【ETF】コモディティ(金)への投資【現物?】

投資信託、ETF

不況時の資金の逃げ先筆頭の金や、このところは低迷している原油といった商品(コモディティ)も、立派な投資対象になります。

投資だとETFメインになりますが、金だったら現物も買うことだって可能。金庫に入れておくといいかもしれません。

最近はコモディティ全面安なんて話もありますが、投資対象として検討をしてみましょう。

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コモディティ分類

まずはコモディティって何? ってところからですよね。

コモディティは以下の3つに分類される商品のことですが、投資対象となりそうなのは主に金、原油、複数のコモディティ(指数)となります。

エネルギー類

原油、天然ガス、ガソリンなど。代表は原油で、この利権を巡って戦争が起こるほど世界中の政治経済に多大な影響をもたらします。

原油記事はこちらからどうぞ。

【ETF】コモディティ(原油)への投資【日本株、米国株】

金属類

貴金属としての金、銀、プラチナ等と、産業金属としての銅、アルミニウム、ニッケル、亜鉛。特に重要なのはもちろん金。プラチナも希少性では金に並びますが、歴史が浅いです。

この記事で金について詳しく見ていきましょう。

食糧(農作物)類

トウモロコシ、小麦、大豆といった穀物、牛や豚といった家畜、コーヒー、砂糖、綿花といったソフトに分けられます。天候の影響を大きく受けます。

投資対象としての金の特徴

なぜ金に価値があるのかと言えば、その眩い輝きに決まっています。古くからどの国にあっても、金は美しい装飾品として魅了してきました。

希少性:世界中で古くから価値があると認められる

価格決定のメカニズム(需要と供給)を考えましょう。

経済学の基本ですが、世の中に少ないものほど価値が上がります。紀元前から6000年で人類が産出した金はわずかに17万トン、世界に残されていると言われる金はあと7万トン。そして金は人の手では作り出せません。

対して、金に対する需要はどうでしょうか。人間の価値観は簡単には変わりません。金の輝きを美しいと人々が思う限り、金の需要は消えないでしょう。

今後の見通し:産出量は減り、希少価値は一層高まる

上記の通り、今後は産出量が確実に減り、金の希少価値は一層高まると考えて間違いないようです。海にはもっと埋蔵されているようですが、採算がとれない模様。

金の産出量は2015年に頭打ち(15年でも年間3,000トン)

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(出典:Let’s GOLD)

意外過ぎるのが中国の躍進。あれ、南アフリカが世界最大じゃなかったのか……。私がFX始めた頃は南アフリカのオススメ理由に必ず書いてあったんですが。

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(出典:Let’s GOLD)

換金性:世界共通通貨

かつての金本位制が象徴するように、現在では世界中で換金可能な世界共通通貨としての側面が強くなっています。

無国籍の通貨として各国の中央銀行が保有高を増やし(特に2009年以降)、世界経済に多大な影響を与えています。

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(出典:Let’s GOLD)

現物:腐敗しない金は価値がゼロにならない

メリット

株や債券の場合は企業のような発行体が存在するため、信用リスクがあります。どうしたって外部環境に左右され、場合によっては倒産して価値がゼロになることもあり得ます。

ところが金は実物資産であり、貴金属故に腐敗することもありません。つまり、価値が永続するのです。政治経済に左右されにくいという、株にはない価値があります。

あと、持っているだけでは税金がかかりません(不動産と違うポイント)。

デメリット

金は現物のため、それ自体で利益を生むわけではありません(株のように配当が出たりはしませんし、付加価値が大きくなることもありません)。

値動きの特徴

上で見た通り、今の金は、「貨幣」と「商品」という二つの側面を持っています。この特有の事情から来る特有の動きと金自体の安定性こそが、金が投資対象足りうる理由です。

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(出典:楽天証券)

小さく表示されて見にくい方はこちらでどうぞ。楽天証券はこういったデータを豊富に提供してくれるので、大変助かります。

変動幅は狭い

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(出典:NIKKEI STYLE)

リーマンショック時は異常な動きをしましたが、長期で見ると乱高下しにくく、安定しています。

有事の際に上昇する

金融危機、テロ等の有事の際、必ず金に人気が集中します。これはもちろん金の価値がゼロにならない、安全資産としての側面が評価されてのことです。

顕著なのがリーマンショック後の値動きで、他の資産が軒並み爆下げする中で、金は資産退避先として凄まじい勢いで上昇しました。相関性の少ない資産の組み合わせはポートフォリオ上大変重要で、リスクヘッジとして金をポートフォリオに組み込む根拠になっています。

インフレに強い

金は貨幣としての側面を持っていますが、現物資産のためインフレで価値が増大します(インフレは貨幣価値が下がり、物価が上がる)。もちろんデフレでは逆に価値が下がってしまいます。

これは金が貨幣としての側面と、商品(コモディティ)としての側面を両方併せ持つ証左でもあります。

株安で上昇(株価と反比例する)

上と同じ理屈で、世界景気が低迷して信用不安が広がると、人々はリスクヘッジとして金へ資金を流しはじめます。

低金利で上昇する

金そのものは何も付加価値を生み出さないため、金利が上がると金の人気は下がっていきます。ただし金利が下がって金(金利ゼロと同じ)のリスクヘッジとしてのメリットが株式を上回ると資金が戻ってきます。

