UberがNYSEに上場申請――超巨大IPOが実現か

市況解説、投資小ネタ

世界最大のライドシェアサービスUberがついに上場する運びとなります。筆頭株主のソフトバンク(16%保有)はまた大当たりですね。。

参考Uber、NYSEで株式公開へ 最大株主はソフトバンク

時価総額は1,000億ドル規模で、うち100億ドルを市場に放出します。これは米国市場に上場したIT企業のIPOとしては、14年のアリババ(BABA)に次ぐ歴代2位の規模だそうです。

なおこれまでの歴代2位はフェイスブック(FB)でした。比較される面々からも、とんでもない巨大IPOだということが実感できると思います。

当時のアリババは1693億ドル、フェイスブックは812億ドルでした。
参考米ウーバーが上場申請、ソフトバンクGが筆頭株主

ティッカーシンボルは【UBER】とのこと。そのままですね。

目的は100億ドルの調達で、今後も大幅な営業経費をかけて拡大路線を突き進むものと思われます。

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Uberの実態について

黒字化が当分見込めない(成長がやや鈍化している)

ニュースになっているのが、IPOと一緒に提出した申請文書にある、今後の黒字化目処の話です。

文書によると、配車と食事宅配サービス「ウーバーイーツ」を含む同社プラットフォームの平均月間アクティブユーザー数は18年末時点で9100万人だった。17年比で33.8%増加したが、伸びは前年の51%から鈍化した。この数字には配車サービス以外の利用者が含まれているものの、同業リフト(LYFT.O)が公表した1860万人と比べると5倍近い規模だ。

参考米ウーバー、IPO申請公表 黒字化の可能性巡り警告

Uberの成長率はこのところ鈍化傾向にあるとのことですが、以下をグラフでは、なんというか普通に伸びているようにしか見えません。

(出典:Uber)

アクティブユーザー数が9,100万人、総利用回数は15億回ですよ。

間違いなく最強クラスのプラットフォーマーだと思いますが、長らく黒字化しないという点とどう折り合いをつけるかですね。

昨年も30億ドルの営業損失を計上したと発表していましたが、プラットフォームへの投資を続ける以上は黒字化が遠のくということなのでしょう。

プラットフォームのブランド化を

Uberは米国のライドシェア市場で7割のシェアを握っている他、日本を含め世界中に進出してカナダ、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、ニュージーランドなどでトップシェアを有しています。

しかも、ライドシェア市場はUber誕生と同時に始まったようなもので、まだ10年程度しか経過していません。

ハイプ・サイクルでも成長期の序盤あたりでしょう。

世界の運輸事業に占めるUberの割合は1%に満たず、拡大余地は世界中にあるということをUberは言っています。

Uberは月に1回はUberの中の何かしらのサービスを利用してもらうよう、サービスを拡大していく方針を立てています。例えばウーバーイーツですね。

参考Uber Makes IPO Case That It’s About the Platform, Not the Losses

他社を見れば、アマゾン(AMZN)だって創業以来8年赤字で拡大路線を続けて来たわけですし(今でも稼ぎの柱はあくまで米国)、近年急拡大しているネットフリックス(NFLX)だって米国市場以外では赤字で独自コンテンツの制作に投資しています。

Uberのプラットフォームが収穫期を迎えるのはもう少し先の話です。

リフト(Lyft:LYFT)は暴落

Uberとライドシェア市場を争っているのがリフト社なのですが、実はUberに先駆けていち早くNASDAQ市場に上場しています。

リフトのユーザー数は3,070万人、営業損失は約10億ドル。Uberとよく似ています。

まあ、元々不調だったのですが今回のIPOを受けて資金流出が加速する懸念があります。

(出典:Yahoo!ファイナンス)

ユニコーン、デカコーンのIPO相次ぐ

最近の1兆円以上のユニコーン一覧です。Uberも2位にランクインしていますが、約50%が米国、25%が中国の企業になります。

BytedanceはTiktokの会社ですね。

(出典:GloTechTrends)

とはいえ、米国ユニコーンの年齢は2015年にピークアウトしています。

ユニコーンの数は増加していますが、新規にユニコーンの仲間入りを果たす企業は徐々に減っているということです。

ユニコーンの50%は過大評価と言われるので、この大半は数年で消えるか、適正評価額に落ちます。

Uberはどうなるでしょうか。

余談

Uber実体験

ちなみに、私がサンフランシスコに行ったときにUberに乗ったのですが、やっぱり便利ですね。

【旅行記】アメリカ現地視察で見る米国の実態@サンフランシスコ/シリコンバレー

目的地を選んで、相乗りor一人(一人のほうが高い)を選んで、たまたま近くを走っていた★が4.8くらいのドライバーを選んで頼みました。右上にUBERのシール↓

車やドライバーの外見が写真で分かるし、マップでどこにいるかも分かるので、難なく合流して目的地に向かうことが出来ます。

聞いた話ですが、ちなみに、Uberのリアルタイムマップは技術的に難易度相当高いそうです。Uberにとっての差別化点なので、開発に大金を投資しているみたいです。

(出典:GIGAZINE)

また、特に外国だと助かるのがボッタクリがないことですね。目的地までの距離で値段が機械的に出てくるので、変に遠回りされて高額請求されることはないです(クレカ支払いですし)。

目的地を英語で説明する必要がないのも助かると思います。

というわけで、

Hello.

和波
和波

Hello.

How many times have you visited San Fransisco?

和波
和波

……For the first time, I’m from Japan, sightseeing.(※仕事です)

などと怪しい英語を楽しみ、最後に2ドルだか3ドルだかのチップを合わせてクレカで払ってお別れしました。

そんな感じですが、タクシーより儲かるそうです。そりゃあタクシー会社は破産しますね。

Uber本社

ついでにUber本社も行ってきました。特に何もなかったですが……。

サンフランシスコの中でも治安の悪いと言われるテンダーロイン地区で、浮浪者らしき人がそこかしこにいました。ちなみにTwitter本社もそばにあります。


Uberのライドシェアはまさに既存のビジネスモデルをデジタルが破壊した典型例です。

無駄なものを所有せず、人とシェアする。時間がある人がドライバーになって、時間がない人を連れていく。

UberとAirbnbの登場でシェアリングエコノミーが広がり、これまでよりも効率的で合理的にデザインされた社会に進んだと思っています。

シェアリングエコノミーは未来の経済社会になるか

当初より成長率は落ち着いたようですが、日本でもウーバーイーツを始めていますし、これからが楽しみな会社ですね。

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