フォーブスが世界で最も信頼されている企業ランキングを今回はじめて発表しました。
参考世界で「最も信頼される」250社リスト、任天堂ほか日本の42社を選出
日本最上位は任天堂の4位。ディズニーを差し置いて高順位につけていて非常に嬉しかったのですが、見ていると中々面白い会社がランクインしています。
以前記事にしたブランド価値ランキングよりも、なんとなく消費者イメージの実態に合った会社が集まっている感じがしたので、ちょっと見ていきたいと思います。
集計方法はこんなふうにやったみたいです↓
信頼度ランキングの作成にあたり、フォーブスは調査会社スタティスタ(Statista)の協力を得て、60か国のおよそ1万5000人を対象に調査を実施。「グローバル2000」に名を連ねた各社に対する意見を聞き、結果をまとめた。
主な評価基準は、「信頼性/誠実さ」「社会的行動」「雇用主としての態度」「製品・サービス」などとした。
結果として、今回は米国が61社に対して日本も42社がランクイン(世界2位)した模様。42/250なら日本企業大健闘ですね!
目次(クリックで飛びます)
ランキング1~10位
1位:シーメンス(コングロマリット/ドイツ)
シーメンスは欧州一の製造国ドイツきっての超大手コングロマリット。
コングロマリットというのは複合事業を営む形態を指し、例えばゼネラル・エレクトリック(GE)のような会社ということです。日本では事業的にも売上規模的にも日立といい勝負です(両者とも売上は9~10兆円、利益率7%前後)。
事業は情報通信、電力、家電、医療等の多岐にわたっており、特に最近は情報通信分野(従来のシステム・ソフトウェアソリューションに加えてIoTやビッグデータビジネス)への進出が著しいようです。
ドイツの国策でもあるインダストリー4.0(第四次産業革命)の進展によって、今後も情報通信事業の重要性は高まる一方でしょう。
米国には上場していないのがちょっと残念なところです。
2位:ミシュラングループ(自動車・トラック部品/フランス)
三ツ星レストランのガイドブックでお馴染みのミシュラングループは、実際にはタイヤのメーカーです。しかもブリジストンに抜かれるまでは世界一のタイヤメーカーでした。
元々タイヤがすり減るまで遠くに車を走らせてもらおうという意図からガイドブックを作ったのですが、今では本のほうが有名に。
ホテルや飲食店について独自に調査を行って、星の数でランク付けしています。三ツ星は国によってはゼロということもあるくらい厳しい基準で評価されるので、お店としては星1つでも最高峰のステータスと言われます。
その評価の信用力から2位になったのでしょうかね。
3位:アルファベット(GOOGL/コンピューター・関連サービス/米国)
グーグルここに来ました。10億人以上が利用するアプリが7つでしたっけ、サービス利用者は世界一かもしれません。
前回のブランドランキングでも考察した通りですが、グーグルのサービスは既に社会インフラとして根付いていて、誰にとっても身近で信用がおけるサービスなのですね。
4位:任天堂(7974/家庭用レジャー機器/日本)
ニンテンドースイッチ効果というか、マリオゼルダ(ポケモン)の勝利と言うべきか。日本最高順位は任天堂でした。
まあでも正直納得です。任天堂のゲームで期待を裏切られるケースは記憶にありません。
当ブログにも複数記事を持っている日本株は任天堂だけです。私が推しまくっているように、日本が今後強みとしていくべきはコンテンツ産業でありキャラクターIPです。
任天堂は日本のディズニーだと思っています。ディズニーはテーマパークに現実化しましたが、任天堂はARによってポケモンを現実世界に呼び起こし、世界中で大ブームを作りました。
こんなことが出来るのは任天堂だけでしょう。最近ようやく自社の保有するIPの価値を理解してきて、広報も上手になった印象があります。
スイッチの成功でWiiUの失敗は取り返せそうな感触もあり、今後にも期待です。
5位:ウォルト・ディズニー(DIS/放送・ケーブルテレビ/米国)
ディズニーが5位。任天堂はよく勝ったと思いますが、ディズニーの高順位も納得です。
ディズニーに遊びに行って、期待を裏切られることはないですよね。いつ行っても非現実的な夢の国で、私達を楽しませてくれるたくさんの仕掛けとイベントが待っています。
