S&P500、ダウ工業株30種平均、その他有名な海外株価指数について

投資信託、ETF

日本株の主要指標を見たので、今度は米国主要指標である、S&P500とダウ工業株30種平均、その他いくつか有名な海外株の指数を見てみましょう。

前回の記事はこちら。

【ETF】日経平均、TOPIX、JPX400についての比較まとめ【インデックスファンド】

以前考察したVTIと合わせて見てみましょうね。

【VTI】バンガード・トータル・ストック・マーケットETFは超おすすめの米国ETF!

補足記事を書いています。合わせてどうぞ。

【米国投資】ダウ30種、S&P500における対象銘柄の選定条件とか
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S&P500

ニューヨーク証券取引所(NYSE)とNASDAQに上場している銘柄のうち500銘柄を選定し、株価を時価総額比率で加重平均して算出しています。算出方法はTOPIXと同じですね(後述のダウ工業株30種平均は日経平均と同じ株価平均型株価指数です)。

米国市場の80%近くをカバーすることになります。なお、この指数をベンチマークとする運用資産の総額は7兆8千億米ドルを超えているそうです。

構成銘柄は以下からどうぞ。

指数構成銘柄:S&P500

1957年の開始時点の500銘柄のうち、今も残っているのは68銘柄だそうです。アップルやマイクロソフト、ジョンソン&ジョンソンやエクソン・モービルなど、何度も見た顔ぶれが上位銘柄に揃っています。

チャート

米国市場全体に言えることですが、右肩上がりの綺麗なチャートになります。以下はS&P500当初から見た値動き。

sp500tyouki

ITバブル崩壊とリーマンショックで二つの底があります。そしてそれ以外は上昇という分かりやすいサイクルです。

現在史上最高値付近で推移しています。

インデックスファンドについて

日本にあるインデックスファンドでもS&P500指数をベンチマークとしたファンドを買うことは可能です。しかし、コストがバカにならないのです。

i-mizuho米国株式インデックスというものがありますが、信託報酬は0.57%(実質コスト0.7%)もかかってしまいます。円ベースにしているので為替影響がないみたいですが、それでも選択肢としてはあり得ないと思います。

ETFについて

SPDR S&P 500 ETF(1557)

SPDR S&P 500 ETF

国内で購入可能なETFで、信託報酬0.0945%です。おまけにカブドットコムならフリーETFとして購入費用もかかりません(日経平均のMAXIS日経225上場投信(1346)と同じです)。

そして出来高1,011株と情けないのも変わらない。日本のETF市場は中々成長しませんね……。国内で買えればすごく便利なんですが。

ちなみに、もう少し出来高が大きいものに、上場インデックスファンド米国株式(1547)というものがありますが、出来高も5,000程度しか変わらない上に信託報酬が0.16%まで上がってしまうので対象外です。

バンガード・S&P500ETF(VOO)

バンガード・S&P500ETF(VOO)

お馴染みバンガード。信託報酬は0.05%ですね。月間出来高4,242万株ですが、SPDR S&P 500(SPY)は月間191,064万株なので、これでも少ない方(十分な出来高ではありますが)。

ダウ工業株30種平均

わずか30社、されど30社。米国市場を代表する30社が構成する指数です。S&P500がTOPIXならダウは日経平均で、株価を単純平均しているだけの算出方法です。

最新の構成銘柄はダウ・ジョーンズの公式HPをご参照。

ダウ・ジョーンズ工業株30社

開始当初から現在まで残り続けている株はゼネラル・エレクトリック(GE)ただ一社のみ。そしてS&P500最大の銘柄であったアップル(AAPL)が入っていません。

チャート

ダウ工業株30種平均の長期チャート。同じく綺麗な右肩上がりですが、流石に構成銘柄が少ないせいか、動きに違いが見えます(縮尺のせいもありますが)。

dow

上昇トレンドが3~10年続いて、2~4年くらいで急降下するサイクルを描いています。

インデックスファンドについて

S&P500と同じく、最安のSMTダウ・ジョーンズインデックス・オープンでも信託報酬0.5%もかかります。選択肢にはなりません。

ETFについて

Simple-X NYダウ・ジョーンズ・インデックス上場投信(1679)

国内で購入可能なETFで、信託報酬0.15%です。国内だとこの水準は他にないです。ま、出来高が20株なのを除けばね。

SPDRダウ工業株平均ETF(DIA)

SPDR ダウ工業株平均ETF

こちらは海外ETF。信託報酬0.17%、月間出来高は脅威の7,412万株です。バンガードのラインナップにはどうもなさそうなので、SPDRをご紹介しておきます。

S&P500とダウ工業株30種平均の違い

日経平均とTOPIXの違いとほとんど同じ

こちらの記事も合わせてご参照ください。

【ETF】日経平均、TOPIX、JPX400についての比較まとめ【インデックスファンド】
  • S&P500=TOPIX=時価総額にウエイト、ダウより遅れて株価が動く
  • ダウ工業株30種平均=日経平均=株価にウエイト、S&P500よりも先行して株価が動く

と見て考ると大体同じみたいです。

構成銘柄の違い

ダウは30社しかなく、S&P500は500社あります。現時点では、ダウは消費者サービスや資本財系の銘柄が多く、S&P500は情報技術やヘルスケア系の株が多くなっています。

