【バイオ株の狙い方】サンバイオ(4592)の記事上がってるから補足しときます

テーマ株

なんかサンバイオがヤバイらしいですね。治験失敗したとか、とにかくずっと寄り付かないくらい下がりました。

(出典:Yahoo!ファイナンス)

アキュセラ・インクを思い出しますが、バイオ株ってこんなもんです。

で、私も2年前くらいに買ってて、いまさら記事がランキングに上がってきたので一応補足しときます。つい最近反発狙いで買ったって記事ではないですよ。

サンバイオ(4592)@100株購入しました。

日本の個別株記事書く人って少ないんですかね。当時は結構有望(テーマ株的に)なバイオ株でした。

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バイオ株で儲けるために必要な前提知識

勢いに乗せられて参入して退場するのも良くないので、はっきりさせようと思います。

出口戦略を考えろ

まず、みなさんがどんな夢を見てバイオ株を買っているかです。言い換えれば、何について賭けているのかということ。

この図を見てください。これは株価がフェーズごとにどんな動きをするかプロットしたものです。

事業ライフサイクルとハイプ・サイクルから、投資戦略について考える

少なくとも日本のバイオ株は、①である程度上がったら売るというのが正しいやり方だと思ってます。

利益を出して株価が上がってから売る」のではありません。ここが大事。

テーマに火がついたら売る

私の場合、再生医療のテーマ株を仕込んでおきたいという思惑でサンバイオにたどり着いています。

なにせiPS細胞(再生医療)がメジャーな治療法になるかは未知数でも、日本の数少ない先進分野ですから国策として推進する見込みがありました。

(出典:政府研究開発投資の充実の必要について – 内閣府)

特に山中伸弥教授がノーベル賞を取ってから国のバックアップが本格的になったため、ここ数年でいくつか化けるバイオベンチャーが出るだろうと。

で、再生医療の中でも(当時は)有望そうで、タカラバイオなどと比べて株価が上がってなかったので買ったわけです。記事にしているとおりですね。

テーマ株は個々の業績が今ひとつでも、業界(テーマ)全体でプラスの動きがあると恩恵を受けられる点が優れています。

ま、仕込んだくせに暴騰直前に売っちゃったんで、偉そうなこと言えないんですけどね。

売った理由ですか?

このころは市場全体がなんかきな臭かったので、高配当とか長期保有株以外をほとんど畳んでいました。

それに近年はテーマ株が不発だったし、サンバイオも直近高値だったし、買値から3倍近くになっていたので……^^;

まあ今回は結果オーライですが、本来であれば購入時のシナリオが崩れないうちは持っておくべきでした。100株程度ですしね。

ブロックバスターになることを期待するのは……

多くの人が期待するのは、新薬が世に出て売れまくる=ブロックバスターになることです。

つまりギリアド・サイエンシズ(GILD)のような成功物語ですね。ギリアドはC型肝炎(HCV)の特効薬ハーボニーの開発で、わずか数年のうちに1兆円企業になった米国のメガバイオベンチャーです。

たぶん日本一詳しい(本当か?)ギリアドの銘柄分析記事はこちら↓

【米国株】ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences:GILD)の銘柄分析

ギリアドのハーボニーはまさに特効薬でして、なんとC型肝炎が9割完治すると言われています。

そのせいで将来の患者が減ってギリアドの収益も激減しているわけですから、特効薬とビジネスはアンマッチなのです。

ブロックバスターなんて出てこない

そうした特殊な例を除き、製薬事業の現実はとても厳しいものです。

臨床試験を突破したものも含め、市場で販売される医薬品はパイプラインの1%程度しかありません。その他99%は売れもしない医薬品になります。

しかも薬価改定で年を追うごとに価値が下がって、そのうちジェネリックに吸い取られてしまうのです。莫大な資金を投じて医薬品を開発しても、儲けられる期間は限られているのです。

大手製薬は何十本ものパイプラインを持っていますが、本当にお金になるのはそのうち1、2だけ。

そんな状態なので、各社は研究開発をするよりバイオベンチャーを買収することで成長を維持しているのです。ファイザーとかね。

(出典:ベイン・アンド・カンパニー)