6位:カールスバーグ(飲料/デンマーク)
ビール会社です。世界首位がアンハイザー・ブッシュ・インベブで、2位がSABミラー、カールスバーグは世界4位になります。
普段ビールを飲まないのでブランドはそんなに知らないのですが、少し辛口で苦みを感じる味わいだそうです。
7位:アップル(AAPL/コンピューター・ハードウェア/米国)
アップルも高い順位ですね。
「アップル製品を使う日常」というイメージに訴えかける戦略でここまで拡大して、すっかりおしゃれなイメージが定着しました。
8位:フェラーリ(自動車/イタリア)
超高級車のフェラーリが8位で自動車メーカー最高順位を獲得。
1台3,000万円とか平気でしますから、庶民の車では全くないですね。にも関わらず私達がよく知っているのはフェラーリの広報も上手いのでしょう。
高級時計のプロモーションと同じで、今保有している人のために高級なイメージを訴える広告を打つと、誰もが「フェラーリ=高級車=フェラーリ持ってる人はお金持ち」と認識するのです。
また、希少価値を作るためにあえて販売台数を制限して量産しない方針も事業戦略とマッチしていてお見事。
9位:ヒルトン(ホテル・モーテル/米国)
高級ホテルのヒルトンが9位でした。リッチな外資ホテル=ヒルトンというイメージがありますね。
インテリア好きの私としてはホテルの写真を眺めているだけでも楽しいのですが、たまには贅沢して泊まってみたいものです。
でも、東京で一番高いスイートルームはグランドハイアット東京のスイートルームで1泊120万円ほど(笑)
それは流石に無理だけども、5~10万くらいのちょいグレード高いホテルに一回泊まりたいなーとは思ったりします。ええ。
2007年に投資ファンドのブラックストーン・グループに買収され、上場廃止しています(現在は中国の海南航空が筆頭株主)。
10位:パナソニック(6752/家庭用電化製品/日本)
10位は日本のパナソニックでした。
家電、エレクトロニクス、住宅、リチウムイオン電池に航空電子部品など、やはり事業は多岐にわたります。
結構大赤字を出したりして苦戦は見られますが、信頼性は高いということなんですね。確かにパナは品質管理が上手く、当たり家電が多いイメージがあります。
ランキング11位~20位
11位以下は引用します。20位以下はたぶん有料だから分からんかったです。
11位: マリオット・インターナショナル/ ホテル・モーテル/ 米国
12位: アディダス/ アパレル・アクセサリー/ ドイツ
13位: トヨタ自動車/ 自動車・トラック製造/ 日本
14位: LGエレクトロニクス/ 家庭用電化製品/ 韓国
15位: ネットフリックス/ 通信・小売/ 米国
16位: マイクロソフト/ ソフトウェア・プログラミング/ 米国
17位: SAP/ ソフトウェア・プログラミング/ ドイツ
18位: ギーベリッツ/ 建設資材/ スイス
19位: IBM/ コンピューター・関連サービス/ 米国
20位: ボルボ・グループ/ 重機/ スウェーデン
マリオットはリッツ・カールトンをはじめとした高級ホテルブランドを傘下に持ってます。
意外なのは15位のネットフリックスでしょうか。
オンラインストリーミングはまだはじめて10年と経っていませんし、海外展開はここ5年程度の話のはずですが、既に15位とは……。これから本領発揮したらどうなっちゃうのかと期待してしまいます。
IBMが地味に19位に入っているところを見ると、やっぱりIBMのブランド力や信頼力はまだまだ高いということかもしれませんねえ。
全体として、自動車やテクノロジー、BtoCが多くランクイン
まず目につくのは自動車メーカー。これはインターブランドのブランドランキングでも同様でしたが、やはりステータスシンボルなのでしょう。
ブランドランキングで上位を独占したテクノロジー関連でも、グーグル、アップル、マイクロソフトは流石に上位に食い込みました。
また、面白いのはホテル事業がランクインしている点ですね。確かにヒルトンみたいな高級ホテルはイメージが良いですね。
今回は無作為に選ばれた60か国15,000人の調査なので、彼らにとっては馴染みがあって普段から利用しているBtoCのメーカー、サービスに高い評価を下したのだと思います。