程度
- 日本取引所グループ(8697):欧州市場の不透明感から下落
あとバイオというかマザーズが暴落していますね……。バイオ牽引のそーせいグループの主力が買収した英国創薬ベンチャーのヘプタレスということもなきにしもあらず?
その他の投資戦略
まあとはいえ、落ちてしばらくしたら上がり出すので(それがいつかは分かりませんが)、低いうちにしっかり買い出動しましょう。
もちろん再度上昇するという過去からの類推事例がいくつかあります。
- 離脱可否が決まってしまえば不透明感が払拭……一番困るのは、EU離脱が国民投票という「結果の読めない」状況にあるということ
- 離脱したら金融不安を抑えるために日欧米で強調介入するでしょ
- 離脱後も経済取引の仕組みは現状維持する可能性も高く、そうなると実需としては大きな影響は少ない(ことを評価して株価も戻る可能性が高い)。仕組み変わったらヤバイ
- 裁定買い残は現時点ですでにアベノミクス前の低い水準(ある程度どちらに触れても織り込み済み?)
- 次のテーマとなる外部要因が控える(参院選、日銀追加緩和、米国利上げ等)
- チャイナショックとその後
何度も書いているように、予測しても当たるものではないので、あくまで自分の投資に対するリスクを把握するための情報として考えてください。
現金を持っておく
ウォッチリストに入れていた株が買える水準まで来たらすぐ買えるように、現金比率を上げましょう。離脱の場合、しばらく市況が荒れて落ちます。
ドルを買っておく
せっかく円高が戻ってきたので、今のうちに米国株を買う用にドルを買っておきましょう。ちなみに円安には今後も向かいにくいと思われます。なにせヒラリーもトランプも日本を円安誘導していると非難していたのでね。
もしかすると90円台でしばらく停滞するかもしれません。その間にドルを買って米国ETFを継続購入し、いつか円安に戻ったときに実を取りましょう。
日本の輸入(円高)銘柄は買わない
世界的な不況になると日本でも需要減速してしまうのですが、円高効果を受ける銘柄なら大丈夫かと言うとそんなことはない。
日本株の上昇を演じているのは基本的に外国人投資家なので、彼らが市場から離れるような状態で投資するのは賢明ではありません。事実、当事者のはずの英国よりも日本のほうが株価下落が激しいというね……。
イギリス関連株については今後も買わないほうがいい
なんというか、結局のところ、今回のEU離脱騒動って移民問題(移民排斥運動)なんですよね。表向きはどうあれ、社会保障の手厚いイギリスに多くの移民が入って来たことに反発する声が広がって、今回の離脱が浮上しているわけです。
で、そうして人口流入を制限すると、経済には悪影響なのです。前に経済成長について書きましたが、人口増加・資本投下・技術進歩は経済成長の三要素であり、移民排斥は人口増加に負の影響をもたらします。
EU枠を外れれば雇用の流動性が消え、数万人が消える(フランス等のEU国に移る)可能性があります。
EU離脱反対運動を率いる英国のオズボーン財務相は「数万人」が失職する恐れがあると警告している。HSBCは、英国がEUから離脱した場合、職員1000人をパリに異動させる可能性を明らかにしている。
加えて、上でも書いた通り、貿易取引の仕組みが変わる可能性もあります。EUとの貿易に関税がかかるようになったら、イギリスはおしまいです。現在関税のないEUとの貿易に、これだけ関税が発生します。
EUの最恵国関税が英国の輸出入に課されるとすれば、自動車には10%、自動車部品には5%の関税率が適用される。
世界的な投資家ソロスもこう言っています。この爺さんまた勝つんか。
ソロス氏は、「ポンドの為替レートは急落する」とし、「それが金融市場や投資、物価、雇用に即時、大幅な影響を及ぼす」と指摘。
まあそらロンドン市場は死にますよね。たぶん「欧州」の金融としての中心は、フランクフルトに移ります。金融立国のイギリスとしては致命的だと思うんですが……。
デイトレは出番なんだけども
ボラティリティが大きくなってデイトレがしやすくなるのは確かですが、この辺注意しましょう。
- サーバダウンで約定されない、スプレッドが広がる(FX)
- 突然のイギリス続報で追加急騰、急落(まあむしろスキャならこの材料の直後に追っかけ&反発ヒゲとりがメインになりますが)
LINEのIPOマイナスになるんじゃ?
IPOって市況に左右されるので、LINE上場時期もどうなるか分かりませんね。もうちょっと早いタイミングだったら危なかったかも。
8割以上プラスだった15年のIPOでも、15年8月のチャイナショック時には、評判が悪くなかったメタップスがマイナス、ラクトジャパンがプラマイ0、評判良くなかった土木管理総合試験所は普通にマイナスでした。
リバウンド狙いの株を買うなら
下値に大量の注文が入って来て、早くから株価が安定してきた銘柄を狙いましょう。あとはチャートの抵抗帯と形、先物買いがしっかり入ってきているか。
私の場合は板メインで見るというよりテーマ株等の単位で探します。やっぱり注目を集められる株は強いです。
REIT(リート)はどうするか
どうもREITでこの記事にたどり着く方が多いみたいなので追記します。こうなると不動産も不安定ですからね(個人的には、リスクリワードが釣り合ってなくてあんまり好きじゃない資産です)。
REITも景気変動と相関するため、基本的には下がりそうです(今回の件はインパクトが大きいので、全面的な不況になり得るものです)。
不景気になっても直ちにテナント退去するわけではなく、半年や1年の契約更新時期にガクッと空室率が増えるため、REIT価格は実態に先行して動く特徴があります。気がついた時に手遅れになる可能性は低いですが、損切りは流動性のあるうちにしましょう。
金融緩和されて米国金利も上がりにくくなった=不動産市場にプラスという見込みもありますが、そもそもREITは借入金で事業を継続させますので、金融不安にあまり強い仕組みではありません。
もちろんリーマン・ショック後の値動きを見れば、結局「ここが買い場だった」ということになる可能性も高く、リスクリワードを見て売買or様子見してください。私は国内・海外含めて当面買いません。
ちなみに、残留の場合
売り方の買い戻しが進むので世界的には再上昇かな~と思います。
誰がどう考えても残留なんですけどね、議員のようなエリート層だけでなく、国民投票によって短期的な判断で決める一般層の票で左右されるため、離脱するかもしれません。