メインは前回だったので、今回はさくっと見て終わります。要するに有望市場だよと言いたいだけです。
目次(クリックで飛びます)
ロードマップ
ロードマップを見てみましょう。NRIが2020年までのITロードマップとして、鍵を握るAIを中心に示したものです。
やっぱりディープラーニングの進展次第な感じですね。2020年までにある程度プラットフォームも統一され、ディープラーニングの適用も画像、音声、自然言語それぞれ揃って来る見込みになっています。
ディープラーニングを細かく見たロードマップはこちらが分かりやすいです。
ディープラーニングの登場により人間の手を介さないで飛躍的に認識精度が向上したAIは、今後判断処理・運動へとフェーズを移していくことになります。そして同時並行して進む自然言語解析をデータとして蓄積していくことで、知識獲得の壁を解決してしまうのです。
まあ、段々と複雑なことが出来るようになって、自動化が進んでいくということですね。このHPで紹介されている松尾氏の解説の通り、IT企業よりもむしろ製造業や非IT企業の領域にIT自動化による改善余地が多く、今後ビジネスが広がっていくものと思われます。
あるいは、矢野経済研究所から業界ごとのインパクトを分類した表もありました。中身は前回見たような未来図と同じ感じですが、近未来の医療関連と自動運転は社会変革の要素が大きいですね。
前者は医者不足に高齢化、医療費の高騰などの課題の多くを解決出来ますし、後者は移動手段の革命であり、国土の広い米国では特に需要が大きいです。
最後に、政府の取り組み方針についても見ておきましょう。政府は2020年までを「集中取組期間」として、下記の重点項目に取り組むとしています。
AI市場規模、ディープラーニング市場規模
AIの市場規模は2030年に86兆円!
はい、どん。
以下のレポートがとても詳しくて分かりやすいので、具体的な中身まで見たい方はどうぞ(各業界ごとの推定が載っていて、見るべき点が多いです)。
現在既に3兆円もあることにまず驚きですね。ポイントだけまとめましょう。
- 全体としては、EC商取引市場からスタートし、IoTとの連携で実社会へと進出する
- 運輸:AI産業では一番の巨大市場となる見込み(自動運転の需要とインパクトから)。また、カーシェアリングとの連携で、公共機関(バス、電車)と同程度まで利用料が下げられる可能性も
- 小売:BtoCのEC化率は4.3%に留まっており、成長余地を残す
- 製造:インダストリー4.0等も含め、製造業の情報化、知能化が推進。ロボットの登場で効率性が飛躍的向上…………etc
ちなみに、GoogleのAI案件数はこんな感じで増えていってます。
AIについて自社の事業にとって戦略的に「大変重要」と答えた割合は40%を超えており、高い関心が伺えます。
機械学習・ディープラーニングの市場規模
機械学習・ディープラーニングのみでも数十兆円規模のビジネスになりそうです。
米国IDC社は、2015年のビッグデータ解析市場を1250億米ドル(≒15兆円)と見込んでいる。*2)
astavisionでは、2015年時点での機械学習・深層学習関連のグローバル市場規模を、300億米ドル(≒3.6兆円)と予想している。そこで、年間平均成長率(CAGR)を30%と仮定し、2025年段階での機械学習・深層学習関連のグローバル市場規模は、年間4136億米ドル(≒49.63兆円)と推計している。
出典:http://astavision.com/contents/news/705
直接のディープラーニング市場規模ではないかもしれませんが、ビッグデータ解析としての市場を考えるともっと大きい気がします。
人間の仕事が人工知能に奪われる?
産業革命の後、多くの熟練労働者が蒸気機関に職を奪われました。その代わりに新しい仕事が生まれ、人々は農業から工業へ、田舎から都市部へと移住を進めました。
この種の労働変革は過去にも何度かあり、その都度適応してきた歴史があります。では今回も人工知能が生み出す新しい仕事に適応出来るのでしょうか。
仕事の選択については別枠でも改めて調べたいなと思っていますが、AIの話題が出たので一応まとめておきます。
10年後20年後になくなりそうな仕事
残念ながらいくつかの仕事はなくなると思っておいたほうがよいでしょう。以下は、結構色々なところで引用されて目にする、オックスフォード大学の研究結果を元にまとめられた図です。
彼らは、「今後10~20年で47%の仕事が機械に取って代わられる高いリスクがある」と述べており、若者は自動化されない分野の仕事を模索すべきと提言しています。
これを見ると傾向としては、以下のようになっています。
- 事務系の仕事、単純労働はAIに取って変わられる(機械はミスしないし疲れない。ちなみに既に事務系の仕事は多くが機械化され、労働者純減市場に)
- 頭脳労働やクリエイティブ労働は簡単には機械化出来ず、当面は生き残る
- 肉体労働もしばらくは大丈夫、ただ自動運転で運転手は危ない(あとはロボットが出てきた時にどうなるでしょう?)
会社選択、起業副業のキャリアプランを考える上でも、絶対に外せないところです。
やっぱりクリエイティブな仕事
前の記事で人工知能が小説書いたり絵を描いたりしてるって紹介しましたけどね。
完全な実用化はまだ先ですし、技術が必要な細かい部分は最後まで人の仕事として残りそうなんですよね。
人対人のやり取りが必要になる仕事
機械ではなく人が必要という分野で、個人的には日本的ガラパゴス営業は生き残るんじゃないかと思っていたりw
※接客はちょっと違いますよ。BtoBの話です。BtoCだったらハウステンボスの変なホテルとかが代表例じゃないでしょうか。
日本の営業って非効率の極みなんですが、購入側も値段やサービス内容の合理性だけで買わないものなので、地味にグローバル化されても生き残る仕事とされていたりするんですよね(他にグローバル化に耐え得る仕事としては、「日本語を使う仕事」というものがあります。だから出版ビジネスやりたいんですよね~)
人対人のやり取りが必要になる仕事は機械が代替出来ず、当面はなくならないでしょう。
人工知能に目的を与えるのは人間、最終判断をするのも人間
とりあえず、機械は常識や倫理観を持ちません。だから上に立って全体戦略をデザインする人間は必ず必要になるでしょう。また、機械が出した答えの通りに実行すべきかの最終判断をするのも人間でしょう。
でもそのうち機械が経営者になる日が来るのかしら。
2045年以降の世界……
シンギュラリティの到来後、下手をすると仕事をしている人は1割未満となっている可能性すらあるとされているようです。
でもそこまで行ったら社会自体変わってるでしょ。持続的成長がないなら資本主義社会も終わりだし、社会主義的地域主義的ベーシックインカムとか、働かなくても暮らせる制度(所得再分配というよりも、共有資産の分配というか)が完成してると思います。
経済成長しないのに経済が回るというと腐る貨幣を思い浮かべますね。あるいはシェアリングエコノミー的な信用貨幣の導入があるかもしれません。
そこはきっと人は人生を楽しむことだけを考えて生きるのでしょう。明日の仕事に頭を悩ませる時代が終わる日も近いことを期待し、この記事を終えることにしますw
他のIT系テーマについて以下でまとめております。よろしければ合わせてお読みいただけるとうれしいです。