ただ、VTIは同じ信託報酬で銘柄数が3,800もありますので、銘柄数勝負ならS&P500でも勝てません。

チャート

直近10年ではS&P500の勝利です(赤がS&P500、青がダウ工業株30種平均)。

spy

98年からで見ると、ダウ工業株30種平均が勝ちました。

spy-2

VTI(緑色)を足してみたところ、一番スコアが悪くなりました。

vtituika

直近10年で見ると、今度は一番良い結果になります。

vtituika-2

一応、ダウはS&P500よりほんの僅かに優位であるデータもあります。

ただ、どれ選んでもあんま変わらないので、好みで選んでもいいかと思います。

ダウ30種だと少ないかなと思うので、銘柄数の多さ、コストの安さからVTIでいいかなと。

その他の株価指数

さらっと見てみます。ちなみに、大体の指数はどこの市場に上場しているかということを元に決まることが多いので、以下に時価総額ごとのランキングを置いておきます。

joujo

(出典:水戸証券株式会社)

NYSE総合指数(NYSE Composite Index)

S&P500、ダウと並んで有名な株式指数。

2002年12月31日を5,000として、世界最大の取引所であるニューヨーク証券取引所(NYSE)の上場企業を時価総額加重平均で現した指数。REITやADR(米国預託証券)も含むことが特徴です。

NYSEは上場審査が世界一厳しく、米国を含め各国のグローバル企業が数多く上場しています。そのため、影響力も突出していますね。

チャート

10年のチャートはこちら。

nyse10

長期のチャート

nysetyo

これまで出てきた指数より、エリオット波動理論的な波の形が綺麗な気がします。

NASDAQ総合指数(Nasdaq Composite Index)

S&P500、ダウと並んで有名な株式指数その2。

1971年2月5日を100として、NASDAQ上場企業など2,500以上の銘柄を時価総額加重平均で算出したものになります。また、主要100社に絞ったNASDAQ100も有名ですね。

NASDAQは新興市場としては世界一で、IT・ハイテク企業が3分の2を占めることが特色です(日本で言えばJASDAQみたいなものです)。そのため、新興市場の先行指標として捉えられています。

ちなみに、15年の内容ですが、面白い記事がありました。

ナスダック総合指数、重要なのは6銘柄だけ

nasdaq

ナスダック総合指数の時価総額の今年の増加分6640億ドルの半分以上をアマゾン・ドット・コム、グーグル、アップル、フェイスブック、ネットフリックス、ギリアド・サイエンシズの6社が占めた。

チャート

以下のサイト様に日経平均同様、指数開始以来の主要銘柄の追加や経済動向をプロットされたものがありますので、ご確認を。

ナスダック総合指数 長期月足チャート 1970~2015

Yahoo! ファイナンスで見た長期チャート

nastyo

10年のNASDAQチャート

nas10

特徴的なのは、1990後半~2000年代初頭のITバブル期の株価を、2007年のリーマンショック前の株価が超えられなかったということです。今の好相場でも、他の指数に一歩遅れて過去最高値を突破しました。

このことは、NASDAQ指数にIT・ハイテク株が多いことの裏付けでもあります。

CME日経225先物

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場している日経平均の株価指数。

日本人なら日本で日経平均買えばいいじゃんと思うかもしれませんが、CME日経先物の値動きは多くの投資家に注視されており、翌朝の日本市場に大きな影響があります(CMEの終値=日経平均の寄付き株価となりやすいのです)。

米国以外

英国FTSE100

欧州で最も有名な指数。欧州最大の証券取引所はロンドンです。

FTSE100は、1983年末を1,000として、ロンドン証券取引所に上場する時価総額が大きい100社の時価総額加重平均で算出しています。

ドイツDAX指数

ドイツのフランクフルト証券取引所で取引される、ドイツの主要30企業から構成される時価総額加重平均指数。指数はリアルタイムベースです。

ユーロはドイツの一人勝ちとはこういうことですね(赤がドイツDAX指数、青がFTSE100、オレンジがユーロストックス50指数)。

doitsu

香港ハンセン指数(HKHSI)

アジアマーケットをよく見ると結構書かれていることが多いかも。

香港証券取引所に上場している銘柄のうち、流動性の高い銘柄を時価総額加重平均して算出します。香港市場の7割を占めると言われています。

アジアだと他には上海/シンセンCSI300指数なんかもあります。

honkonsi

オレンジが日経平均、青がTOPIX、赤がHKHSIです。このところ調子悪いんですね。15年途中から大きく落ちているのはチャイナショックでしょう。


補足記事を書いています。合わせてどうぞ。

【米国投資】ダウ30種、S&P500における対象銘柄の選定条件とか

当ブログでは他のオススメETFも紹介しています。気になる方は以下の記事からどうぞ。

【結論記事】ETF、インデックスファンド記事まとめ

以下のリンクから直接飛ぶことも可能です。

銘柄名
(リンク先は分析記事)
ティッカー
VTI(米国全株式市場)VTI
VYM/HDV/VIG(米国高配当セクター)VYM/HDV/VIG
VWO/EEM(新興国セクター)VWO/EEM
VDC/XLP(米国生活必需品セクター)VDC/XLP
VHT(米国ヘルスケアセクター)VHT
VBR/VBK(米国小型株)VBR/VBK
VEA/VGK(米国外株式市場:先進国・欧州)VEA/VGK
VT/VEU(全世界株式市場)VT/VEU
VSS/VXUS(米国外株式市場:小型株)VSS/VXUS
日経平均/TOPIX/JPX4001346/1348
S&P500/ダウ工業株30種VOO/DIA
パワーシェアーズQQQQQQ
PFF(米国優先株式)PFF
1570/1357(日経レバレッジ/ダブルインバース)1570/1357
GLD/IAU(金)GLD/IAU
1699/USO(原油)1699/USO
SLV/DBA/DBC/VDE(その他のコモディティ・エネルギー)SLV/DBA/DBC/VDE
REIT(不動産投資信託)-
インデックスファンドまとめ-
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