IT業界はマイナンバー特需に沸いている状況ですが、今回はその親戚、クラウドサービスについて取り上げてみたいと思います。実は仕事柄、クラウドサービスは結構取り扱うことが多いのです。
会社の数が凄まじいことになっていそうですが……なるべく「ソフトウェアが強くて利用形態がたまたまクラウド型」みたいなものは除外して、純粋にクラウドサービスの強みで比較したいと思っています。
例によってまずはクラウドとはなんだというところから、お勉強がてら記事にしていきます。
目次(クリックで飛びます)
クラウドサービスの基本
いくつかのご参考サイト様を見ながら、最低限の情報だけまとめました。
そもそもクラウドってなに?
クラウド(クラウドコンピューティング)とは、利用者がネットワークを介してソフトウェアをサービスとして利用すること。
今までならば「Outlook」のように自分のPCにソフトをインストールして、サーバーを構築してメールのやり取りをしていました。すべて自分の手元にあったのですね。
ところが、例えば「Gmail」、これはWeb上で利用するメールサービスですのでわざわざソフトウェアをインストールする必要がありません。さらに私達がどのメールサーバーを利用しているか分からないようになっています。
このようにIT資産を自分で持つか持たないかがクラウドの分かれ目です。ソフトもデータもあらゆるものをクラウド形態に変えたほうが実はメリットが多いということで、最近急速に流行っているのです。
クラウドサービスの種類(ユーザ視点)
ユーザ視点で見たクラウドの利用形態を、一般的に以下のように分類します。
SaaS(サーズ,サース Software as a Service)
名の通り、ソフトウェアのパッケージサービス。代表例はGmailです。
PaaS(パーズ,パース Platform as a Service)
プラットフォームなので、システム開発環境や動作試験環境を提供するものになります。ちょっと分かりにくいかもですね。
IaaS(イアース,アイアス Infrastructure as a Service)
インフラ(ハードウェア)の提供をします。サーバ、ストレージなどを自社資産として持たないので導入やメンテナンスが簡単です。
クラウドサービスの種類(ハードソフトの設置管理視点)
合わせて、ハードウェア、ソフトウェアの設置場所や管理運営という視点から以下のように分類します。
パブリッククラウド
クラウド環境をインターネットを通じて不特定多数に提供します。ユーザはハードウェア環境の用意を必要とせず、使いたいときに使う分だけ利用可能な、「共有」のサービス。
プライベートクラウド
クラウド環境を特定の一つの企業に提供します。パブリッククラウドと比較して「占有」サービスと呼ばれ、高度なセキュリティを維持することが可能です。ハードウェアの保持形態によってオンプレミス型とホスティング型に分かれます。
クラウド全般のメリット、デメリット
クラウド全般のメリットはこんな感じです。主にコスト面でのメリットが大きいです。
- 高額なサーバ、ソフトウェアの初期投資不要、減価償却不要によるコスト削減
- メンテナンス不要によるIT部門の負担軽減
- 使う分だけ支払えば良い、効率的なIT投資の実現
- システム構築不要、短時間で利用可能になり、ビジネスの高速化が可能に
デメリットはこんな感じ。カスタマイズはお金を払えばなんとかなるのですが、それだとクラウドの意味が……ということに。むしろ重要なのは上二つで、大きな会社のIT部門ほど安定稼働が至上命題なので、日本の企業は導入が遅れているんですね。ミスが許されないというのも厳しいものです。
- クラウド上にデータを置く場合、セキュリティリスクに対処が必要
- サービス安定稼働が提供プロバイダ次第となり、場合によってはシステムダウンも
- 画一的なサービスのため個別のカスタマイズが難しい(費用がかかる)
日本のIT部門ってどうもコストセンターのような考え方がされているのですが、本来は利益を生む部門にならないといけないんですよね。伝統的な基幹システム部門主導のシステム構築では上手くいきません。
それぞれのクラウドサービスメリデメ(ご参考)
後編書きました
あとはIT全体のロードマップはこちらになります。