どうも和波です。
そろそろ2019年も終わりが近づいていますが、恒例のマーケット振り返りをやっていきたいと思います。
目次(クリックで飛びます)
2019年の市場:主要国
18年10~12月が大暴落だったことを覚えているでしょうか。
株価のみならず実体経済の指標も悪化していたことから、年明け予想としては「そろそろ本格的なリセッションでは」と考えていました。
実際、今年前半は破裂する爆弾を持っているようなジリジリした相場だったのですが、米国の利上げストップで市況が潤い、レンジ相場を形成しました。
そして、10月以降の米中通商交渉の部分合意によって、溜めた力が上方向に跳ねたという総括になります。
日本
日経平均株価は年後半にかけて上向きのトレンド。
為替(ドル/円)はこんな感じ。全体的に10円幅の狭いレンジ相場な一年でした。私の中では100円切ったらドル転チャンスかなと思っています。
2020年にイベント目白押しの中、堅調な一年だったように思います。
増税
経済動向を語る上で避けて通れない増税の話。5年ぶりの増税となりましたが、消費税10%は流石に重すぎ。
あと8%と10%の区切りが分かりにくすぎてIT現場は混乱してます。
増税以降は経済停滞してるし、プライマリーバランスの問題自分で首絞めてますがな。
台風の影響もあり、増税後の落ち込み(増税前の駆け込み反動)は前回より大きく、キャッシュレスポイント還元では補えない印象です。
しかしながら、米中を中心とした世界経済が復調したことで、10月以降の日経平均はジリジリと上昇しました。
自然災害
なんか今年は自然災害が多かったように思います。記憶に新しいのは台風ですね。ラグビーW杯も数試合が中止になったり、被害も甚大でした。
台風による通行規制で、生産活動や消費活動がストップする負の面はあったと思います。
ただし以下の記事にもあるように、災害後は復旧活動という形で経済活動に投資が生じるため、むしろGDPは上昇する一面もあります。
結論から言えば、大災害の経済的な打撃は主にストックの損失という形で現れる。失われたストックを再構築するために多くの生産が必要になるので、経済活動は活発化し、経済フローの指標であるGDPはむしろ高まることもあるというわけだ。
GPIFの動向
161兆円もの巨額資金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が日本株を買って市場を支える「官製相場」ですので、次年度も動向には目が離せません。
今こんな感じですね。債券と株式が半分ずつです。
- 国内債券:35%
- 国内株式:25%
- 外国債券:15%
- 外国株式:25%
参考基本ポートフォリオの考え方 年金積立金管理運用独立行政法人
年金受給の引き上げなどは度々ニュースになります。
私の中では、セーフティネットとして本当に助けを必要とする人に配りつつ、それ以外の大半は個人個人が資産運用してね、となる気しかしてません。
アメリカ
S&P500は力強い成長を維持。
米中貿易摩擦もトランプリスクも何のその。暴落どころか最高値を更新する力強さで今年も世界経済を牽引し、米国投資の真髄を垣間見ました。
大統領3年目
大統領の任期3年目は株高のアノマリー通り、年初来28%の上昇となります。年間上昇率は1997年に次いで2番目ということで、インデックス突っ込んどいて良かったなと感じます。
FRB利下げ
17年から継続的な利上げを進めていたFRBが19年に方針転換して利下げに踏み切りました。利下げは10年半ぶりのことです。
18年は4回もの利上げを行い、18年末には2.5%まで上がっていたところから、19年は3回も利下げしました。
インフレ率が低いため過度な締め上げはしないという判断と、予防的措置としての利下げ。景気への配慮が伺えます。実際、これによって19年の米国は力強い成長を続けましたし。
日本はずっとゼロ金利ですが、米国は経済の緩やかな成長のために政策金利を動かせる強みがあります。米国金利動向はとても重要な意味を持ちます。
米中貿易摩擦の行方
18年から尾を引く米中貿易摩擦問題。19年10月以降は通商交渉が部分合意と報じられ、年末まで全体的に上昇ムードが続きました。
まだ限定的な内容にとどまっていますが、2020年は大統領選挙もあるため、米国経済に打撃を与える中国との問題は一旦解消したいというのがトランプの思惑でしょう。
来年はいよいよ大統領選挙もあり、イベントが集結している節目の年になります。市場の急成長は抑止して、反動を最小限にするソフトランディングが期待されます。
中国
ブラックロックの中国大型株ETF(FXI)から。
米中貿易摩擦
中国側から見ても大問題の米中摩擦ですが、ファーウェイがグーグルのAndroid OSから排除されたりと実ビジネスでも影響が出ています。
そのせいで昨年から全般的に圧倒的な株安状態で、私が目下一番気にしている市場ということになります。来年あたり融和ムードに行く感じもあるので(まだ分からんですが)、拾っておきたい株をいくつかウォッチしてます。
香港民主化デモ
