米国株の個別株へ投資する人もそこそこ増えてきたように思います。
しかし、日本株と異なり英語のIRが大きな壁。
Google翻訳も優秀になってきているとはいえ、ポイントは押さえておきたいですね。
この記事では普段IRのどういった部分に着目しているのかを改めて書いてみます。IRを実際に確認するわけではないのでご了承ください。
目次(クリックで飛びます)
米国株のIR資料の種類
マクドナルドでやってみましょうか。今日食べたから。基本的に資料はInvestor Relations(IR)というページにあります。
日本マクドナルドが出てくるという人は、検索のコツとして全部英語で書いてみてください。「macdonald ir」で英語版がちゃんと出てくるはずです。
よく使うのは以下のような項目。
個人的に直近四半期より年度のほう重視するので、アニュアルレポート優先です。
- From 10-K/Annual Report:年次報告書(アニュアルレポート)は、日本の有価証券報告書にあたります。戦略方針、年度末の決算情報、コメントなど確認できるので最重要。
- Form 10-Q:四半期報告書になります。QはQuarter(四半期)。直近決算発表や、前年同期比の比較に使います。
- Form 8-K:企業買収、行政処分、取締役の退任などのイベントがあった際に体外報告するもの。まあ見ないか。
- Presentation:プレゼン資料。言いたいことまとまってて、かつビジュアルで分かりやすいので四半期決算より優先して拾いにいきます。
proxy statementは別に見なくていいです。
資料のありか
だいたいFinancial Informationの直下から飛べるようになっていると思います。キャプチャ適当です。
どの会社も「SEC filing」という項目の中に四半期/年度決算情報が入っています。
由来は米国の証券取引委員会(SEC)に提出する資料という意味。日本もそうですね。プレゼン資料は提出対象ではないのでここにはありません。
プレゼン資料は「Events & Presentations」にあります。だいたいEventか、Shareholders’ Meetingなどに置かれています。
また、株主総会のWeb配信(WebCast)ログも残っています。リスニングに自信があれば利用。
でもすいません、マクドナルドはプレゼン資料ありませんでした……。
報告書と違って各社フォーマットが自由なので、見やすい会社見にくい会社あります。スタバとかはすごいデザイン凝ってますかね。
その他のページ
実際一発目に見るのはAboutとかOur xx(製品、サービス名)みたいな事業内容を紹介しているページ。
IRの前にまずこの会社が何やっているのか把握するのに便利です。
また、Stock Informationは株価情報のページということですが、チャートはYahoo!Financeのほうが見やすいので使いません。
10-K(10-Q)の中身と見るべき部分
さて、四半期、年度決算のフォーマットは同じなので、見やすくなっていると思います。
Ctrl+Fで必要な部分だけ検索かけて、さっと把握しにいきます。
Item 1. Business
ビジネス概況的な内容です。Google翻訳をかけて読み解きます。Part1は他要らんと思う。
Item 6. Selected Financial Data
損益計算書ベースでサマリが載っています。とりあえず、Revenues(売上)とOperating incomes(営業利益)の推移が見れればよい。
あとは会社によって負債(Debt)とか配当(Dividend)とか気になるところを見る。
売上の内訳は各社事業セグメントごとに異なります。マクドナルドの場合は直営店売上とフランチャイズ収益に分かれているという形です。
Item 7. ~Results of Operations
メインパート。損益計算書やバランスシートなど全部順番に出てきます。
各セグメントごとのより詳しい内訳やコメントも載っています。ざっと翻訳かけて把握していくようにしています。
売上データだと私は以下の2点が知りたいですかね。
- セグメントごとの推移:セグメント名称で検索かける
- 国ごとの売上データ:Segment and Geographic Informationで記載。U.S.とかAsiaとか検索かければ出てくる
PART3以降はたいした情報ないのでスルーです。
ビジネス概況を把握することから
ある会社について調べるときに、是非当ブログ方式で試してみてください。頭の整理がしやすいはずです。
- マクドナルド(MCD)の事業内容:自社(セグメントごと)、競合、市場の3Cで分析
- リスク要素:会社の経営を揺るがすような問題(将来起こりうる問題含む)を検討、ここが一番大事
- 財務データの定量分析:P/F,B/S,C/Fで売上や利益の推移、大きな変動がないかを確認
- チャート分析:株価の現状を確認
いつもこんな感じで個別株を分析して、良いシナリオが描けそうなら目標購入価格を決めてウォッチリストに入れています。
みなさんも個別株是非やってみてください~。
関連記事です。
とりあえずマクドナルドの分析記事。
フランチャイズの利益率は80%で、普通のファーストフードにはありえない水準。一線を画している優秀なビジネスモデルです。
他に見たい記事あればどうぞ。オールドエコノミー多めなので、ちょっと前の分析でもそのまま通じます。
ブログで個別株記事を書くときには、IRのプレゼン資料で完結する企業はかなり株主フレンドリーだなと思いますね……。
日本株でも分析のポイントは同じです。
本業がなんちゃってコンサルなので毎日1社のペースで企業分析しており、この手の分析記事は慣れたものです。
ではでは。