今年8月頃には不調が見えていた株式市場が、最近また好調ですね。
直近株価の動向は以下のようになっていて、米国株はまた最高値を更新しました。
日経平均
S&P500
米中貿易戦争を中心に市況が一喜一憂している状況に変わりありませんが、株価は上向いています。このまま続くのか、そうでないのか、他の指標を見ていきましょう。
企業の業績は直近が大底
直近2Qの業績については、日米とも3年ぶり(16年4-6月以来)のマイナス成長でした。
参考 米国株は「前途多難」、企業利益見通しがさらに悪化の恐れ-UBS
一方で、2020年までの見通しでは2桁の増益となっています。かなり堅調な伸びが期待されているので、来年も大崩れは起きないかもしれません。
やはりというか、企業の業績が一番重要な指標ですからね。
逆イールドは一時的に解消された
前回記事で触れた逆イールドは10/11に解消しています。
過去のデータを見ると、2006~2008年も何度か逆イールドが発生したり解消したりしながら推移したので、これも投資家心理を需給が反映した形だと思います。
米国以外の経済失速が顕著に
米国以外の不調もデータに出ています。
参考世界金融危機以降「最も低い成長率」に…IMF世界経済見通し
特に報じられているのは中国、ドイツの失速です。世界貿易量の減少によって、全世界での経済成長率がリーマンショック以来の低成長に留まると言われています。
中国の実質GDP成長率も四半期で過去最低水準、インフラ投資が一巡したことで投資先がなくなってしまった点が影響しています。
ISM製造業景況指数の下落続く
ISM指数がついに50を下回りました。
見方としては50を上回れば拡大期、下回れば後退期なので、前回より悪化しています。
ISM指数が50%割れしてから1年以内にリセッションに入るというのが過去のケースです。
VIX指数はかなり低め
VIX指数は20以下は安定という指標なので、現状低めの水準と言えるでしょう。史上最高値にある中で、楽観論と安定感がある印象ですかね。
最高値更新ではあるが……
ということで、足元の転換期が近づいているような印象もありつつ、企業業績が上向いてくることで大崩れはしないのではというまとめになります。
米国大統領選挙も控えているし、大掛かりな動きは避けたいのではないかと。
ただ、上値は重たく割高水準には違いありませんので、20年後半あたりからいよいよ落ちるのではないかと思っています。
過去のクライシスから市場のコントロールが難しいことは分かっているので、楽観は出来ないですね。どんな落ち方をするのか、暴落ではなくソフトランディングしてもらいたいところですが。