地頭力とか一時流行りましたよね。
当時私はまだ大学生で、ええ、ハマってたくさん勉強しましたよ。なんだかとても頭がよくなった気がしたんですよね。で、そのまま意識高い系に昇華し、調子に乗って分不相応にも外資コンサルを受けまくりました。英語出来ないので試験で門前払いくらいましたがね。あのころの万能感たるや。
そんな昔話はさておき、本棚を見たらフェルミ推定の本がいくつか出てきたので、これちょっと使えないかなーというアイデアです。
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「作者より頭のいいキャラは書けない」は真理
頭いいキャラって「知識がある」か「頭の回転が早い」かどちらかだと思うんですよね。
知識系の場合、異世界が舞台でその世界特有の知識に詳しいとかはいくらでも創作が出来ますけど、現代を舞台にすると知識のなさが露呈します。自分の中に落とし込めていないと、どんなに知ったかぶりしてもバレるものです。
頭の回転が早い系だと一を聞いて十を知るみたいな感じです。このタイプのキャラをいかにそれっぽく見せるか、というのが今回の考察のキモです。
解決策その1:残りのキャラクターの知能レベルを下げて相対的に高く見せる。
俺TUEEEE系。
なろうで人気の「異世界に現代知識を持ってきて内政」パターンは知識系の代表ですね。持ってくるものは技術だったり制度だったり個性が出ますが、他のキャラクターが無知であるため相対的に高く評価されます。
もちろんSideを利用し、主人公不在の場面でも持ち上げることをお忘れなく。
解決策その2:雰囲気知的な感じで誤魔化す。
メガネ掛けてもらったりとか委員長やってもらったりとかね。解説役をやらせてもいい感じですが、作者が用意した台詞を読ませるのに都合のいいキャラだと見抜かれそうです。
あとは思考の過程をすっ飛ばして結論だけ出したりとかですね。説明を途中で遮って答えを言う→「「えっ……どうして分かったの?」」これじゃ上と一緒ですね。
解決策その3:そもそも頭のいいキャラを出さない。
これは難しいかな……。物語として試行錯誤(伏線と回収)がない作品ってないと思うので、読者に「おおっ」と驚いてもらうには、キャラはいなくとも頭を使う展開は必要だと考えています。
フェルミ推定、ケース問題を使った頭いいキャラの書き方
というわけで、前置きが長くなりましたが本題です。
誤魔化さないでちゃんと頭いいキャラを作りたい場合はどうすればいいだろうかっていう問題にフェルミ推定が通用するのか、思いつきを検討してみます。
キーワード、フレーズ
キラーワードがあるんですよ。これ使えば大体オッケーだと思われます。
因数分解
中学校では公式丸暗記で終わる話でしたが、別に数字に限らずなんでも分解してみましょう。分けて小さくしたほうが推定の精度が上がる、というのがフェルミ推定の基本的な考え方です。また、分解はMECE(漏れなく、ダブりなく)を意識しましょう。
(例)
利益=売上ー費用=(客数×客単価)ー(変動費+固定費)
昼の1時間にラーメン屋が捌く客数=キャパシティ×稼働率×回転率×時間
ロジック
要するに「AならばB」をきちんと説明するだけです。無駄に論理立てて考えているように錯覚させて、実際説得力があります。やり方としては因数分解の一番小さい単位から上に向かって並べるだけです。
結論から先に言うとベター(解決策その2と合わせ技)。
もっと言うと、原因と結果を追及する姿勢がベター。
フレームワーク
経営世界における因数分解の公式です。現状を把握し、次に確実に繋がる一手を打ちます(戦略を考える手順をなぞっています)。なお、横文字の経営用語乱発は控えましょう。
数が多いので適当にまとめてみます。
- マトリクス(SWOT分析など):現在と未来の状況把握に活用。平面化するので慣れない思考法ですが、アイデア創出に一番活躍する印象です。
- 並列(3C、4P、5Fなど。因数分解もこれ):現在のポジショニングに活用。並列されたものそれぞれはMECEになっていて、全てどこかに属することになります。
- 時系列(バリューチェーン、AIDMAなど):一連の流れを把握するときに活用。マーケティングでユーザ行動分析にも使いますね。
使い方
現状把握(フレームワーク)→打ち手検討(ロジック)→効果試算(数字)→実行の手順を数字的に見える化する感じです。
この頭の中の思考プロセスを明確にすることで、頭いいキャラという印象を与えられるはず。
場面
出来れば登場シーンがいいですね。インパクトがありますし、どんなキャラなのか印象づけることが出来ます。
また、上の解決策その1との合わせ技で、周りのキャラには「やっぱこいつ頭いいな」みたいに持ち上げてもらいましょうね。
書いてて若干恥ずかしくなってくるような記事でしたね。今回はここまでです。