以前に持ち家と賃貸の比較記事を書きました。自分比で結構きれいにまとまった記事だと思っています。
記事を書くにあたって(というか自分が知りたいため)いろいろリサーチをするわけですが、まあ記事によって結論バラバラでした。だから論争になるんですよね。
目次(クリックで飛びます)
「持ち家が有利」な場合の裏側
前の記事でも触れましたが、持ち家と賃貸とで比較の土台がそろっていません。
持ち家はローンを組むという与信枠を使って融資を受けるという資金調達をしているのに、賃貸はその枠を使わない前提です。
しかも、多くのケースでは30年トータルみたいな期間での計算になります。
30年トータルということは、持ち家を手に入れて30年コツコツローン返済していけた(なにも問題が起きなかった)という「うまくいった」シナリオになります。
何かの理由で働けなくなりローン返済に困るとか、家が売れなくなるとか、購入者が気にしている様々なリスクが顕在化しなかったシナリオです。
リスクをとって多くの資金を運用し、かつそのリスクが顕在化しなかった場合、そりゃあ有利な結果が出るでしょうという話ですね。
「賃貸が有利」な場合の裏側
賃貸が有利とするものの多くは、数字ではなく持ち家のリスクに重点を置いて、住み替えによって勤務地や家族構成等の変化に対応できる点をメリットとしつつ、先行き不透明なリスクや住宅ローンの重みをデメリットとして説明するケースが多い感じでした。
あるいは持ち家の資産価値を含めない(売れることを前提としない)とか、同じ物件レベルで計算してないタイプですね。
指摘事項は合っているのですが、家の購入は人生を左右するのでなるべくフェアに比較したいですよね。
逆に与信枠使って運用すればいいんですよ、という記事は2件くらいだったと思います。言われてみて確かにそうだなと思いました。
金融リテラシーの難しいところ
あえて擁護するなら、スポンサーが金融機関ならローン組んでもらえるように持ち家優位な記事にしますよね。
どんな記事にも書いた人の目的があります。アフィリエイト収入が目的ならなるべく紹介料が高いものを推奨するでしょう。
世の中善意だけでは回らないなあと思うところです。
……なんてどうでもいい話はさておき、金融の世界では根拠のない説明がまかり通っていたりします。
- 株式と債券を半々でポートフォリオ組んだ方がいいですよ
- ドルコスト平均法で最適かつ安全に運用できますよ
まあ金融はとっつきにくさから自分のモノサシで考えにくいところがありますからね。
でも実際には過去に正しかった理屈が通じなくなることもあるし、上のようにある目的を持って意図的に発信したことがいつの間にか常識になってしまったものもあります。
そういうところまで不勉強のままアドバイスとして二次拡散する金融機関の窓口担当やファイナンシャルプランナーもいます。
金融リテラシーは取捨選択が難しいなと改めて感じました。
考えてみたら医者だって専門外の患者には間違った診断したり、自分の領域でもちゃんと勉強してアップデートしてないと古い知識で判断したりしますね。
専門家の肩書きを信じすぎず、セカンドオピニオンを確認するのも重要なことです。