【米国株】ファイザー(Pfizer:PFE)の銘柄分析【高配当】

でも株主にとって臨床試験突破なんて前提条件みたいに思ってるところあるじゃないですか。

要は臨床試験って下落リスクなんですよ。

だから臨床試験が上手く行かないなら損切りしないといけないのです。

強いバイオ株、弱いバイオ株

日本にバイオベンチャーが出てきてそろそろ20年近くになり、もう期待先行ではなく実益フェーズで評価すべきとの声もあります。

この指摘には賛成です。

が、当時そうした株はオプジーボの小野薬品工業くらいしか見当たりませんでした(それも今はメルクのキートルーダ優位なんでしたっけ……)。

再生医療でも狙っている市場は各社様々です。ガンの治療と肌の若返りとでは市場規模も競合も全く違ってきますよね。

先ほど99%は売れない医薬品と書きましたが、治験突破しても売れないのは以下2つの要因が考えられます。

  1. 競合要因:他の医薬品のほうが安い、効果があるなど
  2. 市場要因:そもそもターゲット市場が狭い(例えば難病治療薬は医学的な価値は大きいがビジネスとしては旨味がない)、保険の有無など

特にガン治療は競争が厳しいので、日本発のバイオ株が世界を席巻出来るかというと、中々厳しいのではと思ってしまいます。

残念ながら、米国のバイオベンチャーとは比較にならないのです。繰り返しますが、これは技術者の問題ではなく、ビジネスの問題です。

(出典:バイオベンチャー振興の取り組みと 今後の課題について – 経済産業省)

となると実益フェーズに入るまで中々遠いし、長く持つほど期待値的に不利なので、個々の株の価値に投じるのではなく、テーマ株としての価値に投じたほうがいいという判断になります。

短期売買はリスク・リターンが釣り合わないと思うよ

こうしたボラティリティの高い銘柄に、短期の反発狙いで買いに入る人もいますが、あれは慣れていても危険すぎます。リスク・リターンが釣り合ってないと思いますね。

値動きが読める日(タイミング)がある、これは私も感覚的に分かるときがあります。そこだけ売買出来ればプラスです。

しかし、そのうち一回でも外したら大きな損失を計上することになります。反発はちょっとだけ、落ちるときはズドンなので、リスクリワードが1:5くらいになるのです。

上手く損切りが出来ないとコツコツドカンになって、勝率は50%超えてるのにお金が減っていくということになりかねません。

取り返しに相場に行かないこと

投資は統計学です。特に短期売買になるほど期待値と大数の法則に基づいて、機械的なトレードをすべきです。

短期売買は投機なのか? 投機が投資になる瞬間

100万円を50%減にすると50万円ですが、50万円を50%増にしても75万円にしかなりません。

一回で大負けすると、同じサイズでベッド出来なくなります。

確率的にありえない連敗まで想定してポジションサイジングを調整し、毎回同じぶんだけ賭けることが肝要です。これを資金管理と言います。

毎回同額を投じた場合、もし期待値が正の取引方法なら大数の法則に従って、やがてプラスになるはずです。

「取り返さないといけない」というのはこの対極にある思考ですから、いくらやってもギャンブルの域を抜け出せません。

そういう人にはインデックスファンドの買い付けをおすすめします。

時間ないけど株式投資をはじめたい初心者の方を、全力で後押しする記事です。

関連記事です。

バイオ株リスト。でもちょっと流石に古いかな……。

知ってもらいたいのは、あなたの大切な資金を投資をするなら最低限このくらいは調べないとダメだよってことです(もちろんこれに加えてHPやIRのチェックもしましょう)。

【日本株】バイオベンチャー(創薬)関連銘柄【小型成長株36社コメントつき】

 

米国製薬企業もいくつか分析記事を出しています。

以下のアッヴィは主力医薬品ヒュミラが16年に特許切れになり、苦しい状況です。大手製薬会社でもこうした事態はザラにあります。

ヘルスケア市場全体は成長市場でも、個々の投資は思った以上にハイリスクということですね。

【連続増配】アボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories:ABT)の銘柄分析【米国株】

 

ETFでヘルスケア市場全体に投資をするという手もあります。VHTは最有力のセクターETFです。

【VHT】ヘルスケア関連銘柄【製薬・バイオテクノロジー】

ではでは。

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