やっぱFAAMG強すぎ? ITセクターの群雄割拠は終わって次のフェーズへ

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ダウが史上最高値を更新して、FAAMGもやや息を吹き返してきました。アマゾンは再び1000を目指して突き進んでいます。

(出典:Yahoo!ファイナンス)

このところの記事が文章ばっかりだったので、バランス良く数字やグラフ多めの統計ネタも出して調査してみましょう。

当ブログ管理人は論理より感情で動く典型的な文系人間ですが、一歩引いて冷静になるためには客観的なデータが必要です。

ということで、今回はIT大手FAAMGのビジネスが利益フェーズに移っているよって話です。今の株価で買い推奨はとても出来ないのですが、彼らの動向は様々なセクターに影響を与えますので、常にアンテナを張っておくべきでしょう。

FAAMGの銘柄分析リンクは一番最後に貼っておきます。

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ITは社会インフラとして完全に根付いた

ITセクターへの投資について

ITへの投資というのは潮目が変わってきたように思います。

かつては「よく分からないから投資しない」としてIT関連を遠ざけていたバフェットが、アップルの株を大量購入しました(代わりにIBMを売却しましたが^^;)。

投資におけるITセクターというのは新規技術の塊で、常に期待値が先行してPERが高かったのです。しかし、ITバブル期の数百倍というPERに比べて、今のグーグルのPERは43倍。まあ高いは高いですが、かつてほど異常な水準ではありません。

利益がついてきているのです。

(出典:See IT Market)

これまでの期待値で上がったフェーズは終わり、収入を得る時期に差し掛かっています。フリーキャッシュフロー上位3社もアップル、マイクロソフト、グーグルですからね。

事業ライフサイクルとハイプ・サイクルから、投資戦略について考える

そういえばハイプ・サイクルは17年度のものが更新されました。

(出典:Gartner)

ITビジネスは全般的に設備投資が低コストで参入障壁が低く、複製コストも低いため後追いが容易です。

ITビジネスでワイドモートを形成するためには、以下のパターンが有力です。

  • 圧倒的なシェアを奪い、ネットワーク効果を得る:グーグルやアマゾン、フェイスブックやマイクロソフトも
  • 知財を固めて独自技術でニッチ産業を泳ぐ:無名のベンチャーだが5強(FAAMG)に買収される
  • 唯一無二のブランド価値に訴える:アップル(ハードウェアだから出来ることでもある)

こうしたことから、ITビジネスは勝者総取りの色が強いビジネスだと思います。

市場拡大フェーズが終わりつつあることは、これから少数の巨大企業が市場を独占することになることを示唆しています。

ITは最早実生活と切り離せない存在

「これからインターネットが世界を変える!」なんてのは15年も昔に流行った論調で、今更言う人はいませんよね。

スマホによってインターネット接続人口は先進国でほぼ100%に迫り、5歳の子供から90歳のお年寄りまで日常的に使いこなしています。

(出典:MMD研究所)

ぱっと出てきたのが日本のデータですが、世界どこでも同じですね。私達の生活に欠かせないものになっています。

テレビが登場した当時は、きっとインターネット同様に、「世界をガラリと変える製品」だと喧伝されたはずです。インターネットはその地位を受け継いだという形でしょうか。

10代、20代ではテレビとインターネットの利用時間が逆転しています。1日に約90分というのが平均値です。

(出典:総務省)

全くもってどうでもいい話ですが、和波のテレビ視聴時間はおそらく年間でも30時間以下です(サッカー中継のみ)。

アプリ競争

米国人がスマホに入れているアプリの統計データがありました。堂々の1位はフェイスブック。

(出典:Statista)

それにしてもグーグルとフェイスブック強すぎですね。

グーグルはYoutube、検索、マップ、Gmailといったスマホの必須機能をほぼ全て囲っていて、フェイスブックはFacebookにメッセンジャー、InstagramとSNS上位を独占しています。

Google Play Storeにあるアプリの数は年々増えています。上のランキングは、この中の頂点という意味です。

(出典:Statista)

ジャンル分けすると最多はゲームカテゴリです。

スマホゲームに一発当てれば億万長者ですが、まあでもアングリーバードの人も40作品くらい作っても売れなくてやっと当たったみたいな話を聞いたので、やっぱり数打って試行錯誤が必要なんでしょうね。

(出典:Statista)

ついでに、月単位のダウンロードランキング上位1~5位は全部フェイスブック傘下。

(出典:Statista)

今後の展開

先進国のスマホ市場は飽和気味なので、全員が稼げるような市場拡大の時代は終わりを迎えます。

こちらは将来予測込の米国スマホユーザー推移です。そろそろ成長が鈍化しています。

米国の人口は3億人なので、2022年には9割にリーチすることになります。全世界では20億人を超えるという予測もあります。

(出典:Statista)