ドル高で下落:金はドル建て

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(出典:NIKKEI STYLE)

金はドル建てで取引されるため、ドルとは逆相関します。

上の金利との関係を付け加えると、金利が上がればドル高になり、金の人気が下がるということですね。詳しくは以下の記事を読んでみてください。

投資で稼ぐために景気、金利、物価、為替と株価の関係をまとめてみた。

円安で上昇

上の理屈と同じです。金は円ではなくドル建てで取引されるため、常に為替の影響を受けます。輸入するものですので、円安なら国内の金価格は上昇しますよね。

金の投資方法

先物はやっていないので除外しています。

ETF

戦略としては簡単です。

金は金利を生まず(むしろ信託報酬で削られていく)、キャピタルゲインでしか稼ぐことができません。長期でも値動きがあまりなく安定していますが、長期で持っても利益は生まない、リスクヘッジ向けの商品です。

つまり、理想としては好景気の終盤、陰りが見えてきた(金の価格が最底辺)段階でリスクヘッジ見込みで買い始め、不景気の終わり頃に売るというもの。ま、現実的には金の価格がだいぶ落ちてきたとチャートで見えてきた頃に適当に買い始め、不景気が込んで来てだいぶ金の価格も上がった頃に売りましょう。

インバースのように売買タイミングの違う投資は他にもありますが、金はそれ自体でポートフォリオの安定化にも貢献します。

【GLD】SPDR ゴールド・シェア

出来高は月間22,290株と圧倒的なものの、信託報酬は0.4%。後述のIAUの方が信託報酬が安く(0.25%)値動きにも差がないため、IAUで良さそうです。

【IAU】iシェアーズ ゴールド・トラスト

詳細は以下のページからご確認ください。

iシェアーズ ゴールド・トラスト
iシェアーズ ゴールド・トラスト(以下、「当トラスト」)は、金地金価格の変動に概ね連動することを目標としています。当トラストは、通常のETFではありません。当トラストは1940年投資会社法に 基づき登録された投資会社ではなく、また商品取引所法の目的上の商品プールではありません。当トラストはミューチュアル・ファンドと同じ

iau

  • ティッカー:IAU
  • ベンチマーク: 金地金価格
  • 基準価格:11.72ドル
  • 信託報酬:年率0.25%
  • 設定日: 2005/01/21
  • ETF純資産総額: 8,021百万(米ドル)
  • 月間出来高: 14,728万株
  • 分配:なし

純金上場信託(金の果実:1540)

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日本のETFは例によって出来高が少なすぎて選びにくいのですが、この純金上場信託は現物資産と交換出来るという他のETFにない特徴を持っています。

交換出来るのは1,000グラムからなので、やっぱり数百万必要になりますが。

出来高は一日80,000株あり、信託報酬もほかと比べてそれほど高くない(0.5%)なので、国内で探すなら第一候補。

金地金(きんじがね)の購入

延べ棒ですよ延べ棒。あれを地金と言います。

貴金属店で買うのが一般的です。様々な手数料がかかりますので、購入前に調べてみて良い所で買いましょう。金地金の表面にはブランド名などが印字されますが、ロンドンの国際的金市場に登録されている刻印が良いそうです。

一回数百万くらいのまとまったお金が必要になるので、お金持ち向けです。

純金積立

1,000円からはじめられる金の積立投資。SBI証券や楽天証券でも取り扱っているようなので、興味のある方は調べてみてください。

金産出企業への投資

金を産出する企業として、バリックゴールド(ABX)とニューモントマイニング(NEM)を挙げておきます。


次は原油の記事をどうぞ。

【ETF】コモディティ(原油)への投資【日本株、米国株】

当ブログでは他のオススメETFも紹介しています。気になる方は以下の記事からどうぞ。

【結論記事】ETF、インデックスファンド記事まとめ

以下のリンクから直接飛ぶことも可能です。

銘柄名
(リンク先は分析記事)
ティッカー
VTI(米国全株式市場)VTI
VYM/HDV/VIG(米国高配当セクター)VYM/HDV/VIG
VWO/EEM(新興国セクター)VWO/EEM
VDC/XLP(米国生活必需品セクター)VDC/XLP
VHT(米国ヘルスケアセクター)VHT
VBR/VBK(米国小型株)VBR/VBK
VEA/VGK(米国外株式市場:先進国・欧州)VEA/VGK
VT/VEU(全世界株式市場)VT/VEU
VSS/VXUS(米国外株式市場:小型株)VSS/VXUS
日経平均/TOPIX/JPX4001346/1348
S&P500/ダウ工業株30種VOO/DIA
パワーシェアーズQQQQQQ
PFF(米国優先株式)PFF
1570/1357(日経レバレッジ/ダブルインバース)1570/1357
GLD/IAU(金)GLD/IAU
1699/USO(原油)1699/USO
SLV/DBA/DBC/VDE(その他のコモディティ・エネルギー)SLV/DBA/DBC/VDE
REIT(不動産投資信託)-
インデックスファンドまとめ-
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