こんな動画を作りました。
動画を作るにあたって久しぶりに株式投資の未来(通称:赤本)を読み返したのですが、やっぱりわかりやすくていい本だと思いました。
ハードカバーの分厚い本なんですが、データを駆使した小気味よい論理展開のおかげでしょうか、2~3時間で最後まで読み切れます。
と同時に、読み返すと若干記憶が薄れていたのか、
(こんなこと書いてあったっけ……)
みたいなのも感じたので、勘違いされがちなポイントを書き留めておきます。
永続して繁栄する企業の株を持ち続ける
本書ではあくまで、永続する企業の株を持ち続け、かつ配当は再投資することが最も大きな利益を生むとしています。
単なる高配当株を保有するとか、高利回り株を狙えと言っているわけではありません。
当たり前なんですが、ここが一番重要だと感じますね。
過小評価されている優良企業を買うという、言ってしまえばごく当たり前の投資法なのです。そして特にこの3セクター(所謂オールドエコノミー)が過小評価されやすいということですね。
- 生活必需品
- ヘルスケア
- エネルギー
配当は再投資する
配当金を使い込むのではなく、きちんと再投資しないとNGです。再投資してはじめて、本書で想定していた高リターンを享受することが出来ます。
ここも曲解されている気がして動画でも詳しめに説明したのですが、配当金というのは利益の使いみちの一つです。
- 配当
- 自社株買い
- 内部留保(事業投資)
配当は課税される代わりに最も確実な還元手段です。
しかし、配当支払いをしたぶんだけ企業価値は下がりますし、複利の恩恵も受けられなくなります。S&P500にも当然劣後します。
意外と国際分散投資派
本書後半のポートフォリオ論を見る限り、普通に国際分散投資してますね。
まあ高配当株は一種のスマートベータ的な投資法として運用して、メインはインデックスファンドを使った国際分散投資が良いのではと思います。
ちなみに、後半はさほどデータもなくほぼ人口動態だけで新興市場を推奨しているような感じで、正直参考程度です。
その結果、前半部分の主張が強調されて世に広まっているのでしょう。
私動画でうっかり「高配当優位は世界中で同じ傾向」と説明しているのですが、米国以外のデータは別の研究者の調査でも同様だったの一文しかありませんでした。
債券に対する株式の優位性は世界各国共通のデータがあるんですけどね。
日本からの投資&Drip制度の壁
高配当株の再投資のハードルは、手動で配当金を突っ込んでいかないといけない点ですね。
米国ではDripという配当金を自動で再投資する制度があるので、運用の手間がかなり軽減されているのですが……日本ではサクソバンク証券のみ可能のようです(2020年1月21日現在)。
長期運用になるほど手間のかからなさは重要なポイントになります。
現状は分配金を自動で再投資してくれるインデックスファンドに軍配があがるでしょう。
フィリップ・モリスは成長株だった話
動画は本の解説メインにしたのであまり触れなかったのですが、フィリップ・モリス自体が成長株であることは忘れちゃいけないなあと思ったりします。
米国のたばこ市場は1963年でピークアウトしていったのですが、
この頃のフィリップ・モリスはたばこ市場の3~4番手です。
マルボロの急成長は1970年なので、タバコ市場の過小評価+フィリップ・モリスの期待以上の成長の両面あったと言ったほうがより正確でしょう。
ということで、もしまだ読んでいない人がいたらぜひ。動画のほうも見てみてください。
関連記事です。
赤本についてのまとめ記事。銘柄リンクあり。
シーゲル銘柄であるフィリップ・モリスの解説記事。あんまり動きがない市場ではありますが、電子たばこに関して追記しました。
フィリップ・モリスに関して補足したものです。
ではでは。