最近また連日暴落が続いています。
米中貿易摩擦や日韓情勢の悪化、香港抗議デモに米国では逆イールドの発生などなど、悪材料がぽろぽろ出ている状況ですね。
少し解説をしようと思いますが、正直今年はじめに書いた記事のステージに戻っただけです。
チャートで同じところ4回トライしたらだいたい壁を突破します。
18年はじめ、18年末、19年5月、そして今回と……そろそろ怪しそうな雰囲気はあります。
逆イールドの何が危険シグナルなのか?
逆イールドとは
ニュースで逆イールド逆イールド言われて、ピンとこない人が多いと思います。
14日の米国債市場で10年物国債の利回りが2年債利回りを約12年ぶりに下回った。長短金利の逆転(逆イールド)と呼ばれる珍しい現象で、将来の米景気後退を示唆するとされる。
逆イールドというのは長短金利が逆転した状態のことです。
通常は長期のほうがハイリスクのため高い金利がつくはずですが、以下のような状態ならどうでしょう。
- 直近は景気拡大が続き、FRBによる利上げも継続、インフレ期待=短期金利は上がっていく
- 5年10年の長期では景気拡大が一巡し、リセッション入りが懸念。FRBの利下げによる景気刺激策、デフレ入り=長期金利が下がっていく
目先の短期金利が上がって少し先の長期金利が下がるため、ある場面で逆転現象が生じるということです。
ここまでが理屈の話。
逆イールドの示すシグナル
逆イールドの懸念は、過去すべてリセッションとリンクしていた点にあります。景気後退の先行指標というわけですね。
前回記事にしたときの逆イールドは3年、5年米国債でしたが、今回はよりメジャーな2年、10年米国債の金利逆転。
これが2007年以来の現象ということで注目を集めています。リーマンショック直前ですね。
市場は参加者の心理によって需給が変動し、価格が形成されます。
逆イールドがリセッションを呼び起こしているわけではなく、逆説的ですが、逆イールドがリセッションの先行指標と言われているからこそリセッションが起こるというメカニズムです。
リスクオフの動き
市場が不安なとき(リスクオフ)、資金を安全な場所に置こうとします。典型的な動きは以下の3つ。
- 株安と債券高
- 金(ゴールド)の上昇
- 円高進行
株安と債券高
債券価格が上がり、利回りは下落の一途をたどっています。
以下は10年米国債利回り。
株と債券のリターンについては、案外逆相関というほどでもありません。ただし、ドローダウン期に負の相関関係が極大化される点が分散に有効とされる理由です。
金(ゴールド)の上昇
安全資産として名高い金(ゴールド)が上昇しています。
金は金利収入が得られないコモディティなので、好景気に買われる商品ではありません。株式と逆相関するためリスクヘッジ目的で買うものです。
リーマンショック時期に金投資をしているとプラスでした。
レイ・ダリオのオールシーズン・ポートフォリオのように、ポートフォリオに組み込む価値はあると思います。
円高進行
有事の円買いはなお有効指標として機能します。なぜなら世界最大の債権国だから。
日本は借金大国のように誤解を受けますが、実際には対外純資産残高328兆4470億円で27年連続世界1位です。
さて、ドル円チャートを見ればいつの間にか105円台まで落ち込んできました。
当ブログ人気記事ですが、私は100円~110円を長期の平均レート目安にしています。海外株を買うなら少しずつドルに替えておくといいでしょう。
VIX指数
VIX指数もよく見られるシグナルの一つで、恐怖指数と呼ばれる、投資家心理を示す指数です。
概ね10~20で安定、40を超えてくると不安定と捉えて良いでしょう。
今日は20を超えてきて、警戒感が高まってきています。
関連記事です。
記事中にもリンクをはりましたが、今年はじめに書いた記事は結構詳しく解説したので参考にしてください。
日本人の平均的な銘柄保有期間は、たったの2.6年です。続けることがいかに難しいか物語っています。
リセッションは見えていますが、資産運用は一生続けていけるようにしたいものです。
日経平均株価が最高値を更新した日から毎月のインデックス投資をはじめたとしても、今の時点で資産は1.5倍になっています(2013年にプラテン)
日経平均のお粗末なパフォーマンスはさておき、長期投資が報われるという一つの例ではないかと思います。
ではでは。