なんか大変なことになっているらしいと、ニュースでは目にしていた香港のデモ活動。
独裁体制の中国vs民主化の香港ということで、わりと世界各地でルーツへの回帰というか、そういう運動が増えているような気がします。
香港やウイグル自治区など、中国の先進国としての態度が問われる問題になりそうです。
EU
欧州ETFのVGKから。日本と同じような値動きですね。
ブレクジット(イギリスのEU離脱問題)
EUのトピックはイギリスの離脱ですね。この記事のあとの総選挙で、EU離脱を掲げる与党・保守党の圧勝で、離脱が決まりました。
長かったブレクジット問題も、来年1月末の期限に離脱という結果に。
イギリスはユーロではなく自国通貨ポンドのため為替は変わらないですが、欧州金融市場の玄関としての役割が弱まることになります。また、EUとして結んでいた通商協定はなくなるので、イギリスは新たに通商交渉をやり直しになります。
この結果を受けて、スコットランド独立も懸念されています。前回14年は独立反対55%と僅差の住民投票結果でしたが、次は逆転するかもしれません。
ドイツの落ち込み
あまり触れられていませんが、欧州全体が不調の中でドイツの落ち込みが目立ちます。
なんと日本より経済の落ち込みが激しいわけですね。ドイツは輸出依存度40%と外需国(とまではいかないが、日本の倍以上)であり、米中貿易摩擦をはじめとした世界経済の減速が響く形で調子があがりません。特に主力の自動車。
新興市場
新興市場ETFのVWOは今年もぱっとしない一年でした。まあ、VWOの3割は中国なんですが。
新興市場は米国経済の溢れたマネーの受け皿として機能しているので、米国が停滞しているところに一人勝ち出来るようにはなっていません。
2019年の新興市場も、米中貿易摩擦と米国金利動向に合わせて上下しました。
2020年も米国利下げ(維持)による低金利が続くため、高い利回りを求めて新興市場へ資金流入が増えていくものと思われます。
2019年のイベント:時系列順
上で挙げなかったものの中で、マーケットへの影響が大きかった出来事をいくつか振り返りましょう。
1~3月
ゴーン会長の解任劇
18年からやってましたが、19年にはルノーの会長の座も追われました。ちなみに日産は9月にも西川社長が辞任する事態となっていました。
なんというか、日本企業へ投資する理由がまた一つ消えたトピックとして記憶に新しいですね。
日産は高配当株上位常連なのですが、株価が低いせいで高い利回りを実現しているだけのように見えます。
4~6月
令和元年
今年最大のイベントは令和への改元じゃないでしょうか。
4月1日の新元号発表日はご祝儀相場だったのかというと、若干のプラス(一時500円のプラス)でした。5月は普通に下落してますしね。
老後資金2000万円レポート
一時投資ブログを賑わせた、老後資金が2000万円必要になりますよ、という金融庁のレポート。元ネタは削除されてしまいました。
何を今更という感じなのですが、世間の衝撃度は大きかったようです。毎月3万を30年コツコツ積み立てればだいたい足りる計算なんですけどね。
自己責任の時代ですから、現役のうちからきちんと資産運用をやりなさいというお達しが来たものと思って、まだの人は必ずスタートさせましょう。
ファーウェイ取引停止
上で書いたけど、ファーウェイがAndroidOS乗せられなくなりました。独自OSを開発して対抗しましたが、その後ぱたりと耳にしなくなりました。
ファーウェイのスマホに買い換えしようかと毎日ニュースを追っかけていたのでよく覚えています。結局買うの諦めました。楽天モバイルにASUSの最新スマホキャンペーン復活させてほしい。
7~9月
ぱっと思いつかなかった。
10~12月
ヤフー、LINEが経営統合
この発表のちょっと前にはZOZO買収したり、この発表の数日前には「真っ赤っかの大赤字」と決算発表したり、からの国内最大のWeb総合ビジネス企業体誕生。ソフトバンクのスケールは大きい。
サウジアラムコの上場
19年12月、アップルを超える世界最大の上場企業が誕生しました。世界の石油生産の1割を占め、営業利益は12兆円もあります。
それはそうとして、中東情勢は相変わらず複雑ですね。米軍のシリア撤退で混沌としています。
NISA恒久化見送り&つみたてNISA延長
トピックとしてぜひ触れたいのはNISAの恒久化見送り関連です。(そういや記事書いてなかったですねえ……)
逆に利用者も順調に増えているつみたてNISAは、38年以降も継続して積立できるようになりました。
NISAとつみたてNISAの違いはこちらの記事参照。
ま、使いやすいつみたてNISAに一本化していく方向でいいのではないかと。
つみたてNISAは誰にとってもやるだけ得な制度なので、使い倒していきましょう。
関連記事です。
2018年版のマーケットレポート。
リセッションシグナルについての解説記事。去年の今頃はお通やでしたね。
米国株が最高値更新したので再確認したころの記事。
2020年の予測については、年明けに記事をアップしたいと思っています。指標データとか見ながら、チェックしていきましょうね。
ではでは。