最近はなにかと増税の話題を目にしますね。
コロナショックからの景気回復に水を差すこのタイミングで増税はどうなんだろうというか、いつ何時でも増税はやめてほしいと思うところですが、残念ながら今後も増税路線は続くことでしょう。
この傾向を踏まえてのFIRE準備を考えてみたいと思います。
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NISA恒久化はアメとムチのアメ
前回の記事でNISA恒久化についてまとめましたが、こうしたアメが与えられたことで一層可能性は高まりました。
「1800万円非課税で運用していれば老後資金は足りるよね? じゃあ残りは今までよりもっと課税します!」
みたいな。
先だって配当周りの税制が改悪されることも決まっています。今まで税金を安く抑えられていた申告方法が使えなくなるということで。
こうした制度の抜け道的なものを利用した節税策は潰されていくことになると思います。
FIRE後の想定
FIREしたら収入が減るので、基本ワーストケースで考えていきます。
数十年後の配当金手取りは何パーセントになる?
私はあまり日本の高配当株を持ってないので米国株ベースで考えようと思います。日本株で資産総額大きくて安定した高配当ETFがあれば買うんですけどね…。
米国株の配当は原則米国で10%、日本で20.315%課税がされていて、実際の手取り金額は元の配当額の71.7%程度になります。
例えばVYMは年平均利回り3.01%と計算したので、手取りとなる利回りは2.158%です。1億円投資したとして配当収入は215万円、思ったより少ないと感じますね。
さらに配当金は過去データ上、最大から最小で30%近く減る可能性があります。安全マージンを取るなら、ここからさらに30%減らしても生活できるか?というのも確認したいところ。
そうすると、1億円運用しても最悪151万円(利回り1.51%)のインカムになるということです。
他にも為替影響とか考えだすともっと悪いケースも出るかもしれません。
外国税額控除
日本株は配当控除、米国株は外国税額控除で節税をするわけですが、その手前でどの申告手段を選ぶか考えるのは日米共通です。
- 配当金を確定申告するorしない
- する場合は総合課税or申告分離課税
確定申告する場合は外国税額控除が使えて、申告しない場合は使えません。
また税制改悪で有利不利が変わってくると思うので細かい計算はしませんが(誰かやってくれる)、FIRE後の生活で大きな収入がないなら総合課税で申告した方が変わらず有利になるとは思います。
…でも今後は住民税も総合課税で5%→10%だから、米国株には配当控除もないし申告分離課税とあまり変わらなくなる?
社会保険料を抑えるにはマイクロ法人を立てるのがベスト。
上の例だと米国の課税10%に相当する金額を30万として、以下計算式のように一定割合までを取り戻すことが出来ます。
外国税額控除額=所得税額×(国外所得金額/所得総額)
配当収入のみとすると、配当収入300万の所得税額が20万×国外所得金額/所得総額は1なので、20万円までが控除額です(所得が多いほど取り戻せる金額が大きい)
これで2/3は戻ってくる計算になるので、手取りは元の配当額の74.26%くらいになります。1億円で222.8万円(普通)~155.9万円(3割減ミニマム)ということですね。
今は給料もあってこの計算式にならないので、間違ってたらすみません。正しい場合分けは誰かやってくれるはず。
ここに制度改悪された場合
で、もとの話に戻ってさらに制度が悪化したり税金上がったりするとして5~10%くらいが限度だと思っています。
つまり結局元の想定レベルで1億円運用しても最悪151万円(利回り1.51%)というラインになるのではないかと。
増税の対策はどうするか?
NISA、iDeCo等の活用
まずは非課税枠を持っている国の制度をフル活用することですね。
分配金なしのインデックスファンド
分配金なしのインデックスファンドを買って、必要額を都度現金化する運用でFIREする。
最後に課税されますがそれまで繰り延べが出来るので、税金が大きくなると無視できなくなる可能性はあります。
グロース株に投資する
選択肢ではあるけどFIRE後にはやりたくない。
マイクロ法人による節税策
またいずれまとめたい。
ということで、悪いほうで見積もっておきましょうという話でした。
関連記事
記事途中でもリンクしましたが、配当金の減少幅について整理したものです。
配当金が最大30%落ちると聞くと多いように感じますが、同じ時期に株価は50%以上落ちているのでマイルドなほうです。
配当ETFは直近利回りではなく年平均利回りで計算しましょう。参考数字として使えると思います。
前回記事のNISA恒久化のまとめ。
ではでは。