ここからは利益獲得に向けて、ユーザ増加ではなく一人あたりユーザの利益(ARPU)上昇を狙って行く必要があります。

北米市場は金払いが非常に良いようですが、日本はソシャゲ課金なら世界一だったはず。

(出典:Statista)

マネタイズについて、スマホの王者であるグーグルとフェイスブックは広告収入モデルに頼り切っています。ともに売上全体の9割近くが広告収入。

ここから先の出口の1つはビッグデータでしょう。日常的に身に着けているものから得られるデータは最も価値が高いです。

3分で分かる、ビッグデータ 市場規模、発展の要素、利活用

一方で、IoTの普及には課題があります。

スマホの普及は消費者にとってメリットが大きいことでしたが、実は国も企業も願ったり叶ったりでした。通信網というインフラコストを消費者に押し付けることが出来たからです。

ただ、5Gネットワークはそうはいきません。5GはIoTや4K8K立体映像のような、より莫大な通信を実現するためのネットワーク設備です。確かに消費者の利便性は上がりますが、その代わり通信費を2倍にさせてと言われたら頷けないですよね?

ベライゾンをはじめ新規格の発表が続々されてきていますが、5Gの基地局コストを誰が負担するのかという点が見えません。

3分で分かる、5Gネットワーク(前編)

この辺の解説記事もまた更新しないとですねえ。ビットコインとか別物になってるし……。

ITはオールドエコノミーを破壊するのか

経済の主役が移り変わり、ITがオールドエコノミーの利益を奪って成長するという見方もあります。

オールドエコノミーへの投資が、高利回りを通じてトータルリターンで高い投資収益率を叩き出すという法則が過去長らく優位を保ってきました。

ところが、例えばアマゾンの登場はウォルマートやターゲット等の小売業を追い込み、最近はホールフーズ買収によってリアル店舗に逆流してきています(ホールフーズはプライムサービスの値引きによって、25%近く売り上げが増加しました)。

アマゾン(Amazon)がホールフーズ(Whole Foods Market)買収!! 米国小売株の今後について詳細考察

オールドエコノミーを持っていると中々怖いところですね。投資家としてはどう対処すればよいでしょうか。

ITセクターも怖くない

これまでのやり方が通用しないかもと思うならITセクターへの投資を検討するのも手です。アマゾンへの投資はアマゾンに侵食される可能性のある株にとってリスクヘッジになります。

まあこの辺はITセクターへの投資をどう考えるかですが、そんなに怖がらなくても良いとは思うんですね。

確かにITセクターは変化の激しい業界ですが、そのために最新技術への投資(M&A)が欠かせず、投資が大きな技術障壁を作っています。加えてネットワーク効果が働く産業で、しかも社会インフラとしての側面もあるため、ワイドモートは非常に深いんですよ。

そして、ベンチャーが乱立して市場拡大を狙う群雄割拠の時代は終わっていて、そろそろ利益確保が出来た少数精鋭が生き残るフェーズになっています。

なので、FAAMGくらいの規模であればそう簡単にはひっくり返らないと思いますよ。当面、こいつらをひっくり返せるのは同じFAAMGか、中国3強くらいじゃないかと。

オールドエコノミーのインカムゲイン

マイクロソフトのように連続増配を進めてきているところもありますが、ITセクターは利益の大半をM&Aや事業再投資に使い込みます。

ということはキャピタルゲインオンリーで、購入価格に収益率が左右されます。AMZNが再び1000を超えた今のポイントは「そこそこの株価」ではなく、ここで買う必要は一切ないということです。

一方でオールドエコノミーは変化が乏しく、代わりに投資家へ配当還元をしてくれます。上手くITと共生出来るかはまだ不透明なので、安定したインカムゲインがあるうちはとりあえずキープしておこうかなと思っています。

あるいはS&P500連動のVOOあたりでも買っておけば、全部ひっくるめて投資が可能です。

時間ないけど株式投資をはじめたい初心者の方を、全力で後押しする記事です。

ということで、最近は面白い統計情報が載っている(無料の)サイトを色々と見て回ってます。

もし面白いサイトがあったら、日本語英語問わず教えてもらえると嬉しいです(*´∀`*)

最後に、FAAMGの銘柄分析記事リンクを貼っておきます。

【米国株】フェイスブック(Facebook:FB)の銘柄分析
【米国株】アップル(Apple:AAPL)の銘柄分析
【米国株】アマゾン(Amazon:AMZN)の銘柄分析
【米国株】マイクロソフト(Microsoft:MSFT)の銘柄分析
【米国株】グーグル、アルファベットの銘柄分析(GOOGL、Google、Alphabet)
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